REPORT
2018.05.07
「アイドルマスター ミリオンライブ!」のCD「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! MILLION THE@TER GENERATION 06 & M@STER SPARKLE 08」発売記念イベントが2018年4月29日(日)、首都圏近郊某所で開催され、島原エレナ役の角元明日香、宮尾美也役の桐谷蝶々、天空橋朋花役の小岩井ことり、 田中琴葉役の種田梨沙、北上麗花役の平山笑美が出演した。
種田は休業から復帰後、今回のイベントが初の「ミリオンライブ!」イベントになることから、オープニングトークでは会場からたくさんの「おかえり!」の声が客席から飛んだ。種田は「ミリオンライブ!」のCDリリースイベントに出演するのは約2年ぶりとのことだが、角元はさらに間があいて最初のCDシリーズ「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE」以来約4年ぶりのリリイベ参加だとのことだ。
CDに関するトークは、角元と桐谷の「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! MILLION THE@TER GENERATION 06」組から。「想い出はクリアスカイ」に思った以上に疾走感があったことや、ドラマも含めたCDのエンディングテーマのようになっていることで盛り上がった。小岩井が「(「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! MILLION THE@TER GENERATION 06」が)どこのお店も売り切れで買えなかった」と語ると、キャスト陣からは次々と同意の声が上がっていた。
「M@STER SPARKLE 08」のソロ曲についてのトークには、「MTG06」と「MS08」両方に参加している角元も参加。角元はソロ曲「シャクネツのパレード」を、エレナそのものを体現したような楽曲だと表現。ソロ曲の中で、一緒に踊ってはしゃごうと呼びかけるエレナの周りの存在を感じさせることがエレナらしいと語っていた。
平山は「空に手が触れる場所」でとてもたくさん歌声を収録したことを紹介。時間の限りに収録して声を重ねたため、よく聴くと「わーいわーい」のような麗花の声がたくさん入っているとのことだ。この曲が流れている時は、ステージ裏のキャスト陣も大いに盛り上がっているそう。
小岩井は自身が作詞作曲を担当した「Sister」の曲作りについて(夜の部では)トーク。「Maria Trap」から「鳥籠スクリプチュア」の流れをふまえた上で、新しいものを作りたかったとのことで、「エゴイズムのない作品には魅力もないと思うので、自分がやりたいことも入れました。だからメロディがものすごく難しいんです」と独特の言葉で表現していた。
種田は「シルエット」をとんでもなくエモい曲と評すると、「今までの琴葉は少し暗い歌詞のニュアンスが多かったんですが、今回はそれを踏まえてだんだん前向きになって光に向かう感じで、琴葉の人生を描いたミュージカルのようだと思いました」と表現。聴いた人それぞれが「シルエット」をどう解釈したかをぜひ手紙で送ってほしいとのことだった。
“どこで”“~しながら”“誰が”のみっつのお題に従って、アイドルとしての決めゼリフを演じる「アウトオブシアターデイズ」のコーナーでは、エレナとして猫カフェで野球をすることになった角元が他のキャストに猫を演じさせたり、桐谷が種田(琴葉)を奇術で消そうとしたりと、巻き込み型のネタが盛り上がった。
「教会で、お祈りしながら、天空橋朋花が」というイメージにぴったりなお題を引き当てた小岩井は思わず自ら「エモーい!」の一言。本番で小岩井は真剣に全世界のこぶたちゃんの幸せを祈ったのだが、その後ろで平山が志願して「教会のキリストの十字架」を演じている様子に、笑いを堪える一同だった。
そしてオチで全てをかっさらったのが平山だった。「お芝居の客席で、熱唱しながら、北上麗花が」というお題には一同「迷惑すぎる!」と爆笑。平山は面白い芝居を見ていて自分も歌いたくなってしまった麗花という設定で「Brand New Theater!」の一節を伸びやかに歌い上げると「ブランニューシアターラーイブ! 素敵な舞台をありがとう!」と熱演。種田は「(麗花はその舞台から)出禁です。でも(歌が)うますぎる!」とツッコミ半分感心半分という感じだった。
イベント後半はミニライブコーナー。
トップバッターは、前日のニコニコ超会議でも圧巻の歌声を響かせていた平山の「空に手が触れる場所」だ。平山が冒頭の「High High High」から一瞬でトッブギアに上げると、会場も一体となったコールで食らいついていく。「High High High」と「わーいわーいわーい」のシンプルな繰り返しを軸にしたコミカルで元気な音の連なりが、平山の圧倒的かつ安定したボーカル力によって、音楽的な、何か特別な音に引き上げられる感覚がとても気持ちいい。麗花の陽性の個性と、平山のスキルと鍛錬ががっちりと握手したような素晴らしいステージだった。
小岩井は自身が“天空橋朋花”として作詞作曲を手がけた楽曲を自ら歌うという、アイドルマスターの新しい光景を見せた。長いおさげを揺らしながらの情熱的なダンスも没入感が素晴らしい。間奏では長いおさげを鞭のように振るうおなじみのムーブを織り込んで妖艶な舞いを見せた。小岩井は難しい楽曲でコールも迷うと思うので、プロデューサーさんにこの曲を一緒に作っていってほしいと語っていた。
種田は「シルエット」で、歌声にまっすぐに想いを込めるようなステージングを披露。一心に客席を見つめて歌う瞳に強い力を感じる。トークでは「「シルエット」をどう解釈したか手紙で教えてほしい」と語っていた種田だが、高らかに歌い上げた口元に浮かんだ笑顔や、柔らかく何かを掴み取った手にこもった力、ラストすーっと人差し指を立てて客席に差し伸べた手。ひとつひとつの細やかな動きや表情の中に、彼女自身の「シルエット」の解釈がこもっているようで、ライブで見ることでぐっと情報量が増す楽曲という印象だった。
「虹色letters」で角元と桐谷は、「ミリシタ」のライブシーンがベースの対になったダンスを披露。個性の違ったふたつの歌声が柔らかく溶け合うのが気持ちいい。手をつないだり、背中合わせになったりする振付が多いこの曲では桐谷と角元の身長差のギャップが目立つが、だからこそ、縦に大きくリズムをとりながら動きにメリハリをつけ、大きなダンスでエレナらしさを表現しようとする角元のはっきりした意志を感じる。角元の力強さとの対比で、桐谷が羽を広げて舞うような(蝶のイメージだそうだ)動きの優美さも際立って、とてもいいデュオだと感じた。歌い終えて背中合わせで息をつく2人の姿はまさにエレナと美也だった。角元が、近づいて2人が視線を合わせる動きで練習では照れてしまったことを語ると、桐谷はステージで向かい合った時に桐谷から見える角元の表情がとても魅力的であることを明かしていた。
最後の挨拶では種田から、自身の休業中も変わらずステージで頑張ってくれた琴葉、笑顔でまた迎え入れてくれたプロデューサーたち、影で支えてくれるスタッフたちへの感謝が順番に丁寧に伝えられた。その上で「あまりこのエモさを5thに持ち越したくない気持ちがあったので、今日この場で私の想いを伝えさせてください。本当に皆さんおまたせしてしまってすいません。琴葉、本当にありがとう。プロデューサーの皆さん、これからもよければよろしくお願いします。本当にありがとうございました!」と締めくくっていた。SSAでは39人のアイドルの1人として、シアターで頑張り続けてきた田中琴葉の現在進行系の姿として、彼女のステージを見届けたいと思う。
しっかりとステージを進行しながら大喜利コーナーでは自らネタに飛びこんで楽しみ、「Brand New Theater!」のステージの真ん中で元気に華やかに笑う種田の姿に、琴葉らしさを感じた気がしたイベントだった。
Text By 中里キリ
「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! MILLION THE@TER GENERATION 06 & M@STER SPARKLE 08」発売記念イベント
2018年4月29日(日)
セットリスト
M01:空に手が触れる場所(平山笑美)
M02:Sister(小岩井ことり)
M03:シルエット(種田梨沙)
M04:虹色letters(角元明日香、桐谷蝶々)
M05:Brand New Theater!(全員)
©窪岡俊之 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. ©BNEI/PROJECT iM@S
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