INTERVIEW
2017.01.23
――バンドの音楽をあまり聴いていないというRABのお二人に、PENGUIN RESEARCH側からオススメの音楽などはありますか?
新保 そうですね、ダーティ・ループスとか?
柴崎 あー、良いですね。最高ですよ。スウェーデンのバンドです。
新保 僕ら共通で好きなバンドなんですよ。ダンスミュージックを基調に、ちょっとフュージョンっぽいテイストの音楽をやっているバンドです。マニアックでテクニカルなんだけど、でもすごくキャッチーなんですよ。マイケル・ジャクソンとかに近いかもしれない。マイケルを今っぽい感じに洗練して、オリジナリティのあるアレンジというか、他の人が誰もやっていないような世界観で表現する3ピースバンドですね。
柴崎 洋楽の有名な曲を、ダーティ・ループス風にアレンジするんですよ。
新保 そうそう。最初は有名なアーティストの曲を自分たちでアレンジして、演奏動画をネットに上げていたんです。そのアレンジがものすごく格好良いと話題になって……。
ムラトミ えっ、結構最近の人なんですか?
柴崎 そうです。メジャーデビューは2013年くらいかな?
新保 4つ打ちのダンスミュージックっぽいビートも多かったりして、踊れる感じなんですよ。
柴崎 実際にライブにもダンサーの人がいたりしますね。
マロン へえー、聴いてみよう。スウェーデンなんですね。イメージだとバンドって、アメリカとかイギリスなんだと思ってました。ニワカな考え方ですけど。
新保 いえいえ、やっぱりロックの発祥はイギリスですからね。でもスウェーデンは今すごく音楽が発達していて……また真面目な話しになっちゃうな(笑)。
全員 (笑)。
新保 国が音楽を支援しているんですよ。スタジオとか音楽大学に行くお金とかも国が出してくれて、あまりお金を使わずに音楽に没頭できる環境があるみたいです。
ムラトミ ダンスだったら今、フランスがそういう感じですね。
マロン 芸術にお金を出してくれるんですよね。
ムラトミ やっぱり国によって音楽って全然違うんですか?
新保 特色が出ますね。イギリスはちょっと上品な、どことなく上質で頭の良い感じです。アメリカはどちらかというとイメージ的に……簡単に2文字で言うと「バカ」というか(笑)。スケールの大きい感じです。
マロン アメリカはダンスもバカですね(笑)。「力こそすべて」「とりあえず爆発させとけ」みたいな。でもあのワイルドさは中々出せないですよ。あれは憧れちゃいますね。
ムラトミ 「やっちゃいけないことでも、楽しそうならやっちゃえ!」みたいな感じ。それに皆が熱狂してついてくるからすごいと思います。
新保 そこはダンスも音楽も一緒ですね。
マロン 言いにくいかもしれないですけど、アニソンで「この人たち演奏超上手いな!」という方っていますか?
新保 バンドではないですけど、JAM Projectさんですかね。本当に完成度が素晴らしいです。
柴崎 こちらもバンドではないですけど、坂本真綾さんの曲は演奏も世界観もすごいと思いますね。
マロン 坂本真綾さんはもう、レジェンドですねえ。
ムラトミ 俺も仕事中によく聴いてたなあ。ダンサーが職業になる前は普通にサラリーマンをやっていて、その頃に車の中で聴いてたりしましたね。
柴崎 菅野よう子さんの曲は素晴らしいですよね。
新保 菅野さんの音楽は全て上質だよね。他にもアニソンをやられてる方って、皆さん上手いですよ。アニソンってアレンジが凝ってるものが多いんですよね。
マロン 僕らもアニソンで踊るようになって思ったんですけど、音楽の変化がすごくいっぱいあるんですよね。ダンスの曲って踊りやすいように一定のリズムなんですけど、アニソンはどんどん変化する。最近だと色んなジャンルが入って来ちゃってる感じで、音楽の幅がすごく広いなと思います。
新保 ああいうアレンジが凝った、ビートが変わったりする曲で踊るのは、やっぱりダンスミュージックで踊るより難しいんですか?
マロン 難しいですね。ダンスミュージックがいかに踊りやすいかがわかります(笑)。
ムラトミ リズムが一定じゃないし、速い曲も多いじゃないですか。体が追い付かない!
マロン ヒャダインさん辺りから更に変化がヤバくなってて、追い付けないね。だから逆に自分たちの中のダンス表現がちょっと増えたというか、一定のものしかできなかったのが色々な動きができるようになっていく感じはありました。
新保 難しいですもんね、最近のアニソン。楽器も1番と2番で展開が絶対違うし、そういうのが当たり前になってます。めちゃくちゃ難しいです。それをその上で踊らなきゃいけないっていうのは、もっと大変だろうなあ。
マロン いやいやいや、演奏する方が難しいですよ。
ムラトミ 俺ダンスやってるんですけど、小学校から高校までの通信簿、音楽は全部最低評価でしたもん。だから歌が何でできるのかっていうのが、未だに全然わからないです。
新保 歌はでも、我々も……。
柴崎 かなりできないです。
マロン 別ジャンルみたいなものなんですね。
新保 この間やったライブで、何故か歌を歌わなきゃいけなくなって。「死にたいってこういうことだ」と思いました(笑)。
全員 (笑)。
人前で歌を歌うことのプレッシャーとか、そもそも自分の歌が上手くないのに歌わなきゃいけないから、「あー、死にたい!」と。その日ずっと死にたかったです(笑)。
柴崎 ダンスをやる上でリズム感って備わっていないんですか?
マロン 意外とリズム感ない人多いよね、ダンサー。
ムラトミ 俺は本当に、「ワンツースリーフォー」って数えないと皆とちゃんと合わせられないです。逆にもう「こうやろ!」みたいな自分の感情で合わせると、だんだんカウントしなくても皆と合ってくるし曲もわかってくるんですよ。そんな感じで俺はやってますね。
新保 そのイメージはバンドに近いかもしれないですね。「ワンツースリーフォー」みたいな暗黙の了解を、全員でどれだけ共有できるか、合わせていけるかというところはあります。お互いにやっていることを合わせていくっていう作業は、ダンスもバンドも似てるのかもしれないですね。
マロン ちょっとコアな話になっちゃうんですけど、僕たちがやってるブレイクダンスってダンスバトル文化なんですよ。ショーケースとかじゃなくて、ひとりひとりが自分のリズムで踊るんですね。
新保 ソロみたいな感じなんですね。
マロン そうなんですよ。それぞれ音の取り方が皆違うんです。だから皆でショーケースで合わせるってなると、また大変だったりするんですよ。
新保 その難しさがあるんだ。
マロン ある意味最初はしっちゃかめっちゃかだったもんね。今はだいぶ揃うようになりました。やっていく内にお互いのフィーリングが合ってくるというか。
柴崎 それはバンドでもありますよ。やっていく内にその人の「あ、ここにリズム来るな」みたいなタイミングがなんとなくわかるようになるんです。
ムラトミ バンドの調子が良い時って、どんな感じになるんですか?
新保 すごくライブが良い時とか、良いレコーディングができる時は全員の一体感というか「この辺めちゃくちゃ良いな!」というのがバシッと合います。全員が同じ所でテンションが突き抜ける感じが出たりしますね。
マロン なんとなく僕のイメージなんですけど、バンドのリズムってドラムの人が支配しているような印象があるんですけど……。
新保 そうですね。基本になっているのはドラムなんですけど、でもやっぱり皆で作ってる感じです。
ムラトミ 叩いている所を見ると、ドラムってめちゃすごいですよね。
新保 難しい楽器ですよね。未だに僕もずっと難しいです。
ムラトミ 見てて思うんですけど、腕とか疲れてライブ中に「うわー!」ってならないんですか?
新保 たぶんダンスもそうだと思うんですけど、理にかなった動きにどんどん洗練されていくんですよ。そうなってくると体力的な省エネができるというか、やっぱり始めた頃は30分くらいですぐ疲れちゃってましたよ。それがどんどん洗練されていって、ずっと叩いていられるようになるんですよ。
ムラトミ へえー。実は見てていつも不思議だったんです。
新保 しんどいですけど、我々はキーボードとドラムなんで動かないですから。ダンスもそうですけど、前でひたすら動き倒してる人は本当にすごいなと思いますよ。僕は今日銀座線の77段の階段を登った時に「無理だ、もうおしまいだ」と思いました(笑)。だからまた全然違う体力の使い方なんですよ。ダンスの方が体力的にも大変だと思います。
マロン バンドもただ弾くだけじゃなくて、ちゃんとパフォーマンスがあるんですよね。歌う時も動きを入れたり、ドラムだったらスティックを回したりするじゃないですか。ああいうのに基本みたいなものはあるんですか?
新保 基本的にあれは各々ですね。うちのバンドに関してはやりたいことをやっている感じです。ヴィジュアル系の方とかは「ここでこう動く」というのをキチッと決めたりするみたいですけどね。それこそちょっとダンスに近い感じの振り付け的にやる方もいれば、僕らみたいに「その日のパッションで出てきたものがパフォーマンス」というのもあります。全く動かない人たちもいるし、色々なパターンがありますね。
ムラトミ ダンスをやっている時に、ソロパートでいつもと違うアレンジを俺は結構やっちゃうんですよ。
マロン アドリブでね。
ムラトミ 「お前ら盛り上がって行くぞー!」みたいな感じで煽っちゃったりするんですよ。バンドの演奏ではそういうのはきっちり決まってるものなんですか?
柴崎 いや全然、僕は変えてますね。
新保 僕たちもそういうのありますよ。
ムラトミ えー、そうなんやー!すげー!
柴崎 めちゃめちゃ変える訳じゃないですけど、グリッサンドっていう上から下へ鍵盤を滑らせるプレイをする時に、テンションMAXでアゲアゲの時は「バーン!」って何度もやったり(笑)。
新保 後ろから見てて「今日ベースめっちゃ弾いてんな」とか、そういうのはありますね。
マロン 俺たちからすると「1個でも崩れちゃうと駄目なのかな」って思っちゃうよね。
ムラトミ 本当に自分らの知らないことだったんで、そういう疑問が聞けてすげえ良かった。
新保 ライブ終わった後に、感情が高ぶり過ぎて何やってたか覚えてないこともありますね。よーよーは最初は全然そういうタイプのプレーヤーじゃなくて、あんまり激しい面は出さなかったんですよ。でもバンドがどんどんひとつになっていく内に、熱を出すようになっていったんです。染まってきた感じがありますね。
ムラトミ すごいですね。チームとしてひとつになってきたんだ。
柴崎 僕、最近は本当に荒ぶってて……。
全員 (笑)。
柴崎 この間とある曲で、腕全体を鍵盤に叩きつけて弾いてたんですよ。お客さんにも「どこで弾いてるんですか!?」って言われました(笑)。
ムラトミ それはすごく良いなあ。なんかもう、ドキッとします。
マロン ムラトミさんと似てますね、そういう所は。
柴崎 音楽をやっている時は自分の感情というか、全てをさらけ出してる感じはあります。僕にとってはそれがライブで、自分自身を表現できてお客さんにそれを見てもらえるので、すごく好きですね。
ムラトミ 自分もちょっとそういう所があるんで、なんか嬉しいです。
マロン ムラトミさんはね、「今日僕、むちゃくちゃになっていい?」って聞いてきますからね。
ムラトミ ライブ中に他のメンバーが「ムラトミどこ行った!?」って言ったら、俺は会場の外に居たりしますから。
新保 最高ですね(笑)。ムラトミさんは破天荒なイメージがすごくあって、そういう所が大好きなんですよ。
ムラトミ なんかやっぱり、人が「やっちゃいけないでしょ」って言うことをやっちゃうんです。それで皆が「訳わかんねえよ!でも面白かったから良いや」ってなってくれたら良いし、もし怒られたらごめんなさいって言います(笑)。とりあえず面白そうだからやってみようという感じでチャレンジしてます。
新保 大好きです、そういう人。
ムラトミ 会場の空気感を見てて、「こうやったらもっと喜びそうだな」って思っちゃうんですよ。お客さんのことを考えると「うわーもう、お客さんの所に行った方が良いな!」みたいになって行っちゃうんです。
新保 それを行動に移せるのが素晴らしいですよ。思っても中々体が動かないですからね。演奏もあるし(笑)。
マロン 僕は決められたことをキチッと守っちゃうタイプなんですけど、ムラトミさんはぶっ壊すタイプなんですよ。
新保 それができるのは本当に羨ましいし、格好良いです。
ムラトミ でもPENGUIN RESEARCHには、よーよーくんが居るんで大丈夫ですよ!ぶち壊してくれますよ!
柴崎 頑張ります!
新保 よろしくお願いします!(笑)。
柴崎 この間も2016年最後のライブで「腕で弾くだけじゃ物足りないな」と思って、膝で弾きました。
全員 (笑)。
マロン ヤバー!!
ムラトミ 最高じゃないですか!!
柴崎 ムラトミさんと僕は、結構似てると思います(笑)。
マロン 2マンライブではムラトミさんの、キーボードの上でのヘッドスピンが見れるかもしれないですね。
ムラトミ 「40万ー!!」って思いながらね(笑)。
――そんなコラボもあるかもしれない2マンですが、最後にライブに向けての意気込みをそれぞれお願いします。
柴崎 ムラトミさんのパッションに負けないように頑張ります!
新保 ダンスユニットさんとの2マンという今までにない企画なので、僕自身もすごく楽しみです。今日確信しましたけど、間違いなく楽しいイベントになると思います(笑)。本当に楽しみです!
マロン 今日お二人方と会って、やっぱりフィーリングが似てるなと思いました。メンバーの配置というか役割がすごく似ていて、これは良いものが作れそうだなと確信しております。是非是非皆に見にきてほしいなと思ってます!
ムラトミ PENGUIN RESEARCHの皆さんも俺らも感情を高ぶらせて、いつもと違う自分を出して、「この会場だからできた」というようなものをお客さんに伝えたいですね。「来て良かった!」と言ってもらえるようなものを作り上げたいです。
Interview By 澄川龍一(リスアニ!)
Text By 青木佑磨(クリエンタ/学園祭学園)
Photography By 山本哲也
●ライブ情報
RAB祭 PROJECT G 第2弾! RAB(リアルアキバボーイズ) VS PGR(ペンギンリサーチ)
~Graduation!!最初のひとつだけ、おそろいだからいい~
1月29日(日)【東京】新宿BLAZE 開演 18:00
チケット発売中
イ―プラス
<プロフィール>
PENGUIN RESEARCH
ペンギン・リサーチ/VOCAL・生田鷹司、BASS・堀江晶太を中心に結成された5人組ロックバンド。2016年1月、TVアニメ『デュラララ!!×2 結』EDテーマ「ジョーカーに宜しく」でデビュー。3月8日に1stアルバム『敗者復活戦自由形』をリリース予定。3月31日名古屋を皮切りに東名阪ワンマンツアーも決定。
6月23日生まれ、東京都出身。中学時代にドラムに出会い、16歳からバンド活動を開始。大学入学当初は父親の家業を継ごうとするも、資格勉強に耐えきれず2ヵ月で断念。ミュージシャンとして生きていくことを決意し、同時に大学を留年し続ける人生が始まるが、昨年3月に大学を卒業した。自身のバンド活動のみならず、様々なミュージシャン、アイドル等のライブやレコーディング等に参加する。
10月29日生まれ、千葉県出身。6歳の頃よりエレクトーンを始める。高校時代にバンドを始め、キーボードに転向。卒業後から様々なライブサポート、レコーディングに参加し、ポップス、ロック、アニソン、フュージョン等、ジャンルを問わず幅広く演奏する。シンプルなものが好き、でもキーボードは要塞を組んでみたい。
ムラトミ
誕生日:11月12日
特技:ブレイクダンス
趣味:ゲームアプリ、漫画
ひと言:俺の名前はムラトミ!それ以上でもそれ以下でもねぇ!!
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マロン
誕生日:4月6日
特技:イラスト
趣味:ヌンチャク
ひと言:誰がイケメンやねん!!
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最後は…………お・ま・けだよっ♪
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