「生放送ですから。下校のとき、お仕事帰りの車の中で聴く人もいるかもしれないですよね。」(MICHI)
21歳を迎え、ラジオ(「A&G ARTIST ZONE THE CATCH」)のパーソナリティに決まってもMICHI節は健在の彼女。それでもマイクの前に立てば輝く歌声を発する。素の自分をストレートに楽曲へとぶつけきったという4thシングルでどんなMICHIが見られるのか、素の自分をストレートにぶつけたと話す理由とは?
――『つぐもも』のEDテーマは、ワンマンライブ(2016/11/12“Sprint for the Dreams~Unknown Dimension~”)で歌うMICHIさんを見て、起用が決定したと聞きました。
MICHI そうです。だから、皆さんの期待以上に応えなきゃと思っています。勝負の曲ですね。
――でも、自信になったのではないですか?
MICHI 私の頭の中では自信も不安もなくて、「うれしい」「やってやるぞ」ってことだけでした。ただ、そのあとすぐに原作を読んだんですけど、どんな曲になるのか想像できませんでした。ポップな感じになるのか、日常に寄るのか、それともバトルに寄るのか……。でも、Elements Gardenさんから曲が届いたときは、「さすがエレガさん!」と思いました。デビューのときからお世話になっていて、私のことを分かりきっているElements Gardenさんは本当に信頼しています。コンセプトは「王道のアニソン」ということでしたし、絶対みんなを楽しませられる曲になると思いました。ヲタクの私が聴いて「これだ」って思ったんだからきっとみんなにも喜んでいただけるに違いないだろう、そんな確信がありました。しかも、そのあとに届いた歌詞を見たら、すごいインパクトのタイトルじゃないですか。「私にとって4枚目のシングル」という意味も込めてあるんですよ。それもうれしかったんですけど、(主人公の加賀見)一也くんから桐葉ちゃんに対する、「君を守るよ」っていう心情を歌っていて、そこが私の気持ちとリンクしました。お世話になっている皆さんや友達、「MICHIんちゅ」(=MICHIのファン)に対する気持ちですね。だから、「ありのままで歌おう」って思いました。これまでの曲では、オープニングやエンディングの映像を想像しながら“演じて”歌っていたんですけど、その必要はないと思って。もう全力でぶつかりましたね。アニソンシンガーになって2年目という気持ちと、悩み多き思春期の一也くんの気持ちも重なったし。「今の私以外歌えない」と思ったので、「バンッ!」「ダンッ!」てストレートに気持ちを声にぶつけました。ずっと一緒に歩んできていた元マネージャーさんにMVを見せたら、今までと声が違うって言われましたね。あと、今回の曲で「リアリ・スティック」と同じ振付の先生と再会したんですけど、その先生にも(「リアリ・スティック」とは)声の力強さが全然違うと言ってもらえて。「気持ちが伝わってるんだな」ってうれしかったですね。
――歌ってみて難しかったところは?
MICHI 今まででいちばんピッチが低くて、Aメロは私の地声よりも低いんです。でも、アニソンシンガーの皆さんってハイトーンの方が主流で、自分の声の低さを活かした曲を歌いたいと思っていたので、気持ちが盛り上がりました。メラメラグツグツと。
――低音の難しさはどう乗り越えたんですか?
MICHI 今も取り組んでる最中です。ボイトレを重ねてます。あと、みんなに伝わるんじゃないかと思って、しゃべるように歌ってみたりとか。でも、まだ正解が見つかってないですね。ただ、『つぐもも』の放送のたびに、歌のニュアンスが変わるのも面白いなって思ってもいるんです。ストーリーの展開に沿って歌い方が変わっていくとか(笑)。
――それは面白いですね。同じ曲なのに、放映開始当初はポップに歌うとか、バトルが多い展開になったら激しく歌う、とか。
MICHI いいでしょう?
――いっそ、毎週エンディングを生歌配信、とか面白そうですね。
MICHI 素敵♪
――そうやって歌ってみた曲を自分で聴いてみていかがでしたか?
MICHI いつもは、どうしても「もうちょっとやれたのに」って思ってしまうんですよね。マスタリングやミックスしている間にもレッスンはあるので、成長するわけじゃないですか。でも今回はそれがなく。「ウソ!」って思うくらいに予想以上のものができました。新しいこの曲を聴いて、MICHIんちゅの皆さんが増えていくんだろう、って思えました。
――自分を褒めてあげたいですか?
MICHI そうですね。あと、これは『リスアニ!』さんでしか言わないかもしれないんですけど。
――あ、ありがとうございます。
MICHI 今回、花粉症で大変だったんですよ。長期戦でしたし、レコーディングの次の日にはのどをからしたくらい。だから正直不安もあったんです。それが聴いてみたら予想以上、今までよりもいいものができていたので、自分の成長も感じましたけど、エレガさんのすごさも実感しましたね。
――どんな点でですか?
MICHI 岩橋(星実)さんはレコーディングで、褒めて褒めて褒め殺して、私のモチベーションを保ってくれました。「良かったよ。けどもっといけるよね」みたいに、やる気を出させてくれるんです。やっぱりレコーディングって長いので集中力が切れやすいし、声を出すために空腹で歌うのでお腹も空いてくるし。頭でわかっていてもできないと「こうじゃないのに」ってイライラしてくるし。それを解消してくださるのが岩橋さん。ありがたいです。
――歌でいちばん気持ちをぶつけたポイントってありますか?
MICHI 1サビの歌詞は、“唇が I-アイ-伝えたがる 「君のため 僕がいる」と”なんですけど、最後のサビだと“-僕がいるよ”なんです。ここで表情をすごく変えています。1番では力強く自分に言い聞かせるように、でも、落ちサビではすぐそばにいる感じで「僕がいるよ」っていう優しい気持ちで歌いました。(隣の女性マネージャーさんを見つめて)「私がいるからね(笑)」。
――(笑)。MVも撮影されましたが、そちらの感想も教えてもらえますか?
MICHI 群馬で撮ったんですけど、私、埼玉以外でMVを撮るのが初めてだったんですよ。たまたま今までの3作が全部埼玉での撮影で。でも今回は、「ザ・ジョージアンハウス」という、普段結婚式などで使われている、ブリティッシュな教会・洋館のような空間でした。帯で戦う桐葉ちゃんを意識した衣装とか、独特な振付とか、自分で言うのも恥ずかしいんですけど、今の私の魅力を詰め込んだMVだと思います。
――魅力というのはどんなところですか?
MICHI 私、喋るとこんな感じで、よく底抜けに明るいとか、天真爛漫と言っていただけるんですが、歌います!撮影します!となると、バチッとスイッチを入れ替えて、パフォーマンスできるところですかね。あとは、歌詞の力強さとか、ボルドーリップをつけた大人な雰囲気とか。かっこいい自分を見せたかったですね。急遽、振りをつけることになったんですけど、その振付も意味深なんです。手で「I4U」を表現したり、基本的には歌詞に沿った振りを付けていただいているんですけど、中には先生に「どんな意味なんですか」って聞いたら「特にないよ」という振付もあって。この振りはどの歌詞をイメージしているのかな?と考察しながら見てもらえるとうれしいです!意味がないのもありますけど!(笑)。
――カップリングの「超常性ワールド」についても、どんな曲か教えてもらえますか?
MICHI 初めてphatmans after schoolさんとご一緒しました。作詞・作曲はヨシダタクミさんだったんですけど、演奏はバンドメンバーの皆さんにやっていただいて。phatmansさんがみんなで他の人の曲を演奏するのは初めてらしいです。それを聞いて、本当にうれしかったです。レコーディングにも全員いらしてくれて。「(出身が)北海道なんですね。(私は)沖縄なんですよ。ゴキ○リ、ホントにいないんですか」って話をしました。カブトムシと思ったらしいですよ。
――音楽の話じゃないんですね。
MICHI ホント、ゴ○ブリってすごくて。生命力の高い人のところに飛んでくるらしいですよ。だから、うちのお姉ちゃんが、(以下、話が続くので割愛)……とか話してました。
――思わぬところで話が盛り上がりましたね。
MICHI そうなんです!皆さん気さくにお話してくださり、気持ちが楽になりました。
――今回、phatmans after schoolと組むことになったきっかけは偶然だったらしいですね。
MICHI はい、たまたまご縁があって、私のプロデューサーさんがphatmansさんの楽曲を聴く機会があって。そのあとスタッフ陣が満場一致で「ぜひお願いします」ってなったそうです。レコーディングのディレクションをしてくださった副田MASTER研二さんとの出会いも大きかったですね。レコーディングに対する向き合い方が変わりました。
――それはどういうふうに?
MICHI ふふ。「シークレット」、って言われてます。自分が担当した人にしか教えないそうです。でも、オケのすごく細かい音も聴き逃さないように今までよりもボリュームを上げて何度も聴いたりとか、とても細かくディレクションしていただきました。1サビまでの収録に2時間くらいかかりました。みっちり、厳しく。でも楽しかったです。
――こちらではどういう気持ちを込めたんですか?
MICHI 人間って変わらなきゃと思っても一歩踏み出せないことがあって、そんな自分に嫌気が差すこともありますよね。ゴロゴロしてた時間があればもっと勉強に費やせたんじゃないかとか。ゴロゴロしてる時間も大切だから、と正当化するとか。そういう自分を捨ててやる、と強く歌った曲です。大なり小なり、聴いてくださった方は絶対に共感できると思います。そんな歌詞を私が代弁しています。私もめんどくさがり屋なので、この曲が来たときはとても共感しましたね。
――MICHIさんはどんな自分に変わりたいと?
MICHI ちゃんと勉強したいです。食生活アドバイザーの資格を取りたいと思っているんですけど、勉強がなかなか進まなくて……。でも、(食や栄養と)向き合うことは絶対役に立つと思っているので。
――それは、歌手も体が資本ということがきっかけだったんですか?
MICHI そうです。こう見えても子どもの頃は病弱でした。体育が好きで活発だったんですけどね。今ではすっかり健康体ですが、アーティストである限り、体の調子でパフォーマンスにムラができてはいけないと思うので、頑張って勉強して、常にベストなパフォーマンスを披露したいです。
――7月8日には東京で、7月29日には大阪でライブを行いますね。
MICHI そうなんですよ。タイトルは“I4U ~Supernatural~”で、MICHIの曲を聴くと不思議と体が動いちゃう、ってくらい楽しんでもらいたいし、私も楽しみたい。また超自然体のMICHIを皆さんにお見せするので、皆さんも自分を解放してほしい、という思いで付けました。あと、もちろんシングル2曲にもかけています。
――関東圏以外でのライブは初めてですが、大阪の印象は?
MICHI 第二の故郷と呼ばせてもらってます。大阪の人とノリが合うんですよ。
――だと思います。
MICHI 大阪の人は「(手を叩いて)面白いねー!」「551の肉まん食べたー?」って感じで、イベントでも一人ひとりとしゃべっている感じが楽しいです。東京と大阪でライブの日にちが空いているので、内容を変えられたら、と思っています。いつもお世話になっているMICHIんちゅの皆さんは私の成長を見に来てほしいですし、MICHIのことちょっと気になっている、という方も絶対に損はさせないので、足を運んでいただきたいです。これからアイデアを練り練りするのでお楽しみに。
――最後に。振り返ってみて、4thシングルはどんな1枚になりましたか?
MICHI 力強い1枚になりましたね。一也君の心情はもちろん、私とMICHIんちゅの皆さんが一体になれる1曲ができたと思います。今までは、スタッフさんに作ってもらったものに私の意見をプラスしていただいてましたが、今回は最初の打ち合わせから参加させてもらったので思い入れもひとしおです。想いを込めて作った1つひとつを伝えていけたら、と思っています。何よりかっこよさが前面に出たシングルになっていると思います!
Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)
●リリース情報
MICHI 4thシングル
「I4U」
4月28日(金)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:PCCG-01590
価格:¥1,750+税
【通常盤(CD ONLY)】
品番:PCCG-70368
価格:¥1,250+税
<CD>
1. I4U (TVアニメ『つぐもも』EDテーマ)
作詞:RUCCA/作曲:藤間仁(Elements Garden)/編曲:岩橋星実(Elements Garden)
2. 超常性ワールド
作詞・作曲:ヨシダタクミ(phatmans after school)/編曲:中島生也
3. I4U (Instrumental)
4. 超常性ワールド (Instrumental)
<DVD>
1. I4U Music Video
2. I4U Music Video Making
●ライブ情報
MICHI 1st LIVE TOUR「I4U ~Supernatural~」
7月8日(土) 17:30開場/18:00開演
東京 原宿 Astro Hall
7月29日(土) 16:30開場/17:00開演
大阪 梅田Shangri-La
※開場、開演時間は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
チケット代:各公演 4,000円(税込)+別途ドリンク代
・CD購入者限定オリジナルチケットホルダー付き東京・大阪通しチケット:10,000円(税込)+各公演 別途ドリンク代
●作品情報
TVアニメ『つぐもも』放送中
アニマックス 毎週日曜 23:30~
(リピート放送:毎週月曜 27:00~27:30)
TOKYO MX 毎週日曜 24:30~
BS11 毎週日曜 24:00~
※放送日は都合により変更になる場合がございます。
【スタッフ】
原作:浜田よしかづ(双葉社「月刊アクション」連載)
監督・シリーズ構成:倉谷涼一
キャラクターデザイン・総作画監督:中原清隆
総作画監督:桜井正明
色彩設計:古川篤史
美術設定:越智博之
美術監督:田尻健一(ムクオスタジオ)
音楽:高梨康治
音楽制作:ポニーキャニオン
音響監督:郷文裕貴
音響制作:ノワ
編集:宇都宮正記
撮影監督:松田陵平
CGI:安田兼盛
アニメーション制作:ゼロジー
【キャスト】
加賀見かずや:三瓶由布子
桐葉:大空直美
近石ちさと:芝崎典子
くくり:久保ユリカ
黒曜:松井恵理子
©PONY CANYON
©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会
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