「アイドルマスター ミリオンライブ!」のCD「THE IDOLM@STER MILLIONLIVE! MILLION THE@TER GENERATION 03」&「M@STER SPARKLE 05」の発売記念イベントが2018年1月27日、首都圏近郊某所にて開催された。
イベントには「THE IDOLM@STER MILLIONLIVE! MILLION THE@TER GENERATION 03」より伊吹 翼役のMachico、桜守歌織役の香里有佐、北上麗花役の平山笑美が、「THE IDOLM@STE MILLION LIVE! M@STER SPARKLE 05」組から大神 環役の稲川英里、エミリー スチュアート役の郁原ゆう、宮尾美也役の桐谷蝶々が出演。今回は「ミリオンライブ!」2018年初のイベントということで、「あけましておめでとうございます!」「わさんぼーん!」のコールアンドレスポンスで幕を開けた。
まずは楽曲に関するトークから。「Angelic Parade♪」チームの平山が、全員曲以外でMachicoと一緒に歌うのは初めてであることを明かすと、Machicoも「「Marionetteは眠らない」で同じユニットだったのにね!」と返し、初めて一緒に歌うステージを喜びあった。ユニット曲に初参加の香里は、「このパートは5人の中の誰が歌うんだろう? とイメージしながら歌うのがとても楽しかったです。だから今日は一緒に歌うのをとても楽しみにしてきました」と語って大きな拍手を受けていた。
「M@STER SPARKLE 05」チームはソロ曲についてのトーク。「たんけんぼうけん☆ハイホー隊」について稲川はレコーディングでオリジナルの振付を想像しながら歌っていたことを明かし、「今日のダンスを見て、環が踊っている姿を思い浮かべながら聴いてください」と語っていた。桐谷は「ふわりずむ」のダンスについて「初めて美也ちゃんにゆったりした曲が来ました。今までの美也ちゃんのカードのイメージやエピソードを織り込んで頂けたのかなと思いました」。郁原は「はなしらべ」について「曲の頭から和のテイストのダンスで、日本舞踊をイメージしたのかなと思いました。今までのソロ曲も指先までの表現に気を使ってきたんですが、今まで以上に繊細にしないと、と思いました」と、ごまかしがきかないゆったりした曲の難しさを明かしていた。
「アウトオブシアターデイズ」のコーナーは“「どこで」「○○をしながら」「誰が」こんな一言”のお題をボックスから引いて、シアターの外でのアイドルたちの様子を想像するお題トークだ。まず存在感を見せたのが平山で、プロデューサー殺人事件の現場に居合わせるというシチュエーションで「思ったより普通の死に方なんですね!」と返したり、東京タワーのてっぺんからプロデューサーに幸せの電波送ったり。突拍子もないシチュエーションを麗花ならではの展開で突破していた。
そして同じく存在感を見せたのが稲川で、平山の事件現場ネタに「親分死んでる!思ったよりふつうだね!」とかぶせたり、香里が友人の結婚式でピアノを弾くお題では、桐谷と新郎新婦として入場してきたり。自身の「ハワイで お茶を点てる 大神 環」という普通なら難しいお題でも、自身が茶道部出身という実話を絡めて見事な裏千家の(エア)手前を披露したりと、大活躍だった。
しかし今回注目したいのはMachico。「高級レストランで 掃除をする 伊吹 翼」という回答が散らかりそうなお題で、一緒に食事しているプロデューサーさんが食べきれないステーキを「お掃除しますね」できれいに食べてしまうという名解釈をキュートに鮮やかに見せると「どやぁ…」と満足げ。いつも残念担当ではなくやる時はやるんだ! という新年の気迫すら感じた演技だった。
後半のライブパートは稲川の「たんけんぼうけん☆ハイホー隊」からスタート。額に手をあてて、冒険で訪れた新たな土地を見回すような振付が印象的だ。天真爛漫な笑顔だけでなく、探検にくたびれたような表情だったり、どの感情表現も全力で生き生きしているのが環と稲川らしい。エンドレスに思えるほど長い楽曲で、後半でも容赦なく転調を交えてテンションを上げていく感じは、日本武道館ライブを乗り越えたソロ曲3周目のキャスト陣に対する信頼を感じる。「ゲロゲログワ!」「ハイドウドウ!」のアニマルコールアンドレスポンスの盛り上がりは、ライブ曲としてさらに育つポテンシャルを感じさせた。歌い終えた稲川は「私も環も本当に楽しかったです! みなさん初めてなのに、息だってぴったりすぎでしょう!」と、歌詞になぞらえて喜んでいた。
桐谷は「ふわりずむ」を披露。小さなつぼみが咲く様子を表現したり、「調べ」の歌詞に合わせて音符が踊るような仕草を見せ、それを口元にやって「こえ」を表現したりと、表意的なダンスが多い。伸びやかに手を差し伸べたり、間奏でバレエっぽく舞うような、桐谷らしい動きが随所で見られた。ゆったりとした曲調ではあるが、力強く前向きな感じもあって、成長した宮尾美也の楽曲であるように感じた。ラストは「ラララ」の合唱なのだが、観客を強く煽るのではなく、きてきて、という感じに小さく手招きするのが桐谷らしいし、それにしっかり応えるプロデューサーたちも流石だった。「2回目は(昼公演に比べて)ハッピーな感じを出せたと思います(桐谷)」。
郁原の「はなしらべ」は、和の調べのイントロに合わせた日本舞踊のような舞が印象的。そして動き以上に印象的だったのが、間奏などで時折見せた、ふわっと花がほころぶような微笑みだ。巡る季節とエミリーを取り巻く美しい世界を繊細に華やかに表現する、ちょっと浮世離れしたような楽曲なのだが、郁原の表情と、客席を愛おしそうに見回す視線がエミリーを身近に感じさせてくれる。最後に自分と誰か(あなた)を交互に指差すようなちょっと質が違う振付が入っていたのが、彼女の世界の中で仕掛け人さま、ごヒイキ様との関係性がとても重要なものであるように感じた気がした。
Machico、香里、平山の「Angelic Parade♪」には、Angelという属性の新たな可能性を感じた気がした。まず、特記しておきたいのは香里の歌声の伸びやかさと笑顔の存在感であり、そこに“新人なのにすごい”といった注釈はもう必要ないと思う。ミリオンスターズ39人を見渡した上でも、彼女の笑顔と表現力は傑出したオリジナルだ。
その上で、香里の表現の余韻を、平山が、Machicoが次々と更新していく。お互いを追いかける歌声が高めあっていく様子で個人的に思い出したのは同じ場所で見た「待ちぼうけのLacrima」だったが、華やかで伸びやかで膨らみがある歌声が響き合いながら登っていく感じはAngelならでは。翌日行われたリスアニ!LIVE 2018 SUNDAY STAGEのミリオンスターズからの出演者が全員Fairyだったこともあり、色の違いをはっきり感じることができた。一際華やかな笑顔を浮かべた3人が、円陣で手を合わせるように集めた「私たちのメロディ」を解き放つ姿は、とても爽快で美しかった。歌い終えたMachicoは、ダンスで「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」を再現したことを語り、「シアターデイズ」以後の「ミリオンライブ!」の新しい可能性を示していた。
ラストは全員揃っての「Brand New Theater!」。キラキラ感があふれるステージで、くるくるっと回っていぇーい! とキメる5人は本当に楽しそうだ。稲川と香里の笑顔の並びがすごく印象的で、新たな仲間が加わることでいろいろな光景が見られるのだなと改めて感じるステージだった。
Text By 中里キリ
セットリスト
M01:たんけんぼうけん☆ハイホー隊(稲川英里)
M02:ふわりずむ(桐谷蝶々)
M03:はなしらべ(郁原ゆう)
M04:Angelic Parade♪(Machico、香里有佐、平山笑美)
M05:Brand New Theater!(全員)
©窪岡俊之 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. ©BNEI/PROJECT iM@S
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