INTERVIEW
2016.06.06
アニメ『デュラララ!!×2 結』のEDテーマ「ジョーカーに宜しく」でメジャー・デビューを果たしたPENGUIN RESEARCHのニュー・シングル「スポットライト」が完成。CDジャケットでアラブ風の衣装をまとったペンギンの姿が印象的なこのシングル曲はアニメ『マギ シンドバッドの冒険』のOPテーマとなっている。楽曲の出来た経緯や作品への想いをメンバーに聞いた。
――鮮烈デビューを飾った「ジョーカーに宜しく」と共にあった『デュラララ!!×2 結』が終わった今、あの作品との出会いはみなさんにどんな影響を及ぼしたんでしょうか。
生田鷹司 メジャー・デビュー・シングルということもあったんですが、タイアップさせていただいて、たくさんの方に聴いていただける最高の機会だったなと感謝していますね。結構、Twitter上での反応は大きかったですね。「聴いたよ」とか「カッコいいですね」と。
堀江昌太 ひとつバンドの象徴というか、バンドを代表する「コレ」というものが出来たなと思っていて。純粋にたくさんの人に観ていただいて、アニメの世界観としてカッコよかったよって言ってもらえるのと同時に、楽曲もカッコよかったって言ってもらえたことがうれしかったですね。これまでもアニメの音楽には携わる機会も多かったんですが、今回はMAXで自分の曲ということもあって想いもひとしおです。ライブで演奏してもここいちばん、というところでガッと盛り上がる曲にもなりましたし、PENGUIN RESEARCHが始まる場所として、ここからバンドが大きく進んで行く起爆剤になる曲になったと自負しています。
神田ジョン 今までにも自分がギターを弾いた曲がテレビで放映されることはあったんですが、自分のバンドの音として画面から流れるのは別格の喜びだ、ということを教えてもらいました。言葉で表現できないくらいの幸せを感じましたし、ここから先への力にもなりましたね。
新保恵大 「ジョーカーに宜しく」を出して、初めて名古屋と大阪にライブをしに行ったんですけど、この曲で僕らを知ったことでライブに来た、というお客さんが多くて、本当にうれしかったですね。
柴崎洋輔 あの曲のMVが、自分が予測していたよりも多くの人たちに再生していただいて、それだけ多くの人に注目していただけた、という事実を実感できて、頑張ろうという気持ちになりました。
――そんなみなさんのニュー・シングル「スポットライト」がアニメ『マギ シンドバッドの冒険』のOPテーマに。物語についてどんな印象がありますか?
神田 僕は元から『マギ』が大好きでずっと読んでいたんですね。中でもシンドバッドが最も好きなキャラクターで、そのシンドバッドが主人公の外伝ということで、夢中で読んでます。元々の『マギ』のほうでも、シンドバッドは登場から強かったけど、外伝で描かれる過去の物語の奥深さにまた心が躍りますね。
生田 『マギ』にも登場する錚々たるメンバーが出てくるので、テンションがアガりますよね。さらにそれぞれのキャラクターの過去が描かれていて、特にジャーファルがシンと出会ってからの心情の変化や決意に心が震えたんですね。それが今回僕らが作った「スポットライト」に繋がるような感覚もあって。ジャーファルの心を掴んだシンドバッドの明るさみたいなものがこの曲の明るさにも通じていくというか。シンが光たる感じは出ていると思いますし、楽曲と物語とのシンクロを感じています。
――「スポットライト」が出来た経緯を教えてください。
堀江 バンドを組んだときに作った曲で、PENGUIN RESEARCHとしての一曲目の曲なんです。それと、改めて原作を読んで、詞を数か所書き直したり、音の感じを変えるのに全部録り直したので、元々あった曲をアニメに寄せてアレンジしていった感じですね。前回が勢いがある楽曲で。攻撃的なサウンドとバキッとした感じの服装で、カチッとしたカッコよさを出したんですけど、今回はわりと真反対で。ナチュラルな感じというか、より人間のそのままのところを自然体で出そうと思ったんです。それで今回は衣装も含めて、前回とはまた違ったPENGUIN RESEARCHを出したくて。
――前作と違い、生音っぽい感じがありますね。人間味があるというか。温もりの音のような。
堀江 そこは意識しました。最初に作ったときよりも温かい感じに、血の通った音に。人の手によって鳴らされる音にしようと思いましたし、歌詞もそういう空気になることを意識して、思っていることをそのまま書きました。それが物語と同居してくれるといいなと意識しましたね。
柴崎 この曲はピアノが大事な曲だな、というのを最初に聴いたときから感じていたんですね。なので、この曲のレコーディングは音色もプレイもディレクションにもピアノに関してこだわりぬいて作りました。
新保 でも音作りに関しては毎回ではあるんですけど、すごくこだわりましたね。生っぽさはもちろんなんですけど、前へ進む力強さや、オープニングならではの景気いい感じも意識しましたね。
神田 実はアニメサイズとフル版とでは楽器を録り直しているので、アプローチが少し違うんです。その違いも楽しめるんじゃないかと思いますので、アニメ盤のノンクレジットオープ二ング映像でも楽しんでもらいたいですね。
――元からあった曲の世界観をシンドバッドの物語へと寄せていった感じですか?
堀江 お話をいただいてから原作を読んだんですが、僕の勝手な解釈としてしっくりくるところはあったんです。登場人物がみんな、生きていくための信念を持っていて、自分の道を切り拓き耕してきている。わりとみんな、絶望的な場所から這い出していくし、まだ何もわからないところに希望を見出していく。この曲を作ったときの僕もそういう気持ちが大きかったんですよね。新しくバンドを組むことで不安も大きかったですし、バンドに携わる人生を生きていく先に在るものは見えないし。でも何かしらの希望があったり、よくわからない確信があったりしないと進んでいけないし、それを見つめようっていう曲だったんですね。それを思ったうえでこの曲をオープニングに、というお話をいただいたときに、それはすごくうれしいし、作った曲も幸せだろうなって思えて。不思議な縁ではあるんですけど、僕自身はこの曲と作品との出会いに対してもしっくりきています。
――特に強く「しっくりきた」のはどんなところでしょうか。
堀江 キャラクターの生きている様だったり、すごくキラキラした世界でファンタジー要素もありつつ、冒険モノとしてのワクワクと同じくらい、キャラクターが持っている前に進む力とか意志の強さ。その反面、キャラが持っている寂しさとか人間らしさ。その全てを楽曲で表現したくてサウンドを作っていきましたね。
――歌はいかがですか?
生田 オープニングの映像と歌がリンクする場面がすごく多くて。実際にレコーディングで歌っていたときに想いを込めたところをシンクロしていたことで、観ていてもブワッと涙が出そうになったんです。僕自身がこの物語とシンドバッドがすごく好きなこともあって歌いながら重なる想いもあった。それが映像と本当にマッチしているので、そこも注目してもらいたいですし、これから歌っていくのにまたどんどん想いが深まっていく気がしています。
――今回はビジュアルワークも『マギ シンドバッドの冒険』を意識されていますね。
堀江 MVの衣装も現代版マギという感じにしていますし、ジャケットのペンギンも実はマギの世界のような衣装を着ているんです。そこでも世界観を楽しんでもらいたいですね。
――今作には他に「boyhood」と、通常盤にはさらに「八月の流星」が収録されますが、3曲共に生々しい音で鳴らされるのが印象的ですね。
堀江 確かにそうですね。1枚のCDの中である程度の空気感は揃えたかったんですよね。前作とは違うPENGUIN RESEARCHのカラーも出したかったですし。メロディとメッセージがあって、バンドサウンドで歌い上げる曲を集めよう、という方向性で収録して、中でも「バンドって楽しいよね」っていう音を詰め込みました。
――そんな音を聴くと、実際にライブで聴きたくなりますね。
生田 6月に「ペンギンの、主催に誘われ2days!!」というライブがあるので、ぜひ遊びに来てください。
Interview&Text by えびさわなち
●リリース情報
PENGUIN RESEARCH メジャー・セカンドシングル
「スポットライト」
6月8日発売
【期間限定通常盤(アニメ盤、CD+DVD)】
品番:SECL-1912~3
価格:¥1,600(税込)
<DVD>
・TVアニメ『マギ シンドバッドの冒険』ノンクレジットOP映像
・「スポットライト」MV収録
【通常盤(CD)】
品番:SECL-1911
価格:¥1,300(税込)
●イベント情報
「ペンギンの、主催に誘われ2days!!」
ALL OFF presents「Never Gave Up Release Tour!!」
6月26日(日)
会場:ebis LIQUIDROOM
出演者:ALL OFF/SCREEN mode/PENGUIN RESEARCH
OPEN 17:00/START 18:00
チケット料金:前売り¥3,000(Dr別)
チケット発売中
チケットぴあ(Pコード/293-161)、ローソンチケット(Lコード/74853)、e+
企画制作:No Big Deal Records/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
制作協力:inLYNK
お問合わせ:DISK GARAGE:050-5533-0888
SEIZE THE DAY presents「今を生きる vol.0 powered by BARKS」
6月27日(月)
会場:TSUTAYA O-WEST
出演者:SEIZE THE DAY/LAST GASP/PENGUIN RESEARCH
OPEN 18:45/START 19:15
チケット料金:前売り¥2,700(Dr別)
チケット発売日:6月9日(木)
企画制作:DISK GARAGE/ultraCeep Inc.
お問合わせ:DISK GARAGE:050-5533-0888
●作品情報
『マギ シンドバッドの冒険』
MBS、TBS、CBC、BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送中
【STAFF】
原作:大高忍・大寺義史(小学館「マンガワン」連載中)
監督:宮尾佳和(BARNSTORM DESIGN LABO)
シリーズ構成・脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン・総作画監督:佐古宗一郎
コンセプトデザイン:BARNSTORM DESIGN LABO 田中俊成・枝松聖・大山裕之
ジン・クリーチャーデザイン:富岡隆司
色彩設計:岩沢れい子
美術監督:青井 孝
撮影監督:宋 賢大
編集:定松 剛
音響監督:飯田里樹
音楽:大久保友裕
アニメーション制作:Lay-duce
【CAST】
シンドバッド:小野大輔
ドラコーン:杉田智和
ジャーファル:櫻井孝宏
ヒナホホ:藤原啓治
ユナン:石田 彰
バドル:小西克幸
エスラ:日笠陽子
セレンディーネ:茅野愛衣
バルバロッサ:子安武人
バアル:東地宏樹
<INTRO>
これが、もう1つのマギ――若き七海の覇王の冒険譚がはじまる!
大高忍による大人気漫画『マギ』。
その正統なる前章として連載がスタートした外伝『マギ シンドバッドの冒険』は、『マギ』本編より30年前の時代から物語がはじまる。
のちに“七海の覇王”とよばれる少年・シンドバッドは様々な出会いや別れのなかで成長し、そしてやがて王へと到る道を突き進む――。
<PENGUIN RESEARCH プロフィール>
堀江晶太(Ba./ Composer) と生田鷹司(Vo.) を中心に神田ジョン(Gt.)、新保恵大(Dr.)、柴﨑洋輔(Key.) の5人で結成されたバンド。
以前より数多くのアニメ/ ゲームソングの作編曲にてその才能を発揮し、コンポーザーとして、快進撃とも言える規模で世に楽曲を送り出してきた堀江晶太。
そんな彼が放つ『多彩且つ攻撃的なサウンド/ リアルで泥臭い歌詞』を、Vo. 生田を中心としたメンバーが圧倒的なクオリティで表現していく。
2015 年よりライブ活動を開始し、ライブ会場限定配布シングル「SUPERCHARGER」をリリース。
その後メジャーデビューながらTV アニメ『デュラララ!!×2 結』のエンディングテーマ「ジョーカーに宜しく」を担当。
2016 年3月には話題作「敗北の少年」を収録したミニアルバム『WILL』を発売。
間髪いれず、TVアニメ『マギ シンドバッドの冒険』オープニングテーマであるメジャー・セカンドシングル「スポットライト」を6月8日に発売する。
(C)大高忍・大寺義史/小学館・AOS PROJECT
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