INTERVIEW
2015.08.15
ツアーの中でも成長していきたいということが私たちの目標なんです
──『Wake Up, Girls!』のオーディションを受けて2年前のワンフェスで初舞台を踏んだわけですが、オーディションを受ける前はどんな夢を持って、どういったことをやりたいと思っていましたか。
永野 私は他のメンバーに比べると「声優さんになるぞ!」という覚悟がすごくあったわけではなくて、ただのアニメ好きだったと思います。だから一回でもアニメに出られたらいいなぐらいの、憧れみたいなものでした。
──WUGは芸能の世界を目指していた吉岡さんや、目標がボーカリスト寄りだった山下さんがいたり、オーディションを受ける前の方向性は様々ですね。
永野 まゆしぃみたいな芸能の世界への憧れみたいなのは私の中にもあったんです。ダンスもやっていたし、表舞台に立ってみたいって気持ちはありました。でも大学にも入って、流石にもう落ち着いて、いずれ就職してOLになって……みたいなイメージだったんです。
─大人になるにつれてだんだん現実に寄っていく。
永野 そうなんです。でもそんな時に地元の仙台を舞台にしたアニメがあって、『涼宮ハルヒの憂鬱』の山本寛監督で、しかも二次審査で仙台までオーディションに来てくれるという話を聞いて。それなら受けてみようという、結構軽い気持ちでした。なので受かるとは1mmも思っていなかったです。ちょっとでもアニメに出られたらいいなと思っていたら、気づいたらWUGのメンバーになっていました。
──「アニメに出てみたい」という最初の目標はクリアできたわけですが、実際に声優としてデビューするとまた違った目標ややりたいこともでてきたのでは?
永野 アニメが好きな人なら、声優さんになってみたいなって気持ちを持っている人はたくさんいると思うんです。私、昔は自分には無理だろうって思っていたけど、そういう憧れはやっぱりあって。それで今、せっかく声優という立場になって、WUGとしても活動させてもらえるすごく恵まれた環境になって、もっと声優としての永野愛理を知ってもらえる活動をしたいし、『Wake Up, Girls!』のことをいろんな人に知ってもらいたいと強く思うようになりました。
──上京を決めたのはやはり、声優としてやっていくぞという決心というか。
永野 そうですね。せっかくチャンスをもらったんだから、一度しか無い人生今が頑張りどきかなって思いました。やりたいと思うことを一生懸命やれるなら、やりたいと思って上京しました。
──皆さんに伺っているんですが、たくさんのイベントやライブを経験してきた中で、この曲この一瞬のような、自分にとって大きくて特別な場面を挙げるならいつですか?
永野 いろいろあるんですが、やっぱり一番特別な体験はアニサマです。去年のアニサマの「タチアガレ!」のステージで、みんなで「タチアガーレー!」の声を揃えた時のことは忘れられないです。私にとってアニサマって夢だったんですけど、それは「東京にアニサマを見に行くこと」が夢だったんです。
──アニメファンとして、観客として。
永野 地方勢からすると夢みたいなイベントなんです。だから出演が決まった時から、観客として見に行く前に出演? 本当に? うわー! って感じでした。だから本当に嬉しくて、同じぐらい不安で、『Wake Up, Girls!』をどれぐらいの人が知っていて、このステージで認めてくれるんだろうと思っていました。「タチアガレ!」を予習してきてくれる人はいるのかな……と思っていたら、さいたまスーパーアリーナ一面がWUGカラーの緑に染まって。本当に人って優しいな、アニサマのお客さんは素敵だなって思いました。ステージに出て歌って、まゆしぃが「行くぞアニサマ!」って煽って、みんなついてきてくれるのかな……とドキドキしていたら何万人もの人が一緒に「タチアガレ!」を叫んでくれて、本当に良かったって安心感と、これから一緒に叫んでくれる人をもっと増やすぞって思いました。
──今月末にはまたあのステージに立ちます。
永野 正直やっぱり、怖いです。2回目といえど。どれぐらいの人が『Wake Up, Girls!』と私たちを知ってくれているのか、去年とはお客さんだって違うわけだし。そしてあの大きな舞台でどれだけのことができるか、自分たちへの挑戦という意味もあるので。今年もしっかりした意識を持って臨みたいと思います。
──楽しみにしています。ところでさっき吉岡さんがアニサマで煽った言葉を聞いて思い出したんですが、今までWUGのステージからの煽りというとやはり吉岡さんや青山さんのイメージが強かったんですが、今回のステージでは永野さんが煽ったり、引っ張っているような感じを受けます。
永野 本当ですか? うれしい。
──そのあたりって意識はしてるんでしょうか。
永野 全然意識してなかったです。自分がこの一年ですごく変わったんだと思います。1stツアーまででもだいぶ変わったんですが、また一年たって色々な経験をして、変わったのはステージで話すことに抵抗がなくなったというか。恐れる気持ちやトークで(話し出しが)かぶったらどうしようみたいな遠慮がなくなったんじゃないかと思います。そういえば無かったです。
──なるほど逆なんですね。こうしようと意識したのではなく、余分なことを意識せずにステージに立って自然に振る舞えるようになった。
永野 そうなんだと思います。普通にライブを楽しんで、目の前のお客さんを楽しませようってことだけ考えていたんだと思います。自分でもそのことに気付けて良かったです(笑)。
──インタビューのタイミングではこれから舞浜、そして仙台でのライブが控えています。どんなライブにしたいですか?
永野 ツアーって、何回も来てくれる人もいるけど、その公演しか来られない人もいるので、本当はどの公演も同じように完成度を上げられたら一番いいし、そうあるべき……だとは思うんですけど。でもWUGの良さって成長そのものでもあると思うんです。これは甘えになってしまうかもしれないんですが、ツアーの中でも成長していきたいということが私たちの目標なんです。大阪から福岡でも完成度が上がっているので、舞浜と仙台に向けてクオリティを高めて、どんどん盛り上げて、WUGはこれだけ成長できるんだということを見せながら、階段を登りたいなという想いがあります。
──東京公演の舞浜アンフィシアターってどういう会場かご存知ですか?
永野 劇場風の、客席が半円状に広がって囲まれるような会場ですよね。だから、斜めとか横とか、色々な角度から見られると思うんです。だから気を抜いたら「あれ、WUG横から見たら横列揃ってないね?」とか思わてしまうので、気をつけないといけませんね。
──反面「タチアガレ!」や「7 Girls War」のような、見ている側が思う以上にポジション移動やフォーメーションがしっかりしていて、めまぐるしく変わる曲のすごさも見てもらえるのでは。
永野 そういう面ではいいかもしれないですね。実はこれだけ動いてるんだよってことはわかってもらえるかもです。でも個人的には、前から見ると良くても、いろんな角度から見るとまだまだだぞって思われるところが多いと思うので、練習で詰めて詰めて、完成度を上げたいです。
──そして、地元であり作品の舞台である仙台で再びライブがあります。
永野 そうですね。また今年も仙台でライブができて良かったなというのが本当に素直な気持ちです。しかも会場がすごく大きくて(東京エレクトロンホール宮城。ネーミングライツ導入前は宮城県民会館)、私が普通にコンサートを見に行っていた会場なんです。
──どんなコンサートに行ってたんですか?
永野 モーニング娘。さんとかだった気がします。すごく昔です。地元民から見るとすごく大きな会場なので、生まれ育った場所の知っている大会場の舞台に立つのは、夢見てすらいなかったすごいことなので。
──仙台ならご家族や友達もいらっしゃるんでしょうか。
永野 来ます来ます。お母さんとおばあちゃん、それから私が小学校の頃に本当に仲が良かった友達。私がWUGの活動をやっていることを知って、見に来てくれるそうなんです。いいものを見せたいなって気持ちがあるし、やっぱり作品の舞台である仙台でのライブだから伝えられるものもあると思うので。たとえば「言の葉 青葉」には仙台の情景が出てくるので、仙台で聴くときっと伝わるものがあると思います。
──スクリーンに仙台の映像が映しだされたりもしますからね。
永野 そうなんですよ。私後ろ向きながら歌いたいと思うぐらいです。仙台で歌えること、嬉しいです。仙台に来たことがないワグナーさんがツアーをきっかけに仙台に来て、仙台の良さを知って、聖地巡礼をしてもらえたら嬉しいと思います。
──最後に、この夏から冬にかけての『Wake Up, Girls!』尽くしの時間に向けた意気込みをお願いします。
永野 ツアーが終わってアニサマ、アニサマが終わって劇場版、劇場版が終わってもいろいろな展開があって、また劇場版の後篇があってと、本当に充実した年になると思います。グループとしてのWUGが成長するのはもちろん、永野愛理としても今まで以上に成長して、ちゃんと何かを手に入れて来年を迎えたいと思います。
Photography By 小賀康子 Interview&Text By 中里キリ
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劇場版Wake Up, Girls!青春の影 主題歌 少女交響曲
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