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INTERVIEW

2018.09.26

SACRA MUSICとElements Gardenがプロデュースする新人男性声優アーティストオーディション開催 上松範康と佐藤ひろ美が求める人物とプロデュース論を語る

SACRA MUSICとElements Gardenがプロデュースする新人男性声優アーティストオーディション開催 上松範康と佐藤ひろ美が求める人物とプロデュース論を語る

「うたの☆プリンスさまっ♪」や「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズをはじめ、数々の人気アニメ主題歌を手がけるサウンドクリエイターチームのElements Gardenと、ソニー・ミュージックレーベルズのSACRA MUSIC、そしてAGEHA promotionがタッグを組んだ新人男性声優アーティストのオーディション「MEN’S VOICE ACTOR TRY OUT!!! vol.01」が2018年9月3日から10月15日までの日程で開催中だ。これまで人気アーティストや作品を生み出し、今回審査を務める上松範康と佐藤ひろ美に求める人物像や育成の方法を聞いた。

――今回の「MEN’S VOICE ACTOR TRY OUT!!! vol.01」は、Elements Gardenと、AGEHA promotion、SACRA MUSICが合同で新人男性声優アーティストのオーディションを行なうという企画です。これまで女性には新人声優アーティストの発掘企画が数多くありましたが、男性では珍しい取り組みですね。

上松範康 ええ。これは『うたの☆プリンスさまっ♪』のときと発想は一緒です。当時は男性アイドルのアニメは今ほど溢れていませんでしたからね。今回のオーディションではまっさらな状態からスターを育てていける企画です。キャリアのある方のアーティスト活動ももちろん素晴らしいと思いますが、若い才能だからこそ応援したいという方も世の中には大勢います。声優が好きな方から、さらに広い意味でアニメ業界のキャパを拡大するための企画としての新人男性声優アーティストオーディションです。

佐藤ひろ美 すでに活躍されている方へのリスペクトをしつつも、新しいことを提案して、新しい層を広げることが業界全体の裾野が広がることに繋がるので、そこにチャレンジしていくことが私たちの使命なのかなと思います。

――新人にはどのような可能性を求めていらっしゃいますか?

上松 今の時代、声優には役者としての能力に“プラスアルファ”が求められていると思っています。現在のシーンでいうと、女性声優であれば、『BanG Dream!』のように楽器ができる人、男性声優であれば『ヒプノシスマイク』のようにラップができる人というように、演技に加えて何か特技がある声優が活躍されていますよね? 今回のオーディションでは、そんなプラスアルファの能力を持つ方を探し当てられたらと思っています。

佐藤 長年この業界を見ていると、かつては声優は声優、アーティストはアーティストと、それぞれに役割が分かれていましたが、今の時代はたくさんのことが求められているなと思います。つまり、カテゴリに囚われずにひとりのエンターテイナーである必要があると。その内容も、付け焼き刃ではなくきちんと内容の濃いものでなくてはいけないので、本当に大変な時代になってきましたね。AGEHA promotionは「音楽に特化した声優・アーティスト」のブランドと銘打っておりますが、このオーディションでは音楽に限らずダンスや楽器など、いろんな武器を持った方に応募していただきたいと思っております。

――ここで改めてAGEHA promotionについてのご紹介を応募者の方と読者の方にご説明していただけますか?

上松 AGEHA promotionというのは、佐藤が代表を務め、僕も所属する事務所・株式会社Sのブランドです。Sにはいろんなタレントさんが所属して個々での才能に合うパートナーやレコード会社さんと広く活躍されていますが、このブランドでは僕が音楽を作ったり Elements Garden がプロデュースするということが前提にあります。その意味では狭める形になりますが、結果的にブランド化するということが株式会社Sの力になっていくと考えております。

――今回の合格者はおふたりのプロデュースのもと、育成されていくわけですね。

上松 そうですね。ただ、オーディションというのは才能ある新人を呼び込む流れに過ぎないと考えています。僕たちがプロデュースしたいと思える方はぜひ所属していただきたいですが、それ以外の方でもSACRA MUSICさんに合うような方がいらっしゃった場合はご紹介しようと思っています。逆に言えば、僕らの基準に達する人が出てこなければ、何回でもオーディションを行なおうと思っています。何か決まりきったことのためのゴリ押しみたいなことは一切しないというルールを決めております。これまでもAGEHA promotionでオーディションはしたことがあったのですが、該当者ゼロということもありました。佐藤は見る目が厳しいんですよ(笑)。

佐藤 意識していないんですけど、厳しいらしいです(笑)。

――これまで、佐藤さんのお眼鏡に適った方はどんな特徴をお持ちでしたか?

佐藤 やっぱり「個性がある」というところに尽きますね。一緒に何かを作りたいという才能と出会いたいなと思いますね。厳しい言い方をすると、すでにシーンにいる人がその能力を持っているのであれば、わざわざ新人を募集して育成する必要はないわけです。これまで見たことがない才能と出会いたいと思いますし、そういう人でないと、その人を発信源としたコンテンツというものは創り上げられないと思います。

――過去にすごい個性と出会ったとき、どんな感想を抱きましたか?

佐藤 いやもう、雷に打たれるような感じですね。ババッと衝撃が走って、「これはスゴイものに出会ってしまった。何とかせねばいかん」と、細胞が騒ぎ出して、夜も眠れなくなりますね。

上松 勝手に反応しちゃって勝手に体が仕事に向かってしまうみたいな感じ?

佐藤 そう。とにかく、いてもたってもいられなくなりますね。その人の素晴らしい所と、直したら良い所が見えてきて、徹底的に磨きたくなる。

――上松さんの場合はいかがですか?

上松 「ほかに誰がプロデュースするんだ?」って気になるんです。そして僕にとってそういう人は、「この人に曲を書きたい」って思わせてくれるんです。

――先ほど、佐藤さんのプロデュースの考え方についてのお話で「素晴らしい所と、直したら良い所を徹底的に磨きたくなる」とありましたが、その考え方は役者でもシンガーでも同じですか?

佐藤 もちろん同じです。その人が持っている才能って、ほかの人にはないものなわけですから、もしかしたら自分ではコンプレックスに感じたり、嫌だと思っていたりするかもしれない。でも、この芸能の世界ではそれが武器や商品になるので、私たちはその良いところをいち早く見つけて磨いていって、自信をつけるサポートをするように心がけています。個性があるということはとても素晴らしいことだし、それでいじめられたりしていてもそれを守ってほしい。私たちはそういう人を求めています。

上松 何か光るものだからこそ、目立ってしまう。それは僕らも経験がありましたが、今はそれが個性となってこの世界で生きていますから。

――上松さんはどういうプロデュース論をお持ちですか?

上松 基本は佐藤と変わりませんが、AGEHA promotionとして考えると、Elements Garden が音楽プロデュースをするという形で「狭める」ことで目的がハッキリすると思います。デビューして、どんなふうに展開して、ライブをやっていくかというところを明確にプロデュースしていきたいなと思っています。

――Elements Garden はハイレベルなものを求める印象があります。

佐藤 本当にそうだよね(笑)。私もこれまで上松の曲を何曲も歌ってきたんですけど、「なんでこんなに難しいの?」って怒りながらレコーディングしているんですよ(笑)。

上松 なぜかそう定着してきているので、今度は逆にみんなが歌いやすい曲を作ろうかな(笑)。ただ、難しくしているのにも持論があって、アーティストの限界値を100だとすると、120で作ってそれを歌っていくうちに上達して、5年もすると進化していく。

佐藤 要は筋トレなんですよね。

上松 曲を提供したアーティストさんからも「シゴキだ~」って言われますからね(笑)。ただ、その人には超えられると思って作っているわけですから。それにライブで速いテンポを時代が求めていたからこその作り方であって、これからの時代、それが変わると僕らも変化していくかもしれない。それこそがいちばん大事だと思っています。Elements Gardenも若い世代になっているし、時代に合わせての流れを見つけていきたいなと思っています。

――クリエイターの方はシーンや流行を数年先取りして作られているかと思います。おふたりは今この時点でどんなビジョンをご覧になっていますか?

上松 現在も、数年先を見据えたコンテンツを作りはじめています。それに限らず、もう次世代のアンテナは立っているので、たぶん僕たちがハッとするような才能はそういう数年後に形になる新しい表現をする次世代の人になります。

佐藤 今回は上松さんの次のコンテンツがあるので、そういうものに合う人を求めると思いますが、それ以外でもやっていけるような力のある方を探していくという形ですね。それはSACRA MUSICさんも同じ目線で、何か新しいことができる方という考えで探しています。

――今回の募集は何歳から何歳までですか?

佐藤 11歳~25歳までです。育てていく期間を考えたうえでの募集年齢です。すぐデビューさせるのではなく、ある程度の実力をつけてから世に出してあげたいという考えです。

上松 義務教育の範囲の方であれば、保護者の方のご了承をいただきつつ将来を相談しながら育てていければと思います。佐藤はほかのオーディションでも、必ず直接保護者の方に会いに行ってお話を説明差し上げるんですよ。

――応募段階では歌唱音源が求められていますが、その先の審査はどんな内容になりますか?

佐藤 具体的には今考えております。もちろん声優アーティストなので、セリフ読みは確実に審査内容に入ってくると思います。

――才能は一点突破を求めるのか、マルチな才能を持っている方を求めるのか、方向性はありますか?

佐藤 一点突破に自信がある人はそれで良いと思います。マルチな才能が自分の個性だと思う人は、その方向を示してくれれば良いと思います。これは人それぞれだと思います。本当に自分の優れているところを恐れずに送ってほしいし、我々もそれを見たいなと思っています。

上松 オーディションって一期一会なんですよね。僕らはその道筋を作っているだけで、あるひとりの才能に出会えたらそのオーディションはその人のモノになります。本当にその人の才能が全てを作るので僕らはそれを受け止めるだけ。可能性はみんなにあるんだよ、というところを見せていければ、このオーディションは成功だと僕たちは考えています。

Interview & Text By 日詰明嘉


●オーディション情報
MEN’S VOICE ACTOR TRY OUT!!! Vol.1

公式HPはこちら
※HP内【応募する】ボタンより必要事項を入力しご応募ください。
※詳しくは下記[応募方法]をご覧ください。

[募集期間]
2018年9月3日(月)12:00~2018年10月15日(月)16:00まで

[応募資格]
・11歳以上25歳以下の男性(応募締切日時点での年齢)
・2次審査以降の審査スケジュールに参加できる方
・他の芸能プロダクションや音楽レーベルと専属契約のない方、また契約について相談中ではない方

[優秀者特典]
協力各社からデビューへのサポート!もしくはデビューのチャンス!
※対象者なしの場合もございます

[審査スケジュール]
1次審査:書類・音源審査 ※歌唱音源、全身およびバストアップ写真計2枚の添付必須
2018年10月15日(月)16時00分までエントリー可能

■2次審査:実技地方審査
2018年11月18日(日) 東京
2018年11月23日(金・祝) 大阪
2018年11月25日(日) 福岡

■最終審査:実技審査
2019年1月12日(土) 都内某所にて実施予定
※日程は2次審査、最終審査ともに変更になる可能性がございます。

[応募方法]
・公式HP内【応募する】ボタンより必要事項を入力しご応募ください
・全身およびバストアップ(はっきりとお顔のわかるもの)の計2枚を添付必須
・ご自身の歌唱した音源(1曲ワンコーラス)を添付必須
・音源のカラオケ、アカペラは不問

[お問い合わせ先]
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント SDグループ
(ソニーミュージックグループ オーディション担当)
MAIL:sd-03@sonymusic.co.jp

<Elements Garden代表:上松範康氏 プロフィール>

音楽ブランドElements Gardenの代表、作詞・作曲編曲家、音楽プロデューサー。
「BanG Dream!(バンドリ)」など、ゲーム・アニメ作品の作詞・作曲などを手掛ける他、水樹奈々をはじめとする多数のアーティストへの楽曲提供を行なっている。また「うたの☆プリンスさまっ♪」や「戦姫絶唱シンフォギア」では企画・原作や音楽プロデューサーを務めるなど、幅広く活動。

<AGEHA promotion 代表取締役社長:佐藤ひろ美氏 プロフィール>

2000年、ソロシンガーとしてメジャーデビュー。主にPCゲームやアニメ主題歌を歌うアニソンシンガーとして業界を牽引。2007年に自らが代表を務める「株式会社S」を設立し、Faylanや蒼井翔太をはじめとするトップアーティストを世に排出してきた。2016年、社長業に専念するため、多くのファン・業界人に惜しまれながらアーティスト活動を引退。現在は社長業をはじめ、東日本大震災にて被災した自身の出身地である岩手県上閉伊郡大槌町の復興支援活動にも尽力している。

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