「うたの☆プリンスさまっ♪」の誕生から7年。ST☆RISHのメンバーが7人なこと。そしてST☆RISHを構成するアルファベットの文字数も7つ。とても大切な7の数。そんな7周年のアニバーサリーイヤーを、ファンのみんなとお祝いしよう!と「うたの☆プリンスさまっ♪7th Special Anniversary」と銘打たれた記念イベントが池袋サンシャインシティで開催された。
2日間に渡って開催されたこのイベント。展示のコーナーでは7周年に寄せてキャストからのスペシャルなメッセージが見られたり、「うたの☆プリンスさまっ♪Shining Live テーマソングCD」からST☆RISHの『Shining☆Romance』とQUARTET NIGHTの『FORCE LIVE』のMVを大画面で堪能できるコーナーなど多くの企画展示の中でシャイニング事務所所属の2グループとの思い出をゆっくりじっくりと蘇らせることの出来る内容。大画面でのMV鑑賞のスペースは、まさにライブさながらの歓声もあがる盛況ぶりだった。
そんなイベントの初日に開催されたのが一十木音也役の寺島拓篤と「うた☆プリ」の原作者である音楽プロデューサーの上松範康氏を迎えてのスペシャルトークショー。その2人のトークを届けるのはファンと心を同じくする自他共に認める「うた☆プリ」ファンのハライチ・岩井勇気とあって、登場するなり会場は大歓声に包まれた。
「僕ら、ライブはやらせてもらっているんですが、こうしたしゃべりだけのイベントは本当に久しぶりなんですよ」と笑顔を見せる寺島。この7年を振り返る、として話し始めたのは、一番最初に「うたの☆プリンスさまっ♪」の存在が世に発表された2009年の制作発表会のこと。プリンスにかけてグランドプリンスホテル高輪で開かれたこの発表会は一ノ瀬トキヤ役の宮野真守と上松とで壇上にあがったのだそうだ。「その最初のプリンスホテルの雰囲気に、見合う作品に、みなさんが育ててくださいました」と言う寺島。その日に集まったのは50人。「今日、その時に行ってた50人の人っています?」と岩井が問いかけると、数えられるほどの手が挙がる。驚くステージ上の3人。そして会場から自然と湧き上がる拍手。ゲームの前にリリースされた『オーディションソング』シリーズの話になると、まだキャラクターを手探りで作っていた頃の懐かしい話をはじめる2人の言葉に会場は聞き入っていた。そして翌年2010年の6月にゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」が発売する。「(ゲームとして)最初から難しかった」と話す岩井と寺島。「音ゲー要素としては意外とハードでしたよね」と尋ねる寺島に「とにかく歌をみんなに感じて欲しい、と難しいものにしてしまって、自分でも出来ずに自滅してしまった」と苦笑する上松。発売当初を振り返ると今の状況は最初から想像していたものではなかったとし、「ずっと応援してくれてる人はもちろんですが、最近応援してくれるようになったという方もいっぱいいると思うんです。でもみんなの力で(うた☆プリというコンテンツを)ここまで押し上げてくださった」と続ければ、そんな応援してくれるファンの期待に応えたい、もっと喜んでもらいたい、と制作陣の作品愛もどんどん深くなっていったのだ、と言う。愛には愛で返す。互いが負けられない、負けられない、と愛を注ぐ。だからこそ育っていったコンテンツなので、と語れば大きな拍手が湧いた。バラエティ番組でうた☆プリの良さを伝えたこともある岩井の熱い想いの籠った話に、また拍手が湧けば、うた☆プリ愛が会場を包み込んでいくのを感じる。
中盤では制作スタッフから集めたウラ話が披露され、ひとつひとつのテーマについて楽しいトークが展開していく。特に、一番最初に作られたグッズが、Aクラスの3人(一十木音也、聖川真斗、四ノ宮那月)のラフスケッチつきのポケットティッシュで、コミケで配布されたのだとか。しかも会場にそのティッシュを持っている、というファンもいて、客席よりもむしろ壇上の3人のテンションが上昇していたのは印象的だった。長く応援してくれているファンの存在もうた☆プリ♪がどれだけ魅力的なのかを知らしめるエピソード。
今やアイドルを取り上げた作品は数多くあるけれど、その先駆けだったのはこのうた☆プリだ、と言う寺島に、音也の存在に賭けた想いや「音也と寺島くんは一緒に育っていって、一体になっている」と語る上松。楽曲を作る時の心情や、音也を演じていく中での心情、今年開催されたドームライブでの様子など、演じるキャストの想いと原作者の想いとがガッチリとシンクロした話題が目白押し。そんな中で、ファンの想いを受けて大きく進化、成長してきたコンテンツなのだ、と改めて感じる、とても濃厚なトークショーとなった。
「応援してくれるみんながいてこそのST☆RISH」という寺島の名言が飛だしたトークイベントも終盤へ。スマートフォン向けアプリ「Shining Live」を紹介する場面では寺島がいかにこのゲームをやりこんでいるか、という話や上松が非常に苦戦しているという話などで盛り上がり、さらにZoffとうた☆プリのコラボメガネフレームを壇上で試し掛けして見せるなど、最後の最後まで話の熱はあがっていき、会場もトークショーが終わるなんて夢にも感じていない空気ながら、ラストは和やかに。
「最初の気持ちから言うと、びっくりしかなくて。長く続くコンテンツって難しい話なんですよ。でもこんなに続いて、実際に紺野プロデューサーが“10年やっていきます”って言ってくれて。ずっと10年を目指してやってきたらもう7周年ですよ。やっぱりうた☆プリを愛してくれている人たちがいるからこそ続けていけるっていうのは、最初の(制作発表での)50人のイベントの時にも思っていたんですけど、その気持ちが伝わってきているからなんです。だから自分は力の続く限り、みんなが愛してくれる限り、続けていきたいと思っています」と上松。続けることの難しさもきっとある。でも制作スタッフの気持ちは、うた☆プリを愛してくれる人たちの想いに応えたい、という気持ちが原動力なのだ、と感じさせた。「僕がずっと言ってるのは、ST☆RISHで旅番組をやらせてくれ、と。このメンバーで沖縄とか行かせて欲しいって言ってるんです。楽しそー!チームごとに絆があって、でもみんな集まるとそれはそれで楽しくてっていうのをずっとやっていると思う。でも一回、ユニットごと、グループごとに旅番組をしたら絶対に面白い!」と寺島は今後への願望を口にする。すると「それは見たい!」と大きな拍手が湧いて、寺島は満足気に。この7年で深まった関係性を、ライブ以外にも改めてしっかり見せたいという想い。それほど強固なアイドルたちの姿はぜひ見たい、と会場の気持ちが一つになったところでエンディングへ。
「僕一人じゃ受け止めきれないくらい沢山の愛情をみなさんから頂いているので、やっぱりここにはST☆RISHにいて欲しいし、もちろんQUARTET NIGHT、HE★VENSみんながいて欲しいし、うた☆プリに出て来るみんなでみなさんからの愛情を受け止めたいなと思って。一番最初のイベントの時には、ゲストも上松さんとマモちゃん2人だった。どうしてもこの景色をマモちゃんにも見て欲しいなというのがあって、今日は紫色のピアスをしてきたんです。やっぱり一番最初に上松さんとマモちゃんとやったことが始まりで、ここまで来たんだよ、ということが伝わればいいなと思って。本当に沢山の方にうた☆プリを愛してもらっていて、その気持ちに返していけるようにこれからも頑張って作っていかなきゃいけないんだなっていう、本当に前向きなすごくポジティヴな責任感を抱いています。これからも責任を持って音也と向き合って、うた☆プリを素敵なものを作っていきたいと思っているので、これからもよろしくお願いします」(寺島)
最後は音也で挨拶もした寺島。そして「これからのうた☆プリを楽しみにしていて欲しい」という上松の言葉に盛大な拍手と歓声が送られ、イベントは幕を閉じた。まだまだこれから先、10年、そしてもっと続いていくであろううたの☆プリンスさまっ♪への期待感がどんどん湧き上がる、そんな時間だった。
Text By えびさわなち
うたの☆プリンスさまっ♪ 7th Special Anniversary
2017年9月9日(土)・10日(日) 【東京】池袋サンシャインシティ
ワールドインポートマートビル4階展示ホールA・文化会館4階展示ホールB
※トークショーは9日(土)のみ。
©早乙女学園
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