待望の再演『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」 #1 revival』ゲネプロレポート！

あらたな年を迎えて間もない1月6日（土）～8日（月）、AiiA 2.5 Theater Tokyoで『「少女☆歌劇レヴュースタァライト ―The LIVE―」#1』が上演された。2017年9月の初演はチケットが発売即完売となり、その内容も大きな拍手で受け止められたが、今回は前回を超える形での再演となっていた。全国20ヶ所でライブビューイングも行われた一大ショウを簡単だが振り返ってみたい。

『少女☆歌劇レヴュースタァライト』とは、ミュージカルとアニメーションというふたつの表現方法で物語を紡ぐ“二層展開式少女歌劇”。舞台＆アニメで登場するメインキャラクターを、同じキャストが演じることから生じる変化と調和が大きな魅力である。キャスト陣自身がさまざまな角度からキャラクターを捉え、ミュージカルでは、ステージだからこそ輝く女の子を、アニメでは画面の中ならではの輝きを見せる女の子を生み出している。

物語は舞台女優を夢見るふたりの少女から始まる。
「あの頂上で輝きをつかむのが私の運命？　それともこの地上で星の輝きに照らされるのが私の宿命？」

2人の少女の、観客を輝く熱狂に導く舞台「スタァライト」への憧れと情熱を、観客は知ることになる。

舞台は一転して、数年後の「聖翔音楽学園」での学校生活が描かれ始める。8人の女生徒たちがつぎつぎと歌で自己紹介していく。舞台女優への夢で幼き胸を焦がした少女、愛城華恋も学園生のひとりだ。しかしそこに現れた華恋の幼馴染である異分子、神楽ひかり。幼馴染との再会を喜ぶ華恋だったが、海外での豊富な経験と確かな実力を持つ彼女に、天堂真矢ら7人は、互いに強いライバル心を露わにし始める。そこに、学園の教師・走駝紗羽によってもたらされたのが「レヴューバトル」。生徒たちはトップスタァの座をかけ一対一の対決を強いられ、相手を蹴落とさんと武器を振るう。仲のよい友達が、幼なじみが、反目し合っていたライバル同士が互いに身体を、そして心を傷つけ傷つけられる。その感情の揺れは決して「友情」という言葉の範囲に収まるものではなく、見る者の心を揺さぶっていく。

だが、何よりも観客の目を惹きつけて離さないのは生身の身体。多くの稽古の果てにたどり着いた躍動は、舞台ならではの魅力である。また、ミュージカル女優のプリンシパルを目指した三森すずこは、エリートである役柄もあってバレエ的なアクションが多く付けられている。舞台経験豊富な富田麻帆は演じる天堂真矢にふさわしく、一挙手一投足一歌唱の切れ味が素晴らしい。舞台経験は少ない伊藤彩沙だが、その通りのよい声＆歌声はさすが声優とうならされたし、三森に憧れを抱いて声優の世界に足を踏み入れた佐藤日向は、最年少ながら豊富な経験に裏付けされた歌・ダンス・演技で総合力の高さを見せた。三森と対となる小山百代は歌声が高音域に進むにしたがって、まさにまばゆいばかりの輝きを感じさせた。岩田陽葵も、小泉萌香も、相羽あいなも、生田輝も、それぞれがそれぞれの経験を生かしてキャラクターに息吹を与えており、キャラクターと演者どちらの個性と血潮が感じられる舞台であった。物語の中で9人の少女たちが戦いの末にどのような星をつかんでみせたのか、今回の再演はBlu-ray化が発表されているので、来場者も未見の人もその目で確かめてほしい。

舞台は休憩を挟んで2部に分けられており、後半は少女たちによるライブショウがスタートする。1部は少女たちの葛藤や成長を見守る立場だったが、2部はライブということでスタンディングやグッズによる応援も可能ということで、また異なる熱さが会場を包んだ。楽曲は、1stシングルとしてリリースされた「Star Divine」など6曲。これらをMCなしのフルコーラスメドレーとして観客に届け、少女たちの魂を見せつけたほか、3月7日発売の2ndシングル収録の「スタァライトシアター」を初めて舞台で歌ってみせたのも再演ならでは見どころだった。

さらに本公演では、アフタートークや、お見送りが開催され、スタァライトのまばゆさを舞台とは違う形で体感する機会も設けられるなどのお楽しみも。初演、再演の大盛況を受け、10月13日（土）～21（日）天王洲銀河劇場にて上演予定の新作公演も発表されており、また、『少女☆歌劇レヴュースタァライト』から誕生したユニット「スタァライト九九組」として6月23日（土）八王子オリンパスホールでの単独1stライブを開催することも決定しているので、少女たちの熱き生命力を肌で感じたい人はそのときを待ちたい。が、いよいよアニメが今夏での放送開始されることも発表されている。舞台でかくのごとく演じた少女たちが、アニメではどのようなキャラクターに生まれ変わらせるのか、そこも非常に大きな期待を寄せてしまう。

Text By 清水耕司（セブンデイズウォー）

●公演情報
「少女☆歌劇レヴュースタァライト ―The LIVE―」#1 revival

2018年1月6日（土）～8日（月・祝）AiiA 2.5 Theater Tokyo

【キャスト】
愛城華恋：小山百代
神楽ひかり：三森すずこ
天堂真矢：富田麻帆
星見純那：佐藤日向
露崎まひる：岩田陽葵
大場なな：小泉萌香
西條クロディーヌ：相羽あいな
石動双葉：生田輝
花柳香子：伊藤彩沙
ほか

●作品情報
TVアニメ『少女☆歌劇レヴュースタァライト』
2018年夏公開予定

＜ストーリー＞
『舞台少女』――それは未来の舞台女優を目指す、キラめきに溢れた少女たち。
ある日彼女たちの元に1通のメールが届く。
「お持ちなさいあなたの望んだその星を」
輝く星を掴むべく、オーディションに集まった9人の舞台少女。
光を求める想いが、執着が、運命が――舞台の上で交錯する。
今、レヴューの幕があがる。

【スタッフ】
監督：古川知宏
副監督：小出卓史
シリーズ構成：樋口達人
キャラクターデザイン：齊田博之
プロップデザイン：高倉武史／谷紫織
グラフィックデザイン：濱祐斗／山口真生
色彩設計：吉村智恵
美術監督：秋山健太郎／福田健二 (studio Pablo)
3D監督：秋元央 (T2studio)
3D舞台照明：カミヤヒサヤス
撮影監督：出水田和人 (T2studio)
編集：黒澤雅之
音響監督：山田陽
音楽：藤澤慶昌／加藤達也
戯曲脚本・劇中歌作詞：中村彼方
アニメーション制作：キネマシトラス