【Yun*terview 01】××× kz（livetune）

Yun*chi　そういう経験が、曲づくりにも影響を与えたりするんですか？

kz　もちろんありますよ。野外のああいう大きなところで鳴る音ってあって。ダブステップよりもヌケのいいシンプルなサウンドとか、場所によって音の映え方が異なるってことを体験できたのは勉強になりました。もはやスタジアムロックと似てるよね。U2とか（笑）。

Yun*chi　ああ、そう言われると先生のアルバム『と』（※2014年9月発売。Yun*chiも「Sign」でボーカル参加）も、いつもより音が羽ばたける、広い感じがしました。

kz　そうだね。『と』はある程度広いところで鳴らす音を意識したところはありますね。

Yun*chi　話は変わるんですが、これまでいろんなお仕事でご一緒してきましたけど、私の音楽活動のことを先生はどう見てらっしゃるんですか？

kz　Yun*chiの活動を見ていて思うのはふたつあって、趣味的な意味でYun*chiがやってる音楽は大好きだということと、一方でもう少し分かりやすくてもいいのかなって（笑）。

Yun*chi　（笑）。

kz　例えば直近のシングルだと、こだまさおり（作詞）さんとbo en（作曲）の組み合わせに加藤英美里さんも参加した「Dancing*」とか、ヤバすぎでしょう（笑）。めちゃくちゃハイコンテクストというか、俺は好きだし天才だと思ったけど、その真意はちょっとライトユーザーには伝わりにくいところもあるじゃないですか。

Yun*chi　うんうん、なるほど。

kz　そういうYun*chiがこれからどんな音楽をやっていくのか楽しみだっていうのはありますね。だから「Wonderful Wonder World*」は、参加クリエイターがメジャーなところからコアなところまで幅広くて、バランスが面白いシングルだなって思いました。なんて言うかYun*chiはクリエイター陣のセレクトに個性があるよね。

Yun*chi　うわぁ、なんかそういうふうに言ってもらえてうれしいです（笑）。やっぱり面白いことというか、この言葉で正解かわからないですけど、ヘンなことをやりたい気持ちがあるので。

kz　そういう冒険はぜひし続けていてほしいなって思う一方で、わかりやすさも追求してほしいなって思うんですよ。

Yun*chi　以前に読んだ先生のインタビュー記事で、「ドン・キホーテに置かれるようなCDを作りたい」って言葉があったんです。あれ、私も「その通りだな」って思って。メジャーで音楽をやるからにはそうだよなって思ったんです。

kz　ドン・キホーテってそもそも音楽と全然関係のないお店じゃないですか（笑）。そこに置かれるCDって、かなり厳選されていると思うんですよね。あれは結構めざすべき音楽の最終形態なのではないか、と。

Yun*chi　その言葉に触れてから音楽に対する意識も変わったんですけど、私って少しは進歩してますかね？

kz　今後はライブに期待かな。『ログ・ホライズン』のEDテーマを歌ったことで、元々のガールポップ界隈のファンに、秋葉原系や夕方のアニメだからファミリー層とも触れる機会が増えたわけじゃないですか。

Yun*chi　そうですね。

kz　だからさっき話したこととも繋がりますけど、夜というよりは昼というか、もっと親しみやすいキャラクターを出していってもいいんじゃないかな。なんとなく、Yun*chiのイメージってageHaとかClub Asiaとかじゃないですか（笑）。

Yun*chi　そうかあ。ドン・キホーテだけでなく、イオンとかにも馴染めるアーティスト像ですね。

kz　そうだね。そういうファミリー感を出していっても面白いと思うな。僭越ながら。

＜インフォメーション＞
『アニ＊ゆん～anime song cover～』

発売日：2015年04月15日
販売：日本クラウン
価格：￥1,667＋税

＜CD収録内容＞
①こいのうた (たまこラブストーリー)produced by PandaBoy
②Catch You Catch Me (カードキャプターさくら)produced by Tomoyuki Nakazawa(I’ve)
③おジャ魔女カーニバル!! (おジャ魔女どれみ) produced by tofubeats
④桜キッス (桜蘭高校ホスト部)produced by Pas’Lam System
⑤天使のゆびきり (彼氏彼女の事情)produced by kz(livetune)
⑥ビバナミダ (スペースダンディ)produced by Tachytelic
⑦きみにとどけ (君に届け)produced by Avec Avec
※全7曲収録、( )内はアニメ作品タイトル

【PROFILE】
Yun*chi
livetuneをはじめ様々なアーティストのコンピレーションアルバム等にボーカリストとして参加しながら、JulieWatai の作品集「はーどうぇあ・がーるず」や「ちんかめ」「VANQUISH VENUS」など様々なモデルを経験。2012年11月、ミニアルバム『Yun*chi』でメジャーデビュー。独自のヴィジュアルは「ミュージック・ジャケット大賞2013」において「大賞」を受賞し、天然の倍音を含む透き通った印象的な歌声は国内外で高く評価される。2013年からはTVアニメ『ログ・ホライズン』のEDテーマを担当。アニメ音楽シーンにも活躍の場を広げる。