声優・中村繪里子がパーソナリティを務めるラジオ番組『中村繪里子 キラとき☆』。この番組の100回放送と中村繪里子の誕生日を記念した公開録音イベントが11月18日に東京・スペースFS汐留で開催。ラジオを愛する中村繪里子が観客と一緒にラジオを全力で楽しむ2時間超のイベントとなった。今回は、新OP曲の作詞・作曲を担当する一之瀬ユウがゲスト出演した昼の部の模様をお届けする。
さて、皆様は『中村繪里子 キラとき☆』という番組をご存じだろうか。この番組は全国97局のコミュニティFMで毎週火曜24:30~25:00に放送されている。
コミュニティFMというのは市町村などの限定された範囲で放送されている地域密着型のラジオ局のこと。かつてはわざわざ放送エリアまで行かなければ聴けなかったものだが、現在はネットでサイマル放送(同時放送)が行われており、この番組もPCやスマートフォンがあれば全国で聴取することができる(詳しい聴取方法はこちらを参照)。
今回の公録イベントがなんと早くも8回目。ラジオトークに定評のある中村繪里子だけに、しゃべり出したら止まらないのはご想像の通りで、今回は30分番組の公録なのに2時間超のイベントとなった。もちろんその間、ほとんどしゃべりっぱなし。……ということで、30分番組の公録イベントのレポートとしては長文になることをご了承ください(笑)。
登場するなり「どーも、中村繪里子でーす!」とステージの左・右・中央で3回も挨拶すると、早くもノンストップのトークが始まる。「パッと目についた皆さまに積極的に絡んでいくスタイル」と称して、ガンガン観客をいじっていく。途中で遅れてきたお客さんが来れば「あっ、お席見つかりましたか?」と声をかけ、「(会場の)中、暑くないですか? Tシャツとかに着替えたらどうですか?」と物販のTシャツ購入を勧めるという、初代林家三平を彷彿とさせる熟練の客いじりで爆笑を誘う。
長いご挨拶の後、まずイベントは『とびだせ!!えりこっこ』第2話の最速先行上映からスタート。これは“『キラとき☆』から生まれたキャラクター「えりこっこ」がKiraToki Islandで愉快な仲間たちと繰り広げるハートフルストーリー”とのことで、『キラとき☆』の公式YouTubeチャンネルで公開されている。
そして、本編のラジオ公録パートに突入(※ちなみに、前段階でしゃべりすぎてここまでで約30分が経過している)。「知ってるぅ?」という第一声から番組は始まった。「今日は公開録音を行っておりまーす!(拍手)。公開録音ってことを知ってましたか?」「そしてもうひとつ知っていただきたいことがあります! 100回目なんだってー!」と100回記念公録を行っていることをラジオの向こうのリスナーに語りかける。
まず番組の最初に行われたコーナーは“目指せ! 100(ワンハンドレッド)!!”というもので、会場にいる観客に事前にアンケートで募集した質問をして当てはまる人に挙手してもらい、ちょうど100人になったら成功という、第100回ならではのコーナー。ただ、何人挙手したのか集計する機械もなければ日本野鳥の会もいないので、最後列のお客さんが自分の前の列で挙手しているお客さんを数え、電卓を持ったスタッフが聞いて回って合計するという方式が採用された。「いちばん後ろまで見えてるからね?」と、こんなところで名ゼリフを引用するのがずるい(笑)。
どんな質問が飛び出したのかというと……。
「100人集計するのは大変だなと思う人」→96人
「今回の公録も時間オーバー間違いなしだと思う人」→111人
「家の鍵を閉めた人」→89人
「お菓子を作ったことがある人」→63人(※なお、客席の手の挙がり具合を見て中村が「63人ぐらい」と目算したのが見事に的中したが、人数を当てるクイズではないので特に関係なかった)
「納豆が好きな人」→87人
「今日トイレ行った人」→108人(※煩悩の数)
この他にも何問か質問があり、20分以上もコーナーは続けられた(あれ? この番組、30分番組だったはずじゃ……)。だが、結局100人ピタリ賞は出ず。最初はラジオ向きのコーナーではないと言っていたものの、かなりの盛り上がりを見せた。
続いてのコーナーは“キラとき☆ あいうえお作文”。100回にちなんで“ひ・や・つ・か・い”というお題でリスナーにあいうえお作文を作ってもらうというコーナーだ。
「ひ・100回の間、や・休むことなく番組を、つ・作り続けてくれて、か・関係者のみなさん、い・いつもありがとう」という心温まるものもあれば、「ひ・暇つぶしに、や・野球ゲームをしていたら、つ・Twitterの通知が鳴り、か・彼女から、い・一緒に遊ばない?とデートの誘いが来た。……そんな夢を見たんだ」というネタも。「Twitterで通知が来るの? それ、彼女じゃないかも」と的確なツッコミをしていた。
「ひ・100回記念でなんかやってほしい!、や・やっぱり47都道府県公録かな?、つ・つーか、か・海外、い・行っちゃう?」という投稿の後、「どうですか?」と中村が海外での公録の実現をスタッフに問いかけると、「大丈夫ですよ、リスアニ!さんが力貸してくれますから」とスタッフが返した。中村をはじめ、会場のすべての視線がアホ面で取材メモを書いていた記者に集中。思わぬところで銃弾が飛んできて動揺する記者。いやいやいやいや! 私、そんな権限ないですから!(笑)。手をぶんぶん振って否定すると、「完全に『無理無理無理』って明確に意志を表示されましたよ」と言われ、爆笑が起きてしまった(笑)。
しかもその後、「いつか海外とかで公録があったら、そのときも取材に来てくださいますか?」とマジなトーンで問いかけられ、思わず「行きまーす!」と答えてしまった記者。……大丈夫なのか。取材費は出るのか。それにしても、会場のお客さんだけでなく、取材に来た記者まで番組に巻き込んでしまうとは中村繪里子恐るべしである。
さて、番組がおすすめする曲を伝えるという非常にFMらしいコーナー“キラとき☆ ミュージック”では、新OPテーマを担当した一之瀬ユウが登場した。蝶々Pの名でボカロPとして活動している彼だが、2017年1月に一之瀬ユウ名義でシンガー・ソングライターとしてデビュー。まずは曲作りについての質問がなされたので、そのトークの要旨をご紹介しよう。
中村繪里子 今回、(一之瀬さんに)『キラとき☆』のOPテーマをお願いしますということになって、大事にしたことってなんですか?
一之瀬ユウ ラジオのOPテーマなので、ラジオって「また来週もお会いしましょう」とか、そういう感じじゃないですか。リスナーさんと一緒に作っていくものだというところも踏まえて、「また今週も無事お会いできましたね、この場所で」みたいな感じの曲にしようかなと思いました。
中村 すごーい! むちゃくちゃわかる~! 私もラジオでお話するときには、たとえちょっと下卑た表現だったりとか、行き過ぎる表現になっちゃうことがあったとしても(観客笑)、そのときの自分の気持ちをストレートに出せたほうが、ラジオの魅力だろうなって思ってるんですね。その想いを全部、歌詞に込めてくださったので、しゃべり手としての自分と曲を作ってくださった一之瀬さんと、うまく噛み合ったんだな、こういう出会いってすごくうれしいなと改めて思いました。
そんな曲への想いを確かめたところで、新OPテーマ「約束の場所まで」の音源が公開された。
中村 歌詞の中で、私すごく好きなのが、Bメロにあたる「私はいつでも私らしく 心躍る笑顔が答えになるから」(※この部分実際に歌う)のところがめちゃめちゃ好きで。笑顔って人によって全然表現が違うじゃないですか。でも、それがひとつのみんなにとっての指針になったり、一個ずつの色が違うものにちゃんとなって届くんだよというのを、ここで書いてくださっているのがすごくうれしかったです。一之瀬さんの中で、どこがこの歌詞の一推しポイント、一之瀬ポイントですか?(笑)
一之瀬 全部といえば全部なんですけど、やっぱり“みんなで作り上げていきましょう”というメッセージ性が強いので、そういうところを感じていただけたらと思いますね。
「この曲があなたの応援歌となって、みんなを支えることができるようになったらうれしい」というこの曲。来年(2018年)には公開予定とのことだ。この後もリスナーから寄せられた質問に一之瀬氏が答えるコーナーが行われ、「なぜこのOPテーマの担当を引き受けようと思ったのですか?」という質問に「金縛りにあって、『キラとき☆』の神様のお告げを受けたから」と回答。すっかり『キラとき☆』のカラーになじんだ様子で、最後は“『キラとき☆』が大好き”とのコメントを残した。ちなみにゲストコーナーは約30分以上続いた(あれ? この番組……)。
ゲストを送り出した後は、“なんかいろいろやるコーナー”というコーナーが行われた。会場に来たリスナーからのアンケート用紙に書かれたメッセージや質問を読んで答えたり直接リスナーとしゃべったり……要するになんかいろいろやるコーナーである。例えば、会場にいたあるリスナーが家具屋さんであることが判明し、たまたま他のリスナーが書いていた家具についての悩みに専門家として答えるといった、リスナーが集う公録イベントならではの出来事があったりした。
公録の最後に中村繪里子からの告知が行われた。12月1日には“リスアニ!ナイトVol.8”にDJとして出演。そして、『キラとき☆』の第9回公録が決定! 2018年2月12日(月・祝)に東京・YMCAホールで行われる予定とのこと。今後、詳しい情報が出ると思われるので、番組や公式サイトでチェックしていただきたい。
番組の進行を補佐するスタッフからは「みんな、昼の部と夜の部の間って何してるの? ご飯食べてるの? じゃあ、今度の公録は昼の部と夜の部の通し券を作って、お弁当出すからスタッフとみんなで食べようか?」などといった提案が飛び出したりもした。もちろん本当に実行されるかは不明だが、それぐらいリスナーとの距離が近いのがこの番組の特徴。それも中村繪里子というパーソナリティがリスナーやゲストから取材記者まで(笑)、みんなを巻き込んでいく力の強さによるところが大きいと言えるだろう。
そんなこんなで、2時間超の公録イベントは終了。「もし4日間お休みがあったら、4日間の帯番組がやりたい。100時間お休みがあったら、そのうち98時間は放送をして、あとの2時間は他人の番組を聴こうかな」と語った彼女のラジオ愛が全面にあふれ出たイベントとなった。
なお、EDテーマの作詞・作曲を担当するぐるたみんがゲストとして登場した今回のイベント夜の部の模様は、12月12日深夜(13日未明)に放送予定だ。
●配信情報
「とびだせ!!えりこっこ」
『中村繪里子 キラとき☆』から生まれたキャラクター「えりこっこ」が
KiraToki Islandで愉快な仲間たちと繰り広げるハートフルストーリー(?)
キラときYouTubeチャンネル
「とびだせ!!えりこっこ」第1話、第2話、第3話 公開中!
第9回公開録音決定!
2018年2月12日(月・祝)
<昼の部>開場 12:00/開演 13:00
<夜の部>開場 16:00/開演 17:00
会場:YMCAホール
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