INTERVIEW
2017.01.27
レペゼン秋葉原のアニソン・ダンスパフォーマー、RAB(リアルアキバボーイズ)がアニソンとダンスを繋げる連載をリスアニ!WEBにてスタート!第5回は、前回に続き1月29日にRABとの対バンが決定しているPENGUIN RESEARCHの皆さんをゲストに迎えてお送りします!3部構成でお届けするスペシャル企画、第3弾はRABから涼宮あつき、PENGUIN RESEARCHからは生田鷹司さんをお招きしてフロントマン対談をお届け!
――RAB×PENGUIN RESEARCH対談企画のラストは、フロントマンを務めるお二人になります。まずお二人は面識はあるのでしょうか?
生田鷹司 RABとは結構色んなライブで面識があって、挨拶はさせてもらっていました。でも元々は僕自身がデビューする前、それこそ地元にいた頃にニコニコ動画でRABを見たことがあったんですよ。だから僕は一方的に皆さんを知っていたんです。
涼宮あつき ええ、マジで!?嘘だー!
生田 本当ですよ!僕はあんまりダンスに興味がなかったんですけど、「アニソンを踊るオタクの奴らがいる」っていうパワーワードが目に入って気になったんです(笑)。それで動画を見てみたら、ガチで上手い。しかも動画の最後にオマケというか本編というか、ちょっとした寸劇?茶番?が入っていて……。
一同 (笑)。
生田 とにかく動画としてのクオリティがすごく高かったんですよ。だから「エンターテイメント性がありすぎないですか、この方たち」という印象がありました。
――普通の「踊ってみた」カテゴリーともちょっと違いますもんね。
生田 そうですね。普通は動画を見ても「格好良いな」とか「可愛いな」で終わることが多いんですけど、RABは次が見たくなるんですよ。「次はどういうことをやってくれるんだ!?」と思うんですよね。
あつき めちゃくちゃ良く言ってくれるじゃん!俺も良く言わなきゃいけないじゃん!(笑)。
生田 いえいえ!僕のことはけなしていいですよ(笑)。
あつき いやいや!
――あつきさんから見た、PENGUIN RESEARCHの印象はどのようなものだったでしょうか?
あつき 最初に僕が生田くんを知ったのが、うちのメンバーのドラゴンが生田くんに個人レッスンをしているという話からだったんですよ。「PENGUIN RESEARCHの生田鷹司くんという子に、ダンスとかストレッチとか筋トレを教えている」というのを、ドラゴンからちょいちょい話には聞いてたんです。
生田 体作りを教わってましたね。
あつき それでまず「そういう子がいるんだ」という認識が頭の中にありました。そこからしばらくしてから、その子が『デュラララ!!×2 結』のEDを歌っているというのが分かって「えっ!?すごい子じゃん!」と(笑)。
一同 (笑)。
あつき その時は申し訳ないですけどPENGUIN RESEARCHのこともちゃんと知らなくて、得体の知れない子だと思ってたんですよ。そしたら『デュラララ!!』のEDをやっているし、その後『ReLIFE』の主題歌もやりだして、「こいつら良い感じじゃん!」と思いました(笑)。「ジョーカーに宜しく」も好きなんですけど、個人的に『ReLIFE』の「ボタン」みたいな曲がめっちゃ好きなんですよ。だから最初は面識がなかったけど気付いたらアニメの主題歌を歌っていて、という感じで知っていきました。
――実際に出会ったのはそれより後になるんですか?
あつき ちょいちょい軽めの挨拶くらいはしてましたね。
生田 挨拶程度で会うことはあったんですけど、がっつり喋ったりするようになったのは本当にここ最近ですよね。
――そこからRABとして、PENGUIN RESEARCHの曲で踊るに至るきっかけはどんなものだったんでしょうか?
あつき 最初は『デュラララ!!×2 結』のEDを僕らが踊ってみたんですけど、あれはどういう経緯だったかなあ。僕らがultraCeep(ウルトラシープ)という会社に所属して、PENGUIN RESEARCHも同じマネジメントということで……。
生田 ……大人の力?
あつき それだ!
一同 (笑)。
あつき 違う違う(笑)。ドラゴンは生田くんにレッスンをしていたし、けいたんもPENGUIN RESEARCHと関係があったので、その繋がりでちょっとやってみようという話になったんですよ。
――PENGUIN RESEARCHの曲を聴いて、踊ってみての印象はどのようなものでしたか?
あつき RABって結構相性の良し悪しというか、踊りやすい曲と踊りにくい曲があるんですよ。PENGUIN RESEARCHは正直、僕らがダンスで苦手としているロック系のジャンルだったんです。ただいざやってみたらそれによるストレスをあまり感じなくて、踊りやすかったんですよ。だから「意外と相性良いな」と思ったのが踊ってみての印象ですね。
――踊りやすかった理由はどこにあったんでしょうか?
あつき 変な話ですけど、まず声質ですね。声質が爽やかで、ハードなロックロックしてない感じが良かったんだと思います。基本的に僕らはハード系の感じが合わないと思っていて、生田くんのボーカルは意外とポップなんですよね。
――生田さんの声質もあって、バンド全体の雰囲気が爽やかに感じられたと。
あつき そうですね。あとは僕らが『デュラララ!!』が好きだったので、気持ちの面が入ってた部分もあります。
――生田さんは、自分たちの楽曲で踊るRABを見た時の感想はいかがでしたか?
生田 RABの今までの踊ってみた動画を見たことがあったので、まず「どういう風にしてくるんだろう」というのはすごく思いましたね。「えっ、踊りにくくない!?」と(笑)。いつも踊っている感じと全然違うけどどうなるの……と思ってたら、僕の想像なんて軽々越えてすごいクオリティで仕上げてくれていました。なんて言うんですか?あの滑ってシャーってやるやつ。膝を曲げて「シャーッ!!」ってやるやつ!
あつき ああ、あれね。まあスライドというか……「シャー!!」みたいなやつ(笑)。
――特別な名前がある訳ではないんですか(笑)。
あつき たぶん「膝シャー」だと思います(笑)。
生田 僕はあれでめっちゃ持っていかれました。歌でも踊りでもそうですけど、どんな曲でも「あ、このポイント良いな」っていうのがあるじゃないですか。僕が持っていかれたのはあそこだったんです。
あつき 「膝シャー」に(笑)。
生田 膝シャーに持っていかれて、「RABさんはやっぱりすごい人たちだ」と思いましたね。
――生田さんはドラゴンさんからダンスレッスンを受けているとのことですが、ダンスというもの自体にはどんなイメージを持たれていますか?
生田 えっ、ダンスについて!?……なんか、すごい人たち(笑)。
あつき なにその小並感(笑)。
生田 いやほんとに。歌は歌おうと思えば誰でも歌えますし、ギターだったら弦を押さえて弾けば一応鳴るじゃないですか。でも僕は踊りがすごく苦手なので、やっぱりダンスって尊敬するんですよ。体ひとつ動かすにしても、自分ではそんなつもりないのに客観的に見たら変なポーズをしてたりしますし。「さあ、この音に対して何でも良いから踊ってください」と言われても、僕は何も出ないんですよ。ダンスをやっている人たちって、それをバトルの中でアドリブで生み出したりするじゃないですか。それも含めて「音楽とは違う創造」を常にされているなと思います。しかも何かを使ってじゃなくて、体全体で表現する。だから僕はずっと昔から、ダンスができる人はすごいなと思ってるんですよ。やろうと思っても体の仕組みもわからないし、人外に見える(笑)。
あつき 人外ってヤバイっすね。『甲鉄城のカバネリ』のような(笑)。
生田 でもおかしいじゃないですか。頭を下にしてグルグル回るんですよ!?
あつき いやいや、変な話ですけどダンスって本当に誰でもできるんですよ。僕からすると楽器の方が異次元というか、訳わかんないですからね。何であれで音が奏でられるのかが全くわからなくて、たぶんだから外から見たら全部一緒なんじゃないかと思うんです。自分のやってないことを全部難しく感じているだけで、やれば絶対できますよ。ちゃんと教えてできなかった子は見たことがないです。
――生田さんはマイクやスタンドを持って体を動かす機会も多いと思いますが、それはダンスとは違う認識なんですか?
生田 僕の中でそれはダンスとしての認識じゃなくて、その時生まれた人としての動きなんですよ。「お前だぞ!」とか「俺らだ!」とか、そういう動きなんです。
あつき いやでもね、それがダンスだよ!だから生田くんはね、もう即興でダンスできてるんです。
生田 持ち上げるのが上手いなあー!(笑)。ありがとうございます。
あつき ダンスって全部そうですからね。歌詞で「君だ!」って歌う時に指をさすのが、もうそれがダンスなんですよ。悲しい時に、音に合わせて泣くジェスチャーをするのもダンスですから。
――確かにRABのダンスでも歌詞に合わせた動きはよく見掛けますね。
あつき そうそう。だから人類皆ダンサーです(笑)。
一同 (笑)。
生田 名言が生まれた!
あつき 心臓というビートで踊っている以上は、皆ダンサーなんです!
――めちゃくちゃ格好良いですね!
あつき ……じゃあ今日はこれで終わりでーす(笑)。
――あつきさんから見て、生田さんのボーカルはどんな印象ですか?
あつき それこそ人外というか、まず僕めちゃくちゃ音痴なんですよ。因みにRABは全員歌がヘタクソで、正直言うと音楽をやっている人に尊敬の念もあれば劣等感もすごくあるんです。さっき心臓の鼓動がどうとか言いましたけど、とはいえ実際ダンサーって音楽がないとダンスできないんですよね。僕たちは誰かが作った音楽でしか踊れないんで、音楽を作っている人間が僕たちにとっての神様なんです。正直僕らも音楽作りたいんですよ!でも体を動かす以外に表現方法がないんで、生田くんのボーカルもそうだけど僕らからしたら本当に神様です。ありがとうございます!(笑)。
生田 でも実は「ダンスは音がないと表現ができない」っていうのと同じで、ボーカルも声を出すことはできても曲がないと歌えないんですよ。
――なるほど。そこは立場が近いのかもしれませんね。
生田 そうなんですよ。うちのバンドはメンバーの堀江晶太が曲を全部作っているので、彼が曲を書かないと僕は歌えないんです。
あつき ダンサーとボーカリストで、実は結構共通点があるのかもね。
生田 例えば曲を作ろうと思えば、拙いなりにもできないことはないじゃないですか。頑張ればなんとか形にはなりますけど、それで踊れるかというと違うと思うんです。人前に出せるか、満足いくかというとは違いますよね。僕も自分である程度曲っぽいものは作れるんですけど、それで自分が歌っていて気持ち良いかというと別物なんです!そこは飽くまで、作った自分の自己満足で終わっちゃうんですよ。
あつき なるほど。そっか、そういうのがあるんだね。
――お互い「曲がないと生きていけない」同士なんですね。
生田 ひとりじゃ生きていけない(笑)。
あつき でもじゃあ、もしかしたら逆もあるのかもね。音楽を作っている人は、歌ってくれる人がいないと成立しないとか。
生田 あ、それはなんか最初の頃に晶太が言ってました。「俺は曲をいっぱい作って世に出したいけど、歌が下手だからそれを歌う人を探してた」みたいなことは、インタビューでちょこちょこ言ってますね。そういうのもあるかもしれないです。
あつき 巡り巡るんですねえ。
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