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INTERVIEW

2016.11.02

TVアニメ『ろんぐらいだぁす』OPテーマ「♡km/h」リリース記念 Rayインタビュー

TVアニメ『ろんぐらいだぁす』OPテーマ「♡km/h」リリース記念 Rayインタビュー

Rayの9枚目となるシングルは、自転車を愛する少女たちのTVアニメ『ろんぐらいだぁす』のオープニングを彩る爽やかなバンドサウンドが印象的な一枚。カップリングでは作詞も手がける彼女に、今回の制作についてたっぷりと話を聞かせてもらった。デビュー5周年を迎え、意欲的に活動するRayのインタビューをお届けしよう。

今までのイメージとはまた違っていたので、「この作品のOPテーマを歌えるんだ!」とワクワクしました

――3rdアルバム発売とツアーを経てのシングル・リリースとなりますが、制作にあたって心境的な変化などはありましたか?

Ray 前回のツアーが初めての試みばかりだったので、歌い方やパフォーマンスの見せ方など、自分でも意識しないうちにたくさん成長したなと感じていたんです。それを経た今回はとても素直な自分として歌ったので、今までの楽曲を聴いてくださった方にも、新しいRayを見せられるものになったと思っています。

――まさしく表題曲の「♡km/h」は、これまでのダンスビートのイメージから打って変わったバンドサウンドでとても新鮮でした。しかも作詞がmeg rockさん、作編曲がy0c1eさんという布陣で。

Ray y0c1eさんは以前からシングルでもお世話になっていて、その中でも今回は新しい感じの曲なんです。『ろんぐらいだぁす!』に出てくるみんなのキラキラしたイメージが感じられる曲になったと思うんですが、その歌詞をmeg rockさんに書いていただきました。タイトルからもmeg rockさんらしさが出てて、鋭い人はこの曲名を見ただけで「meg rockさんだ!」って分かったらしいです。レコーディングのときにもおふたりに立ち会っていただいて、その場でディレクションしていただきながら録ったんですが……緊張しましたね(笑)。

――(笑)。meg rockさんの歌詞はご自身の作品の中では初めてですよね。

Ray はい、初対面ではなかったんですけど、以前はご挨拶した程度で、しっかりお話したり作品で関わるのは初めてだったので、お会いするまでがドキドキで、実際に会ってからも「ご本人だあ!」ってドキドキしっぱなしで(笑)。meg rockさんにとても真っ直ぐな歌詞を書いていただいて、『ろんぐらいだぁす』も初々しさが大事な作品だなと感じていたので、歌もストレートに、変に癖をつけることなく歌いました。

――『ろんぐらいだぁす』という作品にはどんな印象を持たれましたか?

Ray まず原作を読んだときに、今までに主題歌を担当した作品とはまた違ったイメージだったので、「この作品のOPテーマを歌えるんだ!」とワクワクしました。y0c1eさんのデモを聴いてみても、すぐにキャラクターみんなが河川敷とかの景色を走っている光景が想像できる曲だったので、原作のシーンが頭に浮かんだ状態でレコーディングできました。倉田亜美ちゃんが初めて自転車に出会うときのドキドキとか、みんなと初めてロングライドするときのワクワクだったりを歌にも活かせたと思います。

――聴いていても、自転車好きな女の子たちの熱量が想起される楽曲だと思います。この曲のMVは衣装を8着も用意されたとのことで盛りだくさんな内容になっていますが、撮影はいかがでしたか?絶対大変だったと思うんですが(笑)。

Ray Ray史上でも最多だし、今後もなかなか更新できない記録だと思います(笑)。撮影は早朝から深夜まで1日で撮りきったんですが、なかなかハードな撮影でした!でもすごく楽しく撮らせていただいて。今回はギターに一目惚れした女の子がそれを買うためにいろんなアルバイトをするっていう内容なんですが、私はアルバイト経験がコンビニしかなくて、MVの中でやっているお仕事を本当に職業体験みたいにやらせてもらいました。コスプレ好きな私にとっては、いっぱい衣装を着れたのも楽しい経験でした。

――実際にラーメンを作られたりとか、ガソリンの給油をされたりとかしていましたね。

Ray そうなんですよ!ほとんどが実在するお店にお邪魔させてもらって、お仕事のレクチャーを受けて。ガソリンスタンドで車を誘導するのなんて初めてだし、給油のノズルってこんなふうに天井から引っ張るんだ!って楽しみながらやってました。ラーメン屋さんでも実際に調理風景を見せていただいて、真似してやってます。煮えてるお湯に麺を入れるのも熱いし、入れたら入れたでお湯の中から麺が探せなくて(笑)。いつも食べてるラーメン作るのもこんなに大変なのか!って勉強になりました。本当に面白くて「ここは終わったから次のカット行くよ!」って言われても「もうちょっとやらせてください!」って粘ったりしてて(笑)。

――フィジカル的に大変だったのは着ぐるみのシーンだと思うのですが、いかがでした?

Ray 北海道民としてはそろそろ涼しくなってもいいんじゃないかなと思っていたんですが、本州の夏は厳しかったですね(笑)。空がすごく綺麗に晴れていて撮影条件としては最高で、エアコンが利いた屋内での準備中はウキウキだったんですが、いざ撮影するぞって外に出た瞬間に着ぐるみの中が蒸し風呂状態で(笑)。楽屋から撮影場所までがちょっと遠くて、そこに歩いてくまでに「ダメかもしれない……」ってうめいてました。でもMVの中で着ぐるみの頭を外すカットがあるんですが、そこの解放感がもう最高で(笑)。スポーンって上手に外して、ポイっと投げるまできれいに撮れたと思うので、あの頑張りをたくさんの人に見てもらいたいです(笑)。

――もちろんコミカルなだけでなく、Rayさんがギターを弾く姿も見どころですね。

Ray そうなんです。ギターは以前弾いていたんですが、ここ数年はサボり気味で持つのも久しぶりだったので楽しくなっちゃって、実際に声を出して歌いながら撮影していました。曲の雰囲気にもピッタリだと思うので、着ぐるみの解放感からの爽やかなギターのカットに注目してもらえればと(笑)。

「キミと」の作詞では、『ろんぐらいだぁす!』と関係性のある詞を、と思ったときに「相棒」っていうテーマが思い付いて

――続いてはRayさん自身が作詞をされた「キミと」について伺っていきましょう。

Ray 単独での作詞は3rdアルバムの「星」に続いて2度目なんですが、最初はどんな題材で書こうか悩んでいたんです。作編曲が「星」と同じ板倉孝徳さんだったので、作詞をしながら内容や楽曲の構成を相談しつつ進めることができました。悩みながらですが、「星」で初めて単独作詞をしたときよりはスムーズに言葉が出てきましたね(笑)。歌詞そのものは恋の歌っぽく感じる方も多いと思いますが、私は『ろんぐらいだぁす!』の亜美ちゃんが折り畳み自転車のポンタ君と出会ったときのドキドキとか、「この子と一緒ならどこにでも行ける」っていう思いを広げながら書いていったので、友情的な意味も読み取れる歌詞になっていると思います。

――まさしく“相棒との友情”のようなものを感じられる歌詞だと思いながら聴いていました。Rayさんはこれまでも川田まみさんや三重野 瞳さんとの共作という形で作詞をされてきましたが、今回「キミと」の作詞に至るまでの変遷を聞かせていただければと思います。

Ray 共作とはいえ、初めて自分の想いを歌に込めたのが1stアルバムの「Over ride」でした。私はデビューするまでにもたくさん壁にぶつかりましたし、歌をやめようかと思ったこともあったんです。でもそれを全部乗り越えてここにいるんだ、やっとスタートラインなんだっていう想いを込めたのがあの歌詞で。次の「flagment love」はちょっと違う形というか、「Over ride」で強い想いを一度アウトプットしたので、想像の世界の、自分が体験したことのない甘酸っぱい青春を描きたくて。そこに三重野さんマジックも入り、ちょっと遊びのある歌詞に仕上がったんです。「星」はそうやって共作で作詞に取り組んだあとの、初めての単独作詞だったので、みんなへの感謝だったり、普段思ってるけどなかなか伝えられない想いを伝えられるような歌詞にしたいと思って書きました。だからみんなの笑顔だったり、ライブ会場で見えるサイリウムを星に例えて、「いつもありがとう」って、「落ち込んだ時もあの景色を思い出して元気になれるんだよ」っていう感謝を込めたんです。

――なるほど。作詞の面でも順を追ってステップアップを重ねてきたわけですね。

Ray そこまでの3曲で心境の変化だったり、言葉の選び方について成長できたと思ったんですが、今回の「キミと」ではどういう題材で書くか、最初のおおまかな内容を決めるのに実はいちばん時間がかかったんです。「星」で全力投球した後だったので「次はどうしたらいいんだろう……」って悩んでいて。でも『ろんぐらいだぁす!』という作品と関係性のある詞を書きたいなと思ったときに、「相棒」っていうテーマが思い付いて。「キミとの出会いで世界が広がっていく、一緒ならどこへでも行けるよ」っていう、それは亜美ちゃんにとってのポンタ君であり、私にとってのファンのみなさんでもあるっていう想いを言葉にするにはどうしたらいいかっていうのを考えつつ書いていきました。

――Rayさんが作詞をする際に、大切にしている幹は何ですか?

Ray ライブやラジオをやらせてもらうなかでも思っているんですが、「素直な自分を出す」というのがRayらしさなんじゃないかと。同時に「自分らしさって何だろう?」というのは未だに考えているんですが(笑)。でも今までの歌詞でも遠回しな言い方じゃなく、気持ちがストレートに伝わるような、難しい言葉をあまり使わない、わかりやすい歌詞が作詞のうえでの自分らしさなんじゃないかと思います。

――作詞をされるうえで悩んだ点、大変だった点などはありましたか?

Ray タイトル決めとかいろんな部分で悩んでいるので、ひとことでは言い表せないんですが(笑)。伝えたいことが多すぎて、書いててまとまらないってことはよくあります。この音符に対してこの言葉の数は入りきらない、なら別の言葉を選んでみようとか、言葉探しは難しいですね。ニュアンシーな、フワっとした言葉も最初は使っていたんですけど、それだと本当に伝えたいことが伝わらないなと思って。だから歌詞の原稿はいつも赤ペンだらけになってます。

――なるほど。では今回の歌について、それぞれの曲で意識した部分などはどこですか?

Ray 「♡km/h」は楽しさやうれしさというか、色でいうと黄色とかオレンジとかピンクみたいなイメージの歌だなと思ったので、実際に私も動きながら歌ってレコーディングしていたんです。それに対して「キミと」はドキドキ感とか、「出会ってくれてありがとう」な感謝の気持ちもあるので、そういうことを考えながら歌っていて、無意識にですが声が変わってると思います。「♡km/h」は自転車に乗って感じるふうだったり、ライブで歌ったときのことも想像しながら歌ってるので、そういう楽しさは声色に出てるんじゃないかと思いますね。いろんな表情を見てもらいたいというのが変わらず目標にあるので、今後も歌でどんどん見せていきたい、これが第一歩だと思っています。

――そんな変化が見られる場として、2017年2月に5周年記念ライブがあるとのことで。こちらの意気込みはいかがでしょう?

Ray 人見記念講堂というとても綺麗で歴史あるシンフォニーホールでの開催なので、今から緊張しています。スタッフの方々と内容を考えつつ準備してるんですが、今回は5周年記念ということで、今まで応援してくれた方にも最近知ってくれた方にも「ありがとう」を伝えるライブにしたくて。だから前回のツアーとは雰囲気の違った、でもすごく豪華なライブになります!これまでのライブをずっと観てくれていた方にも驚いてもらえるような内容にしますので、期待しながら遊びに来てください!

――デビュー5周年という大きな節目を迎えた、今後の展望を聞かせてください。

Ray 今は5周年ライブに向けて、今見せられる最高のRayを見せる準備をしているので、そこに一直線ですね。ライブの後にまた何か大きな目標は見えてくると思うんですが、今後もずっと新しいことにチャレンジするという目標は変わらないです。ツアーでは演劇にチャレンジして、今回はアニバーサリーでまた新しいRayを見せます、今後も歌っていくにあたって、新しい自分をいかにみんなに見せられるかに挑戦していきたいです。何事も怖がらずに、楽しみつつ突っ走っていきます!

――最後にファンの方々にメッセージをお願いいたします!

Ray シングルではRayの新しい一面と、想いを込めたカップリング曲を楽しんでいただきつつ、5周年のアニバーサリーライブで今の最高のRayをお届けできるように頑張ります!これからもよろしくお願いします!

Interview&Text By 市川太一(クリエンタ/学園祭学園)


●リリース情報
TVアニメ『ろんぐらいだぁす!』OPテーマ
「♡㎞/h」(ハートキロメートルパーアワー)
11月2日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】
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品番:GNCA-0459
価格:¥1,800+税

【通常盤(CD)】
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品番:GNCA-0460
価格:¥1,200+税

<CD>
01.♡km/h
作詞:meg rock 作/編曲:y0c1e
02.キミと
作詞:Ray 作/編曲:板倉孝徳
03. ♡km/h(instrumental)
04. キミと(instrumental)

<DVD>
・本人出演のMV
・RAYVE 2016 FINAL ~Wonder Little Trip~』より
「Wonder Little Trip」「ebb and flow」「星」のライブ映像

※初回生産分封入特典(限定盤・通常盤共通)
・2017年2月19日Rayデビュー5周年記念ワンマンCD購入者先行応募券封入

●ライブ情報
Rayデビュー5周年記念ワンマンライブ
2017年2月19日
会場:昭和女子大学 人見記念講堂

●作品情報
TVアニメ『ろんぐらいだぁす!』
TOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、AT-Xほかにて放送中
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©三宅大志・一迅社/ろんぐらいだぁす!製作委員会

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