TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』EDテーマ「明日へ」リリース！Irisインタビュー

2016年にシングル「I love me / good bye」でデビューを果たしたIris。マレーシア人である彼女が歌う最新シングル「明日へ」はアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』のEDとなっている。日本のカルチャーが大好きだというIrisに話を聞いた。

――マレーシアで生まれ育ったIrisさんですが、どうして日本での活動をしたいと考えたのでしょうか。

Iris　元々歌が好きだったんです。それで、マレーシアで学校を卒業してから友達と一緒にマレーシアの音楽番組に応募をしたらたまたま合格してしまって、マレーシアで芸能活動をするようになったんです。マレーシアでは女優もちょっとやっていたんですが、そのときにマカオの映画祭に参加したことで、今の日本の事務所にスカウトされたんです。もうずっと日本がすごく好きだったんですね、わたし。それもあって、悩むこともなくすぐに日本に来てしまいました。

――日本のどんなところが好きだったんですか？

Iris　日本の文化がすごく好きで。食べ物も美味しいので大好きなんです。お寿司と日本酒が特に好きです。それに京都のような古い町や神社仏閣も好き。それと、お兄ちゃんがいるんですけど、お兄ちゃんと一緒に小さい頃から日本のアニメも観ていたんです。だから日本へ、と声をかけられて迷う余地はありませんでした。

――好きな日本のアニメはなんだったんですか？

Iris　『犬夜叉』が大好きです。お兄ちゃんとは本当にいろいろなアニメを観ました。たとえば『ポケモン』も観ましたし、『遊戯王』や『ヒカルの碁』も観ていました。でもいちばん好きなのは『犬夜叉』です。

――マレーシアでは日本のアニメは日本語で観ていたんですか？

Iris　『犬夜叉』は日本語のままで字幕で観ていて、『セーラームーン』や『ドラえもん』は広東語に通訳されていて。日本語と広東語、半々くらいで観ていましたね。

――日本語を学ぶことに関してはいかがですか？今も非常にコミュニケーションはスムーズに取れるくらい日本語がお上手ですが、こちらで活動をしていくとなると、いろいろと言葉を覚えていかなければいけないと思いますが。

Iris　日本語は難しいです。来日する前にマレーシアで2ヶ月くらい日本語の勉強をしたんですが、いざ日本に来てみたら全然しゃべれなかったんです。習っていたのとは全然違うし、みんな話す速度も速いし、方言や男性の言葉、女性の言葉、本当に表現がたくさんあるので、最初は全然理解ができなくて。でも来日して半年くらいして、「世界番付」というテレビ番組の中でヒッチハイクをして日本を縦断する、という企画に出ていたんですね。日本語が全然話せない中、各地で出会った人たちが言葉を教えてくれたんです。

――その番組観ていました！北海道からずっと旅していましたよね？当時はもっと髪の毛も長かったですよね。

Iris　そうです！そうです！おだんごにしていました。

――素敵な出会いがたくさんありましたよね。

Iris　そうなんです。そこでいろいろな人と出会って、みんながたくさんのことを教えてくれて。旅が終わって帰ってきたら事務所の皆さんがびっくりするくらいに日本語が上達していて、褒められました。

――その日本語で歌うことになると、また難しさがあったのでないでしょうか。

Iris　難しいです。日本語がすごく固く感じるんですね。一つひとつの発音にしても、言葉を音符に載せていく方法にしても、リズムに乗せるにしても、すごく難しいんです。自分で話す言葉よりも、だいぶ難しくなっていますね。

――英語で歌う方が楽ですか？

Iris　そうですね。だから最初のシングルでは日本語と英語を織り交ぜた歌詞になっていまして。その方がわたしにとっては楽でしたね。

――そんなIrisさんは前回のシングル「赤だけが足りない」で初めて日本のアニメとのタイアップをされました。劇場版『コードギアス反逆のルルーシュⅠ 興道』とのコラボレーションはいかがでしたか？

Iris　すごくビックリしました。アニメの主題歌を歌うことになるなんて！信じられなくて、夜も眠れなくなるくらいに興奮しました。それですぐにお兄ちゃんに連絡したんですが、お兄ちゃんはわたしよりも喜んでいたように思います。お兄ちゃんは今もすごくアニメが大好きなので。

――お兄さんは『コードギアス』もご覧になっていたんですか？

Iris　はい。観てました。だから劇場版でわたしの歌が流れたときにすごく感動してくれました。お兄ちゃんはわたしが日本で活動をすることになった最初の頃はすごく心配していたんですね。わたしが独りで日本に来て芸能界で活動していくなんて大丈夫かな、って。だけどアニメの主題歌をやることになったことで、安心してくれたんです。一人前になったんだって。

――人気アニメである『コードギアス』の曲、ということに対してはどのようなことを感じましたか？

Iris　すごくすごくうれしかったです。アニメ自体も好きだし、自分が日本でアニメの曲を歌えるようになるなんて想像もしたことがなかったんです。シンガーとしてアニメや映画の主題歌を歌ってみたいという夢はあったんですが、わたしにはまだまだ早いかな、とも思っていたところがあって。だから本当に、自分自身としては夢をかなえた、という気持ちもあってすごくうれしいです。

――以前にはCMソングも歌われていましたが、そことは違う？

Iris　違う感覚でしたね。やっぱりアニメや映画、ひとつの大きな作品を形作るひとつの要素としての曲でもありますし、その物語の中で流れてくるというのは気持ちとしても違いますね。

――映画館で聴いたご自身の歌はいかがでしたか？

Iris　泣きました。感動しすぎて。いちばんいいシーンで流れてくれるから、本当に感動しました。

――そして今回はアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』のエンディングです。『ガンダム』作品の曲を、というのはどのような心境になりましたか？

Iris　まずは『ガンダム』という名前の大きさに驚愕しました。だってみんな知っていますから、『ガンダム』は。わたし自身はマレーシアにいるときに『ガンダム』シリーズを観たことがなかったんですね。でもお兄ちゃんはガンプラが大好きで、家にたくさんあるんです。家の棚にはずらっと並んでいるので、わたしはそのガンプラを通して『ガンダム』を知っていたんですね。そんな中で今回、EDテーマを歌えるのは、今でも信じられないくらいうれしいです。

――気になるのはずっと出てきているお兄さんの反応です。いかがでしたか？

Iris　お兄ちゃんは、『ガンダムビルドダイバーズ』の曲を歌うと聞いてめちゃくちゃ喜んだ後に「ガンプラ、送って！」って言ってました（笑）。あとはマレーシアのガンダムファンの中で話題になっているよ、と言ってました。

――その「明日へ」ですが、この曲を最初に聴いたときにはどのようなことを感じましたか？

Iris　ミディアムバラードですが、音楽としてはポジティヴな想いのある、明るさのある曲だな、と感じました。歌詞が全部日本語なんですが、以前よりも歌いやすくなっていました。実は『コードギアス』のときには歌詞がものすごく難しかったんです。曲もパッションのある曲で歌うのも難しかったんですが、言葉の表現が難しかった。でも今回の「明日へ」はアニメ自体が子供向けの番組でもあるから、小さな子供にもわかりやすい表現になっているのかなとも感じました。

――『ガンダムビルドダイバーズ』というアニメ作品についてはどんな印象がありますか？

Iris　わたしにはちょっと難しいんですよね。昔の『機動戦士ガンダム』を知らないので。知らない言葉がたくさん出てくるのがちょっともどかしいなとも思うんですが、物語自体はすごくいいストーリーだなって思うんです。ゲームの中に入って戦うのは斬新だな、と思うし、子供たちはきっと好きだろうなと思います。

――そんな『ガンダムビルドダイバーズ』のエンディング曲となった「明日へ」ですが、この曲のいちばん好きなところはどんなところですか？

Iris　1番の“一緒なら悲しみさえもかき消してしまうほど強くなれるよ”というところです。ひとりだったらつらいこともたくさんあって、どんどん内にこもってしまうと思うんですが、誰かが一緒にいてくれると頑張ろうと思えるだろうし、前に進めると思うんです。だからここがすごく好きです。今回はカップリングに収録した「BLUE」も「Put the past away」もすごく前向きな曲なんです。どの曲も前に進んでいく歌詞なので、聴いてくれている皆さんと一緒に頑張れる、そんな一枚になっているんですね。この曲たちを歌っていると、皆さんに「大丈夫だよ」「乗り越えられるよ」って伝えたいと思いながらも、自分にも返ってくるのを感じるんですね。マレーシアから来て、ひとりで頑張っているなかで悩んだり、ホームシックになったりもするんですが、この前向きな想いに自分も励まされます。そんな気持ちに皆さんもなってくれたらうれしいです。

――夢だったアニメの曲を歌って2作目となる今回ですが、Irisさんにとって忘れられないアニメソングというのはどんな曲ですか？

Iris　印象に残っているのは『犬夜叉』のEDテーマで、浜崎あゆみさんが歌っていた「Dearest」です。初めて聴いたときには言葉の意味はわからなかったんですが、感動して泣きました。初めて買ったアニメソングでもあります。

――そんなIrisさんの今後の目標を教えてください。

Iris　皆さんがわたしの曲を聴いて癒やされるような曲を歌っていきたいです。そのために気持ちを歌え届けられるようにこつこつと頑張っていきたいと思っています。期待していてください。

Interview＆Text By えびさわなち