REPORT
2017.09.13
そして上がり始める、アンコールを求める「みみめめ!」「MIMI!」のコール。最初はバラバラだったそのコールが次第にひとつに収斂されていくと、ステージが明転しタカオもステージに再び立つ。まずは「瞬間リアリティ」と「相対性レプリカ」でアクセサリーをふっ飛ばしていたことを笑顔で懺悔し少し肩の力を抜いたところで、ドラマ&映画『咲-Saki-』OPテーマとして提供した「きみにワルツ」のセルフカバーを最初で最後の披露! 頭サビをキュートに歌ったところで、「みんな今日はありがとー!」と笑顔でシャウト。後方のみみめめメイトにも向けて手を振る。キュートさの出方もさることながら、少しトリッキーなのにキャッチーなBメロは実にタカオ楽曲らしいポイントで、改めて彼女の魅力を感じさせるポイントだ。また、大サビ頭での彼女のジャンプはきれいで高いものに。感情の高まりとあふれでる楽しさも感じられる1曲となった。
そして「みんなの明日からの日々が“晴レ晴レ”としますように」との言葉に続いて、昨夏生まれたキラーチューン「晴レ晴レファンファーレ」でまたも盛り上がる。ステージ上でのタカオの表情は、雲ひとつない晴天のようなスキッとした笑顔。これならば、この先の船旅も安心だ。そして自ら紡いだ2-Bメロの歌詞が、彼女の足跡を肯定。彼女の背を押す風となる。フロアももはや説明要らずの盛り上がり具合で、曲明けにはタカオがちょっと調子に乗って「朝までやっちゃう?」とポロリと言ってしまったほどのものだった。
しかしこのライブも、みみめめMIMIとしても次の曲が本当の本当にラストナンバー。それを前に、改めてタカオからメッセージが語られる。
「本当に、今日までみみめめMIMIを信じて応援してくれて、ついてきてくれてどうもありがとう。『みみめめMIMIを好きでよかった』って思ってくれたなら、うれしいです」と感謝の想いを述べると、「音楽はなくならないので、これからもみみめめMIMIの曲を聴いてみんなが元気になってくれたらうれしいし、これからもみんなと音楽を通じて繋がっていると信じています」と続け、「みみめめMIMIで、よかったです」と涙をこらえながら語っていた。
そして「最後1曲、みんなと出会えた確率(きせき)を胸に、ありがとうの気持ちを込めて歌いたいと思います」との言葉から、「青い鳥」へ。あらたな世界に向けて羽ばたいていく彼女には、ピッタリの1曲だ。その想いを最後まで力いっぱい届けようとするタカオの前には、この曲のタイトルに沿うような、そしてこれから向かう世界への希望を連想させるようなブルーに染まったフロアが広がっていた。また、ラスサビではフロアの両サイドから色とりどりのハート型の紙吹雪が吹き出し、彼女の出航に彩りを添える。いや、これはもしかしたら、すべてのみみめめメイトの明日への出航を祝福する、彼女からのエールでもあったのかもしれない。
そんな鮮やかな光景のなかでこの曲を歌いきったタカオは、後奏が鳴り響くなかでフロアに向けてラストメッセージ。
「中学生の頃から自分のために曲を書いていた私が、みみめめMIMIとデビューしてからは、本当の意味で『みんなのために曲を書きたい、歌いたい』って思うようになりました。こんな自分になれたのは、応援してくれた皆さんに出会えたからです」と切り出した彼女は、ステージに立ち続けることの大変さや苦しさにも包み隠さず言及。さすがに言葉に詰まるも、そんななかステージに立てたのもファンのおかげ、とまとめていた。
「この4年間は何物にも替えられない宝物で、こうやって出会えた皆さんは私の誇り。それは一生変わらないし、絶対に忘れません」と断言したところで、その感謝の言葉は自らの身の周りの人々へ。まず4年間苦楽をともにした、イラストレーターである相方・ちゃもーいへ「たくさんぶつかったこともあったけど、ありがとう。これからも、私はあなたのいちばんの味方です!」と思いを届けると、スタッフや関係者、オーディション時代から支えてくれた両親や芸能界で出会えたたくさんの親友へもその感謝の念を届ける。最後に「足を運んでくれた皆さん、今日来れなかった皆さんにも伝えたいです。本当に応援してくれて、たくさんありがとうございました!」と語り、礼。「皆さん、Bon! Voyage! いい旅を!」と、逆にこちらにエールを送ってくれたのだった。
最後にフロアをバックに記念撮影を行い、「みみめめMIMIのボーカル、タカオユキでした!」と名乗って降壇へ。彼女の新しい航海を祝福するかのごとく、スクリーンにはライブロゴが映し出される。そしてフロアに向けてオフマイクで「ありがとうございました!」と叫び、敬礼とともにステージを降り、最後のステージの幕を下ろしたのだった。そしてその後もフロアでは、バックに流れる「青い鳥」が終わるまで、鳴り止むことなく惜別の拍手が響いていた。
ラストメッセージで「大好きなみみめめMIMIを、中途半端にしたくないからの決断」と語っていた彼女。その決断を無駄にしないという意志を、この日のステージから感じなかった者はいないだろう。
そしてこの日、彼女が紡いできた「誰かに届けたい淡い想い」は、実はどの曲においても普遍的なものであることに気付かされた。だからこそFINALならではの輝き方をし、胸に響く楽曲も数多くあったように思う。ということは、私たちのこれからの日々でも、様々なシチュエーションでそれは響いてくるというわけだ。
そう。彼女が幾度となく繰り返したように「音楽は消えない」のだ。だから私たちもみみめめMIMIの作ってくれた、届けてくれた音楽とともに、明日に向かって私たちも出航しよう。彼女が私たちに届けてくれたたくさんの曲は、きっといつの日も私たちを勇気づけ元気づけ、ときに寄り添ってもくれる。だって、“音楽は消えない”のだから。
Text by 須永兼次
Photography by 西原史顕
“みみめめMIMI FINAL LIVE 2017 ~Bon! Voyage!~”
2017.09.09@代官山UNIT
【SET LIST】
M1. Mr.Darling
M2. 瞬間リアリティ
M3. 1,2,少女
M4. CANDY MAGIC
M5. 1/2ぶんこ
M6. 相対性レプリカ
M7. SAY-YOU
M8. 「Bon! Voyage! メドレー」
Am I Ready?~兎ナミダ~お絵描き~チョコレート革命~チャチャチャ~たからもの
M9. リライミライ
M10.天手古舞
M11.サヨナラ嘘ツキ
M12.センチメンタルラブ
EN1.きみにワルツ
EN2.晴レ晴レファンファーレ
EN3.青い鳥
●リリース情報
「みみめめMIMI BEST ALBUM 〜Bon! Voyage!〜」
9月13日発売
品番:AZCS-1068
価格:¥3,240(税込)
<CD>
1. センチメンタルラブ
(テレビアニメ『君のいる町』オープニングテーマ)
2. Mr.Darling
(テレビアニメ『君のいる町』イメージソング・挿入歌/ TBS系テレビ全国ネット『CDTV』8月度エンディングテーマ)
3. 瞬間リアリティ
(映画『白魔女学園』主題歌)
4. サヨナラ嘘ツキ(テレビアニメ『ブレイドアンドソウル』オープニングテーマ)
5. ミッディ
(テレビ『リスアニ! TV 3rd Season』オープニングテーマ)
6. SAY-YOU
(PS3ゲーム『シャリーのアトリエ~黄昏の海の錬金術士~』スペシャルイベントテーマ)
7.CANDY MAGIC
(テレビアニメ『山田くんと7人の魔女』エンディングテーマ)
8.天手古舞
(テレビアニメ アニサン劇場『姉ログ靄子姉さんの止まらないモノローグ』『ノゾ×キミ』オープニングテーマ)
9.チャチャチャ(テレビアニメ『きょーふ!ゾンビ猫』テーマソング)
10.晴レ晴レファンファーレ(テレビアニメ『甘々と稲妻』オープニングテーマ)
11.1/2ぶんこ
12.たからもの(dTVムービーコミック「花にけだもの」挿入歌)
13.リライミライ
(テレビアニメ『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』第2話エンディングテーマ)
14.きみにワルツ
15.青い鳥
<先着購入者特典>
「Bon! Voyage! MESSAGE DVD」
内容:インタビュー&ラストメッセージ
※特典数量に限りがありますので、無くなり次第終了となります。
※一部のオンラインサイトやCDショップで特典が付かない場合がございます
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