INTERVIEW
2016.02.25
ボーダー柄の服のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。
ボーダーズの「“音の場” season2」第2回は山の手3大副都心のひとつ、池袋駅で下車しました。若者の街でもあり、乙女の街とも言われるこの土地で、ふたりはどんな音楽を聴くのでしょうか。なにやら藤村さんは、池袋に並ならぬ思いがあるようですが……?
――第2回は池袋にやってまいりました。まず本日の撮影行程から聞いていきましょうか。
北川勝利 まず池袋駅を出て“いけふくろう”に。
藤村鼓乃美 そこまだ駅の中ですよね(笑)。
北川 僕、いけふくろうに思い出があるんです。昔まだみんなが携帯電話を持ってない頃に、改札からいけふくろうまで辿り着けなくて、時間どおり集合したはずなのに会えなかった経験が3回ぐらいあって。
――あんまり目立つスポットでもないですからね。
北川 そうそう。それに池袋駅の構造自体に慣れてないせいか、どの出口がどっち方面かさっぱりわからない(笑)。
――えーっと西武百貨店があるのが……。
藤村 東口。
――東武百貨店があるのが。
藤村 西口(笑)。
北川 案内板に「中央」とか「西」とか書いてあるんだけど、それを見て進んでいくとまた全部の方位が書いてあったりして(笑)。
――例えば新宿駅をよく利用する人はあそこの入り組んだ構造は大丈夫じゃないですか。でも池袋だと迷うんですよね。
藤村 実は私は池袋派で、新宿のほうがわからないんです。
北川 池袋の地理はバッチリ?
藤村 任せてください!
北川 すごいな。まずいけふくろうに辿り着くので一苦労なのに(笑)。
藤村 今日もさすがに人は多かったですね。みんな待ち合わせしてる感じで。
北川 でも見た目は待ち合わせ場所ランキング第1位って感じじゃないよね。
藤村 みんなどこで待ち合わせしてるんですかね?
北川 池袋あんまり来ないからホントにわからない(笑)。
藤村 「じゃあ2時に東口で」とかですかね。
北川 それは今だからこそでしょ? 昔は場所と時間を指定しないと会えなかったんだから。
藤村 的確な待ち合わせ場所が大事だったんですね。
北川 だからいけふくろうなんだろうね。
藤村 なのに迷っちゃう(笑)。
――そしていけふくろうから出発し……。
藤村 私の希望で、でっかいト音記号を見ました!
北川 知らない人にとっては「はあ?」だろうね(笑)。
藤村 ト音記号の像があるんです(笑)。
――彫ってある楽譜の作曲・編曲はさだまさしさんでしたね。
藤村 でも裏に彫ってある歌詞は別の曲なんですよね。みんなで「どういうこと?」ってなってました(笑)。
北川 裏側を見てたらどこにもさだまさしの名前がないから聞き間違いかと思った。
藤村 ちゃんとコード進行も書いてありましたよ。
北川 そんなト音記号の石碑があって、でも僕はそれがなんなのかはわかってない(笑)。
――さらに順路を追って聞いていきましょう。
藤村 公園でフクロウの像を見ました。
北川 フクロウもう一丁(笑)。
――アニメイト本店裏の、豊島公会堂近くの公園ですね。
北川 前にあそこで花澤香菜ちゃんのリリース・イベントをやったんです。朝行ったら公園の中に人がびっしり整列してて、なにごとかと思ったら横のアニメイトでやるイベントのお客さんがだったという。今日のロケ、ここまででサンシャインとかの名所にかすりもしてない(笑)。
藤村 ただのフクロウめぐりの旅になってる(笑)。
――言っちゃなんですが、わりと地味な部類のロケですね(笑)。
北川 「任しといて」って言いながら、選ぶスポットが玄人向けっていう。朝集合したときも「どこかいい場所ある?」って聞いたら「ト音記号!」って言われてなんのことやら(笑)。
――そもそも藤村さんはなぜあのト音記号を知ったんですか?
藤村 ト音記号を知ったのはアニメでですね。今日持ってきた曲にも関係あるんですけど……。
北川 あ、じゃああんまり聞いちゃいけない。
藤村 聞いてくれないの!?
北川 藤村の好みが渋すぎなんだよー!
――北川さん、今日悪態しかついてないですよ(笑)。
藤村 この間はギャルだったし(笑)。
北川 そうそう、池袋といえば楽器屋が結構あるので、これまで何本もギターを買いましたよ。でも僕の池袋についての知識ってほぼそれぐらい。
――そんなに来られないんですか?
北川 あとは大学の頃に、親が仕事で東京に来たときは池袋近くのホテルに泊まってて、会って飯でも行こうかって食べた溶岩焼きステーキの味は今でも忘れられない。その店がどこかはまったく覚えてないけど、池袋の思い出第3位くらい(笑)。
藤村 いいなー美味しそう。
―藤村さんは池袋といえば?
藤村 私はもう日常的に来すぎて庭みたいになっているので。
――なんかもうカラーギャングみたいですね。「ブクロは庭」みたいな(笑)。
藤村 ギャルからギャングへ(笑)。
――season2でいきなり物騒な道へ進んでますね(笑)。
北川 何色? 何組?
藤村 えっ……黄色? よくわからないんですけど(笑)。
――黄色は「池袋ウエストゲートパーク」で窪塚洋介のチームカラーでしたね。
北川 あー、なんだっけ、キングだ! キング藤村(笑)。
藤村 やめてください! 本物のキングにボコボコにされそう(笑)。
北川 「お前本気で黄色背負ってんのかー!?」って言われて。
藤村 ごめんなさい、ほんとは青が好きなんです(笑)。
――キングかどうかはさておき、池袋にはよく来られているんですね。
藤村 アニメイトもありますし。
北川 よく見回っとかないとね。キングが毎日巡回してるから池袋は平和なんだよ。
藤村 そうそう私のおかげで(笑)。
北川 どうりで街を歩いてるとみんな挨拶してくるわけだ(笑)。
藤村 苦しゅうないぞって(笑)。
――オタク的にはいわゆる乙女の街でもありますね。乙女ロードがあったり。
北川 乙女ロード? あーあっちか、東急ハンズがある方面の。
――ではそんな様々な顔を持つ街であることを踏まえて、北川さんから池袋にちなんだ音楽をお願いします。
★北川’s Select
「トンネル天国」ザ・ダイナマイツ
北川 昔、ROUND TABLEをやりながらグループサウンズのバンドでベースを弾いてたんですよ。こういうストレートなGSの有名曲をいっぱいやるようなバンドの。そのリーダーが池袋に住んでて、リハも池袋でやったりして、池袋っていえば彼の顔が浮かんでくるというか。それでパッと思いついたGSの曲がこれです。
――意外と知られていない北川さんの経歴が出てきましたね。
北川 GSのバンドだけで集まってイベントとかもやってましたよ。Scoobie Doとかも一緒に出てて、僕は彼らをそこで知りましたし、たぶんあっちも「あのGSバンドでベース弾いてたやつ、最近全然違うことやってんだ」ぐらいの感じだったんじゃないかな(笑)。
――あちらは今や押しも押されぬファンク・バンドですからね。
北川 そうそう。でも最初はこういうGSの曲とかもやってたんですよ。あとは有名になる前のゆらゆら帝国とかが出てたり、そんなイベントを1995年から1997年頃かなぁ。新宿JAMとかでやってましたよ。
――いいですね、駅によって北川さんの歴史が見えてきますね。
北川 案外音楽やってたんだよ(笑)。
藤村 まだ言いますかそれ(笑)。
――では後手、藤村さんいきましょう。
藤村 私が持ってきたのは……。
★藤村’s Select
「裏切りの夕焼け」THEATRE BROOK
――確かに今の池袋といえばこの曲ですね。『デュラララ!!』の初代OPテーマ。
藤村 そう、これを初めて聴いたときは、私まだ福岡に住んでたんですよ。だから「池袋って物騒な街だな」って思って(笑)。このオープニングにあのト音記号が出てくるんです。
北川 へぇ~、そうなんだ。
藤村 もっとテンション上げてください(笑)。その後上京して、実際に行ってみたらそんなに物騒な街でもなくて。
北川 私が治めて(笑)。
藤村 今や私がキングで(笑)。
――「これくらいならシメめられるわ!」と(笑)。
北川 さすが福岡っ子は違うなぁ(笑)。
藤村 普通に上京してきただけです!
――でも『デュラララ!!』はホントに人気ありますね。
藤村 ありますよね! さっきの撮影でも、ト音記号を見たカメラマンさんが「あ、デュラララの」って言ってて「お、持ってきたぞ!」って内心思って(笑)。
――じゃあ北川さんも『デュラララ!!』ファンだと思われてる可能性ありますよね。
藤村 そうだ! いいカメラ持って聖地巡礼しに来てると思われてる(笑)。
北川 実際は何がなんだかサッパリなのに(笑)。
――さあ、というわけで池袋編も無事終わりました。
北川 (サイコロを振る)
――え、もう!?
藤村 めっちゃ食い気味(笑)。私も振りたいのに!
――さあ出た目は“3”なので次の街は……代々木ですね。
藤村 お、ちょっと戻りますね。
北川 意外と近場を右往左往してますね。
――逆にこのまま近場が出続けるといつか遠出をする日が来そうですよ。
藤村 あー、それはそれで楽しみかも!
(次回、代々木篇へつづく!)
PHOTOGRAPHY BY 高橋妙子
INTERVIEW & TEXT BY 市川太一(クリエンタ)
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