11月25日、日本武道館にてi☆Risのデビュー4周年を記念した“i☆Ris 4th Anniversary Live~418~”が開催。声優とアイドルの二本柱を両立させてここまで走ってきた彼女たちが、デビューからのここまでの集大成を詰めこみつつ、5年目以降への期待と彼女たち自身のアツすぎる意欲を強く感じられるライブだった。
“4年と18日と2時間半”の武道館公演、スタート。
この日のメインステージは、回転木馬など遊園地をイメージしたかのようなつくりに。そこから虹色の橋が、ファンの間近に設置されたセンターステージへと伸びていく。これらステージの使い方にも期待させつつ、武道館は開演時間を迎える。
虹色のサーチライトが会場を照らし、スクリーンにはデビューの日付が映し出され、それが回転カウンターのように少しずつ回り始める。MVのダイジェストが流れ、スクリーンで10からのカウントダウンが開始。ファンも思い思いの6色のペンライトを振りながら声を上げ、それが0になったところでリフトUP。i☆Risが武道館に、立った。
そして流れ始めたのは、「幻想曲WONDERLAND」のイントロ! いつもの久保田未夢の「あれー? ここ、どこだろう?」のセリフに、ファンが返したのは、彼女が、彼女たちがいちばん聴きたかったはずの「ぶどうかーん!!」の返答だ。時計じかけのマリオネットのようなこの曲で、武道館でのi☆Risの時は、動き出した。やはり彼女たちの目標でもあり憧れでもあった日本武道館、冒頭1-Aメロあたりまでは全員にどこか固さが感じられたものの、1サビには立て直し、見事な生ハモを響かせる。ラスサビの歌詞にもほのめかされた“武道館の魔物”の圧力を、曲中に自身のパフォーマンスと声援とで乗り越えた。そして最後のセリフ部分で久保田は涙混じりにこう絶叫する。「ここまで信じてついてきてくれて、本当にどうもありがとう!」と。そしてデビュー曲「Color」へ。今しがた動き出した彼女たちの夢は、この曲でもう止まらないものに。リーダー・山北早紀も客席を目にし「最高の『Color』だよー!」とファンへシャウトし、会場の熱気をさらに高めていった。さらに「ミラクル☆パラダイス」では、パフォーマンスの合間の各メンバーの煽りが光る。Aメロコール部直前に「せーの!」と合いの手を久保田が入れ、合間合間に効果的に澁谷がファンをアゲて、果てに2サビ明けには「煽っちゃえよ!」と言わんばかりに芹澤をも後押し。さらに後奏では、若井もファンに笑顔でマイクを向けていた。パフォーマンス面では、茜屋の安定感は外せない。この日は至るところで彼女のブレないボーカルが軸になっていたことを感じさせられたのだが、この日最初にそれを感じたのが、この曲だった。そしてそれに導かれた芹澤のジャンプの飛び出しも、一段と高く見えた。
武道館での初MCでは、のっけから山北が“ちょっぴりドジな天然リーダー”らしく(?)噛んでしまう。しかしそのおかげで“武道館ライブ”という変な緊張感は消え、高揚感だけを伴って各メンバーが自己紹介に臨むことができた。あまりの喜びに考えてきた内容が飛んでしまった芹澤から、モニタースピーカーに足をかけてかっこよく会場を高まらせる澁谷まで、そのスタイルは様々。自己紹介を観るだけでも、6人の色がこの4年間でそれぞれ際立ったさまを感じられた。さらに、この日同時に配信されていたニコ生カメラにも全員でアピール。会場に来られなかった4万人以上のファンにも愛と笑顔を届ける。
MCも一段落したところで、場内に響いたのは雨音。そしてステージには傘が。とくればツアーぶりの「YuRuYuRuハッピーデイズ」しかない。久方ぶりに観てもやはりサビでのサイドへの脚の振り上げ方が高さ・揃い方ともに申し分なく、MCでの緊張のほぐれ方もプラスに作用しているようにも感じた。また、若井・澁谷によるカップルを模したセリフパートは、この日バージョンに。「みんなの家族とか、デビュー当時のスタッフさんが観に来てくれてることとか(若井)」「いつもありがとうございます!(澁谷)」と、親しい人たちへの感謝を織り込んでいた。そして、雨が降れば虹をかけるのに必要なのは、陽の光。「徒太陽」のお出ましだ。この曲もポジション含め煽りやダンスで澁谷が映えつつも、フェイクや後半のソロなどで若井も引き続き立つ。この2曲を、しっかり引っ張ってくれた。
曲明け、モニターには『プリパラ』のロゴが。続いてそのキャラ・ファルルからのメッセージ映像が流れ、笑顔でSoLaMiDressingの6人にエールを送る。それを受けた6人は、かつて眠りについてしまった彼女を目覚めさせた「Love friend style」を披露。キャラのダンスをバックにまったく同じ振り付けで、そこに生ハモをプラスしてこちらもこの日Verとしての披露だ。メインとして茜屋がキラキラ笑顔を輝かせるだけでなく、芹澤も“ぷり”をしっかり差し込む。2コーラス目ではSoLaMi♡SMILE・DressingPaféに分かれてファンへアピールし、虹を渡ってセンターステージに。最後には6人で手を繋いで、ハート(♡)を形作って締めた。
曲が明けると、芹澤と澁谷がMCを担当。「私たちが昔から大事にしている皆さんとの距離、それをかなえるべく、近くまで来ちゃいましたー!(芹澤)」との煽りで会場全体を沸かせつつトークを進行。ほか4人はステージをぐるりと回ってファンと笑顔を交わし合っていた。
その距離で、生ハモが活きる「Defy the fate」を歌い始めるi☆Ris。美しい音色でこの曲への想いを込める6人。なかでもDメロの山北・若井の声の伸びに、落ちサビの芹澤の気持ちの入り方は、正直最前のファンが羨ましくて仕方がないほどに心にビシビシ響くものだった。続く「イチズ」も、まず頭サビでの茜屋・若井の歌声が映える。芯の強さのみならず巧さも、3年半前とは段違いだな……と感慨に浸りかけたところで、彼女たちの立つセンターステージが、アリーナからスタンド1Fの高さまでリフトUP! ここまで最大限にファンの近くに行くとは、想定外だった。その一方で、アリーナでも依然として6色の光は輝き続ける。この光、見下ろす彼女たちにはどのように映ったのだろうか。
そして「鏡のLabyrinth」で、彼女たちの気持ちは再び上を向く。最新シングル収録曲を、初心を思い返せるサイズと距離感のステージで初披露だ。しかし、キレを出しつついたずらに大振りにしないというのは、実は観るは易し行うは難しなポイントで、振り返れば派手な演出を除くとこの日いちばん驚かされた点かもしれない。
曲明けは山北と若井によるMC。「i☆Risは歌も大事にうたって強みにしてきたので、それを届けたかったです(若井)」とこの距離での歌へのこだわりを語ったところで、話題は「鏡のLabyrinth」に。「みんな個性が強いからそれぞれやってることは違っても、みんな集まれば一緒だよ、っていう想いが込められていて好きな曲です(山北)」と、今のi☆Risの色合いをそのまま歌うような曲への思い入れを語っていた。
しかし一転、「今度は血の気を出して(山北)」との言葉からハイスピードなデジタルナンバー「Vampire Lady」へ。この曲もイントロから、センターステージにはもったいないほどのダイナミックなダンスが続出する。2サビでは、より間近でファンのエールという“血”をエネルギーに変えようと、虹部分でファンの目の前で歌い踊る。ラスサビ前の山北のセリフも、ひと声で7千人をとりこにする、必殺のひと言だった。続いてファンの赤のペンライトは、「Re:Call」で意味合いを“炎”に変える。ステージに舞う火球はMVの篝火を連想させつつ、激しいステージングとともに武道館の温度をさらに上げていく。ただ前半のクライマックス、かつ激しいステージングが続くこのブロックでも、彼女たちに息切れ感はなかった。
メンバーごとのMV撮影オフショットのダイジェストの上映を挟み、メドレーからライブは再スタート。しかしその構成曲が、どれもこれもハンパない破壊力を持つ。「i☆Doloid」のイントロが流れた瞬間の大歓声、そこに込められたファンの待望感は鳥肌モノだったし、「Dream☆Land」ではここまででいちばんの客席の振動を、取材しながら感じた。そして「わくドキしたいっ!」は、茜屋と久保田の歌声がとりわけ目立った1曲。キュートかつちょっとファニーな久保田の歌声を、それより少し大人びつつ強さも持ち合わせた茜屋の歌声が後押ししているようで、この曲ならではのコンビネーションでファンを魅きつける。メドレー明けのMCもこのふたりが担当したのだが、テンションの高ぶりを引きずったのか、珍しく茜屋のMCもとっちらかる。これは“武道館の魔物”が産んだ、普段とちょっと違う一面が表れるといううれしい副産物だったように感じられた。
しかし準備が整うと、クライマックスに向けてそのスイッチは瞬時に切り替わる。まず起爆剤として歌われたのは、「Make it!」だ。彼女たちの存在、そして魅力を知らしめる大きなきっかけとなった曲でもあり、いつ披露してもみんなが喜ぶ鉄板ナンバーだ。そして鳥肌モノだったのはやはり、サビで起きた「Make it!」の掛け声に合わせての7,000人の一斉ジャンプ。その盛り上がりに続けて、サビで歌われる「夢はもう夢じゃない」の言葉とで、興奮と感慨深さとがないまぜになったファンも多いのではないだろうか。そんなファンにとっては、大事なDメロ・落ちサビを力強くまっすぐに茜屋が届けてくれたのは何よりのプレゼントだろうし、逆説的に言えばそれほどのものを届けられるようになったからこそ、武道館は“憧れのまま”ではなくなったのだ――そう感じさせる、楽曲終盤だった。
そして次曲、イントロでスタンドにはブルーの割合が一気に増す。なぜなら、それが「§Rainbow」のものだから。もちろん最初から満面の笑みでパフォーマンスする芹澤だったが、自身の名がコールされるBメロを前に、不意にスクリーンにそれを導くような「せりざわ」の4文字が流れ、照明もスカイブルー一色に。そこに7,000人の「せーりーざーわー、ゆーちゃん!」のコールが乗れば、感極まってしまうのも仕方がない。だってこの瞬間だけは、間違いなく彼女のためだけにみんな声をあげていたのだから。そしてその7,000人は、2サビ明けには今度は6人全員のために、より精一杯の声を張り上げる。それは「We are i☆Ris!!!!」のコールだ。そう、ここに集った7,000人に4万人以上のニコ生視聴者、スタッフ、そしてこの6人、みんなが作り上げるものが“i☆Ris”なのだ――そう感じさせるには十分すぎるほどの特大コールが、武道館にはこだましていた。
全員でそんな気持ちの虹を武道館にかけ合ったところで「Realize!」を持ってくるというのも実に反則。終盤にも関わらず、ダイナミックかつ高難易度のサビラストの振り付けも6人でピタッと揃え、それを締めるジャンプに至っては相変わらずタイミングのみならず高さまで揃う。これほどまでにパフォーマンスを磨き続け、4年と18日絶対諦めなかった彼女たちがRealizeさせたこの武道館で、6人は心から気持ちよさそうに躍動し続けていた。
最後は「メンバー満場一致でした(山北)」と語られた「Goin’on」で、ライブ本編を締める6人。曲冒頭でステージから客席までをサーッとさらった虹色のサーチライトは、あたかも彼女たちの虹色の光がたくさんの人へと届いていった、ここまでの“418”の日々の縮図のようだし、「終わらない…」と本編を締める歌詞も、満場一致の理由だったのだろう。だって、i☆Risは別に武道館で止まるわけでも、ましてや解散するわけでもない。まだまだ輝きを増し続けるのだから。
歌い終わって、そのままステージを降りた6人。しかしファンは5分以上もの間、「i☆Ris!」と彼女たちの名を呼び続ける。
するとそれに応えて、「Happy New World☆」のイントロとともに6人がジャンプアップで華麗に再登場! 自らデビュー5年目の幕開けを祝福するかのように、タイトル通りの新世界への扉を開く。そして若井の「プレゼント持ってきたよー!」の言葉から、サイン入りTシャツを近くへ遠くへバズーカでプレゼント。なおかつステージ両サイドまで赴き、またまたファンの近くへ行く。そのなかで、不意に4年の歩みを感じさせたのが久保田だった。曲中上手から下手までダッシュで移動したのにもかかわらず、その後のソロパートでは息切れなし。培ってきた体力とタフさとが、想いを具現化するステージングを可能にしていた。また、落ちサビは「武道館に i☆Risのメロディ 武道館に 鳴り響くよ」を歌詞を替え、改めて晴れの舞台を実感させてくれた。
そしてこのMCから、i☆Risへのサプライズが飛び出し始める。まず、いつものように記念撮影をするところで、「Color」のアー写をプリントした祝福ケーキが登場! そのケーキも囲みつつ、“武道”らしく「メーン!」の掛け声で記念となる1枚を写す。そこからは各自ケーキを笑顔できゃいきゃいしながらつまみ食いし始める女の子らしい姿は、普段のi☆Risだった。
そんな女子らしいかわいさの詰まった新曲が、続く「Daily Berry!!」。幕開けを飾る四声のハモリはファンファーレのようで、かと思えばここまでキュートに振れまくった楽曲・パフォーマンスは久しぶりの印象。テクニックと元来から持つ6人のかわいげが、隅々にまで詰め込まれていた。また、この曲でもアウトロで澁谷による煽りが光り、彼女が確立したポジションがまたひとつ増えたようにも感じさせた。
さて、曲明けにはi☆Risから発表がふたつ。まずは2017年3月に14thシングルの発売! 同年1月からの『プリパラ』新OPテーマに起用されることも明らかになった。そしてもうひとつは、3rdツアーの開催! しかも過去最多となる全国9ヵ所・17公演にものぼる超ボリューム! 2ヶ月半をかけてじっくりと展開していくという点だけでも期待高まるところだが、その中には、東京(芹澤)はもちろんすでにツアーで回っていた北海道(山北)のほか、所沢(埼玉:久保田・澁谷)、岐阜(若井)と“凱旋公演”を開催できるメンバーも。特に岐阜の告知の際には若井が「やったー!」と飛び上がって喜んでいたが、それを見て、告知後に「私飛んでません!」と挙手する茜屋(※秋田出身)の姿が。しかしそこは山北が「こういうのは、一個ずつかなえていくのがいいんです!」と諌め、逆に次の次のツアーでの実現を期待させてくれた。
と、発表についてはひと区切りさせたところで、そのうれしさを噛み締めつつ「普段i☆Risはわいわいやってますけど、やっぱり大事な場所でライブをやるからには、みんなへの想いもきちんと今日は伝えたいなって思った」との言葉に続けて、「ayatsunagi」を披露する。バックの6分割モニターには、最初にオーディションの頃の映像が、Bメロではオフショットが流れ、サビで今の全員の姿が映し出される。美しいハーモニーを紡ぎ出しながら、4年間の歴史を感じさせながら、そこで生じた様々な想いを届けていく6人。2コーラス目、虹を歩きながら歌う彼女たちのバックには、今度はここまで3回のデビュー記念ライブの映像が。そうして彼女たちはまた、原点である“近い”ステージにたどり着く。と、ここで再度のサプライズ。今年春のツアーや河口湖での結成4周年ライブで、メンバーに内緒でファンがメッセージを記す映像が流れる。そして落ちサビで、それらが記された「祝 i☆Ris 4th Anniversary Live 武道館公演 おめでとう!」という旗が、ステージ上に大きく広げられた。さすがにこれには、ここまでほぼ笑顔で通してきたメンバーにも胸に来るものがあったようで、最後は円陣を組んで涙していた。
ということは、ここまで接触イベントも多かったはずなのに、誰ひとりとしてファンが口を滑らせることがなかったわけだ。だから「大事な場所で想いを伝えたい」という気持ちは、実はファンも一緒だったというわけだ。
涙を拭ったメンバーから、今度はじっくりとそれぞれがメッセージを伝える。「この日のために生きてこれたんだなぁって思います」と切り出したのは、澁谷。「ここまでくるのにたくさん悔しい想いもしたけど、ようやく自分を褒めてあげられる日になりました。来年ももっともっとたくさんの夢をかなえて届けられるように、頑張りたいです」と前向きな言葉を語っていた。
続いて久保田は、まずスタッフ・メンバーに「歌とかダンスとか、自分が苦手だったことを“楽しい”と思わせてくれてありがとうございます!」と涙ながらに感謝。そして「レッスンが辛くても、私が歌って踊るとみんながイベントで最高の笑顔をみせてくれるから、辛さや怖さも全部吹っ飛んですごく楽しいと思えるんです。これからもそんな、私の楽しそうな笑顔をこれからも見届けてくれたらうれしいです」と、4年間での“変化”とこれからについて語った。
変化という言葉は、続く若井にも通ずる部分が。「i☆Risに入ったときは、声優もアイドルも自信がなくて、『自分が追いかけてた夢とはちょっと違うな』って受け入れるのに時間がかかったんです。でも今は、こんなに楽しいって思えるようになりました」と、隠し立てなく素直に語る。そして「今の夢は、i☆Risとしてこれからもたくさん知ってもらって、個人の夢もかなえていくことです」と決意を語り、「そう思えるのは、メンバー・スタッフさん・ファンの皆さんに、心から恵まれているからって感じるからです。4年間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」と感謝も忘れていなかった。
心境に変化があったのは、続く茜屋も同じ。「デビューの頃は自分を好きになれなくて、自分に自信が持てませんでした。でも、それでも見放さずに支えてくれた、メンバーやファンのみんな、スタッフさん、家族、親友……ごめんなさいの気持ちもいっぱいだけど、今日は『ありがとう』と言わせてください」と、ありったけの想いを語る。そしてこの日のステージについて「“ここからの可能性”を見せるステージにしたいと思っていたんですが、感じていただけましたか?」と呼びかける。観客から返ってくるのは、大歓声。その声に少しホッとしたのか、「i☆Risとしても個人としても、止まるつもりはありません!」と宣言し清々しい表情でまとめていた。
続く芹澤は「セリコでーす!」と、まずは笑顔でハイテンションで言葉を紡ぎ始める。そして不意にファンに問う。「i☆Risは好きですか?」と。こちらも大歓声が返ってくるが、「私は最初i☆Risがあんまり好きじゃありませんでした!」と衝撃の発言。でもそれは4年前の、少し尖っていた頃の「ひとりでアイドルと声優になりたかったんだもん!」という想い。でも今は「みんなといるこの瞬間が、私の22年間とこれからの人生を足しても越えられなくらい最高の景色だし、絶対この6人でしか見られなかった景色だと思う!」とまとめ、「だから私は、いろんなことがあったけど、i☆Risのことが大好きです!!」と、最後は涙も混じりながら、気持ちの伝わる言葉を届けてくれた。
そんな芹澤を「ゆうちゃん、i☆Risでいてくれてありがとう」と泣かせにかかる山北は、「『うちのメンバーってなんてマジメなんだろう』と思って、心が痛い」と少々おどけ気味に切り出す。今年のツアーに続いての「身体に来始めた」ネタを絡めつつ、「それでも動き回れるのはみんなが力をくれるおかげだし、メンバーが『なんだかんださきさまなんだよね』って言ってくれるおかげなんだよねホントに……」と若干うるっとくる場面も。そして「日本武道館をやっても、i☆Risは絶対にしぼみません。絶対にまた武道館でやりたいし、もっともっと大きな会場で、いろんな人を感動させちゃうからなー!」と、「運営はどうかわかりませんが、うちらは止まる気ありませんからー!!」と、ロックすぎる言葉でまとめてくれた。
しかしこの感動の場面で、ドッカンドッカン沸かせつつ伝えたい想いはちゃんと伝えるMC力。その“自由なときは自由に、まとめるときはまとめて”という彼女の根底が、i☆Risのリーダーにはピッタリだったように思えた。だって、彼女だけ涙せずに挨拶を終えたのだから。澁谷が「さきさまがリーダーでよかった、これからもよろしくね」とそっと告げても、泣き崩れることはない。見据えていたのは5年目であり、その先だったはずだ。
それはきっと、オーラスの曲への想いとの繋がりもあったのかもしれない。茜屋の意見で決まったという、この先の夢を見つけに行くための架け橋となるラスト曲は、「ドリームパレード」。センターステージで、ファンの近くで思いっきりきらめくパフォーマンスを見せつつ、曲途中から彼女たちは虹を渡り始める。そして、2-Bメロでメインステージにたどり着くのだが、そのパートの歌詞通りにみんなで一緒に“憧れていたステージ”に立つのも、最後の最後でまたファン感涙ポイントだったことだろう。落ちサビでは茜屋と澁谷が、きれいにハモリながら肩を組んでの歌唱。その想いの強さは曲が締まったあとにも感じられ、曲締めの静止ポーズからいち早く両腕でガッツポーズを決めたのもまた、澁谷だった。
そのアクションに象徴される、達成感に包まれた武道館。6人は幾度も深く長い礼をし、ステージの端から端まで全員で回る。わいわいトークを繰り広げながら“いつものi☆Ris”で、笑顔でお礼をし終わったところで、史上最大規模の「らぶちゅっちゅ♪」でステージを締める。そうしてメンバー全員がステージ奥へと向かうなか、山北が改めて私たちに、ひとつ約束をしてくれた。
「また、この場所で会いましょう!」と。
パフォーマンスや歌声、それ自体もたしかに4年の集大成ではあった。しかしそれに加えて、この日はセットリストも充実したオンリーワンのものだったのではないだろうか。
普通曲数が増えたら、しかも4年も活動していたら、みんな聴きたい曲も散漫になっていって、どこか物足りない部分も出るもの。しかしこの日の武道館は、すべてのファンを包み込むかのような「これしかない」セットリスト。今までもしっかり振り返りながら、最後には未来だけを向いている、そんな楽曲たちで、曲順で構成されていた。
だからこれを書いている今でも、ラストの「ドリームパレード」の歌詞のような、こんな想いが止まらないのだ。
「5年目もその先も、ずーっとずーっと、思いのまま楽しんじゃえ、i☆Ris!」と。
Text by 須永兼次
“i☆Ris 4th Anniversary Live 418”
2016.11.25@日本武道館
【SET LIST】
M1.幻想曲WONDERLAND
M2.Color
M3.ミラクル☆パラダイス
M4.YuRuYuRuハッピーデイズ
M5.徒太陽
M6.Love friend style(TVアニメ『プリパラ』より)
M7.Defy the fate
M8.イチズ
M9.鏡のLabyrinth(初披露)
M10.Vampire Lady
M11.Re:Call
●メンバーごとのオフショットムービーダイジェスト上映
M12.i☆Doloid~Dream☆Land~わくドキしたいっ!(メドレー)
M13.Make it!
M14.§Rainbow
M15.Realize!
M16.Goin’on
EN1.Happy New World☆
EN2.Daily Berry!(新曲:デイリー×サントリーBOSS スマホ限定「i☆Risプレミアムキャンペーン」ソング)
EN3.ayatsunagi
EN4.ドリームパレード
●リリース情報
14枚目となるシングル
『プリパラ』2017年1月~OPテーマ
2017年3月リリース決定!
●ライブ情報
i☆Ris 3rd Live Tour 2017
4月9日(日)【千葉】市原市市民会館
14:00 / 15:00 18:00 / 19:00 ※昼夜2回公演
4月16日(日)【福岡】都久志会館
14:30 / 15:00 18:30 / 19:00 ※昼夜2回公演
4月22日(土)【宮城】仙台市民会館 大ホール
14:30 / 15:00 18:30 / 19:00 ※昼夜2回公演
5月7日(日)【埼玉】所沢市民文化センターミューズマーキーホール
14:30 / 15:00 18:30 / 19:00 ※昼夜2回公演
5月21日(日)【東京】中野サンプラザ
14:00 / 15:00 18:00 / 19:00 ※昼夜2回公演
5月27日(土)【北海道】道新ホール
14:30 / 15:00 18:30 / 19:00 ※昼夜2回公演
6月10日(土)【神奈川】関内ホール
14:15 / 15:00 18:15 / 19:00 ※昼夜2回公演
6月11日(日)【岐阜】長良川国際会議場
17:00 / 18:00
6月24日(土)【大阪】NHK大阪ホール
14:00 / 15:00 18:00 / 19:00 ※昼夜2回公演
主催・企画:avex pictures / DIVEⅡ entertainment
券種 全席指定 ¥6,800
※小学生以上有料。未就学児は入場不可。
Yu Serizawa Birthday Live ~Present Box~
12月18日(日)【東京】Zepp DiverCity
1部 開場/開演:14:15 / 15:00
2部 開場/開演:18:15 / 19:00
チケット発売中
1部・2部 全席指定 ¥6,800(税込) ※来場者プレゼント付き
※入場時別途ドリンク代¥500いただきます ※枚数制限:1人4枚まで。
主催・企画:avex pictures / DIVEⅡ entertainment
イベントに関する問い合わせ:キョードー東京0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
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