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INTERVIEW

2016.06.21

たくさんの“TRY”に彩られた待望のファーストアルバムが完成!『TRY!』リリース記念千菅春香インタビュー!

7.リフレイン
作詞・作曲・編曲:北川勝利

――続く「リフレイン」は北川さん作曲のミドル・テンポの楽曲ですが、シューゲイザー的な曲調で面白い曲ですね。

千菅 ある意味いちばん今までになかった”TRY”だなと思います。歌い方も今までにない感じといいますか、楽器の音が生っぽいところに歌詞も生っぽい感情がのっているので、そういう生の感じを重ねていくトラックということでどれくらい出していいのか探りながらやってました。だからこの曲を客観的に見れるようになるのには時間がかかりましたね。

――やはり歌入れは時間がかかりましたか?

千菅 実はそれほど時間はかかってなくて、どちらかというとかなり必死で集中して録ったって感じですね。ただ元々北川さんってあんまり迷う方ではなくて、元からイメージがあってヒントを投げかけてくださるので、これも集中して真っ直ぐ深いところまで行くような感じのレコーディングになりました。

――そこはある意味付き合いの濃い北川さんならではですね。

千菅 そうですね。北川さんの感性に引っ張っていってもらったからこその表現かなとも思います。

8.絶滅危愚少女!
作詞:サエキけんぞう 作曲・編曲:北川勝利

――そんな北川さん作の曲が並ぶ形ですが、改めてこちらを聴いていかがでしたか?

千菅 この曲は北川さんと初めてご一緒した楽曲なのでそういう意味でも感慨深いですね。こちらも全力感っていうのが作品自体のテーマでもあり、曲のテーマでもあるんですけど、こうして改めて聴くとわりとスマートな曲だなと。

――「リフレイン」のあとに聴くと確かにそうかもしれません。

千菅 ギターがクールだったり、音周りがすごくすっきりしてて、歌い方も線が細いのとも違うすっきりした印象なんですよね。もちろんこの曲では全力を出してないってわけでも無いんですけど(笑)、音の印象というか、楽器の音が違うと違った印象になるんだなっていう発見があって、音って面白いなと思いました。

9.希望の花
作詞・作曲:川嶋あい 編曲:斎藤悠弥

千菅 この曲は「プラネット・クレイドル」とほぼ同時期というか1ヵ月違いでリリースしているというので、あまり知られざる事実というか、これもほぼデビュー曲みたいな意識があります。初めてTVシリーズを担当させていただいた曲でもありますし。

――これで初めて聴いた人は続く他の楽曲を意外に思ったかもしれないですね。

千菅 「希望の花」については皆さんにも言っていただく機会が本当に多くて、「聴いてました!」から「この曲歌ってたんですね!」とかまで(笑)。そもそもアニメに出たあとだと「歌手なんだ!」ってこともすごく驚かれたりして、私自身としては声優をできるなんて思っていなかった自分がいたりしたので、本当に不思議なんですよ。アニメの世界で表現していくってことは出会うタイミングとかがいろいろで、ひとりひとり違ったタイミングで出会ってるんだなっていうのを感じます。そんないろいろな人に聴いていただきたい曲ですね。

――もちろんアルバムでこの曲を初めて聴く人もいるでしょうから、そう考えると面白いですね。

千菅 元々は『琴浦さん』のEDテーマですけど、こうして中ほどに持ってきても違和感がないというか次に繋げていく曲って感じなので、アルバムの第一章が終わるようなイメージでここに入れてます。

10.TRY! TRY! TRY!
作詞:千菅春香 作曲:北川勝利 編曲:山本真央樹・北川勝利

――そして千菅さんが初めて作詞に挑戦した本曲。作詞に取り組んでみていかがでしたか?

千菅 丸1ヵ月くらいやってたんですけど、すごく難しかったです。いちばんは歌詞として言いたいことを音に気持ち良く載せるのってこんなに難しいんだ!ってことで、音を聴いたときの心の動きを言葉にするのが大変でした。でも今できる作詞ができたなと思いつつ、反省点もありましたけど、またやってみたいなと思える取り組みになりました。まさに1stアルバムに刻むのにすごくいいTRYになったなと思います。

――曲自体は賑やかながらも洒落た印象もある楽曲になってますね。

千菅 そう、印象深かったのが、当初「TRY」って言葉が自分から出てきたときは裸足で土を踏みしめているような泥臭いイメージだったんです。出身が岩手なので田んぼと青い空みたいな。でも編曲の山本真央樹さんがやってるDEZOLVEっていうフュージョンバンドの方々にオケ録りしていただいて、聴いたときにこれは土を踏みしめてないぞと(笑)。そこから都会で頑張ってるような映像に変わって、歌詞も変わって行きました。

――「上京しなきゃ!」って感じですね(笑)。

千菅 そうですね、それも楽しかったです(笑)。このフュージョン感っていうのも今までにない要素なので、いきなり10曲目でこれが出てくるというのもアルバムの新しポイントです。

――言葉選びもそれらしくて面白いと思います。二番サビの「つらいつらいつらい」とかはすごいですね(笑)。

千菅 そうなんですよ。「そこは一番と変えたほうがいい」って言われたときに、「じゃあつらいとか?」って聞いて、そのとき私自分で「あ、変なこと言っちゃったな」って思ったんです(笑)。なのてみんなに「いいじゃん」って言われたときに、初めての作詞で1stアルバムなのにこんなこと言っていいのかな?とすごい尻込みしていたんですが、そんな自分が面白いなと思って。「つらい」って言葉も自分で思ってるから出てきたわけで、それを隠そうとしてる、ちょっと「出し過ぎかも」って思ってる自分がいるってことじゃないですか(笑)。「CRY」とかも考えたんですが、やっぱり「つらい」の方がいいと後押しされて、結果今見ると良かったなと思います。もはやアルバムが『つらい』でも自分らしいかもしれないって(笑)。

――千菅春香1stフルアルバム『つらい』(笑)。

千菅 (笑)そういう風に自分をさらけ出していけるようになりたい、元々スマートなほうではないので、みんなに表現していける部分を増やしていけたらいいなってことを思いました。

――ライブでこの曲を歌ったときに、「TRY!TRY!TRY!」の部分は叫びやすいですが、「つらいつらいつらい!」って叫ぶのも面白そうです(笑)。

千菅 それも面白いですよね!つらくなくなりそうです。なかなか見れない光景になると思います。

11.桃色ファンタジー
作詞:深川琴美 作曲・編曲:倉内達矢

――この曲は千菅さんのライブの中で中心というか定番になってくる曲だなと感じます。

千菅 自分の3年半を象徴する楽曲というか、そういうと全部そうなんですけどこの曲は安定感を放ってますね。この曲は振りもついてましたし、MVでも踊っていたので、私と皆さんを繋いでくれた曲という印象です。そういう意味でやっぱこれだよねって感じで、クライマックスの前に、「TRY! TRY! TRY!」と一緒に安心の「桃色ファンタジー」でいったん収めるポイントになっています。

12.本当の声をあなたに預けたくて -haruka solo ver.-
作詞:東京かくれんぼ 作曲:鈴木裕明  編曲:NAOKI-T

――『アクエリオンロゴス』新EDテーマで、May’nさんと歌った楽曲のソロ・バージョンですね。

千菅 この音源はソロとして録り下ろしたんじゃなくて、デュエットを収録する際に録った音源なんです。

――ではこの形で聴くのはアルバムに収録して初めてという感じですね。

千菅 そうです。たぶん「ソロ・バージョンだよ」って言って収録したら私っぽい歌い方になったと思うんですけど、そこでMay’nさんと全力で戦うというか、めちゃくちゃノってて二度とはできない歌い方みたいになってるなと思います。こんな歌い方がでてくるんだって自分でも驚くみたいな。やっぱりそこは『アクエリオンロゴス』っていう作品自体が自分の中で大切な作品で、お話自体がぶつかり合って互いに影響して合体して、ひとりでは出て来ないパワーが生まれてくるっていう世界観なので、皆さんの影響を受けながら自分がすごく変わっていったなという実感があります。そういうことも思い出すようなトラックですね。

13.愛の詩 -words of love-
作詞:山田稔明 作曲・編曲:Rasmus Faber

――シングル曲としては最新ということでここに入っていますが、アルバムの中の流れとしても「本当の声をあなたに預けたくて」と並ぶと、毛色が違うながらもクライマックス感を感じさせる曲ですよね。

千菅 いい並びになったと思います。そしてやっぱりラスマスさんのスタイリッシュで開放的なサウンドってこうして並んでも異色と言いますか、そもそも異色だらけなアルバムなんですが(笑)。ここで本編はエンディングで、次の「あなたのほほえみ」はエピローグ的な位置づけになってます。だから私としては「プラネット・クレイドル」と対にして聴いちゃいますね。この中に私の駆け抜ける3年半をギュッと詰め込んだみたいな形です。

14.あなたのほほえみ
作詞・作曲:矢野顕子 編曲:コトリンゴ

――この曲は渡瀬マキさんの95年のアルバムに収録されている楽曲のカバーですね。どういう経緯で収録されたんでしょうか?

千菅 この曲はディレクターがずっとカバーしてみたかったってことで持ってきてくださったんですが、聴いてみてすごく好きだなと思いまして。編曲のコトリンゴさんのピアノとせーのでやったんですけど、元々コトリンゴさんのピアノもすごく好きだったので、好きな音楽性を楽しませていただきました。

――柔らかい歌声の楽曲ですが原曲に寄せた部分はありますか?

千菅 実は原曲はあまり聴きこまないようにしていて、矢野顕子さんの楽曲がすごく特徴的なのでそういう雰囲気が色を出している部分もありつつ、やっぱりコトリンゴさんのピアノもすごくカラーがありますし、音数の少ないカバーなので、ピアノを聴いて出てきたものを自然に出したという感じです。

――千菅さんによる再解釈バージョンという形ですね。ということで、1曲ずつ詳しく聞いてきましたが、7月9日にはこのアルバムを引っ提げてのDEBUT LIVE”FIRST TRY!”がありますね。今の意気込みをお聞かせください。

千菅 けっこうじっくりやらせていただいた3年半を経て、ここで改めてスタートなのかなって気持ちで取り組みたいなと思ってます。

――どんなライブになる?

千菅 セットリストとかもだんだん決まってきて、1stワンマン・ライブってこと自体がTRYなんですけど、来てくださるお客さんはずっと私を応援してくださった方、最近私のことを知った方、いろんな方が見に来てくださると思うので、とにかくみんなで楽しめる空間にしたいなっていうことと、3年半に出てきた音楽を思いっきり楽しみたいなという気持ちでいます。

――こうしてアルバムの形で聴いてもあちこちに尖った楽曲たちを、短い時間の中で凝縮して歌い切るのはすごい体験なのかなと思います。

千菅 とっても楽しみです!

Interview&Text By 大用尚宏(クリエンタ)


●リリース情報
1st フルアルバム
『TRY!』

6月22日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】
news-1505231800-c003

品番:VTZL-108 価格:¥3,700+税

【通常盤(CD)】
news-1505231800-c004

品番:VTCL-60427 価格:¥2,900+税

<CD>
01.Break On Through
 作詞:acane_madder 作曲:北川勝利 編曲:acane_madder・北川勝利
02.プラネット・クレイドル(PS3専用ソフト「マクロス30 銀河を繋ぐ歌声」OPテーマ)
 作詞・作曲・編曲:kz(livetune) ストリングス編曲:真部 裕
03.モモキュンソード(「CRモモキュンソード星と黄金の太刀」挿入歌)
 作詞:北川勝利・acane_madder 作曲・編曲:北川勝利
04.あなたの春香さん
 作詞:三重野 瞳 作曲:nagomu tamaki・岩田アッチュ 編曲:清水信之
05.ジュ・ジュテーム・コミュニケーション(TVアニメ『アクエリオンロゴス』EDテーマ)
 作詞・作曲・編曲:清 竜人
06.corolla
 作詞・作曲・編曲:inktrans
07.リフレイン
 作詞・作曲・編曲:北川勝利
08.絶滅危愚少女!(OVA『絶滅危愚少女 Amazing Twins』OPテーマ)
 作詞:サエキけんぞう 作曲・編曲:北川勝利
09.希望の花(TVアニメ『琴浦さん』EDテーマ)
 作詞・作曲:川嶋あい 編曲:斎藤悠弥
10.TRY! TRY! TRY!
 作詞:千菅春香 作曲:北川勝利 編曲:山本真央樹・北川勝利
11. 桃色ファンタジー(TVアニメ『モモキュンソード』OPテーマ)
 作詞:深川琴美 作曲・編曲:倉内達矢
12.本当の声をあなたに預けたくて haruka solo ver.-(TVアニメ『アクエリオンロゴス』新EDテーマ)
 作詞:東京かくれんぼ 作曲:鈴木裕明 編曲:NAOKI-T
13.愛の詩 -words of love-(TVアニメ『学戦都市アスタリスク』新EDテーマ)
 作詞:山田稔明 作曲・編曲:Rasmus Faber
14.あなたのほほえみ
 作詞・作曲:矢野顕子 編曲:コトリンゴ

<DVD>
01.絶滅危愚少女!
02.桃色ファンタジー
03.ジュ・ジュテーム・コミュニケーション
04.愛の詩 -words of love-
05.愛の詩 words of love- ※メイキング映像

●ライブ情報
千菅春香DEBUT LIVE「FIRST TRY!」

7月9日(土) 開場16:00/開演17:00
shibuya duo MUSIC EXCHANGE
チケット SOLD OUT
※当日券の情報はツイッター・ブログ等で後日お知らせします。

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