INTERVIEW
2015.08.15
今回のツアーは「ライブらしいライブ」として作りこみたいなって
──この夏のお話を伺っていきます。7月20日の大阪公演、そして8月1日の福岡公演と、「Wake Up, Girls!」2度目のライブツアーがスタートしました。まず大阪はどうでしたか?
永野 大事なツアースタートの会場でした。今回はメンバーでツアーの構成とかもかなり考えさせてもらったんです。私たちも本当に一緒になって作ってきた感じがありました。自分たちで考えたステージだからこその緊張もかなりあったので、最初は大丈夫かなと思いました。大阪の昼公演はかなりみんな固かったんじゃないかなと思います。夜公演からはだいぶ肩の力が抜けたと思いますけど、やっぱり福岡に比べたらまだ固さがあったと思いますね。
──今回のツアーは新曲がたくさんありますね。
永野 今回私たちがこういうライブツアーにしたいねって話していたのは、「ライブらしいライブにしたい」ということなんです。曲数が増えると色々なことができるので、今回新曲がたくさんいただけたのは嬉しかったです。最近新曲がなかったので、ライブで飽きられちゃったら困るなとも思っていて。たぶんライブに来るみなさん、新曲は「少女交響曲」だけだと思っていたと思うんですけど、私たちは新曲がたくさんあるぞ〜と燃えてました。みんなをびっくりさせるぞって気持ちもありました。
──自分たちで作ったライブの色が強いということなんですが、永野さんからの提案などがあれば教えてください。
永野 実は歌をいっぱい歌いたい、ライブらしいライブとして作りこみたいって話は私が言い出して、それにみんながやろうよって乗ってくれたんです。去年は企画コーナーもあったんですが、今年は詰め詰めのセットリストで私たちがどれだけできるのかを見てもらいたい気持ちがありました。せっかく新曲が5曲もあるなら、できるだけたくさん聴いてもらいたい、歌いたいってすごく思ったんです。
──本編がライブ色強めな分、前説や映像がバラエティに富んだ凝った内容でした。キャラクター前説のナレーションは、大阪は藍里と佳乃がお当番でしたね。
永野 今回まゆしぃが8公演分の前説の内容を書き下ろしてくれているんです。ライブでキャラクターとして盛り上げるナレーションは結構珍しいと思うし、ライブ5分前の盛り上げとしていいスタートに立てる内容だと思うので、WUGの名物として続けていきたいです。ライブ中に流れる映像も、通販の企画っぽく楽しくなっているので注目してほしいです。
──今回のライブツアーの新曲では、永野さんが「地下鉄ラビリンス」のダンス振付を担当されています。振付経験はあったんですか?
永野 ダンスをやっていた頃に、仲間4人で一緒に振付を考えたことはありました。でも一曲をひとりで考えるというのは本当に初めてでした。最初に振付をやってみる?と聞かれた時は、やりたい気持ちはあったので、すぐに「やりたい!」と答えたんです。でも言ったあとに「あれ、できるかな?」と思ってちょっと考えさせてくださいみたいな(笑)。ひとまずチャレンジしてみることにしました。振付自体は一、二週間ぐらいで考えました。やっぱりメンバーのことを一番良く知っているのはメンバー同士なので、それぞれのことを考えながら自分で振付できるのはすごくいい経験でした。
──振付のコンセプトは?
永野 WUGはわりと面白いダンスだったり、難しいんだけど激しい、なイメージがあったんです。「地下鉄ラビリンス」はWUGのかわいらしい部分を強調して、みんなの最大限のかわいさを見てもらうのがコンセプトです。
──確かにかわいい振りでした。
永野 振付を作ってメンバーに教えていたら、香耶が「すごくかわい〜!」って言ってくれたので、良かった、香耶が言ってくれるなら本物だと思ってうれしかったです。
──振付ができるというのは、声優として活動していく上でも武器になると思います。
永野 特技にはしていきたいです。幸い見ていただいたファンの皆さんにも評判が良かったので、本当に良かったと思いました。自分が考えた振付を仲間が覚えて踊ってくれるってめったにない機会だと思うし、完成した時は本当に嬉しかったです。だからみんなが踊っている姿を見たいんですけど、自分も踊っているから生では見られないんですよね(笑)。
──ツアーでは他にも新曲をたくさん歌っていますが、ツアー中の今回はライブ用に作られた新曲である「セブンティーン・クライシス」について伺いたいと思います。高木さん、永野さん、吉岡さん、山下さん、奥野さん5人のユニット曲ですが、ライブで歌っていかがでしたか?
永野 好きです。曲調的にもアップテンポだし、歌詞も今までの『Wake Up, Girls!!』にはちょっとない感じで。かわいいし。落ちサビはちょっとゲームの主題歌みたいな感じがするんですよね。ダンスもいっぱい踊るので、すごくライブ向きの曲が出来たなと思います。7人の中でユニットに分かれて歌ってみたいという話は前々からしていたんです。
──5人だと、特にフォーメーションの感じが変わりますね。
永野 立ち位置が超楽!7人よりはバランスが取りやすいので。5人だからこそできる振付も結構あるので、新鮮で面白いです。新しい世界です。
──永野さんと青山さんが参加できなかったマチ★アソビでは残りのメンバーが5人バージョンの「タチアガレ!」を踊ったことがあるんですよね。
永野 そのときの話は(山下)七海から結構聞きました。落ちサビで(高木の)よっぴーのモノマネっぽい歌い方ががうまかったって聞いたので、私も聴いてみたかったなーと思いました。
──今回のツアーにはI-2 club、I-3 clubから6人のゲストが参加しています。永野さんの知り合いの、遥か彼方のイチゴの国から来たラブリーアイドル「遥愛理」さんについても少し聞かせていただけますか。
永野 ラブリーちゃん、ヤバいですね。会場でもファンの皆さんがイチゴの何かを持ってきてくれたりして、予想外の反響に一番びっくりしているのはラブリーちゃん本人じゃないかと思います。I-2 clubの中でもアイドルでイチゴって普通すぎない? って声もあったらしいんですけど、ドラゴンフルーツとか変にひねってもかわいくないので。でも意外に反応が良くて、今でもああいうの通用するんだなって思いました。あ、ラブリーちゃんは喜んでいますよ!でも実は私も、学生時代にラブリーって呼ばれてたことがあるんです。
──永野さんもラブリーちゃんだったんですか!ラブリーちゃんみたいな性格ではなかったんですよね?
永野 性格は全然違います!名前が愛理で、愛のラブに理で、ラブリーと読めるのが由来ですね。バトミントン部の活発少女でショートカットだったので、全くラブリー要素はなかったんですけどね。仙台公演とかでも頑張るようにラブリーちゃんにメールを送っておきます。
──話を戻して、終わったばかりの福岡公演はどうでしたか?
永野 大阪公演と比べて、メンバー全員がすごく弾けていたのを感じました。全体としても大阪よりパワーアップしたWUGを見せられたんじゃないかと思います。
──中でも(熊本出身の)青山さんのテンションがすごかったとか。
永野 福岡はよっぴーの地元に近いので、今回はよっぴーに仕切ってもらおうみたいな感じになったせいか、普段以上にテンションが上がって楽しくなっていた気がします。
──WUGとしては初の福岡ですが、永野さんは福岡に行かれた経験は?
永野 初めてです。というか九州自体が初上陸で、初めて行きました。どんな土地かも知らないところでライブなんてできるんだろうか?と思いましたが、同じ日本なので変わりませんでした(笑)。食べ物がおいしかったです。
──何を食べましたか?
永野 前日にモツ鍋を食べました。福岡がモツ鍋で有名ということ自体知らなかったので、へーって思いながら食べたらすごくおいしかったです。ライブの晩はメンバーとスタッフさんで水炊きを食べに行きました。水炊きのイメージが思っていたのとは違っていて、もっと鍋っぽい感じかと思ったんです。でも最初に鶏肉がどーんといっぱい入ってきて、えっこれだけって思ったら、次に野菜がいっぱい入ってきました。おいしいなーって思いながら食べました。あと明太子もおいしかったです。ぜひ福岡にはまた行きたいって思います!
──少し順番が前後しますが、7月26日にはワンダーフェスティバルの「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!」ステージに出演しました。2年前に同じステージで行なわれたお披露目ステージのことって覚えていますか?
永野 それがぜんぜん覚えてないんですよ(笑)。ほんとに緊張していて、わけがわからないまま幕張に行って、地方在住なのでワンフェスってものが何なのかも知らなかったんですよ。現地に行ってみたらいろんなアニメのフィギュアやステージがあってすごい! という状況で。制服を着てこれから3曲踊るんだ……とふわふわふわしていました。何が起こっているのかもわからないまま、感覚的には一瞬で終わっていました。夢中でしたけど、たぶん「今がやる時だ、合宿でやってきたものを全部出す時だ」と思っていたと思います。
──自分のことながら、客観的に想像する感じなんですね。
永野 実はちょっと前にその時の映像を見たんですけど、本当にガッチガチで、自分はこの時何を考えていたんだろうって思っちゃいました。ずっと下をむいてましたけど、自分はすごく猫をかぶってるなと思いました(笑)。よっぴーは選挙演説みたいでしたね。
──先日のステージは、2年前のように制服姿での出演でした。……冬服でしたよね?
永野 ぶっちゃけるとすごく暑かったです(笑)。ライトも当たるし、お客さんの熱気もすごい屋内の会場なのでほんとに暑いんです。でも、制服で歌えてよかったと思います。「少女交響曲」ってWUGちゃんが東京に出てきて頑張るぞという曲なので、その曲を仙台時代の制服を着て歌っていることに私はひとりで感動してました。
──東京に来ても仙台の想いや魂は背負ってるというような。
永野 そう、ちゃんと仙台のことは覚えてるよって感じなんです。
──パフォーマンスや体力面では2年前に比べるとずっと成長したと思います。
永野 当時も合宿ですごく頑張って体力はつけていたと思うんです。でもライブの体力って、実際に頑張って活動している方がつくんですね。トレーニングの筋肉とライブで使う筋肉はまた違うんだなということを身をもって体験しました。去年のツアーとかを乗り越えてきたからこそ、体力も含めてメンバー全員が成長したと思います。
──最近は「7 Girls War」の側転とかはやらなくなりましたね。
永野 単純に、最近は大体ハンドマイクで歌ってる(初期はヘッドセットが多かった)からなんですよね。歌はハンドマイクのほうが安定するので、最近は歌の質も変わったんじゃないかと思います。なのでそれは良かったと思う反面、マイクを持っていると側転とかができないのは残念ですね。
──永野さんの場合、「7 Girls War」はハンドマイクだと難しいダンスソロパートがありますよね。
永野 すごくやりたい気持ちはあるんです。あちらを立てればこちらが立たずで、本当に難しいんです!
──今回のワンフェスは朝一なのにすごくたくさんの人が来てくれましたね。
永野 あんな遠いところまで、きっと朝早くから来てくれないと見れないステージだったはずです。本当にありがとうございますという気持ちです。
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