2018年1月より放送中のTVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』。クールで無口な転校生・小泉さんが実在するラーメン専門店を食べ歩くという、ちょっと変わった、そして食欲を非常にそそられるラーメン・ストーリーである。
今作のEDテーマを担当しているのは西沢幸奏。TVアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』のEDテーマ「吹雪」や、TVアニメ『学戦都市アスタリスク』のOPテーマ「Brand-new World」「The Asterisk War」など、激しい戦いを描く作品の主題歌を歌ってきた彼女だが、そんなイメージを更新するのが今回のEDテーマ「LOVE MEN HOLIC」だ。作曲・編曲は、西沢のデビュー時より楽曲に携わってきたWEST GROUNDが担当。西沢の歌のあらたな姿を映し出した、魅力的な曲に仕上がっている。
●これまでの活動や「LOVE MEN HOLIC」についての話が満載の〈西沢幸奏×WEST GROUND「LOVE MEN HOLIC」スペシャル対談〉はこちら
猛々しいラウドロックという従来のスタイルから一転、小気味いいギターのリフも印象的な、パーティー感溢れるキャッチーなサウンドを展開。WEST GROUNDらしいメロディアスな特徴はそのままに、リズミカルでグルーヴィー、ノリの良さをさらに高めたギター・ロックが心地よい。歌詞は恋する気持ちを、「ラーメン」を想起するワードを絡めて描写。それぞれ個別で歌詞を見るとたしかにユーモラスなのだが、聴いてみるとかっこよさのほうが上回ってしまうのが西沢幸奏ならでは。今回はラップ調のボーカルも披露しており、ややダルめな雰囲気を漂わせながら、起伏のある抑揚の波をスムーズに乗りこなしている。そして、愛情を強く訴えかけるサビの歌声がもたらす開放感が爽快というか、もう痛快である。
ハイレゾではなめらかなギターはもちろんのこと、密になりながら粘りのある、作品のイメージに合わせて例えれば「コシの強い」グルーヴを生み出す、ドラムとベースの存在感が引き立つ(2Aのスラッピングにも注目)。また前のめりな勢いがあるボーカルのキレもいい。ハイレゾはレンジが広いため、音のアクセントの強弱や細かいニュアンスがよりいっそう伝わってくるのだが、そこは楽曲の躍動感に繋がってくる大切な部分。サウンドの「ノリ」に呼応したボーカルの「ノリ」、そして活き活きとした表情が、この曲のいちばんの聴きどころだ。
今回は『ラーメン大好き小泉さん』とのタイアップということもあり、西沢幸奏と「蒙古タンメン中本」とのコラボも実施。期間限定コラボメニューの販売やコラボポスターの掲載、また蒙古タンメン中本の応援ソングとして「LOVE MEN HOLIC~蒙古タンメン中本Ver.~」をYouTubeにて公開している。あらたに歌詞を書き起こして収録したこちらのバージョンもぜひ堪能してほしい。
「アラド戦記」にて以前タイアップとなった「Break your fate」の方向性を引き継ぎながら、さらにダイナミックに発展させたロック・ナンバー。想いを綴るように語る、変調され歪んだ声が左右と真ん中から交錯しながら入ってきて、やがて“Gray Blaze”というタイトル・コールのようなひとつの言葉へと集約する、技ありなイントロも映像的な感覚でイメージをますます刺激する。
この曲ではゲーム内のキャラクター「女プリースト」をテーマにしており、「偽装者によって家族を失い、異端の行為に傷つけられた過去を信仰で克服した少女」という背景をサウンドと歌で表現。不穏な雰囲気に彩られた導入部から、刃(やいば)のように語気が鋭い“アリア”のフレーズ、轟音に神々しいアレンジを加えたサウンドとたぎるようなボーカルによるサビまで、登場人物の激情をありのままに写し取った迫力の楽曲となっている。ハイレゾでは一音一音の瞬発力が強く、パンチのある音の響きだ。ぐいぐいと押し寄せてくるようなサウンドとボーカルのエネルギッシュな勢い、さらに疾走感が感じられる仕上がりとなっている。
西沢幸奏
LOVE MEN HOLIC
FlyingDog
2018.02.21FLAC・WAV 48kHz/24bit
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1.LOVE MEN HOLIC(TVアニメ「ラーメン大好き小泉さん」EDテーマ)
作詞:西沢幸奏 作曲・編曲:WEST GROUND
2.Gray Blaze(アクションオンラインRPG「アラド戦記」タイアップ曲)
作詞:西沢幸奏 作曲・編曲:WEST GROUND
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