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2016.03.08
昨年デビュー55年を迎えた“アニメソング界の大王”ささきいさおが、3月6日にZepp DiverCity (Tokyo)にて『デビュー55周年記念スペシャルライブ・アンコール』と題した公演を開催。5月25日にリリースする55周年記念曲「今の向こうの今を」を初披露した。
同公演は、昨年5月17日によみうり大手町ホールにて開催した『デビュー55周年記念バースデーライブ』のチケットを即日完売させたささきいさおが、ファンからの熱い要望に応え2部構成で行ったもの。期待を膨らませる約1100人のファンを前に暗転すると、『銀河鉄道999』よりメーテル&鉄郎のナレーションのもと、幻想的な星の海の広がる演出の中、汽笛が鳴り響くとともにスパンコールの煌く衣装で登場する。「銀河鉄道999」を歌い上げ、集まったファンに感謝の言葉を述べると「去年の5月のコンサートのチケットがあっという間に売れてしまい、見れなかった人のためにアンコール公演をすることになりました。見てください、このメンバーですよ!」とステージ上のバンドにブラス、コーラス隊を見渡すと会場からは盛大な拍手が送られた。
<銀河鉄道999コーナー>に続いては、<巨大ロボットコーナー>へ。「ブラスメンバーに頑張ってもらいましょう!」とささきが衣装のジャケットを脱ぎ、『ゲッターロボ』OPテーマ「ゲッターロボ!」で始まると、手をつきあげる観客との息もぴったりに、最後は自身も拳を突き上げ圧巻のパフォーマンス。コーナーのラストを飾った『UFOロボ グレンタイザー』挿入歌「もえる愛の星」では、途中“アニメソングの女王”堀江美都子がサプライズで登場し、ささきとステージを交代する場面も。その後MCにて「こんばんは、堀江美都子です。昨年の55周年ライブに引き続き声をかけてもらいました。今回は特命係として『(場を)繋げよ』と言われました。』と明かすと、ささきが「“繋ぎ”なんて失礼な、司会だよ。」と返して再登場し、笑いを誘った。
ロカビリーで初めてささきの存在を知ったという堀江のMCにより、ライブは<オールディーズコーナー>へ突入。ポール・アンカ「ダイアナ」のほか、エルヴィス・プレスリー「好きにならずにいられない」など、衣装もプレスリーさながら観客を魅了する。人生を変えたというエルヴィス・プレスリーのエピソードとして、「生まれて初めてレコード屋で『今流行ってるのを1枚ください』とドーナツ盤を買って、毎日聴いていた。」と明かし、「当時のど自慢の番組で服部良一さんに『君は東京のプレスリーだね!』と言われた」と笑顔で語った。ラストはその初めて買ったというレコードでもある「I need your love tonight」を披露し、拍手喝采を浴びた。
第1部も早くも終盤に差し掛かると、悲鳴にも似た歓声があがる中、ナレーションや声優として活躍する野島昭生がシークレットゲストとして登場する。ステージ上で『ナイトライダー』のキット役を演じ、マイケル役のささきとの生アフレコが実現すると、会場は歓喜の渦で包まれた。序盤より盛りだくさんな内容で進行する第1部の締めとして、ステージは<大人の世界コーナー>で歌謡曲ナンバーをメインにその魅力的な低音を響かせていく。そして昨年10月にリリースし、自身で作詞を手がけたオリジナル曲「悠久浪漫」を披露すると、「これで最後かと思っていましたが、今度は畑亜貴さんが作ってくれました。」と突如新曲の発売をアナウンス!そのまま“今の時代の阿久悠”と称し、ステージに畑亜貴を招いた。ささきのファンだという畑は「愛と勇気とセクシーですよ!」と彼を褒めちぎり、笑いを交えた掛け合いで会場を沸かせると、「(新曲で)励ましてもらいたい。“今の向こうの今”まで連れていって欲しい。」と熱烈なコメントを添えた。その気持ちに応えるように、ささきが新曲「今の向こうの今を」を初披露すると、大歓声の中ライブ前半が終了した。
第2部は「皆さんまもなく宇宙戦艦ヤマトが発進します。」と『宇宙戦艦ヤマト』よりスターシャのナレーションで、大ヒット曲「宇宙戦艦ヤマト」で会場のテンションを再び加熱していく。<宇宙戦艦ヤマトコーナー>の終盤では「ヤマトといえば」とスペシャルゲストに『銀河鉄道999』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』などを手がけた漫画家の松本零士、そして「宇宙戦艦ヤマト」等の作曲を手がけた宮川泰の息子で作曲家・音楽家の宮川彬良が登場し、大歓声で迎えられた。松本は「“999”は未だ終わっておりません。続きは頭に残っていて書き始めたところです。“999”は未完成、“1000”で完成。」の一言に歓喜と期待のどよめきが沸き起こった。ささきも「完成して欲しいような、して欲しくないような」と心境を語ると、松本は「音楽のおかげでアニメは支えられているんです。」と激励を送り、ステージを去った。<宇宙戦艦ヤマトコーナー>はその後「父の雄姿に憧れて音楽を始めた」と語った宮川が、ピアニカ一本での息を呑むパフォーマンスで披露した「宇宙戦艦ヤマト」を経て大興奮の内容で終了した。
その後も<カムバックコーナー>では『新・巨人の星』テーマを、<タツノコプロコーナー>では『新造人間キャシャーン』テーマや『科学忍者隊ガッチャマンⅡ』テーマで堀江美都子とのデュエットによる「明日夢見て」など、普段あまり歌うことのないレアな曲も含めて観客を喜ばしていく。“レッド”色の鮮やかな衣装に着替えて迎えた最後のコーナー<スーパー戦隊シリーズコーナー>は、堀江と出会うきっかけになった曲「進め!ゴレンジャー」のデュエットで幕を開ける。たたみかけるように「一気にいっちゃおう!」とファンとの掛け合いもばっちりに『秘密戦隊ゴレンジャー』、『ジャッカー電撃隊』そして昨年リリースの「ミッドナイトデカレンジャー 10 YEARS AFTER」ではサックスソロで魅了すると、『超人機メタルダー』より「君の青春は輝いているか」で本編は終了した。
迎えたアンコールでは感謝の言葉とともに「宇宙戦艦ヤマト」を再度熱唱し、これまでの活動について「やっぱり人生背中を見せると思い通りにはいかないものだな、と辛い時期もありました。」としっとりと振り返る。「そしてガッチャマンという漫画に巡り合って、コンドルのジョーの声をやって、続くキャシャーンの主題歌を歌って。イベントをやっても誰も知らないんだろうなと思ってたら、ものすごい声援でびっくりしました。“ささきさん”という人はいなくてアニメの名前ばかりだったけれど、それでも嬉しかったです。本当に歌というものは、色んな思い出が渦巻いています。そんな思い出を綴りました、この曲を最後に聴いてください。」と「マイウェイ」を響かせる。全36曲4時間にも渡るパフォーマンスを届けた“アニメソング界の大王”に、観客もスタンディングで拍手を送ると、ささきは「ありがとうございました、また会いましょう!」とステージを去った。
ささきいさお デビュー55周年記念スペシャルライブ・アンコール
2016年3月6日(日)Zepp DiverCity (Tokyo)
出演:ささきいさお
司会:堀江美都子
ゲスト:野島昭生(声優)、畑亜貴(作詞家・音楽家)、松本零士(漫画家)、宮川彬良(作曲家・音楽家)
<セットリスト>
[第1部]
●銀河鉄道999
M1. 銀河鉄道999 <銀河鉄道999 OP>
M2. 青い地球 <銀河鉄道999 ED>
M3. 銀河鉄道は遥かなり <銀河鉄道物語 OP>
M4. 銀河の煌(ひかり) <銀河鉄道物語 ED>
●巨大ロボット
M5. ゲッターロボ! <ゲッターロボ OP>
M6. さがしに行かないか <超合体魔術ロボ ギンガイザー ED>
M7. 超常スマッシュ!ギンガイザー ~ 大空魔竜ガイキング ~ 星空のガイキング ~ 立て!闘将ダイモス <ロボットメドレー>
M8. とべ!グレンダイザー <UFOロボ グレンダイザー OP>
M9. もえる愛の星 <UFOロボ グレンダイザー IN>
●オールディーズ
M10. ダイアナ
M11. It’s Now Or Never
M12. 好きにならずにいられない
M13. I need your love tonight
●大人の世界
M14. おまえに
M15. 雪の慕情
M16. レクィエム
M17. 悠久浪漫
M18. 今の向こうの今を
[第2部]
●宇宙戦艦ヤマト
M19. 宇宙戦艦ヤマト <宇宙戦艦ヤマト OP>
M20. 真赤なスカーフ <宇宙戦艦ヤマト ED>
M21. 好敵手 <さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち IN>
M22. テラサよ永遠に <宇宙戦艦ヤマト2 ED>
M23. ヤマト!! 新たなる旅立ち <宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち OP>
●カムバック
M24. 行け行け飛雄馬 <新・巨人の星 OP>
M25. よみがえれ飛雄馬 <新・巨人の星 ED>
●タツノコプロ
M26. たたかえ!キャシャーン <新造人間キャシャーン OP>
M27. おれは新造人間 ~ 戦え!ポリマー ~ われらガッチャマン ~ ガッチャマンファイター <メドレー>
M28. 明日夢見て <科学忍者隊ガッチャマンⅡ ED>
●スーパー戦隊シリーズ
M29. 進め!ゴレンジャー <秘密戦隊ゴレンジャー OP>
M30. ゴレンジャーストーム <秘密戦隊ゴレンジャー IN>
M31. 秘密戦隊ゴレンジャー <秘密戦隊ゴレンジャー ED>
M32. ジャッカー電撃隊 <ジャッカー電撃隊 OP>
M33. ミッドナイトデカレンジャー 10 YEARS AFTER <特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER 主題歌>
M34. 君の青春は輝いているか <超人機メタルダー OP>
[ENCORE]
Enc1. 宇宙戦艦ヤマト <宇宙戦艦ヤマト OP>
Enc2. マイウェイ
●リリース情報
「今の向こうの今を」
5月25日発売
品番:COCC-17192 価格:¥1,200+税
作詞:畑亜貴/作曲:黒須克彦
<ささきいさお プロフィール>
本名・佐々木 功。
1942(昭和17)年5月16日、東京に生まれる。
’60年に日本コロムビアよりロカビリー歌手としてデビュー。
“和製プレスリー”のキャッチフレーズで人気を博す。
同時期、大島渚監督作品『太陽の墓場』(’60年)の主役に抜擢され、1年間、松竹映画の専属俳優として、ヌーヴェルヴァーグ作品などに出演。
その後は演劇・ミュージカル・テレビ映画などに出演を続ける。
声優として’72年に『科学忍者隊ガッチャマン』にコンドルのジョー役で出演したのが縁となり、’73年の『新造人間キャシャーン』にて“ささきいさお”として初のアニメソングをレコーディング。
以降は生涯の代表作といえる『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ(’74年~)を筆頭に数多くのアニメソングを歌う。
主題歌を担当した作品に『ゲッターロボ』(’74年)、『破裏拳ポリマー』(’74年)、『UFOロボ グレンダイザー』(’75年)、『大空魔竜ガイキング』(’76年)、『惑星ロボ ダンガードA』(’77年)、『新巨人の星』(’77年)、『銀河鉄道999』(’78年)、『ザ★ウルトラマン』(’79年)などのTVアニメ、『秘密戦隊ゴレンジャー』(’75年)などの特撮テレビ映画がある。
声優としても多くの仕事をこなし、アニメでは上述のジョーのほか、劇場映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(’78年)の斉藤始役など。
洋画吹替でもシルヴェスター・スタローン、クリストファー・リーヴ、テレビシリーズ『ナイトライダー』のデヴィッド・ハッセルホフなどの当たり役をもつ。
今年、東京アニメアワードフェスティバル2015にて功労賞を受賞。
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