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REPORT

2018.09.05

大トリは4年振りの出演となるJAM Project!「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」最終日詳細レポート!

後半戦はサプライズの連続でスタート。ナレーションがどこか聞き覚えのある愛らしい声で「今日の〈トクベツいちばん!!〉の声援をよろしくおねがいしま~す!」と伝えると、ステージには麻倉ももが登場。『プリプリちぃちゃん!!』のOPテーマ「トクベツいちばん!!」でポップに盛り上げる。2番からはトロッコに乗ってアリーナを周遊するなどサービスもバッチリだ。

続けてステージ上段に姿を現したのは雨宮 天。従者が裾を持たなければならないほどのロングドレスを身にまとった彼女は、『七つの大罪 戒めの復活』のEDテーマ「誓い」でしっとりと、なおかつ慈愛に満ちた歌声を届ける。ティアラを付けたその姿は、まるでプリンセスのよう。

このふたりがソロで歌ったということは、もちろん夏川椎菜もセンターステージに登場。キッズダンサーと一緒に「フワリ、コロリ、カラン、コロン」を振り付きでかわいらしく歌い上げて、TrySailのメンバー3人それぞれによるソロステージといううれしいサプライズを成功させた。

彼女たちに続いては、いまやアニサマの常連となったi☆Risが登場。まずは勇ましい「Changing point」でシリアスな一面を見せつける。続くMCで自分たちにとってとても大切な楽曲と前置きし、この日のための特別ステージ「キュウキョクのプリパラメドレー」に突入。1曲目の「Make it!」では、彼女たちが演じた『プリパラ』のキャラクターたちのCGライブ映像と共にパフォーマンスし、そこから「ミラクル☆パラダイス」「Realize!」「ドリームパレード」「Goin’on」と矢継ぎ早に披露していく。「Ready Smile!!」で花道を前進し、「Shining Star」へと繋げた彼女たちのバックには、SoLaMi SMILEの結成シーンなどアニメの名場面が流される。ラストは『プリパラ』シリーズの締め括りとなった『アイドルタイムプリパラ』第4クールのOPテーマ「Memorial」をフルで歌唱。落ちサビを担当した茜屋日海夏のソロパートを含め、6人の『プリパラ』への想いが詰まったアルティメットなステージとなった。

そして登場するなり盛大な歓声に迎えられたのが小倉 唯。1曲目「Baby Sweet Berry Love」のイントロが流れた瞬間からオーディエンスの熱気はグングンと上昇していく。セパレートタイプのカラフルな衣装に身を包んだ小倉は、センターステージへとダッシュして、よりお客さんの近くから声を届けていく。続けて「一緒にタオルを持ちながら楽しんでください!」と声がけして、現在放送中のTVアニメ『音楽少女』のOPテーマ「永遠少年」を披露。アニサマバンドの軽快な演奏に小倉の歌声も弾むようにポップに響き、サビではお客さんが一斉にタオルを回して会場が一体に。最後はウインクでバッチリとキメてみせるところも彼女らしい。

そんなかわいさいっぱいのライブに続いては、蒼井翔太が左肩にヤギのドクロのようなオブジェを付けた妖しげな衣装で登場。どこか和の雰囲気も湛えたヘビー極まりないナンバー「零」でゴシックなステージの幕を開ける。歌声にも身のこなしにも妖艶な雰囲気があり、まさに彼ならではの世界観と言えるだろう。今年でアニサマに4回連続出場となる彼は、MCでアニサマと初めて出会った2006年のことを振り返る。Minamiが今年のアニサマ2日目で歌った「Precious Memories」が、過去のアニサマでも歌われていたことに言及しつつ、同公演を観たことがアニメの世界に踏み出すきっかけのひとつになったことを明かす。その「恩を返す(=OK)」ことを宣言した彼は、最後に『デビルズライン』のOPテーマ「Eclipse」を披露。激情的なまでのラウドロックに乗せて驚異的なハイトーンボイスを聴かせ、その覚悟と気迫を示してみせた。

続いてはZAQがセンターステージに現れ、『ようこそ実力至上主義の教室へ』のOPテーマ「カーストルーム」からライブをスタートさせる。アニメのOP映像をバックに、滑らかなメロディと疾走感溢れるサウンドで一気に駆け抜けていくと、MCでは今年のアニサマのテーマ「OK!」についてみんながポジティブになれる言葉と絶賛する。『映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-』の主題歌「JOURNEY」ではステージ上にカップルや通行人のような格好をしたダンサーたちが登場し、サビではまるでミュージカル映画のワンシーンのようにみんなでステップを踏む。間奏ではZAQもダンサーに手を取られてクルッと踊り、最後はピースサインでにこやかに締め括った。

ここでオーイシマサヨシとTom-H@ckが突然ステージに現れて、アニソン界のオシャベリクソメガネを自称するオーイシらしく漫才ばりのノリで会場を沸かせつつ、ZAQとのコラボを提案。ZAQがキーボード、オーイシとTom-H@ckがギターという編成で、UNISON SQUARE GARDENの人気曲「シュガーソングとビターステップ」をセッション気分でカバーする。1番はオーイシがメイン、2番はZAQがメインで歌い、Tom-H@ckも熱いギターソロで魅せる。アニサマならではの豪華コラボに観客も大いに喜んでいた。

その後、ZAQがステージを降りて、オーイシとTom-H@ckによるOxTのライブへ。まずは「ヴォイ!」という掛け声が76回も入るという「GO CRY GO」(『オーバーロードII』OPテーマ)を歌い、掛け声のたびに右手を突き上げて煽るオーイシと、野太い声で「ヴォイ!」と大合唱する客席とのガチンコ勝負になる。さらに『オーバーロードIII』のEDテーマ「Silent Solitude」を畳み掛け、どこか無慈悲とも言えるブルータルな世界観で観るものを圧倒する。間奏ではふたりで歩を合わせて階段を上がり、荘厳とも言えるスケール感のパフォーマンスで魅了した。

そんな雰囲気から一変、続いて登場したのはアイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズの面々。今回は総勢15名からなるメンバーでの登場だ。まずは全員で2列に並んでアプリゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』のテーマソング「Brand New Theater!」を披露。各々の演じるキャラクター名と自身の紹介を挿みつつ、メドレーへ。今回は15人がゲーム内のキャラのタイプ「Princess」「Angel」「Fairy」の各属性に分かれて、タイプごとのテーマソングを歌うという趣向だ。

まずは、山崎はるか(春日未来役)、諏訪彩花(徳川まつり役)、伊藤美来(七尾百合子役)、木戸衣吹(矢吹可奈役)、郁原ゆう(エミリー スチュアート役)のプリンセススターズが、ディスコ感全開の「Princess Be Ambitious!!」で会場をファンキーかつ華やかに沸かすと、続いてはMachico(伊吹 翼役)、香里有佐(桜守歌織役)、平山笑美(北上麗花役)、夏川椎菜(望月杏奈役)、麻倉もも(箱崎星梨花役)からなるエンジェルスターズが「Angelic Parade♪」で流麗かつきらびやかなハーモニーを届ける。そして田所あずさ(最上静香役)、南 早紀(白石 紬役)、藤井ゆきよ(所 恵美役)、愛美(ジュリア役)、雨宮 天(北沢志保役)によるフェアリースターズはセンターステージにリフトアップで登場してエモーショナルな「FairyTaleじゃいられない」を披露。ダントツの歌唱力でオーディエンスを圧倒した。

これらのタイプ別テーマソングをCDと同じメンバー編成で生披露したのは今回が初とのこと。ラストは『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』の1周年に合わせて発表された全員曲「UNION!!」をみんなで盛大に歌い上げ、三層に分かれたコーラスなどの工夫をこらしたパフォーマンスで団結力の強さとアイドルらしい魅力をアピールした。

そして会場にはTVアニメ版『探偵オペラ ミルキィホームズ』の冒頭と同じイントロのBGMが流れ、ミルキィホームズがセンターステージに登場。まずはアニメ第1期のOPテーマ「正解はひとつ!じゃない!!」をパフォーマンスする。いつもどおりのにこやかな表情で、いつもどおりに楽しい歌声を届ける4人。スクリーンには彼女たちがアニサマに出演した際の映像が段々と過去にさかのぼる形で上映され、2011年に同曲を披露したときの映像と現在の彼女たちの姿がシンクロしていく。

そしてピアノのしっとりとした調べに合わせて、ミルキィホームズとしては最後のアニサマ出演となる4人がひとりずつ感謝の気持ちをメッセージとして伝える。アニサマが背中を押してくれたからここまで走ってこれたこと、2010年の初出演時は緊張で楽しむ余裕もなかったこと、自分にとって生涯の財産となるような景色を見られたこと――そして彼女たちは、初めてアニサマのステージに立ったときに歌った始まりの曲「雨上がりのミライ」を歌う。彼女たちがキャラソン名義で発表した最初の曲であり、今回のアニサマのテーマソング「Stand by…MUSIC!!!」を手がけた神前暁(MONACA)の提供した楽曲でもある。

客席には彼女たちのイメージカラーに合わせた色とりどりのペンライトが灯り、その美しい光景に囲まれながら、彼女たちは最後のアニサマのステージを笑顔でこなしていく。スクリーンには再び過去のライブ映像が次々と流され、それはやがて2010年の彼女たちに行き着くが、そこに感傷のようなものが入り込む余地はない。ミルキィホームズのステージに涙は似合わないのだから。そして「雨上がりのミライ」のアウトロの余韻が残るなか、そのまま同曲のカップリングに収められた暖かなバラード「聞こえなくてもありがとう」へと移行。“また会う日まで 胸いっぱい幸せをみつけましょ”と未来への希望を胸に、感謝の気持ちを歌で届けた彼女たちは、「アニサマ、最高の夏をありがとー!」と深くお辞儀して、最後のアニサマのステージを終えた。

有終の美を飾ったミルキィに続いては、ついに3日目のラストアクト、今年の大トリとなるJAM Projectがさいたまスーパーアリーナに降臨する。暗闇から浮かび上がった5人はキラキラの衣装に身を包み、発破音と巻き上がる炎を合図に「Shining Storm ~烈火の如く~」でライブを開始する。まさに烈火のごとく真っ赤な照明と赤いレーザーが飛び交うなか、この日出演したどのアーティストよりもエネルギッシュな歌声でオーディエンスを煽りまくる彼ら。この日出演した誰よりもベテランであるにも関わらず、だ。

初っ端から己のモンスターぶりを誇示してみせた彼らは、続いてTVアニメ『ワンパンマン』のOPテーマ「THE HERO !! ~怒れる拳に火をつけろ~」を披露。スクリーンに燃え上がるコブシの映像が映された瞬間から、会場は火が付いたように盛り上がる。5人がステージの思い思いの場所で高らかと歌い上げ、落ちサビではステージ中央に集結して一点突破とばかりに声をぶつける。もはやライブを楽しむというよりも、全身全霊でパフォーマンスに打ち込む5人のヒーローとしての生き様に魅せられているような感覚だ。

MCでもキラキラの衣装に触れて「平成最後の光GENJIです」(影山ヒロノブ)なんて冗談を交えながら、アニサマの立ち上げメンバーとして、アニサマをアニメ業界における大きな存在へと成長させてくれた観客に感謝のメッセージを伝える彼ら。続く「VICTORY」ではメンバー全員がピースサインを掲げてからセンターへ一気にダッシュし、そこから大合唱の起こった「GONG」、スモーク噴射の演出も込みで加速度的な盛り上がりを見せた「鋼のWarriors」とメドレー形式で重厚なナンバーを連発していく。最後はライブ終盤の定番となっている怒涛の重音ロック「SKILL」の「MOTTO!MOTTO!」コールで天井知らずの盛り上がりを作って、4年ぶりのアニサマでも変わることのない存在感を発揮した。

最後はこの日の出演アーティストが1組ずつ登場して挨拶を行い(蒼井翔太はここで『ポプテピピック』出演時の名セリフ「おーい!どうしたんだ~い?」をサービスで披露)、全員揃ったところで今年のテーマソング「Stand by…MUSIC!!」をみんなで歌唱。鈴木みのりと東山奈央のワルキューレ組が一緒に歌ったり、上坂すみれが小倉 唯にちょっかいをかけたりと、いろんな意味で最後まで見逃せないところは例年通りだ。

そしてラストは全員で花道をランウェイ。客席からは、素晴らしいステージを見せてくれたアーティストたちへの感謝と称賛の拍手が止まなかったのだが、やはりミルキィホームズに対してはひときわ大きな歓声が巻き起こる。アーティストがステージから退出する際には、いちばん最後まで残ったミルキィの4人はカメラに向かって揃って挨拶。音声は拾われていなかったので、彼女たちが何と言ったのかは正直わからなかったのだが、「聞こえなくてもありがとう」の気持ちは間違いなく伝わってきたように思う。

Text By 北野 創

「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」3rd Day
2018.08.26@さいたまスーパーアリーナ
【SET LIST】
M1.ANISAM A GO GO / ミルキィホームズ×i☆Ris×上坂すみれ×東山奈央
M2.うまるん体操 / 妹S
M3.かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ! / 妹S
M4.ホトハシル / ORESAMA
M5.流星ダンスフロア / ORESAMA
M6.Snow halation / THE MONSTERS
M7.Hell Yeah!! / ヘルシェイク矢野
M8.POP TEAM EPIC / 上坂すみれ
M9.鏡面の波 / YURiKA
M10.Shiny Ray~MIND CONDUCTOR / YURiKA
M11.オトモダチフィルム / オーイシマサヨシ
M12.Jewelry / 早見沙織
M13.新しい朝 / 早見沙織
M14.True Destiny / 東山奈央
M15.灯火のまにまに / 東山奈央
M16.FEELING AROUND / 鈴木みのり
M17.リワインド / 鈴木みのり
M18.Catch You Catch Me / 早見沙織×鈴木みのり
M19.アルカテイル / 鈴木このみ
M20.歌えばそこに君がいるから / 鈴木このみ
M21.私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い / 鈴木このみ
M22.トクベツいちばん!! / 麻倉もも
M23.誓い / 雨宮 天
M24.フワリ、コロリ、カラン、コロン / 夏川椎菜
M25.Changing point / i☆Ris
M26.キュウキョクのプリパラメドレー Make it!~ミラクル☆パラダイス~Realize!~ドリームパレード~ブライトファンタジー~Goin’on~Ready Smile!!~Shining Star~Memorial / i☆Ris
M27.Baby Sweet Berry Love / 小倉 唯
M28.永遠少年 / 小倉 唯
M29.零 / 蒼井翔太
M30.Eclipse / 蒼井翔太
M31.カーストルーム / ZAQ
M32.JOURNEY / ZAQ
M33.シュガーソングとビターステップ / ZAQとOxT
M34.GO CRY GO / OxT
M35.Silent Solitude / OxT
M36.Brand New Theater! / アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M37.Princess Be Ambitious!!~Angelic Parade♪~FairyTaleじゃいられない / アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M38.UNION!! /アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ
M39.正解はひとつ!じゃない!! / ミルキィホームズ
M40.雨上がりのミライ~聞こえなくてもありがとう / ミルキィホームズ
M41.Shining Storm ~烈火の如く~ / JAM Project
M42.THE HERO !! ~怒れる拳に火をつけろ~ / JAM Project
M43.VICTORY~GONG~鋼のWarriors / JAM Project
M44.SKILL / JAM Project
M45.Stand by…MUSIC!!! / アニサマ2018出演アーティスト 3rd Day

(c)Animelo Summer Live 2018/MAGES.

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