INTERVIEW
2018.09.03
竹達彩奈が2018年2月に豊洲PITにて開催したのが、BEST LIVE『apple feuille』。前年11月にリリースした同題のベストアルバムを引っさげての記念すべき公演が、このたび待望の映像化を果たす。今回は竹達にこのライブの振り返りはもちろん、ライブにあたって思い出したデビューからの思い出など、これまでの様々な活動についても喋り尽くしてもらった。
──まず、BEST LIVE全体を振り返っての想いからお伺いしたいのですが。
竹達彩奈 とにかく大変だった、っていう思い出が強いです。というのも今回はベストアルバムに収録されている曲が中心になったぶん、元気だったりアップテンポだったりと華やかな曲が多いんですよ。だからバンドさんもですけど、歌うほうも結構カロリーの消費が激しい曲が多かったんです。
──ライブの必殺曲が、いたるところに散りばめられているというか。
竹達 そうなんですよね。ベストアルバムって、シングルのA面とかアルバムのリード曲が入ってくるじゃないですか?なので、主役がいっぱい集まっちゃったっていうか……プリキュアの映画みたいな(笑)。
──オールスター的なやつ。
竹達 そんな気持ちですよね。「全部濃いよ!どうしよう!?」みたいな気持ちで(笑)。でもどの曲もすごく元気でかわいい曲だし、皆さんが好きだと言って投票してくださった曲ばかりなので、大事に歌わなきゃなという想いでした。
──セットリストは、ベストアルバムから少々順番を組み替えられていましたね。
竹達 私、今まで結構こだわりを持って作ってきたんですけど、今回のライブは「自分の意見をあんまり押さなかったら、どんなものができるんだろう?」と思って、やってみたライブなんです。だから今回の曲順はほぼほぼプロデューサーさんが考えてくれたもので、私はほとんど口を出していないんですよ。
──なるほど。今までと少々アプローチを変えたんですね。
竹達 はい。今まではアルバムを作る段階から、曲を頼みたい人からその曲の雰囲気、衣装まで全部自分で言ってたんですけど、今回のライブでは一切言わなくて。今回は、全部プロデューサーがプロデュースしてくれたものを、私が受け止めて料理した……みたいな感じにしたんですよ。
──その作り方を取った理由には、ベストアルバム自体が投票で決まった、というのも少し関わってきますか?
竹達 んー……そこは関係ないかもしれないです。今回はとりあえずそういうやり方でやってみたという感じで……自分のこだわりが強すぎると、納得いかないままやりたくないから反発する気持ちが生まれてしまうじゃないですか?それが嫌だなと思ったから、今回はまわりのスタッフさんが「これがいちばんいいです!」って思ったものを受け止めて、自分にどういう表現ができるかな?っていうのをやってみたくて。それを形にしたのが、今回のBEST LIVEなんですよ。でも、「Sinfonia! Sinfonia!!!」を最後に持ってきたい、とは言った気がしますね。
──それはなぜですか?
竹達 純粋に「最後に歌ったことないな」と思って。デビュー曲ですごく大事な曲なので、今回歌うならいちばん最初か、本編の最後か、アンコールの最後のどこかとは思ってたんですよ。で、改めて考えてみたらいちばん最後に歌ったことがないのに気づいたので、「すごく新鮮かもしれないから、やってみよう」となったんです。
──ではライブを順に振り返らせてください。まず「らっきーちゅーん♪」で2階に登場されて、いきなりお客さんも沸きました。その瞬間の光景っていかがでしたか?オールスタンディングのライブは、今回が初だったと思うのですが。
竹達 やっぱりお客さんがわっと見える瞬間っていうのはすごく楽しいっていうか、気持ちいいものがありますね。特にやっぱり高いところから見下ろすので、全体的に観れるというか、「みんなが、待っててくれたんだなぁ」っていうのを感じられてすごくうれしかったですし、「らっきーちゅーん♪」は私としてもすごく歌いやすい曲でお客さんもいっぱい盛り上がってくれる曲なので、すごく安心して歌うことができました。
──それまでのライブやイベントとかと、見え方の違いはありましたか?
竹達 やっぱりみんなのことをすごく近くに感じることができたっていうのが、いちばん大きかった気がします。あと、バラードのときって椅子があるとだいたいみんな座るじゃないですか?それをみんな立って聴いてくれてる感じも、すごく新鮮でしたね。
──そのMC明け、「ユメイロソレイユ」からのブロックでは「時空ツアーズ」でイントロの雑踏の音で一気にフロアがグリーンに染まって。
竹達 すごいですよね。どの曲でも思うんですけど、みんなサイリウムすごく早いんですよね。なのに、視線は私に向いてて。最前にいる人なんか、絶対に私から目ぇ離さないですもん(笑)。
──そうして揃った色がバッと上がってくるのは、気持ちよさを感じる部分でもありますか?
竹達 というよりは、うれしいですよね。みんながそれぞれ「この曲は、この色かな?」みたいに想像して振ってくれてるんだと思いますし、相談して決めてる方もいらっしゃるのかもしれないですけど。そういう応援しようとしてくれてる気持ちみたいなのが伝わってくるので、すごくありがたいです。
──中盤には映像コーナーとして“あやちリサーチ”が上映されました。今回は店員として、ゲーマーズへの潜入をされていましたが。
竹達 これが、普通にしてると全然バレないんですよ。しかもこのときの台本が結構ざっくりしていまして(笑)。よくTV番組だと「最初はこれをやって、次はこれをやって……」みたいにだんだんバラしていくと思うんですけど、そういうのがなくて。「この一角にカメラがあるので、竹達さんはここでPOPを描けます」「ここで本の整理ができます」しかなかったので、「どうしよう!?」ってなってました。
──実際、どれぐらいの時間潜入されてたんですか?
竹達 2~3時間ぐらいでした。だから、やることがなくなって全然関係ないところにあるモップをお店の人に許可をもらって取り出して、掃除を始めたりもして。でもそしたら、モップに着いてたゴミが落ちちゃって(笑)。「ヤバいヤバい!余計に汚しちゃった!」って焦って掃除したり……。
──それでも気づかれずに時が経ち。
竹達 はい。だから、「誰か気づいて!」「助けて!」「おなかへった!」っていう私の心の叫びで、POPが埋め尽くされていったんですよね(笑)。
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