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2016.08.10

Kalafina「blaze」レビュー

Kalafina「blaze」レビュー

ストレートなロックがしなやかに駆け抜ける!TVアニメ『アルスラーン戦記 風塵乱舞』EDテーマ。

Kalafinaのシングルとしては約1年ぶりのリリースとなる「blaze」は、TVアニメ『アルスラーン戦記 風塵乱舞』EDテーマ。『アルスラーン戦記』第一期EDテーマである前のシングル「One Light」のイメージを引き継ぐ、しなやかなサウンドが心地よく響き渡る。激しく燃えあがる炎を意味するタイトルを持つこの曲が、藍井エイルのOPテーマ「翼」とともに『アルスラーン戦記』の雄大な世界を描き出している。

「blaze」

タイトに打ちつけるドラム、重量感がありつつもスピードのあるベース、疾風のように駆け抜けるストリングスによるストレートなロックが高いテンションを保ち続けるこのナンバー。
ハイレゾでは疾走感を促す躍動的な音が深々と響き、時には向かい風のように、時には追い風になるように、一体となったサウンドが大きなエネルギーとなって楽曲を流れる。緊張に満ちた空気感が濃密になる中、熱量が高く充満していながらも、楽器の分離感や情報量が生み出す余裕のある空間によって、突き抜けた爽快さを感じられるサウンドへと仕上がっている。

Kalafinaではあまりないサビ部分の歌唱から始まる構成で、想いを馳せる未来へ、振り返るよりも先に“歩き出していた”というこの楽曲のテーマを3声によるヴォーカルよって強く打ち出している。“奪って” “燃え尽きて” と目の前に立ちはだかる現実に打ちひしがれつつも、追い求める夢や理想へとたゆまず進む姿を描くヴォーカルは、情熱の炎を絶やさずに燃やし続ける意志や信念を、力強くたおやかな歌唱に表わす。絶妙なバランスで重なる歌声も美しく、自身が変わることによって生まれるさらなる可能性を示す“思い通りに行かないことが 君の心の扉を開く”の言葉が心にいっそう重く響く。間奏の清々しいコーラスもまた印象的だ。

「夏の朝」

生楽器によるフォルクローレ調の演奏がノスタルジックなイメージを喚起させるカップリング・ナンバー。「夏の朝」といえども澄み渡る青空が思い浮かぶような曲ではなくて、遠く過ぎ去った幼い頃の記憶を呼び覚ますような穏やかな音色が流れ去り行くもの。ハイレゾでは甘やかなフルートや爪弾かれるハープの音色も淡い輪郭に覆われており、窓から差し込む光は乳白色といった、今では朧げな残影をふわっとした空気の中に表わしている。深みのあるパーカッションや弦楽も柔らかな感触で、階調は濃厚なれど全体的に水彩画のような、うっすらとした音のにじみ、混じり合いを感じさせる。

イントロの“八月のいちばん高い空から 降りてくる”言葉そのもののように、低域から高域までなめらかな抑揚で、どこまでも伸びやかに旋律を舞い踊る“風の中の歌声”=3人のミューズが短いフレーズで入れ替わり立ち替わり現われる。幼い“君”を見守るような俯瞰的な歌は温かくも何処か寂しい響きをくゆらせて、次々と折り重なる声がやがては終わる“終わりのない夏”の情景を優しく照らし出す。

Kalafina「blaze」(通常盤)SECL-1960Kalafina
blaze

Sony Music Labels Inc.
2016.08.10

FLAC 96kHz/24bit

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e-onkyo music
mora

 収録曲

  作詞・作曲・編曲:梶浦由記

 1.blaze

 2.夏の朝

 3.blaze insturumental

 4.夏の朝 insturumental

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