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REPORT

2016.07.13

最高の環境で聴いた新譜は、やっぱり“名盤”だった! “田所あずさ『It’s my CUE.』ハイレゾ先行試聴会”レポート

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6月29日、田所あずさが2ndアルバム『It’s my CUE.』の発売を記念して、Gibson Brands Showroom TOKYOにて“田所あずさ『It’s my CUE.』ハイレゾ先行試聴会”を開催。発売をちょうど1週間後に控えた同アルバムを極上の音響設備で聴くことができる、ファン垂涎のイベントとなった。本稿では第2部の模様をレポートする。

この日のイベントには、田所自身に加えて制作を担当したランティスの斎藤 滋プロデューサーも登壇。各楽曲を1コーラス聴いたあとに、2コーラス目以降をバックに流しながら制作の裏話やそこに込めた想い・狙いを、歌い手と制作スタッフの両サイドから聞くことができるという、充実しすぎのイベントとなった。

また、この試聴会中は参加者が随時Twitterへの書き込みを行ってOK。「『いいものができた!』と自信があるので、宣伝のお手伝いをしていただきたい!」と斎藤氏からのアツい言葉を受け、試聴会進行中も“#田所あずさ”タグには楽曲の感想のツイートやふたりのトークを書き起こして拡散するファンからのツイートが多数寄せられ、ハッシュタグがトレンド入りした1部に負けず劣らずの活況だった。

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ただ、もちろんこの先行試聴会の醍醐味のひとつは、最高の音響環境で楽しめる発売前のアルバムの高音質音源。TEAC社のDAC(アンプ)・UD-503とONKYO社のパワーアンプ・M-5000Rを通して、マスタリングスタジオなどでも使われているB&W社のスピーカー・MATRIX 801から響く『It’s my CUE.』の音を発売前に楽しむことができるというのは、最高の贅沢にほかならない。「新曲のフルサイズは、今日が初解禁です!」との斎藤氏の煽りがファンの期待を高めたところで、いよいよ試聴会は幕を開ける。

粒揃いの楽曲と制作秘話がおくる、充実の時間

「ぜひ連続で聴いてほしい」と例外的に連続で流されたアルバム冒頭の2曲「Come on, A-Z!!(before the CUE)」と2曲目「It’s my CUE.」について、前者は「ライブを想定しつつ、アルバムの方向性が2~3秒でわかるように作った」と斎藤氏が語り、後者については新曲のなかで最初にレコーディングした曲ということもあり、「方向性を示してくれた1曲。緊張しながらも、気に入ってもらえるよう歌いました」と田所が語る。だが続けて、「『今までの私が歌ったことのないような、難しい曲だな』と思ったら、今思えば全部そうなので、序章でしたね」とこぼすひと幕も。

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その言葉通りこのアルバムで、歌声と自ら手がけた歌詞にイライラしているときの怒りを吐き出すような想いを込めた「spit out」や、ダークな中にも少しポップさが織り交ぜられた「孤毒ディストレス」、荒っぽい言葉と攻め攻めなロックサウンドで盛り上がる「Boom! Boom!」など、新曲だけでも実に幅広いテイストの楽曲を歌い上げている田所。なおかつ1枚の中にも、前半の重めのロック・チューンに中盤少々穏やかな楽曲を挟み、終盤のポップさや明るさが強い楽曲へと繋がっていく――という大きな流れも持ちあわせており、アルバム全体でも気分に合わせた部分をスポット的にヘビロテしても聴ける、充実した1枚に仕上がっていた。

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そんな個性的な楽曲が揃うなかでも、とりわけ印象的な言葉が聞かれたのが、穏やかなバラード「夜はいつか朝になる」や「世界が終わったあとの夜」、そして初めて作詞に加えて作曲を手がけた「アンソリティア」である。

本盤の中で最後にレコーディングしたという「夜はいつか朝になる」ではほかの曲とのリズム感やテンション感の違いに戸惑いもあったと語り、田所自身「明るく歌うのってどうやるんだっけ?」とまで思ったそう。その分「また次の曲であらたな気持ちで楽しむための、素敵なスパイスになっていると思います」とまとめていた。そんなこの曲のねらいは、斎藤氏曰く「シンプルなメロディの繰り返しでいい曲を作りたかったので、メロディが強い曲をかける人が必要だと思った」とのことから、志倉千代丸に白羽の矢を立てたと明かす。ちなみに志倉は以前別会社で斎藤氏の上司であり、実に十数年ぶりに一緒に仕事をした、とのレアな話も。

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また、「世界が終わったあとの夜」では、田所は歌唱時に「私の解釈では、小学生ぐらいの寂しいときのイメージから始まって、Dメロでは大人になっているけどまだ苦しい自分をイメージしていて。曲が進むごとに、気持ちを開放して叫べるようになっていく姿を表現しています」と語り、「最初と最後で全然違う曲なんじゃないか?というぐらい歌い方が変わっているので、注目してほしいです」と続けていた。

そして、生まれて初めて作曲を手がけた曲「アンソリティア」は、共作の加藤大祐に世界観を伝えてコード進行とリズムまで作ってもらい、その後田所がメロディをつけた楽曲。初めて歌ったときに自分のつけたメロディに息継ぎがあまりないことに気づいて、「そんなところも考えなきゃいけないんだ」と勉強になった様子。またこの曲はアニメ『ルガーコード1951』のイメージ・ソングでもあり、アニメに沿った歌詞を書くことも彼女にとっては初挑戦。「今まで自分の気持ちしか書いていなかったので、作詞でもいちばん苦労した曲です」と振り返る。だが最終的には、「結局は納得のものにできて、うれしかった」と自信ものぞかせていた。

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こうして全曲の試聴が終わると、改めて「いやぁ、『名盤だなぁ』と(笑)。これを自慢したくて(試聴会を)開いたくらいなんです!」と、改めてアルバムの出来を再確認し大満足そうな田所。続けて細部へのスタッフのこだわりにも感謝の言葉を述べると、「『It’s my CUE.』は、楽器のレコーディングに13時間かけました」との斎藤氏の言葉にファンからは驚き含みのざわめきが起こった。

最後に斎藤氏に「このアルバムは自分にとってどんな位置づけ?」と問われた田所が「楽しかったことも、いろんな苦しみも、思い出の詰まったアルバム」とまとめ、「発売を待っていてくださるのはもちろん、(10月に開催予定の)ワンマン・ライブも一緒に楽しみたい!」と語り、アルバムから始まり夏の各種フェス、そしてワンマンへと続く楽しい楽しい3ヶ月をともに過ごしたい――という想いを届けてくれた。その想いを受け取ったファンならばきっと、斎藤氏が重ねて呼びかけていた「ぜひ僕らの宣伝マンに」という願いにも、自然と応えてくれていることだろう。

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ロックチューンの映えるセッティングでの発売前のアルバムの先行試聴会という、超贅沢なイベントとなった本イベント。特に中低音の映えが抜群で、ロックを前面に打ち出したこのアルバムに、ひいては“TADOKOROCK”にうってつけの響き方だったように感じられた。

この日を皮切りにファンに届き始めた『It’s my CUE.』。これが彼女のファンはもちろん、音楽ファンへとどのような波紋を広げてくれるのだろうか。田所あずさと一緒にアツくなれる夏が、いよいよやってくる。

Text by 須永兼次


●リリース情報
田所あずさ 2nd アルバム
『It’s my CUE.』
発売中

【BD付限定盤(CD+BD)】
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品番:LACA-35562
価格:¥4,800+税

【通常盤(CD)】
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品番:LACA-15562
価格: ¥3,000+税

<CD>
01.Come on,A-Z!!(before the CUE)
 作詞・作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太
02:It’s my CUE.
 作詞:こだまさおり 作曲・編曲:堀江晶太
03:Fighter’s high
 作詞・作曲・編曲:Q-MHz
04:spit out
 作詞:田所あずさ 作曲・編曲:黒須克彦
05:君との約束を数えよう
 作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:黒須克彦
06:孤毒ディストレス
 作詞・作曲・編曲:高田 暁
07:夜はいつか朝になる
 作詞・作曲:志倉千代丸 編曲:菊池達也
08:世界が終わったあとの夜
 作詞・作曲・編曲:中山真斗
09:ALERT from THE END
 作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:山本陽介
10.アンソリティア
 作詞:田所あずさ 作曲:田所あずさ、加藤大祐 編曲:加藤大祐
11:英雄なんていない
 作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden)
12:DREAM LINE(CUE mix)
 作詞:yozuca* 作曲:俊龍 編曲:加藤大祐
13:Straight Forward
 作詞:田所あずさ 作曲・編曲:堀江晶太
14:Boom! Boom!
 作詞:松井洋平 作曲:俊龍 編曲:eba
15:純真Always
 作詞:結城アイラ 作曲・編曲:堀江晶太

<BD>
・田所あずさ LIVE TOUR 2016 ~Live Forward~ 東京公演(EX THEATER ROPPONGI)
・田所あずさの社会科見学 ラジオ編 ~それってIt‘s my CUE?~

[初回生産分限定封入特典](BD付限定版・通常盤共通)
シリアルナンバー入りイベント応募券
アルバム発売記念・都内ライブハウスで行われるシークレットライブに昼夜2回公演・各回約250名様を抽選でご招待!

[シークレットライブ詳細]
9月25日(日)都内某所(詳細は当選者のみにお知らせします)
応募締め切り:7月24日(日)23:59まで
当選発表:8月5日(金)予定
※ご入場時、本人確認を行います。
※ご入場時ドリンク代を別途いただく場合がございます。

●ライブ情報
Azusa Tadokoro LIVE 2016 ~before the CUE/OVERDRIVE&DISTORTION~
OVERDRIVE :10月7日(金)開場 18:00 開演 19:00O
DISTORTION:10月8日(土)開場 16:00 開演 17:00
料金:5,500 円(オールスタンディング・税込・整理番号有)
FC 先行:受付期間 6/10(金)AM10:00~6/20(月)23:59
アルバム CD 封入先行:7/6(水)AM10:00~7/31(日)23:59
問い合わせ先:ホットスタッフプロモーション Tel 03-5720-9999

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