約3年ぶりに活動を本格的に再開した中島愛のNEWシングル。TVアニメ『風夏』のEDテーマ「ワタシノセカイ」、ディスコティックなナンバー「最高の瞬間」、歌声が明るく弾ける「愛はめぐる」の3曲を収録。

2016年12月に約3年ぶりに声優・歌手としての活動を本格的に再開することを発表した中島愛。その復帰第1弾となるシングルが、2017年1月より放送されているTVアニメ『風夏』のEDテーマとなる「ワタシノセカイ」。中島愛は『風夏』と同じく瀬尾公治原作のTVアニメ『君のいる町』（2013）でヒロイン・枝葉柚希役を演じており、また瀬尾公治は「ワタシノセカイ」の作詞を担当と、お互いの信頼関係も感じられるこのナンバー。

シングルには、タイトル曲のほかに「最高の瞬間」、the ARROWSの坂井竜二が作詞、SUEMITSU & THE SUEMITHの末光篤が作曲・編曲を手がけた、“Love is coming, coming back!”のフレーズも鮮やかな、グルーヴィー・ポップ・チューン「愛はめぐる」の3曲を収録している。

「ワタシノセカイ」

作曲は下浦晃裕と秋山智美の二人からなるonetrapのユニット“秋浦智裕”。下地紫野「せかいが終わるまえに」（2016年10月にリリースされたデビューシングル『God Save The Girls』に収録）や、TVアニメ『アイカツスターズ！』のOPテーマ「1,2,Sing for You!」、ゲーム『バトルガールハイスクール』のアイドルソング「Pop☆Girls!」、また原由実や神楽坂ゆか、最近では異色のアイドル・グループ“ベッド・イン”などの楽曲も手がけている。そして、沼倉愛美が歌うOPテーマ「Climber’s High!」と同じく原作者の瀬尾公治が作詞を、また「Climber’s High!」を作曲したWEST GROUNDが編曲を担当している。

「Climber’s High!」は、作品に登場するカリスマ的人気を誇るバンド、“HEDGEHOGS（ヘッジホッグス）”の代表曲でもあるが、「ワタシノセカイ」は、そのHEDGEHOGSに憧れてバンドを始める主人公たちを、また彼らの青春のワンシーンを映し出すような、ギターポップによるナンバー。

互いに呼び合うようにギターが奏でられ、ピアノやドラム、ベースと次第に楽器が増えて行くイントロは、仲間が加わりやがてバンドが始まる『風夏』のストーリーも思い浮かべさせる。ハイレゾでは、水面に陽光がきらめいているようなギターの音色や、緩やかさから勢いを一気に加速させるドラムの躍動が、より鮮明に伝わってくる。サビでは爽やかな疾走感に包みこまれる、みずみずしいバンド・サウンドは、新たなスタートを切る中島愛にもぴったりだ。

“夏色に輝く空も” “キミ色に染まる” “キミの夢色づき始めるの” など、歌詞には作品のイメージを呼び起こす言葉が織りこまれており、その色が“キミ”と“私”の心の中で重なり合う、その様子を澄み切ったヴォーカルが描き出す。その夢の只中にいるような、でもちょっと切なく眺めているような、さらに踏み出す強さと優しさをたたえた歌声が美しく響く。

「最高の瞬間」

作詞は、ソロ・アーティストとしてまた執筆活動も盛んに行なっている、GOMES THE HITMANの山田稔明。中島愛の2ndアルバム『Be With You』に収録されている「金色～君を好きになってよかった」（作曲：菅野よう子、編曲：Rasmus Faber）や、千菅春香のシングル「愛の詩 -words of love-」（アルバム『TRY!』に収録）の作詞なども手がけている。作曲と編曲は、「Two of us」や「vivid brilliant door!」（5thアルバム『ISM』にも収録）など、戸松遥やスフィアの作品でもおなじみの古川貴浩が担当。

ディスコティックな要素を取り入れたニューミュージックといった楽曲の雰囲気は、80年代歌謡を好む中島愛に似つかわしく、洗練されたアップテンポなサウンドに歌声が元気に弾む。ホーン・セクションの響きや曲を引っ張るベース・ラインもまろやかに、ヴォーカルに寄り添うような重なり具合に音のなじみの良さや温かみを感じる。ところどころで小気味のいいフレーズやワウをさりげなく奏でるギターのアレンジも心地好い。

歌詞には時を経てシーンに戻ってきた中島愛を祝福しているような言葉が並び、デビューを思い出す導入部や、サビの“いつも最高の瞬間はだいたい近未来ここがスタートライン”、それ続く、“フレー”など、どれもが彼女にエールを送っているかのよう。またファンに想いを届ける、“わたしの声で”愛”を伝えたい今”の抑揚は、喜びの表情にあふれている。