――次の「アイ・アム」は自身で作詞を手がけられました。
楠田 楽曲発注のときはミュージカルっぽいというか、ピアノらしい楽曲がいいと思っていて、「歌詞は仕事愛か家族愛のどちらかで書こうと思ってます」と伝えていました。でも、出した曲のイメージに合致するのは「仕事愛」だと思ったので、それで歌詞を書いたんですけど、聴く人は仕事愛と思わない歌詞かもしれないですね。
――では何愛ですか?
楠田 自己愛?でも、私にとっては仕事愛でもあるんですよ。これを書いているとき、ライブに来るお客さんの笑顔とか思い出しながら「みんなで歌いたいな」と思って書いたので。「何愛」と聞かれるとちょっと難しいけど、でも、愛って形あるものじゃないから、「曖昧でもいいかな」って。愛だけに。
――うまい(笑)。
楠田 あと、曲を聴きながら「私」をめっちゃ多用しようって思ったので、「私」がいっぱい入っています。でも、英語部分はmyselfやmineではなく「アイ」で終わりたくて、辞書で調べてここにたどりつきました。「私らしい」という意味があって、「これはいい!」と思いました。
――だから「I’m what I am…」の後ろがないんですね。
楠田 そうなんです。みんなそれぞれに、「I am ○○」というのがあると思うので。だから、“ウキウキワクワク 本日の私”というフレーズも、ライブではそのときの気持ちで歌おうかと思っています。「イライラオコオコ」になるかもしれません(笑)。
――(笑)。「プラチナデイズ」はウエディングソングですね。
楠田 愛がテーマならウエディングソングが必要だろうと思いました。やっぱり、一生一緒にいたいと思える相手に出会えることって大変なことなので。やっぱりウエディングは愛の究極の形というか、恋愛のピークであって、そこから愛が情に変わっていくイメージだったんです。
――こだまさんからは何か質問はありましたか?
楠田 「本人目線で書きますか? 友人目線で書きますか?」という問い合わせをいただいたので、「本人目線でお願いします」とお伝えしたんですけど、そうすると結婚してないので私には共感できないんですよね(笑)。仕事でウエディングドレスを着たことがあれば、ちょっと変わるかもしれないんですけど。イメージがドラマか友だちの結婚式しかないので、自分が立つことを想像しながら歌いました。
――みんな幸せそうだな、とか?
楠田 「めっちゃ幸せなんだろうな! でも準備が大変って聞くしな!」みたいな(笑)。結婚式って準備が大変な分、第一関門みたいなところがあるじゃないですか。でも、私にはわからないので、「幸せって感じで歌おう!」というところはありました。だから、この曲は私が結婚したときに完成する曲だと思っています。今回のアルバムの中では将来性がある曲かもしれないですね。
――早くに完成形が見たい気持ちもありますが、やはりその日は遅い方がファンとしては嬉しいでしょうね。
楠田 今のところなんの予定もないですから(笑)。でも、ファンの方からの結婚報告も最近は多いので、結婚している方としていない方とでは曲の雰囲気が違って聴こえるのかな、と思うと、それはそれで面白いですよね。多面的と言いますか、楠田亜衣奈の曲ではあるけど、万華鏡みたいにその人その人によって全然違う感じの曲になると思います。
――女の子のファンにも歌ってほしいですね。
楠田 そうですね。結婚式の前日に歌ったり、当日に流したりしてもらえたらうれしいですね。
――「you & ai」で詞を南條愛乃さんにお願いしたのは?
楠田 ずっと書いてもらいたかったんですけど、ピッタリくるものがなくて今まで寝かせていました。でも今回、7曲のテーマの中に「友情」を出したとき、「ああ、これこそなんちゃんに書いてもらいたい」と思ったんです。
――南條さんから何か質問はありましたか?
楠田 「どういうのがいい?」みたいなのは聞かれたんですけど、伝えたのはテーマと、私が思った曲のイメージだけですね。曲を手がけてくださったのは、南條さんのソロも書かれている井内舞子さんなので相性もいいでしょうし、楽曲も詞も「かわいらしくて女子会っぽい感じだとうれしいな」とは伝えていました。そうしたら、あがってきた楽曲がすごく良かったので、この楽曲のイメージでなんちゃんの思う友情を書いてもらえたら、という気持ちでした。あまり細かいことを言うと書きにくくなるので方向性も言わず。最終的には「曲のイメージで思い浮かんだ歌詞にしてください」と伝えました。
――すごくガーリーさを感じる歌詞ですよね。自然体で気の置けない感じが出ています。
楠田 ホント、そうですよね。いつものなんちゃんというか、なんちゃんにしか書けない歌詞だと思います。
――あがってきた歌詞を読んだときはどう感じました?
楠田 うれしかったです、単純に。「私のために書いてくれた曲!」と思ったし、なんちゃんの優しさや愛情を感じました!お願いしたとき、「ぜひ書きたい」と言ってくれたのが嘘じゃなかったんだな、と思えて、なんちゃんの真摯さを歌詞から感じました。
――どこにいちばん愛を感じましたか?
楠田 えー?全部(笑)。例えば、“とまらないおしゃべりに 何杯目のドリンク? ちゃぷちゃぷおなか… だけどもっと話したいから”は、なんちゃんと遊んでるときの私の気持ちなんですよ。「もっと話したいなぁ」と思っていた気持ちとか、「何時間でもずっと喋ってたなぁ」というのを思い出して、聴きながら自然と涙が出てきました。「なんちゃんもそう思ってくれたのかな」って思いました。「フィクションです」って言われるかもしれないけど(笑)。
――歌詞が送られたとき、何かコメントはなかったんですか?
楠田 ないです……。「歌詞書けたよぉ!」「なんかあったら言ってね、直すから」という連絡があったので、「歌詞見たよ!めっちゃいい歌詞だったありがとう!泣けた!」って返しました。そうしたら「え、泣けた?」って(笑)。
――南條さんとしては「楽しい私たち」みたいなイメージだったので驚いたのかもしれないですね。
楠田 かもしれないです。切ない曲ではないですからね。でも、うれしくてちょっと泣きました。
――最後の「Smileプラス」についてもぜひ。
楠田 はい。「Smileプラス」のテーマは「愛は地球を救う」みたいなところで。楽曲はキャッチーでポップで私らしく、かつクラップしながらみんなでノれるような感じにしたかったんです。そうお願いしたらこういう曲になりました。
――その段階でアルバム最後の曲というイメージもあったんですか?
楠田 ありました。曲をいただいたときには「これは最後だな」とすぐに思ったんです。
――「Smileプラス」というタイトルも気が利いていますね。
楠田 ね。かわいいし。タイトルから想像すると、みんな、いい意味で裏切られると思います。
――今、お話にも出ましたが、8月から、福岡、大阪、東京、神奈川と回るライブツアーが始まります。
楠田 今回はツアータイトルも「アイナンダ!」なので「愛」を存分に歌いたいと思っています。今まで歌ってきた楽曲にも恋愛ソングが多いので愛があふれるライブにしたいですね。ファンの方はきっと私のことが大好きですし、私もファンの方が大好きなので(笑)。
――何かしたいことや企画は考えているんですか?
楠田 今回、「なんでソロデビューしたんだっけ?」っていうのを思い出していたんです。そうしたら、ファンの方が「ソロデビュー待ってます」って言ってくれたことや、ファンの方とコミュニケーションを取りたいから始めたことを思い出して。元々、一緒に歌って踊って楽しむ、「遊べるライブ」が目標だったので、コミュニケーションが多いライブにしたいとはすごく思っています。「Smileプラス」もそうですけど、「アイ・アム」も一緒に歌ったりクラップしたりしようかと思っているんです。振り付けを入れるとか。
――楠田さんと一緒にダンスもできそうですか?
楠田 「ただいまを歌おう」では、ロックナンバーですけど簡単な振り付けをみんなとやろうかとも思っています。何が実現できるかはわからないですけど、いろいろと考えているので、私の重い愛を受け止めてほしいですね(笑)。
――最後に。4thミニアルバムを振り返ってみての感想は?
楠田 大変だった!(笑)。
――(笑)。何がいちばん大変でしたか?
楠田 今回は、「こういう楽曲にしたい」というのが1曲1曲ですごく明確だったんですけど、音楽の知識がない私が伝えるのはすごくもどかしかったんです。でも、勉強になった部分もたくさんあったので、このアルバム制作で成長できたとは思います。なので、この成長したくっすんで、3rdライブツアーに臨みたいと思います。
Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)
●リリース情報
4thミニアルバム
『アイナンダ!』
7月25日発売
【初回限定盤A(2CD+絵本)】
品番:VPCG-83530
価格:¥4,630+税
【初回限定盤B(CD+DVD)】
品番:VPCG-80697
価格:¥3,704+税
【通常盤(CD)】
品番:VPCG-83531
価格:¥2,778+税
<CD1>※3形態共通
1.アイナンダ!
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:ArmySlick
2.Melty Valentine♡
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:倉内達矢
3.ただいまを歌おう
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:鴇沢 直
4.アイ・アム
作詞:楠田亜衣奈 作曲:Yo-Hey , 宮崎京一 編曲:宮崎京一, Yo-Hey
5.プラチナデイズ
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:平沢敦士
6.you & ai
作詞:南條愛乃 作曲・編曲:井内舞子
7.Smileプラス
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:倉内達矢
<CD2>※初回限定盤Aのみ
「カラフル王国のプリンセス」
2018年1~2月に大阪・なんばハッチ、東京・豊洲PITにて開催したバースデーイベント「COLOR PALETTE SHOW」をモチーフにしたドラマCD。全キャラクターを楠田亜衣奈が演じます。
<絵本>※初回限定盤Aのみ
「カラフル王国のプリンセス」
2018年1~2月に大阪・なんばハッチ、東京・豊洲PITにて開催したバースデーイベント「COLOR PALETTE SHOW」をモチーフにしたドラマCD絵本。
<DVD>※初回限定盤Bのみ
1.「アイナンダ!」Music Video
2.「アイナンダ!」Music Video メイキング映像
3.トドケ ミライ!~2017 ver.~ Music Videoフルバージョン
初回生産分限定封入特典(3形態共通)
“楠田亜衣奈3rd Anniversary Acoustic Live”先行受付抽選シリアルナンバー
※10/7(日)渋谷duo MUSIC EXCHANGE公演が対象
※初回生産分のみ封入
●ライブ情報
楠田亜衣奈3rdライブツアー ~アイナンダ!~
2018年8月4日(土)愛知 名古屋Electric Lady Land
2018年8月11日(土)宮城 仙台darwin
2018年8月12日(日)神奈川 Yokohama Bay Hall
2018年8月18日(土)福岡 BEAT STATION
2018年8月19日(日)大阪 Banana Hall
2018年9月1日(土) 東京 恵比寿ガーデンホール
楠田亜衣奈バスツアー「にくっすん祭り」
2018年9月8日 横須賀
楠田亜衣奈3rd Anniversary Acoustic Live
10月7日(日)渋谷duo MUSIC EXCHANGE
※ライブツアー、バスツアー、アコースティックライブの詳細はオフィシャルサイトをチェック!
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