秋元康とアニプレックス、ソニー・ミュージックレコーズがタッグを組んだ“デジタル声優アイドル”、22/7(ナナブンノニジュウニ)初のライブイベントが、その名前にちなんだ7月22日に開催された。
会場が暗転すると壇上には8人の3DCGキャラクターが登場し、それぞれの個性を感じさせる口調で自己紹介をしたのにつづき、オリジナルソング「僕は存在していなかった」を初披露。穏やかな楽曲でありつつも、歌詞の内容は内省的で8人のコーラスが美しく響く。振り付けはミドルテンポの楽曲に合わせた幾何学的なもので、モーションキャプチャーらしい動きを見せる。歌唱に続いては「私たちを演じている声優の皆さんを紹介させて下さい」の声に合わせて幕が下り、8人のメンバーが現れ「地下鉄抵抗主義」を歌う。アグレッシブなダンスナンバーに合わせたキレのある踊りで、制服同様、眼差しもクールで、掌を髪に当てたり目線を向けたりといった仕草が印象に残る。2,3人ずつでマイクリレーをしたあとのサビでは髪を振り乱してパフォーマンスを行なうなど、歌詞と同様に刺激を感じさせるものだった。
歌い終えたあとのメンバーはホッとしたようすを表情と声に表しつつ、各メンバーは自身の自己紹介を行なう。
「今日はライブの楽しさを教えてくださってありがとうございます」(戸田ジュン役・海乃るり)
「ダンスを踊りきってすごくスッキリしています」(斎藤ニコル役・花川芽衣)
22/7は1万人以上の中から11人が選ばれ、2016年12月24日に結成されたデジタル声優アイドルグループ。すでに配役が決定している8名のみが素顔を出しての活動を行なっている。彼女らの出身地は青森からロサンゼルスなどさまざまで、自己紹介の際にも全員が必ずそれを添えていた。これまでは朗読劇を開催したほか、各メンバーが個別にSHOWROOMでの配信を行なっている。4時間連続で行なったり、21日間連続配信を行なったりと、それぞれが熱心にファンとの交流を行なっている模様だ。
フリートークでは各メンバーが楽曲の印象を以下のように語った。
「『僕は存在していなかった』の歌詞がすごく自分に当てはまってそれが自分たちの曲になることがすごくうれしかったです」(滝川みう役・西條 和)
「もともとかっこいい曲をやりたいと思っていたので『地下鉄抵抗主義』を聴いたときには興奮が抑えきれなくて(天城)サリーちゃんと手を取り合って喜んでいました。歌のリズムが難しくてレコーディングに苦労しました」(丸山あかね役・白沢かなえ)
「はじめてのレコーディングがうれしくて楽しかったです。配役発表SHOWROOMと同日にレコーディングをしたのですが、みんなが応援してくれたのでそれも相まって一生の思い出になりました」(戸田ジュン役・海乃るり)
「私はダンスが苦手で、覚えるのも表現するのも苦労して人の何倍も練習しないとできなくて枕を濡らす日々でした(笑)。でもこうして皆さんの前で披露できて達成感がすごくてうれしいですし感慨深いです」(河野 都役・倉岡水巴)
イベントの締めくくりとして再び「僕は存在していなかった」を、今度はリアル・ライブで熱唱し、最後の挨拶で立川絢香役・宮瀬玲奈が「これからもこの曲を皆さんにいろんなところで聴いていただけるように私たちも頑張りますので、皆さんにも好きになっていただけたらすごくうれしいです」と語ったところでサプライズの連絡が届く。
その内容は彼女らが9月20日に「僕は存在していなかった」でメジャー・デビューすることを告げるものだった。ファンから拍手と歓声が届くなか、メンバーは互いに抱き合ったり目を覆ったりと感涙を隠さない。加えて、22/7の「アニメ化」が決定したという内容もそこで語られ、彼女らはこれから声優としての活動も始めていく。8人のキャラクターは田中将賀(『君の名は。』ほか)、深崎暮人(『冴えない彼女の育てかた』ほか)など、それぞれ有名イラストレーターによるもので、グループ統一のキャラクターデザインを堀口悠紀子(『けいおん!』ほか)が担当している。
そして、さらにそこから会場が暗転し、オーディション合格のようすから半年間のレッスンの模様を映したドキュメンタリー映像が出される。そこで口々に語られていたのは「やっぱり11人で」という言葉だった。結成11人のなかで配役メンバーに選ばれなかった3人はこれまで素顔を出しての活動を行なえずにいた。苦楽を共にしたその3人を加えてデビューができるという発表がされたとき、会場と壇上から先ほどよりも大きな拍手と歓声が上がり、メンバーからは悲鳴に似た声も聞こえた。つづいて客席側にいた私服姿の3人は促されステージに立ち、自己紹介を述べる。
感動冷めやらぬまま「よろしくお願いいたします」と声を絞り出したのは涼花 萌。高辻 麗は「3人だけ集合時間も違ってメイクさんもいなかったから本当にないのかと思っていたのでびっくりしました」と語り、本当のサプライズであったことを伺わせる。武田愛奈は「前を見るのが怖い。本当にびっくりしました。よろしくお願いいたします」と消え入るような声で話し、感動を伺わせた。
最後に帆風千春が「メジャー・デビュー、アニメ化が決まったということで、今後はこの11人で22/7として活動させていただきますので、引き続き22/7のことをよろしくお願いいたします!これからも私達の成長を見守ってもらえたらと思います」と語ったあと、海乃は「(武田)愛奈ちゃんもSHOWROOMを21日間やっていたよね?」とメンバーの努力の跡を気遣うことも忘れない。すると「これからはこの3人もSHOWROOMを顔出しでできるね!」とまた歓声が上がり、メンバー同士の結束力の強さをここでも感じさせた。
最後に帆風は「こんなにサプライズが多い22/7でこれからどうなるか、アニメ化とデビューが決まったことでやっと見えてきたグループですが、引き続き応援してくれるとうれしいです!」と締めくくり、これからの展開に期待を持たせた。
TEXT BY 日詰明嘉
●リリース情報
Debut Single
「僕は存在していなかった」
9月20日発売 ※1万枚限定リリース
【完全生産限定盤 Type-A(CD+DVD+トレカ)】
品番:SRCL9520~1
価格:¥1,667+税
※トレカ・・・キャラクター全8種のうちランダムで1枚を封入
※完全生産限定盤 Type-A封入特典
「イベント参加券&スペシャルプレゼント応募券」1枚封入
イベント&スペシャルプレゼントの応募方法など詳細は後日オフィシャルサイトにて発表
【完全生産限定盤 Type-B(CD+トレカ)】
品番:SRCL-9522
価格:¥1,204+税
※トレカ・・・アーティスト全11種のうちランダムで1枚を封入
<CD>
1.僕は存在していなかった
2.地下鉄抵抗主義
3.未定(11人歌唱楽曲)
4.僕は存在していなかった Instrumental
5.地下鉄抵抗主義 Instrumental
6.未定(11人歌唱楽曲) Instrumental
<DVD>
「僕は存在していなかった」ミュージックビデオ
※個別お渡し会
9月30日(土)都内某所
個別お渡し会に関する詳細は決定次第、22/7オフィシャルHP・forTUNEmusic HP( https://fortunemusic.jp/ )にて発表。
(C)22/7 PROJECT
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