2011年4月にノイタミナ枠で放送され、日本中を感動の渦に巻き込んだTVアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。2013年には劇場版も公開され、多くの人々に愛される作品となった。
劇場版の主題歌「サークルゲーム」のハイレゾ版はCDシングル「サークルゲーム」の期間生産限定アニメ盤の仕様に準拠しており、TVアニメのOPテーマ「青い栞」も収録。Galileo Galileiによる『あの花』の主題歌が2曲ともハイレゾで聴くことができる。
NYを拠点に活動しているバンド、ポップ・エトセトラがこの曲をGalileo Galileiとともにアレンジ、プロデュースをしている。Rough Tradeからリリースしたアルバム『Big Echo』が世界的に話題を呼んだバンド、“The Morning Benders”が2013年に改めたバンド名が、“POP ETC(ポップ・エトセトラ)”だ。ナイーヴなメロディをポップに、ドラマチックに展開したサウンドは、Galileo Galileiとも相性が良く『Alarms 』『See More Glass』などの作品にも参加している。また木村カエラのアルバム『Rock』や『MIETA』などのアルバムでプロデュースを行っており、菅野よう子の『残響のテロル』のサウンドトラックにもヴォーカル参加と日本の音楽シーンとも関係が深い。
「青い栞」の世界を引き継ぎ、過ぎ去った日々をふと思い出すような穏やかなメロディが流れていく。ハイレゾでは、ギターのフレーズがふわっと浮かび上がり、キラキラとした輝きをみせる。対してドラムはしゃきっとビートを刻み、サウンドの程よいバランスを保っている。音像は楽器の音色をぼかさずに捉えているが、全体としては柔らかい雰囲気となっている。ヴォーカルは包み込むような感触で、またその温かさがじんわりと伝わってくる。清々しくも何処となく寂しさも漂う歌声の淡い響きが優しく感じられる。
ニューウェイヴに影響を受けたインディーズ・サウンドが現代の歌ものポップとして変性したようなTVアニメのOPテーマ曲。ハイレゾでは、左右のギターが折重なるように奏でられる、印象的なイントロの響きもひときわ鮮やか。その中心でアクセントを付けているカリンバの音も丸みを帯びていてかわいらしく、解像感がフレーズを活き活きと伝える。リズム隊はタイトで芯のあるグルーヴを繰り出し、その上でメロディは軽やかに音符を繋ぎ合わせる。楽曲の清涼感がますます心地好い仕上がりとなっている。
尾崎雄貴のヴォーカルはそのナイーヴな声質を描写し、語尾の抑揚に秘めた想いが強く伝わってくる。2番からは彼らの作品に何度も参加しているChimaのヴォーカルも加わり、アニメの世界観とも重なっているかのよう。そして“右手にサイダー 左手はずっと君をさがしている”の後、音が遠ざかる一瞬はさらにイメージが高まる。炭酸のはじける音からヴォーカルと演奏が終わるエンディングは、残響が消えゆくこと、そこから音が無くなることがリアルに感じ取れて、余計に切なさを駆りたてる。
2016年に活動終了したGalileo Galileiの音楽活動を振り返る上でも重要なこの2曲。ハイレゾでは爽やかな楽曲の印象がさらに深まって伝わってくる。ヴォーカルの尾崎雄貴は、菅野よう子とともにTVアニメ『残響のテロル』OPテーマ「Trigger」を手がけている。儚い世界を透き通る声で歌い上げるこの曲はシングルとしてリリースされており、また『残響のテロル オリジナル・サウンドトラック 2 -crystalized-』にもフル・ヴァージョンで収録されている。こちらもハイレゾ版が配信されている。
Sony Music Labels Inc.
2016.07.13FLAC 96kHz/24bit
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1.サークルゲーム
作詞:尾崎雄貴 作曲・編曲:Galileo Galilei、POP ETC
2.青い栞
作詞・作曲:尾崎雄貴 編曲:Galileo Galilei
3.サークルゲーム(TV Ver.)
4.青い栞(TV Ver.)
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