INTERVIEW
2016.03.25
ボーダー柄の服のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。
「ボーダーズの“音の場”season2」第3回は、代々木駅からお送りします。“学生の街”という印象が強いこの街ですが、実はスタジオやライブハウスなどの音楽施設も豊富に建ち並んでいます。ライブ活動も精力的に行うふたりは、代々木でどんな音楽を聴くのでしょうか?
――“音の場”season2、第3回は代々木駅にやってきました。新宿から近いですね。
北川勝利 代々木すごく久しぶりに来たんですよ。めっちゃ綺麗になってて驚いた。
藤村鼓乃美 確かに、駅も綺麗になってた。
北川 昔はそうでもなかったのに。
――綺麗になったのは結構最近ですよね。北川さんは代々木というと思い出などはありますか?
北川 いくつか回ってきたんですけご、駅前にZher the Zooっていうライブハウスがあって、昔はよく出てたんですよ。最近はあんま出られてないんですけど。
藤村 壁がボーダー柄でしたね。
北川 そうそう、ボーダーで。
藤村 我々のためにボーダーにしてくれてたので(笑)。
――前日から!? どれだけ権力を持ってるんですか(笑)。
北川 まだ乾いてなかったからね(笑)。
藤村 あとあの高い塔も撮りましたね。
――ドコモタワーですね。実は「代々木といえば」なランドマークを他にも探したんですが、なかなか目立つもの見つからなかったんですよ。
北川 あとは代々木駅の近くの線路が3つぐらい交差してる踏切とかね。「背景に電車走ってたらかっこいいよねー」とか言いながら写真撮影も終わって、「さあ帰ろうか」って支度してたら3つの線路に同時に電車が通るっていう奇跡の瞬間が始まって(笑)。
藤村 片付けちゃったから写真は撮れずに、すごいねーって言って(笑)。
北川 そう、それであの踏切に立ったら急に思い出したことがあって、踏切のすぐ近くにレコーディングスタジオがあったんです。今でもあるのかな? そこでROUND TABLEの初期の頃にちょっとした意見の衝突があって、最終的に僕が「じゃあ今日はもう帰ります!」ってスタジオを飛び出したっていう思い出が。
――若かりし頃のきっつい思い出ですね(笑)。
北川 あーここだー! この風景だーって(笑)。
藤村 撮影の時も話しててテンション上がってましたもんね(笑)。
――代々木は他にもスタジオはたくさんありますよね。藤村さんの代々木のイメージといえば?
藤村 代々木は乗り換えとかでしかほとんど使わなかったんですけど、今日いい待ち合わせ場所を見つけたので満足してます。
――明治神宮北参道口の石柱ですね。駅前交番の裏にありますが、風景に溶け込みすぎてて視界に入っても脳にまったく入ってこないんですよね(笑)。
北川 それだったら絶対オレンジ色のかつやの方が分かりやすいじゃん(笑)。
藤村 今度からあそこが待ち合わせ場所になるねって話をしてて。
北川 ハチ公前とかいけふくろう的な、新しいランドマークにできるんじゃないかって。
藤村 でも地味だから4人位しか待てない(笑)。
――「代々木駅の石碑前集合ね」みたいな。
北川 だったら交番前でいいじゃん。
藤村 いや、そうなんですけど(笑)。
北川 あとはFM FUJIのサテライトスタジオがあって、昔そこで番組をやってたんですよ。そこは生放送の時は街に向けてのガラス窓を開けるんですけど、僕は収録だったんでいつも閉じっぱなしで(笑)。
――全然サテライトじゃないじゃないですか(笑)。
北川 毎回スタジオ向かいの喫茶店で打ち合わせしてから収録に入ってた記憶をふと思い出しました。
藤村 結構代々木に思い出あるじゃないですか。
北川 案外あるね。実はまだあって、当時の事務所が代々木に近かったんですよ。で、事務所の偉い人が年に1回ぐらい連れていってくれるカニ料理のお店があって。注文の時に「焼きですか? ゆでですか?」って聞かれて「じゃあ焼きで」って言ったらタラバガニの足が焼きでどんって出てくる。「じゃあ次はゆでを」って言ったらホカホカの足が出てくるような。
――自由自在ですね。
北川 で、最後にカニのスパゲティを食べて帰るっていう。なにかあったご褒美の時はそこに行けるんです。
藤村 いいなぁ……。
――なるほど、この街にもいろんな思い出がありますね。ではそんな代々木の音楽を聴いていきましょうか。
北川 順番どうしようか、よく考えた方がいいよ。
藤村 じゃあわたしから行きます。自分の曲なんですけど、アルパカモリスの「モノクロスローモーション」にしました。
★藤村’s Select
「モノクロスローモーション」アルパカモリス
北川 確かにどことなく代々木っぽい。
藤村 嫌がらせですか(笑)。
北川 いやほら、今のイントロのとことか(笑)。
藤村 アルパカモリスのリハをよく代々木でやってたんですよ。その頃の私の中に、代々木のスタジオで練習をして、帰りは松屋で牛丼食べて帰るっていう流れがあって、それをいっつも思い出すんです。
北川 そういえば、サビのところも代々木感があるなぁ(笑)。
藤村 石碑感もあるし(笑)。
北川 このへん駅前のロータリー感がある(笑)。
――北川さんの中の代々木はずいぶんエレクトロなイメージなんですね(笑)。ではそんな北川さんの代々木の音楽を聴いていきましょうか。
★北川’s Select
「Hot Hot Hot!!!」ザ・キュアー
――さあ、なぜザ・キュアーなんでしょう?
北川 タイトルが「Hot Hot Hot!!!」っていう曲なんですけど、代々木でよく辛いもの食べに連れてってもらってまして、代々木といえばホットな食べ物だなあって(笑)。
藤村 待って待って待って(笑)。あんなに思い出いっぱいあったのに食べ物の話なんですか!?(笑)。
――さっき似たような話カニでしてますからね(笑)。
北川 ほら、カニは今思い出したから(笑)。駅の近くに「アンコールワット」ってお店がありまして、そこが僕のエスニックな、辛い料理体験のスタートだったんですよ。最初は辛いのはそんなに食べられなかったんだけど、そっから慣れてくると大丈夫になってきて、また何年か後に行ったら「あれこんなに辛くなかったっけ」って思ったりして。
藤村 「俺も大人になったな」って(笑)。
北川 大人になったのか味覚がバカになったのかわかんないんだけどね(笑)。だからザ・キュアーがどうこうっていうよりは「Hot」っていう単語が入ってればなんでもよかったんですね。言われる前に言っときますね(笑)。
――わかりました。言う前に言われたのでこれぐらいにしておいてあげます(笑)。さあ、というわけで代々木編終了でございます。次回のロケ地はどこになるのか!?
北川 いきますよ!
(サイコロを振る)
――えーっと「12」ですね。ということは巣鴨です! この時が来てしまいました(笑)。
藤村 うわあ、巣鴨行ったことない(笑)。
――次回はおばあちゃんの原宿、巣鴨に行ってまいります!
北川 とげ抜くぞおー!(笑)。
(次回、巣鴨篇へつづく!)
PHOTOGRAPHY BY 高橋妙子
INTERVIEW & TEXT BY 市川太一(クリエンタ)
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