人気声優・悠木 碧。ソロプロジェクトでは唯一無二の存在として、音楽面でもビジュアル面でも独自の世界観を構築し、人気を博している彼女。
“楽器は一切なし、声のみでつくりあげた”渾身のアルバム音源を、発売に先駆けて5.1ch環境で聴ける先行試聴会を開催。本人も登壇して制作秘話を語ったイベントの模様をお届けしよう!
【悠木 碧『トコワカノクニ』発売記念5.1ch先行試聴会 2016年12月10日 レポート】
約1年半ぶりとなる待望の3rdプチアルバム『トコワカノクニ』が12月14日にリリース。その発売に先駆けて『悠木碧『トコワカノクニ』発売記念5.1ch先行試聴会』が行われた。
アナウンスされていた通り、今作は楽器を一切使わず、彼女の声のみで作りあげられたアルバムである。声優として活躍する彼女だからこそ辿り着いたアプローチと言えるだろう。
声を幾重にも重ねてレコーディングされたという今作は、声の配置にもかなりのこだわりを持って制作されたという。ステレオ音源のCDで聴いても、その繊細さは感じ取ることができるのだが、このアルバムの意図をより正確に感じ取るには、初回限定版に同梱されるDVDに収録の5.1chサラウンド音源を再生可能な環境で聴いたほうが“より良い”ということで、今回のイベントの開催が実現したのである。
まずは、発売を待ち望むファンを招いて、5.1chサラウンドによるアルバムの全曲試聴が行われた。楽曲がスタートした瞬間、声の情報量に圧倒される。あらゆる方向からいろいろな声が、いろいろな感情を持って迫ってくる感じ。これはその後のトークコーナーで話していたのだが、CDの音源というのは、この5.1chの音源を再現できるようにダミーヘッドマイクで再録音されているそう。なのでCDでも5.1chサラウンドと同じように音を感じることはできるのだが、リアルに感じる感覚というのはまた別の感覚だというのがよくわかった。初めて『トコワカノクニ』を暗転した中で、体感し、ひたすら音の海に溺れていた感覚だったのではないかと思う。
これまでのプチアルバムの中でも最も時間が短い約17分という声だけの世界を聴き終えたあと、ディレクターの佐藤さんに呼び込まれ、悠木 碧さんが登壇。佐藤さんとともにアルバムの制作秘話を話し始める。そもそもはかなり前から発想自体はあったのだが、見通しが立つまでにかなり時間がかかったとのこと。また、声だけのアルバムを作った理由については「声優が歌う意味は何だろうとずっと考えていました。歌が上手い人はたくさんいるけど、私たち声優は声で表現すること、お芝居をすることに特化して育てられてきているので、そこは負けられないところがある。なので、アーティストとして、声優として作りたいものの融合地点120%のものがやっと表現できたと思っています」と語っていた。
トークコーナーでは、この作品がどのようにレコーディングされていったのかというエピソードなどもたっぷり語られた。崖のようなところがあるビクタースタジオで、その崖の上で歌をレコーディングした話や、マイクをいろいろ替えた話など、どれも興味深い話ばかりだった。また、歌詞については、白い生き物であるキメラ(有機物)と、「ビジュメニア」(1stシングル)の無機物の白が大好きな少女が出会い、めでたく夫婦になり幸せに暮らしてるかもしれないというコンセプトで制作されていて、また個体でみると綺麗な蝶も群れていると気持ち悪いと、見え方によって世界が変わるというテーマを基に考えていたという話もあった。実際、制作の打ち合わせをする際には音楽を聴くというより、図鑑や本を見ながら話しをしていたというところが、悠木さんらしいと言えるだろう。
約45分間みっちり今作について話していたのだが、今回の作品は、作家からレコーディングスタッフに至るまで、みんながすごく楽しみながら取り組んでくれたことをとても喜んでいたのが印象的だった。彼女が発信したことをきっかけに、いろんなアイディアを持ち込んで作り上げられたという今回のプチアルバム。かなり挑戦的な作品ではあるが、これまで彼女が生み出してきた作品の延長上にあることは間違いない。最後は「今できる精一杯、魂の中までえぐり取ってCDの中に封じ込めた1枚になっております。ぜひお手元に届いて、末永くかわいがってくれたら嬉しいです」という言葉で、試聴会は締めくくられた。
日時:2016年12月10日(土)
ファンクラブ「AoimAiA」会員限定(第一部)/一般応募(第二部)の2回
(各120名様をご招待)
●リリース情報
『トコワカノクニ』
12月14日発売
【DVD付初回限定盤】
品番:VTZL-113
価格:¥3,000+税
【通常盤】
品番:VTCL-60429
価格:¥2,500+税
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