リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2018.03.12

亜咲花 女子高校生アニソンシンガーからの「卒業」!大熱狂の“1stワンマンライブ~graduate from LJK~”ライブレポート

亜咲花 女子高校生アニソンシンガーからの「卒業」!大熱狂の“1stワンマンライブ~graduate from LJK~”ライブレポート

放送中の人気アニメ『ゆるキャン△』のOPテーマ「SHINY DAYS」を歌う“女子高校生アニソンシンガー”の亜咲花が、高校卒業直後の3月4日、渋谷のWWWで“1stワンマンライブ~graduate from LJK~”を開催した。超満員の会場は早春という時節を忘れるかのような熱気に包まれ、彼女がこれまでリリースしたすべての楽曲とカバー曲を含む全17曲を歌い、笑いあり涙ありのはじめてのワンマン・ライブを見事走り抜けた。

オールスタンディングで収容人数満員に膨れ上がった渋谷WWWは、開演前から凄まじい熱気だった。やがて客電が落ちクラブサウンドが鳴り始めると会場のどこからともなく手拍子が発生し、5人のバンド・メンバーに続いて膝上丈の袴風な衣装に身を包んだ亜咲花が姿を現すと大きな歓声が湧く。青いペンライトに照らされて彼女が初めてのワンマンで最初に歌うのは、もちろんデビュー曲の「Open your eyes」。とても1stとは思えない堂々たる歌いぶりでいきなり会場を掴んでいく。間奏で煽りを入れてから最後のサビ直前には「数えて!」と絶叫し、オーディエンスとともにカウントアップをして締めくくると、彼女の表情は安心から満足へと変化する。軽くステップをしてから「盛り上がってますか!?」と何度も叫び「今日は最高に楽しいライブにしましょう!」とシャウト。黄色く変化したペンライトに照らされて歌う「Play the game」は憂いのあるメロディから熱く展開させるシリアスな思いの乗ったダンス・ナンバー。力強さはもちろん歌い上げのキレも見事で、間奏の最中はヘドバンをするとファンもそれに続くという熱さで、そこから息継ぐ間もなく次に投入したのは2ndシングル「Edelweiss」の英語バージョン。ファンには既によく知られていることだが、彼女は8歳までアメリカ暮らしで、この歌詞の翻訳も自ら行なったというほど英語が堪能で、発音を聴いても洋楽歌手のよう。ビートによる熱気は更にマシ、会場中に向けて笑顔で両手を挙げ、サビのところで「みんなも一緒に歌って!もっと聴かせて」と叫ぶと会場中がシンガロングし、それに応えるようにボーカル1本で伸びやかな声を返し、最後に白いライトに照らされた彼女が暗闇に浮かんだ。

大きな歓声に迎えられた最初のMCではまず「私事なのですが、先日無事に高校を卒業しました!」と報告。「デビューから1年4ヶ月の集大成をみんなの目に焼き付けたいと思います!」と語り、「ILLUMINA」へと展開。落ち着いたテンポで聴かせる曲ながら熱く何度もリフレインさせる姿を残した。再びアップテンポなイントロになったかと思うやいないや、フロアではここまでで最高の熱い反応を示す。その曲とは「Unfulfilled Butterfly」だ。ロックらしいナンバーでハイテンポながらオーディエンスのコールのタイミングもバッチリで、今日のライブをいかに楽しみにして来ていた観客であるかが伺える。亜咲花は左右に走り回り叩きつけるように歌い、終盤は1音ずつを大切に発し、キレの良いハイトーンを響かせていた。「タオル回す準備できていますか!?」と煽って次に歌うのは「Round of new thing」。1stワンマンの時点でこうしたレパートリーが揃っていることで盛り上がるライブは半ば約束されている。「遠慮なんていらない!」と叫ぶとギュウギュウの会場中にタオルが乱舞する。落ちサビからはロングトーンを連発し、さらに自身もタオルを振り回し何度も跳ねるという、若さ溢れるスタミナぶりを見せて前半を締めくくった。

一旦捌けた幕間では映像によるMCで、彼女のもうひとつのトーク達者な面も見せる。この日は卒業にちなんで、学校の教室風のセットでホワイトボードを前に、女教師に扮した彼女による女子高生言葉の講座。これがまた何度も大きな笑いを勝ち取り、トークの面でも彼女の魅力を広げたのは間違いない。

後半戦は「SHINY DAYS」のライブ衣装をワンマンライブ用にアレンジさせた華やかな服装で登場し、カバー・ソングのコーナーへ。最初の曲は戸松 遥の「Q&Aリサイタル!」。両手を振りながら登場した彼女は元気いっぱいなこの楽曲で両手を曲げてかわいらしく振り付けもコピーし、これまでほとんど見せてこなかったアイドルらしい歌い方も示す。定番の曲だけにオーディエンスのコールもピッタリで間奏には「L・O・V・E・亜咲花」の声が飛びジャンプも決め、最後には左右に手を振るというすっかりアイドル・ライブのような雰囲気が会場を包んだ。続く「甲賀忍法帖」はイントロから歓声が上がる。シリアスに深く歌うAメロからビブラートを効かせ、クリアな声で歌い上げてコブシを混ぜ、最後はロングトーンという技術を凝らしたパフォーマンスで表現の引き出しの多さを示した。「Paradise Lost」は原曲よりもややテンポを落として優雅さを感じさせる歌声に。マイクを向けてシンガロングをするあたり、この曲の定番感とオーディエンスへの信頼感がともに感じられる場面だった。次の「愛・おぼえていますか」は彼女が生まれる15年も前の伝説のアニソン。のちのMCでこれをセレクトした理由を彼女は「『ひとりじゃない、あなたがいるから』というみんなに向けての思いから選びました」と語る。ライト2本に照らされピアノの音色に沿って歌う彼女に会場はじっくりと聴き耳を立てていた。カバー・コーナー最後の曲は水樹奈々の「ETERNAL BLAZE」。イントロから大きな歓声が上がったのは、この曲のカバーという困難に挑むという彼女へのリスペクトの声だ。だが実際にはそれに気負うことなく、曲の中を泳ぐかのように自分のものにして歌いこなしていた。

リズム感豊かに爽やかに歌った「キミと始まる物語」、そして熱くメロディアスに「Just A Way You Are」を歌い、いよいよ終盤となったところで、彼女はMCでこの春から卒業を期に更に活動に専念し、また自分の武器である英語に磨きをかけつつ「世界にアニソンやアニメの良さを伝えていけたらと思います」と語る。このライブにおいて1stであることはここまであまり強調されてこなかったが、ここで改めてスタッフとファンに感謝を述べる。「デビューする前まで、私はずっとひとりで収録をしていましたが、今日改めて私はひとりじゃないんだなと感じました。これからも大好きなアニソン、そして歌とともに生きていこうと思います」と語り、拍手を受けてから、待望の「SHINY DAYS」をリズミカルに広い音域を十分に使って歌う。手は左右に振られ新しい未来へのクラップが乗り、お立ち台からノリノリな空気が会場を包んでシンガロングをし、最後は上を向いて絶叫し締めくくった。

誰からともなく「亜咲花」コールが湧いてアンコールに登場した彼女は「自分の名前を気に入っていて名字よりも名前で読んでもらいたい」という思いからこの名前で活動を始めたと話し、アンコールでそう呼ばれる喜びを語る。またプロ・デビューに際しての家族の反応を詳らかにし、同時に会場に来ている両親と祖母への感謝を口にする。「今まで支えてくれたスタッフさん、友達、そして家族、応援してくれたみんなに向けて歌う曲です」と前置きをして、Kiroroの「Best Friend」をカバーする。ピアノの伴奏に合わせじっくりと歌っていた彼女だったが、2番のコーラス部分で感情が溢れて泣き出してしまうと、そこでオーディエンスが代わりにシンガロングをして助けるという、まさに曲名通りの感動的な光景が展開された。そして間奏の間に立ち直り、最後は笑顔になりきれいな声で歌い上げたのだった。初のワンマン・ライブで、バンド・メンバー紹介も彼女にとっては初めてのこと。年上ばかりにもかかわらず、その紹介の仕方と笑いの入れ方もすっかり堂に入ったもので、地元の「ナゴヤドームでの凱旋ライブをいつか」と大きな夢をぶち上げ、また「20歳の成人式ライブを中野サンプラザで」と目標を掲げる彼女だが、この日の盛り上がりからすると可能性はかなり高いように思える。

そしてここで新曲「valkyrie PARTY」を投入する。これはドラマCD「第七特命課 十狂セメタリー」の主題歌で、彼女自身も大のドラマCD好きとしてその魅力を語り、この曲で初の作詞を手がけたことを明かす。その得意の英語詞から激しく展開していくゴシックな楽曲で、世界観に浸れるアグレッシブさも満載。キビキビした動きから頭を振り、最後はロングシャウトするパフォーマンスが印象的だ。またMCでは2018年放送予定のアニメ『ISLAND(アイランド)』のEDテーマを担当することが発表された。同作のオープニングは田村ゆかりが担当することも発表されており、大先輩にリスペクトを捧げるコメントで観客を喜ばせた。

そして記念すべき1stライブの最後に選んだのは「Edelweiss」。学業と両立する上での葛藤から「どれが自分の本当の居場所なんだろう」と悩み限界に近いところで出会い「不安や悩みから私を救ってくれた」曲。「今ここに将来について悩んでいる人がいたら、私だけは味方です」と語り、力のこもった歌声で思いを乗せじっくりと歌っていく。ファンの一人ひとりを指差し、思いを共感して歌い上げ、落ちサビではまたもシンガロングが沸き起り、最後は笑顔でVサインを示してライブを締めくくった。

初めてのステージ・シャッターでは「卒業おめでとう」の唱話で切り、地声で何度も感謝を述べ、投げキッスをフロアに向けて退場していった。高校卒業に合わせた1stワンマンライブというタイミングで、キャリアハイの人気曲を手にした亜咲花。実際のライブでは高校生であるとか1stであるといった条件をまったく感じさせない完成度の高いパフォーマンスを示した。また、来場したオーディエンスもこれまでのリリース曲への反応も良く、シンガロングを含めて一緒に空間を作っている意識を持っていたように感じられた。MCで語った20歳の目標やその先について実現も夢ではなく、有言実行を期待させるポテンシャルを持った公演だった。

Text By 日詰明嘉

1stワンマンライブ~graduate from LJK~
2018年3月4日(日)渋谷WWW
<セットリスト>
1.Open your eyes
2.Play the game
3.Edelweiss English ver.
4.ILLUMINA
5.Unfulfilled Butterfly
6.Round of new thing
7.Q&Aリサイタル!(カバー)
8.甲賀忍法帖(カバー)
9.Paradise Lost(カバー)
10.愛・おぼえていますか(カバー)
11.ETERNAL BLAZE(カバー)
12.キミと始まる物語
13.Just A Way You Are
14.SHINY DAYS
EC
15.Best Friend(カバー)
16.valkyrie PARTY
17.Edelweiss

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP