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2017.06.21

JUNNA「Vai! Ya! Vai!」レビュー

JUNNA「Vai! Ya! Vai!」レビュー

“ワルキューレ”の歌姫、美雲・ギンヌメールの歌を担当したJUNNAがソロデビュー。「いけないボーダーライン」を手がけたコモリタミノルの作曲・編曲によるタイトル曲を収録したミニアルバムが完成。

2016年4月より放送されたTVアニメ『マクロスΔ』に登場する戦術音楽ユニット “ワルキューレ”のメンバーである美雲・ギンヌメールの歌を担当。『マクロス』シリーズでは最年少となる歌姫・JUNNAのデビュー・ミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』。タイトル曲を含む3曲の作曲をコモリタミノルが担当。ワルキューレでみせた方向性を拡張しつつ、またあらたな歌の一面を披露している。

「Vai! Ya! Vai!」

『マクロスΔ』では、「ルンがピカッと光ったら」「破滅の純情」、放送開始前に先行配信され、大きな話題を集めたワルキューレの代表曲「いけないボーダーライン」を手がけたコモリタミノルによる作曲・編曲。この曲でもこれらの楽曲で見せた歌謡路線を引き継ぎ、期待に違わぬダイナミックなロックを展開。キャッチーなメロディー・ラインと、キメを多用した刺激的なサウンド。そして、こぶしをきかせたJUNNAのパワフルなヴォーカル。どれも一度聴いたら忘れない、むしろ忘れられない強烈なインパクトだ。“Vai! Ya! Vai!”のフレーズが耳に残ってしまい、どうにも気になってもう一度聴いてみたくなる……そんな中毒性を帯びた極めて濃厚な仕上がり。

歌詞にもあちらこちらにパンチのある言葉ばかりが並んでおり、サビの“少女にでも 娼婦にでも なってみたいの”にも驚かされる。いかにも歌謡曲っぽいくだりだが、高らかに歌うその姿は逆に潔さを感じるほどで痛快。なんだかJUNNA版「プレイバック Part2」か「少女A」のようでもある。今年17歳になるJUNNAだが、年齢以上の風格とサウンドを喰らうがごときの迫力で聴き手を圧倒する。

コモリタミノルは「Vai! Ya! Vai!」のほか「JINXXX」「火遊び」も手がけている。「JINXXX」は分厚いブラス・セクションによるマッシヴな歌謡ファンク。自在に操るヴォーカル・テクニックに聴き惚れてしまう。「火遊び」は歌詞を岩里祐穂、ストリングスのアレンジを「恋! ハレイション THE WAR~without Freyja~」「不確定性☆COSMIC MOVEMENT」「NEO STREAM」「絶対零度θノヴァティック」と同じく倉内達矢が担当。哀愁漂うサウンドとほんのちょっぴりソウルのエッセンスを加えたアレンジが泣かせる。

「Catch Me」は『マクロスΔ』第18話「感覚 エマージェンス」のスペシャルエンディングテーマ「LOVE! THUNDER GLOW」を手がけたSiZKStephen McNairによるナンバー。「いけないボーダーライン」などの作詞を手がけた西 直紀とJUNNAが歌詞に携わっている。美雲のヴォーカル曲「LOVE! THUNDER GLOW」と同じくこちらもクラブ系のサウンドで終盤のトランス感が心地好い。

「大人は判ってくれない」の歌詞は、清浦夏実「銀色の悲しみ」(アルバム『十九色』に収録)、中島 愛「愛の重力」(アルバム『Thank You』に収録)などの作詞も手がけるボーイ・ミーツ・ガールの尾上 文によるもの。作曲・編曲は、寿 美菜子や入野自由、ミルキィホームズらの楽曲を手がけている原田アツシが務める。ビターテイストのギターロックが少女の葛藤をじわじわとあぶり出す。

ラストナンバー「Shooting Star」の作曲は元Superflyのギタリスト・多保孝一。さまざまなアーティストへ楽曲提供を行なっており、坂本真綾の「失恋カフェ」(アルバム『かぜよみ』に収録)、「Private Sky」(シングル『マジックナンバー』、『シングルコレクション+ ミツバチ』に収録)も多保孝一によるもの。「Shooting Star」のアレンジはこれらの楽曲と同じく中村タイチが担当している。ジェイムス・テイラーやキャロル・キングなどを思い出す、ちょっとアーシーな雰囲気のアメリカン・ロック。全編ほぼ英詞(一部さりげなく日本語詞)で歌われており、ソウルフルな歌声とメローなサウンドの組み合わせが非常にマッチしている。

ハイレゾではぐいぐいと押し寄せてくるサウンドのボリューム感や、メリハリを効かせた音のキレがより強く感じられる。解像感はヴォーカルの豊かな表現力を鮮明に描写。節回しやちょっと巻き舌になる抑揚をさらに躍動的に伝える。とにかくどこもかしこも音が濃いというのがハイレゾの印象だ。

JUNNAのソロとして名刺代わりとなるこのミニアルバム。才能の器が大きいだけにまだまだその片鱗を垣間見せたに過ぎないのだろう。今後どのような歌を聴かせてくれるのか、非常に気になるアーティストだ。

JUNNA
Vai! Ya! Vai!

FlyingDog
2016.06.21

FLAC・WAV 48kHz/24bit

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 収録曲

 1.Vai! Ya! Vai!
   作詞:西 直紀 作曲・編曲:コモリタミノル

 2.JINXXX
   作詞・作曲・編曲:コモリタミノル

 3.Catch Me
   作詞:JUNNA・西 直紀 作曲:SiZK&Stephen McNair 編曲:SiZK

 4.火遊び
   作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:コモリタミノル ストリングス編曲:倉内達矢

 5.大人は判ってくれない
   作詞:尾上 文 作曲・編曲:原田アツシ

 6.Shooting Star
   作詞:瓜生明希葉 作曲:多保孝一 編曲:中村タイチ

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