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REPORT

2017.01.30

新たな10年の幕開けは、はじまりのティアラと共に。「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!-」初日レポートが到着!

新たな10年の幕開けは、はじまりのティアラと共に。「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!-」初日レポートが到着!

『アイドルマスター』の総合イベント「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!-」が1月28日~29日、千駄ヶ谷・東京体育館で開催された。今回は28日の模様をレポートする。

765プロ単独では久々となる今回のイベント初日には、中村繪里子(天海春香役)、今井麻美(如月千早役)、浅倉杏美(萩原雪歩役)、仁後真耶子(高槻やよい役)、若林直美(秋月律子役)、たかはし智秋(三浦あずさ役)、釘宮理恵(水瀬伊織役)、平田宏美(菊地 真役)、下田麻美(双海亜美・真美役)、長谷川明子(星井美希役)、原 由実(四条貴音役)、沼倉愛美(我那覇 響役)、初日スペシャルゲストの赤羽根健治(アニメ『アイドルマスター』プロデューサー役)、三瓶由布子(秋月涼役)が出演。イベントタイトル通り、765プロオールスターズが全員集結した。

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今回のイベントは大きく分けて、多彩な企画を詰めこんだ前半パートと、昨年発売されたPS4『アイドルマスター プラチナスターズ』関連楽曲を中心とした後半ライブパートで構成された。

前半はステージ上のスクリーンに投影された(VR?)天海春香の挨拶に始まり、オープニングナンバーをリクエストするファン投票で選ばれた楽曲「チェリー」のライブステージ、プロデューサーからのアンケートを元に765プロキャスト全員と赤羽根がトークを繰り広げる「プロデューサーの声を聞いてみよう“プロデューサーズボイス”」、朗読劇「765プロ大感謝祭」「765プロアイドル・スペシャルライブ映像」と本当に多彩だ。

各企画に共通した特徴は、基本的にユーザー(プロデューサー)参加型であるということ。ファン投票やアンケートはわかりやすいが、朗読劇も物語の途中で画面に「選択肢」を表示し、会場がサイリウムで示す反応によって物語がリアルタイムで変化するライブドラマ形式だった。この「朗読劇」のくだりで、客席とステージの百戦錬磨ぶりを感じてしまった。

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たとえばドラマの中で、罰ゲームはどちらがいい? という選択肢で「セクシーグラビアポーズ/選○萌えゼリフ」が表示されて、選択は萌えゼリフ。話の流れで千早たちに漫才をせがむ亜美真美に対する選択肢が「練習に戻るぞ、亜美、真美/選○本番のお楽しみだ」という感じ。何気なく選んでいるようだが、ステージ上でキャストが実演できる選択肢の中から、身体を張って何かネタを見せる方に、見せる方に、と客席が誘導していく。

そしてステージ上のキャストは、キャスト同士での無茶ぶりの応酬によってそれをさらに広げて、脚本の枠をはみ出しながら会場を楽しませていく。数年ぶりで全員集合して、こんな丁々発止の掛け合いができる関係性はなかなかないだろう。アンケートトークの中で今井が「キラメキラリ歌ってー」と仁後にねだると、仁後が「やだよ!」とざっくり却下。そんな仁後が無茶ぶりの応酬の中で「アッキー(長谷川)がやんなよ!」と投げる。このやりとりの空気感は、かつて長年続いていたフロンティアワークス系のアイマスラジオそのものだ。浅倉が「あずとい!」と言われるのも久しぶりに聞いた。数年の時間を埋め、その関係の素晴らしさを新しいPにも伝えていく時間がこのイベントには必要だったのだと思う。

お互い無茶振りするかわりに、下田が雪歩やあずさのプロ級のものまねを見せたり、たかはしが流行りのお笑いネタを、たかはし智秋オリジナルとしか言いようがないレベルに昇華させたりと、振られた側はしっかりと身体を張ったネタも見せるのが流石765プロという感じだ。あまりに卓越したバラエティ的掛け合いに、釘宮がこれからの10年が(このレベルの掛け合いが求められるのが)不安と語っていたのは笑ってしまった。このアンケートトークパートを緊張しながら、自由すぎる先輩たちに翻弄されながらまとめきった「同僚」赤羽根プロデューサーには心から拍手を贈りたい。

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朗読劇「765プロ大感謝祭」は765プロ全員参加の長大なボリュームだったが、アイマス10年間、とりわけ前半5年間のかけらがふんだんに散りばめられていた。劇中、765アイドルたちが春香、真、やよい、響の「歌」チーム、亜美、真美、雪歩、伊織、貴音の「芝居」チーム、千早、律子、あずさ、美希の「バラエティ」チームに別れるのだが、これは2009年に発売されたPSP版『アイドルマスターSP』三部作の「パーフェクトサン」「ワンダリングスター」「ミッシングムーン」そのままのチーム分けだ。それが偶然でないことは、貴音が「四条貴音と月との関係性」という、ワンダリングスターでもっとも色濃かった設定を匂わせていたことからもわかる。

そして2010年のDS版『アイドルマスター Dearly Stars』からは後輩・876プロの秋月涼として三瓶由布子が駆けつけた。ライブパートでの三瓶はDS版の涼の衣裳をベースにした新作衣装で登場したのだが、このスペーシーでレトロフューチャー系のデザインはアケマスから続くビジュアル衣裳の系譜だ。三瓶は2週間後に『アイドルマスター SideM』の2ndライブに(成長した)男の子アイドルとして出演することが決まっているが、その前に876プロの涼として765プロのライブステージに立てたことは「間に合った」感覚が強い。「Dazzling World」を歌い終えた三瓶が、片足を後ろに蹴り上げるような「女の子アイドル」ならではのキメを、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに何度も繰り返していたのがとても印象的だった。三瓶はいつか876が揃ってライブに出たいし、876とF-LAGSで一緒にステージにも立ってみたいとさらなる夢を語っていた。

朗読劇の中でぎゅうと胸を締め付けられたのは、アイドルたちが「お姫様ティアラ」に言及したことだ。「お姫様ティアラ」は、2005年にリリースされたアーケード版『アイドルマスター』において、プロデューサーが「最初の一人のファンとして」アイドルに贈ったアイテムだ。そしてその設定は、2016年にリリースされた最新のPS4『アイドルマスター プラチナスターズ』にも受け継がれている。12年たっても変わらない何かが、そこに込められている気がした。

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ライブパートに目を向けると、冒頭の「チェリー」では12人が揃ってステージに登場。スクリーンには満開の桜が舞い散る中、アイドルカラー色の合宿レッスン着で12人、765プロオールスターズが歌い踊る。その端で、3年半ぶりのアイマスライブ出演となる若林直美の動きが誰よりもキレているのはこのステージに賭ける想いと気迫故だろうか。端の立ち位置だからこそできることがあって、だからステージから遠い端のお客さんの目を見ながら全力のパフォーマンスを見せるんだと若林が語っていたことを思い出す。歌い終えて涙がちな若林を、たかはしが優しく抱きしめていた。歌い終えた仁後が「みなさん、お久しぶりです。こんばんわー!」と挨拶すると、それだけで会場が割れんばかりの歓声に包まれる。みんなが12人揃うステージを待っていたのだ。

765プロ全員での「ザ・ライブ革命でSHOW!」のあとは、釘宮、中村、下田、平田が「Miracle Night」を。沼倉、今井、仁後、長谷川が「僕たちのResistance」を。たかはし、浅倉、若林、原が「アマテラス」をCDオリジナルメンバーで歌唱した。

全員曲の後、それぞれのユニット曲をオリジナルメンバーで大切に歌う構成を見て思い出したのは、『アイドルマスター』最初のCDシリーズ「MASTERPIECE」シリーズだ。各ユニットが歌う曲と「THE IDOLM@STER」を擦り切れるまで聴き込んだ日々だった。そしてその印象が、やがて前半の構成につながった。アーケード版『アイドルマスター』稼働後最初の赤羽会館イベントでは、朗読劇「伊織を探せ!」が行われた。あの日その場にいなかったキャストも、この日のステージには全員が揃った。曲数も少なかった初期の周年ライブでは、ラジオの公開録音なども行われていたと記憶している。

765プロが新しい10年を走り始めるにあたり、今回のイベントは「あの頃」の空気と温度を、「今の」キャストとスタッフ、観客(プロデューサー)で追体験しようとするものだったのではないだろうか。古くからのファンが雪の赤羽を懐かしく思い出すように、765プロ全員が集ったこの場所がきっと、これからの10年の765プロの原点になる。そんな気がした。

「Happy!」を歌う前には、次の曲(「Happy!」)が最後の曲です…と紹介していたが、このコンセプトのライブを締めくくるべきなのは、やはり別の曲だ。ステージに765プロの12人と876プロの三瓶がステージいっぱいに広がってスタンバイすると、会場のプロデューサーたちは声を枯らして、はじまりの曲の名を叫んだ。

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「THE IDOLM@STER」のフリームーブの中で、若林はいつも輪の中にいた。長谷川におにぎり波を促し、仁後と抱き合い、その後ろから釘宮がだきつき。三瓶の手を引いた若林が走ると、待っていたのは平田だった。下田と中村が背中合わせで手を握り合い、今井とたかはしが階段に腰掛けて歌声を揃えた。この光景を、ずっと覚えていたいと思う。

TEXT by 中里キリ

THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!- 初日

<2017.01.28 東京体育館 セットリスト>
M01:チェリー(765PRO ALL STARS)
M02:Dazzling World(三瓶)
M03:ザ・ライブ革命でSHOW!(765PRO ALL STARS)
M04:Miracle Night(釘宮、中村、下田、平田)
M05:僕たちのResistance(沼倉、今井、仁後、長谷川)
M06:アマテラス(たかはし、浅倉、若林、原)
M07:紅白応援V(765PRO ALL STARS)
M08:Happy!(765PRO ALL STARS)
M09:THE IDOLM@STER(765+876PRO ALL STARS)

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