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INTERVIEW

2018.08.27

それぞれの“理解者”像をディープに聞く――22/7、3rdシングル「理解者」ロングインタビュー

22/7の3rdシングルのタイトルが「理解者」と発表されたとき、リスナーにはある種の緊張が走ったのではないだろうか。それは表現をする8人にとっても表現をするうえで、そして人生のなか深く、向き合うべき事象だった。表題曲へ込めた思いと、多彩なカップリング曲それぞれへのこだわり、そして活動の幅をどんどん広げていく22/7の現状について、8人のメンバーにじっくりと聞いた。

22/7の“リーダー”は就任以前から“リーダー”だった!?

――まずは最新の話題からお聞かせください。7月22日のライブ・イベントにおいて、帆風さんが“リーダー”に就任されましたね。そこから約1ヵ月が経ちましたが、心境はいかがでしょうか?

帆風千春 まだそれほど実感していないんですよ(笑)。というのも、メンバーが「そのままでいいよ」って言ってくれたので、ありのままでいようと心がけて過ごしております。

帆風千春(佐藤麗華 役)

白沢かなえ 「そのままでいいよ」っていうよりも、その前からみんなを引っ張って支えてくれた存在だったので、ずっとリーダー職を全うしてくれていると思っています(笑)。

海乃るり むしろ、「発表が遅いな」って思いました(笑)。もうちょっと早く発表していてもよかったくらいです(笑)。

天城サリー リーダーと言われる前からリーダーだと思ってたので(笑)。

花川芽衣 リーダーに就任する以前から、私たちをまとめてくれていたんです。リーダーになったけど、私たちを頼ってほしいし、大変なことがあったら全然押し付けてくれていいし(笑)。

倉岡水巴 例えば、自主的にダンスの練習をするときは、みんなのスケジュールを取りまとめて調整して、場所を押さえてくれたり、ライブが終わったあとの反省会でも、話し合いのきっかけを与えてくれたりして、みんながまとまるきっかけを与えてくれるんです。

西條和 個人的には、ちはるん(帆風)に“リーダー”という名前が付いたことがすごくうれしいです。ちはるんは全体をすごくよく見てくれていて、普段から否定をしない人なんです。意見が分かれたときも、どちらの意見も汲み取って、話し合いを進みやすくしてくれて。

宮瀬玲奈 元々、ちはるんは責任感も強いので、“リーダー”という名称に押しつぶされないでほしいです。リーダーとしてお願いする部分もいっぱいあると思うんですけど、みんなで支えて、みんなで助け合って一歩一歩進んでいきたいなって思います。

――そして、今回の新曲に合わせて新しい夏衣装が用意されましたね。

白沢 今回の衣装は分解したときに、組み合わせや縫い目が普通の服の3倍くらい大変なんです。縫製もすごく細かいところまでこだわっていて、私はとても感動しました。

――白沢さんは普段から衣装や縫製に興味・関心が高かったんですね。

白沢 はい。私、人一倍衣装のことが好きなんです。今までの衣装も、全員一列になったときにスカートの袖が揃っていたり、回ったときに360度綺麗に見えるようにとか、すごく工夫されていたんですよ。

白沢かなえ(丸山あかね 役)

――いずれ22/7の衣装デザインもやってみたり?

白沢 オーディションのときからそれは言っていました。ほかのアーティストさんやアイドルさんを見ていてもつい、衣装に目がいってしまうんですよ(笑)。

帆風 かなえる(白沢)以上に熱量高く話すのは難しいんですけど(笑)。私は個人的に、襟のデザインが独特なところが気に入っています。

西條 私もかなえると一緒で、特に私は制服がすごく好きで、このグループに入って、シングルごとに自分たちの制服を作ってもらえることがとてもうれしくて。学校の制服だと夏と冬しかなくて、それほど変わらないんですけど、色も含めて全然違うタイプの服を着られるのがうれしいです。控室でメンバーが並んでいるのを見ているだけで、幸せな気分になります(笑)。

天城 遊園地でポップコーンを売ってそうなかわいさ。ローラースケートが似合いそうなイメージで着ています。

海乃 1stシングル(「僕は存在していなかった」)や2ndシングル(「シャンプーの匂いがした」)に比べると少しかわいさ成分が増した感じ。ちょっと英国の女子校っぽくて、女の子らしさが増してて、私はそういうものにも憧れがあったので、うれしかったです。カップリング曲の「未来があるから」にもすごく合うんじゃないかと思っていて、この衣装を着て踊るのが楽しみです。

倉岡 これまでは結構かっちりした、清楚な成分が多かったんですけど、今回の衣装は軽めの感じで、色も含めて、すごく爽やかだなと思いました。

花川 白とグレーとネイビーの色でマリンテイストみたい。ちょうど今の時期にピッタリでかわいいなと思いました。

宮瀬 色に関してメンバー同士で予想をしていたんですけど、誰ひとりこの色は当てられなかったんです。「理解者」という曲のイメージとのギャップがまたかっこいいなと思います。

――ありがとうございます。では新曲「理解者」について、歌詞や楽曲についての印象や解釈の仕方をそれぞれお聞かせいただけますか?

帆風 今までの表題曲とはまた違うタイプの、すごくかっこいい曲だと思いました。なので、自分のパートも、この楽曲の世界観をどう表現できるかをすごく考えて、レコーディングではかっこよさを意識して収録しました。

天城 私は結構どの曲でも共感はするのですが、「理解者」に関しては本当にすごく共感するところが多かったです。いちばん共感したのは西條 和ちゃんがセリフで語るパートの“君をこんなに傷つけてるのに なぜ僕を拒絶しないんだろう だから僕は自己嫌悪に陥る”です。私にはある親友がいるのですが、最初は「どうせ卒業したら友達じゃなくなるから」って、その子に結構冷たくしてしまっていたんです。でも、ずっと「サリーちゃーん」って来てくれて。そのとき、「自分はすごく嫌な人間だな」と思った覚えがあります。この歌詞を読んだときにそれを思い出しました。

――そのエピソード、秋元(康)さんにお話したわけではないんですよね?

天城 全然ないんです。だからグサーッときましたし、めちゃくちゃ共感しました。

花川 私も最初、自分の心境を細かく書いてくれている曲だと思ったので、すごくビックリしました。みんなといるのが嫌いなわけじゃないんですけど、ワイワイ楽しんでいるときにふと、「ひとりになりたいな」って思っちゃうときがやっぱりあって。“誰かが近くにいるだけで なぜか息苦しくなってしまう 一人きりでは生きられないって わかっているのに憂鬱なんだ”という冒頭の歌詞がすごく身に覚えがある感情だったので、自分たちの曲になっていることに驚きました。

花川芽衣(斎藤ニコル 役)

――花川さんは2番で “それならここから出て行けばいい 自分が少しだけわかって来るだろう 恥ずかしくらい 僕は無知だ”というモノローグを担当していますが、この部分、どのように受け取り表現されましたか?

花川 ここの部分は、なんだろう……自分自身に対するもどかしさがすごく伝わってきて、それをぶつけるようにしました。「いちばん自分が自然体でいられる出し方でいいよ」とスタッフの方がおっしゃってくださったので、力まず普通にそのままパッと出せる声、自分の素に近い部分で収録には臨みました。

――先ほどの天城さんがおっしゃった1番のセリフを担当されている西條さんはいかがでしたか?

西條 この曲は聴くたびにすごい苦しくなる曲です。ひとりきりでは生きられないことはわかっているけれども、やっぱり孤独が好きだったりするというわがままな部分が、自分に当てはまることが多かったので、歌うたびに苦しくなります。私も実際、人といるのがあまり得意ではないのですが、このグループに入ったら、まわりの人はすごく良い人ばかりで。それでも、ひとりでいたいと思ってしまう自分がいるんです。自分でもなんでひとりでいたいのかがわかっていなくて自己嫌悪に陥ったりするので、セリフの部分は共感することが多かったです。滝川みうちゃんとしてMVに映るので、みうちゃんとも重ねつつ、でも自分がすごく共感しやすいところだったので、素直な気持ちでいました。

白沢 歌詞では“自分のこと殺してまで 他人を求めてない”とか、強い言葉ではっきり言ってるのに、全部読むと心の中の叫びを描いているので、この主人公はそれを外に出せなくて苦しんでいるのだなとすごく感じました。でもメロディはすごくかっこよくて、ライブで表現するときは、そのがむしゃらさを出せるように表現しようと思いました。

――歌詞の繊細さと楽曲のかっこよさは各楽曲にあるので、このグループのテーマのように思えますね。

白沢 そうですね。1stも2ndも、人によって解釈が違うような感じで、その複雑さは私たちの楽曲ならではなのかなと感じました。

――解釈についてメンバー同士で話し合うことはありますか?

白沢 「理解者」は、メンバーによって「自分の理解者は誰なんだろう?」と考えたメンバーもいれば、私は「キャラクター同士、どの子とどの子が理解者なんだろう?」と考えまして、その視点はみんなで共有しました。

海乃 2ndのカップリングの「叫ぶしかない青春」は芽衣ちゃんや(高辻)麗ちゃんとよく話したりしていました。「理解者」は、最初に聴いたときに、すごく攻撃的な曲のように感じられて、「これを私たちが歌えるのかな」と思ったんです。歌詞は自分の心の中を描いていて、しかもみんな誰しも一回は思ったことがあるような内容を歌っているので、すごく共感してもらえる。攻撃的だけど、実はみんなにわかってもらえる曲だなと思っています。私はこの“理解者”に背を向けられてしまった主人公のその後を考えるのが好きで、最後の背中を向けたのが唯一の理解者で、それをいつの日にか気付く、ということが、すごく悲しいなと。この主人公は、別に思っていないことも“理解者”に言ってしまうから、去ってしまわれて、そのことによって成長はするけど本当の“理解者”はいなくなってしまうという見え方をしたので、すごく悲しくなりました。Dメロの、“誰が涙を拭ってくれる?”という歌詞の部分を私とサリーちゃんで歌ってるのんですが、そこが、背中を向けている理解者に対して叫んでると私は解釈して、叫ぶように悲痛な感じで歌うように意識しました。

倉岡 本当に大切なものって、そばにあると気づかないけれども、失ってから初めて気づくじゃないですか? この歌詞は、わざわざ言葉にしない自分の気持を代弁してくれている感じがして、聴いてくれる皆さんにも共感してもらえると思いました。収録のときは、かっこいい曲なので強めに歌ったほうがいいのかなと思いつつも、歌詞は繊細なのでそのバランスを考えながら歌いました。

宮瀬 私は“背中向けたのが 唯一の理解者”に、主人公はいつの日か気づくと思うんです。だから、主人公の目線と理解者側の目線があるのかなって。私も初めて聴いたときは、「自分の理解者って誰だろう?」ということを、ずっと考えて続けました。そうしたら、もう夜眠れなくなってしまって。これは、自分と“理解者”について向き合わせてくれた曲になりました。聴いてくれる方も、ご自身の“理解者”について考えていただけたらなと思います。歌全体としては、ひとつの成長の歌だと私は感じています。私は“優しさとか温もりとか”という部分を担当しているのですが、ここは歌詞の中で唯一、温かみのある場所で、その柔らかくて優しい雰囲気を意識してレコーディングさせていただきました。

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