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2017.11.04

新曲初披露あり、PV衣装お披露目あり!5年の感謝とともに切った新たなスタート「春奈るな LIVE 2017 “LUNARIUM”」レポート!

新曲初披露あり、PV衣装お披露目あり!5年の感謝とともに切った新たなスタート「春奈るな LIVE 2017 “LUNARIUM”」レポート!

10月からスタートしたTVアニメ『URAHARA』で声優デビューを飾った人気のアニソンアーティスト・春奈るな。彼女のワンマンライブ「春奈るな LIVE 2017 “LUNARIUM”」が10月22日(日)、六本木のEX THEATER ROPPONGIにて開催された。今回のライブは今年6月に発表した3rdアルバム「LUNARIUM」以降、初めてのワンマンライブとなる。実力に裏付けされた圧巻のステージの模様をお届けしていこう。

2012年にアーティストデビューを飾った春奈るなは、ファッションモデルとしての顔も持ち、10月には声優デビューを果たしたマルチな才能の女性シンガーだ。最新アルバム「LUNARIUM」を引っさげてのワンマンライブとなった今回は、収録曲を中心としたセットリストで彼女の新たなスタート、そしてこれまでの活動の総決算ともいえる安定したパフォーマンスが印象に残るライブとなった。

当日は台風21号が接近するあいにくの雨模様だったが、会場には熱気を帯びた多数のファンが集結。各々ライブTシャツを着用し、グッズタオルを手にライブの開始を今か今かと待ちわびていた。そして定刻、客電が暗転すると場内にオープニングSE「Prologue ~LUNARIUM~」が流れ始める。これは「LUNARIUM」冒頭に収録されているインストナンバーだ。それに合わせフロアは春奈のテーマカラーであるグリーンのサイリウムで一面が埋め尽くされる。音楽とともにステージに姿を見せた春奈は「Prologue ~LUNARIUM~」から繋いだ一曲目「ステラブリーズ」を歌唱し、会場のボルテージを一気に引き上げていく。本公演のバックバンドはツインギターにベース、キーボード、そしてツインドラムという非常に豪華な編成。春奈は鱗のついた人魚のようなドレスを身にまとい、「LUNARIUM」のジャケットを想起させる爽やかな出で立ちでオーディエンスにキュートな笑顔を振りまく。

熱烈なコール&レスポンスに包まれた「ステラブリーズ」を終えたところで「今日はみんなで最高の時間を作っていきましょう!」と呼びかけた春奈。続く楽曲はライブでもおなじみのアップテンポなナンバー「MONSTER」だ。ここまでは「LUNARIUM」の収録曲と同じ順番でセトリが展開されている。フロアを染め上げた赤いサイリウムの光の中、赤と紫の照明を交互に受けた春奈が艶かしく照らし出され、軽快なツーステップを踏みながら重厚感たっぷりに楽曲を歌い上げた。続く「純真クライシス」では背景に水玉模様が映し出されると、ステージに設置された蛍光管が点滅し、楽曲のクールな印象を引き上げていく。春奈がオーディエンスと心の距離を近づけるかのようにステージ袖まで動き回れば、観客も彼女の気迫に負けじとコールで呼応するテンションの応酬。会場の熱量は序盤から最高潮に達し、早くも公演の成功を確定づける。波の音、水面を思わせる照明とともに始まった「Ripple Effect」では、ステージ上に4人のダンサーたちも登場。シンガーソングライター・ZAQが手がけた本楽曲は、TVアニメ『ハイスクール・フリート』のEDテーマでもあり、作品をイメージしたダンサーたちのセーラー服姿がとても涼しげだ。行進しながら行なう敬礼ポーズもポップで非常に瑞々しい。

4曲を終えたところで「みんな楽しんでますかー! 今日は台風が近づいてる中、来てくれてありがとう」と笑顔の春奈。バックバンドのメンバー紹介を行うと、次の楽曲「PURPLE LOVE」の振り付けをダンサーたちと一緒にレクチャーすることに。難しい振り付けながらも彼女たちの丁寧な解説の甲斐あってか、演奏中もオーディエンスたちのシンクロはばっちり。会場一体となって完璧な振り付けを披露する。またダンサーたちのかわいらしい猫のポーズもあいまって、楽曲のキュートさがより引き立っているようだ。「六本木まだまだ行くよー!」とオーディエンスをあおった春奈が披露したのは、バックバンドのメンバー・Sakuが作詞したポップソング「Fly Me to the Moon」。「LUNARIUM」の収録曲である本楽曲も「Ripple Effect」に負けず劣らず、夏らしい軽妙なシンセサウンドが心に響くナンバーだ。

バラード調のナンバーでまとめられたブロックでは「LUNARIUM」の中から収録曲「REASON」、「ステラブリーズ」のカップリング「アイコトバ」、そして6枚目のシングル「Startear」の3曲を歌唱し、しっとりとした歌声で観客を魅了していく。ここでは、彼女の歌唱に聴き惚れたかのようにじっくりと耳を傾ける観客たちの姿が印象的だった。さらに、ドゥームに蠢くベース音が焦燥感を掻き立てる「美しきセンティメント」を歌唱した際は、夕日を思わせるオレンジの照明の中、願うかのように両手を合わせた姿でオーディエンスの胸を打つ。

ここで一度、春奈はステージを後にすると、バックバンドによるセッションがスタート。エモいグルーヴにのせてそれぞれのパートがソロプレイを炸裂させると、そのまま演奏は2ndアルバムの収録曲「みんな絶対キミが好き」のイントロへと移行していく。それにあわせて壇上に姿を現した春奈は、自身のイメージカラーである緑と白で彩られた格子柄のワンピース、つまり『KIRAMEKI☆ライフライン』のPVで着用していた衣装に身を包んで登場する。と、ここで思わぬサプライズが。なんと春奈がステージからフロアへと降り、ファンの間近で歌唱を続け始めたのだ。これにはオーディエンスも大喜び。みなが春奈を間近で感じ、会場が呼吸をあわせて一体感に包まれていく。さらに、再びステージに上がった春奈にあわせてダンサーたちが登場。彼女たちもサイリウムを片手に持ち、かわいらしさを全面に押し出した演出が繰り広げられた。

歌唱後、「着替えて参りました。私がこの衣装を着てきたということはTVアニメ『URAHARA』のテーマを歌うということです!」とコメントする春奈。自身が主役を務める『URAHARA』について「放送を見ている人はいるかな?」と会場に挙手を求めると、観客のほぼ全員が手を挙げて春奈を歓喜させる。続いて「私の演技はどうかな?」と不安顔の質問にも「いい感じ〜」とオーディエンスのお墨付きをもらい、安堵したのかようやく笑顔に。今後の活動への自信も得たようだ。

そして、満を持してお披露目となったのが『URAHARA』EDテーマの「KIRAMEKI☆ライフライン」。ライブ初披露となる本楽曲では、間奏におけるトランペットを吹くようなジェスチャーやマリオネットを思わせる手と足を振り出した振り付けが目を引き、チャーミングな彼女の魅力を倍増させていく。そして、息をつく暇もなく2ndアルバムから「恋の期限は3年、愛の期限は何年?」、「NAKED HEART」や「狂想リフレイン」といったセクシーなセレクトでまとめたハイテンポなロックチューンを連続で繰り出し、ここではバンドとしての一体感も見せつける。「狂想リフレイン」ではおなじみとなっている間奏のレーザービームの演出も健在。緩急をつけたボーカルテクニックと聴く者をゾクッとさせる落ちサビのウィスパーボイスが独特のエロティシズムを感じさせる。イベントも終盤に差し掛り「最後まで出し切っていこう!」と語った彼女がチョイスするのは「Dynamic Dreamers」、「君色シグナル」といった疾走感のある軽快な青春ソング。「Dynamic Dreamers」の間奏では、サイクロン奏法を思わせる振り付けでオーディエンスのテンションをラインぎりぎりまで牽引していく。「ラストー!」と声を張り上げると、最後は自身の代表曲「アイヲウタエ」で公演の締めくくりを迎えた。

これですべての楽曲を歌いきり退場した春奈だったが、まだまだ終演を惜しむ“るな充”たちから「るなでゅー」コールが響き渡る。やがて、その声に応えて再びステージへ登壇。アンコールの彼女はポップな水色のライブTにティアードのレーススカートをあわせたキュートな出で立ちだ。アンコールの一曲目に選ばれたのは、1stアルバム収録の「Clumsydays」。アコースティックギターとストリングスのアンサンブルに加え、恋心に気づいた少女の心境を歌い上げた、久しぶりのライブ披露となる楽曲。続く二曲目では「アイヲウタエ」のカップリング曲「恋の戦士」を披露した。ファンにはおなじみのタオル回しで会場のボルテージをまだまだ沸き立てていく。

アンコールのトークパートではグッズ紹介に加え、リニューアルされたファンクラブの紹介、そして12月16日に第一回目となるファンクラブイベントが開催されることが発表された。さらに「今日は自分の音楽で日頃抱いているみんなへの感謝の気持ちを届けることができて本当によかったです。ライブでみんなの顔を見ていると、5年間歩んできてよかった、生まれてきてよかったとあらためて感じます。これからも一緒に最高の景色を見ていきましょう。ずっと一緒にいようね」と、涙を浮かべながらファンへのあいさつを述べた。アンコールのラストは、本公演のベストパフォーマンスだった「Overfly」。ラストにもかかわらず本日一番に冴え渡った春奈の歌声、ツインドラムの壮観なサウンドは土台の厚みを想起させる。そして「現状から飛躍したい」と歌われた歌詞は、5年のキャリアを迎えた今の彼女だからこそ感慨深いものがあり、作詞作曲を担当したSakuが奏でる“泣き”のギターソロがそれらすべてをまとめ上げて、楽曲をさらに上の次元へと押し上げたように感じられた。圧倒的な実力で贈られた今回のワンマンライブ。それは春奈が積み重ねた5年のキャリアの集大成であり、通過点でもあったように思う。その狭間にいる彼女が、次のステージではどんな表情を見せてくれるのか、期待せずにはいられないのだ。

Text By 鈴木遼介(セブンデイズウォー)

春奈るな LIVE 2017 “LUNARIUM”
2017.10.22@東京・EX THEATER ROPPONGI
【SET LIST】
M01:ステラブリーズ
M02:MONSTER
M03:純真クライシス
M04:Ripple Effect
M05:PURPLE LOVE
M06:Fly Me to the Moon
M07:REASON
M08:アイコトバ
M09:Startear
M10:美しきセンティメント
M11:みんな絶対キミが好き
M12:KIRAMEKI☆ライフライン
M13:さよならモラトリアム
M14:恋の期限は3年、愛の期限は何年?
M15:NAKED HEART
M16:狂想リフレイン
M17:Dynamic Dreamers
M18:君色シグナル
M19:アイヲウタエ
-Encore-
EC01:Clumsydays
EC02:恋の戦士
EC03:Overfly

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