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REPORT

2016.06.05

「また遊ぼうね」と、指切りで交わした約束。 “楠田亜衣奈 1st Live Tour「Next Brilliant Wave」”東京公演・夜の部レポート

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5月28日、声優・楠田亜衣奈の1stライブツアー“Next Brilliant Wave”の東京公演がZepp Tokyoにて開催。昼夜合わせて2公演を行った今回のライブには、のべ2,500人ものくっすんサポーター(※楠田ファンの総称)が集結。生バンドを背負い、自由かつ愛らしい楠田らしさが随所に垣間見えたパフォーマンスと、それを受け止めるサポーターとでホールには温かな空間ができあがっていた。本稿では、その夜の部の模様をレポートする。

大きなツアーロゴが後方に掲げられたステージに、「Zepp Tokyoー!みんな、いっくよー!」の声とともに、ツアーグッズでもある旗を振りながら楠田が登場。上手・下手それぞれのお立ち台に乗ってサポーターを見やると、ステージセンターで背を向けて、1曲目「Infinite Memories」がスタート。一気に青のペンライトに染まった客席をぐるりと見渡したり指差したりしながら展開するパフォーマンスに、もちろん盛り上がるサポーター。それを観た楠田の笑顔は、特にサビに入るとより全開のものになる。そこからキュートなロボットダンス風味の振付が印象的な「恋愛対象Countdown」を続け、この日の初MCへ。本公演が今ツアーにおける日本での最終公演ということで、「盛り上がり、足りないんじゃない?」と歓声を要求。三度にわたって欲したその声を受け、最後には「よいでしょう♪」と、満足気な表情を浮かべていた。

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続く「内気なバービー」では、彼女のステップの持つ魅力を改めて実感させられた。その後も感じたのだが、膝の柔らかさを含めて彼女のそれは実に軽快。だからこそ少女的なものを感じさせられ、この曲をはじめとするキュートなナンバーとの相性もいい。一方、その後に「硝子のバタフライ」「Nameless mind」と2曲続いた速くて重い楽曲では生バンドならではの音圧をより強く感じられ、バンドを従えた意義がにじむ。歌声もそれに呼応して太く雄々しいものへとシフトチェンジ。

曲明け、スポットライトに照らされながらツアーを振り返る楠田。会場ごとに配布されるステッカーをすべて集めたというファンに「おそろいだね!」と笑顔で声をかける。しかしそのままツアーグッズの紹介やデザイン決定のエピソードを語ったあとの「5回目の公演で、初めて物販の話をしました(楠田)」には、場内がどよめくひと幕も。

続く「ラブリージーニアス」では、サビでの振付を会場全体で行うため、曲前に振付講座。バンドメンバーも一緒になって振付をマネする。サビではその振付とコールで盛り上がり、2サビ直前の、歌詞にない「チュッ♡」では大歓声が挙がる。また、間奏のギターソロ明けには、笑顔でのモンキーダンスも飛び出した。そして自ら作詞にも携わった、爽やかでポジティブな「トドケ ミライ!」と、バラード「群青シネマ」を連続で披露。後者ラストの「Lalala…」のパートではファンによる大合唱が起こり、楠田もイヤモニを外してその声を聴く。そしてまたもガラリと雰囲気を変え、デジタルロックな「進化系HEROINE」で再度会場を盛り上げる。そんなバンドの映える曲の直後、旗を片手に楠田からバンドメンバーの紹介へ。紹介後各メンバーによるソロが披露されていく。そして自身の番では「ラブリーでジーニアスな?(楠田)」「皇帝ー!(サポーター)」と完璧なコール・アンド・レスポンスが決まり、そのままソロダンスを披露していた。

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そこから会場を細かく分けてそれぞれにクラップをさせたら、「magic」を最後まで笑顔でサポーターとともに楽しく盛り上がる。そのムードを反映してか、ステージにはライトによって虹のグラデーションが。「HO♡HOLIDAY」では楽曲中ふんだんに登場するコーラスで、またもサポーターと大盛り上がり。コール部で「ほいっ!」とマイクを向けるときの、楠田のいたずらっぽい笑顔もまた愛らしい。そして爽やかでロッキンな「Heart’s cry」を楽曲に合った強めの声で歌い切ると、バラード曲「夢のつぼみ」を下手のお立ち台に座ってしとやかに歌い始める。優しく、会場の空気を通して聴く者の心に染み込ませるようなその歌声を受け止めるかのように、紫に染まったペンライトは左右にゆっくりと揺れる。最後に「歌って!」との楠田からのお願いでサポーターからの大合唱が起こり、最後には彼女もそれに加わる。曲明けには、「ありがとう」とぽつりとひと言。

さて、このZepp Tokyoは、思い返せば今年自らがバースデーイベントを開催した地。そのときには大きく見えたこの会場も、この日の印象は「こんなにちっちゃかったっけ?」というもの。その感覚の違いから、ただ単に帰ってきたわけではなく「成長してこのステージに戻ってくることができました」と、イベントではなくライブで戻ってこれたことの喜びを語る。そして「もっともっと成長して、また一緒にみんなと遊ぶ約束、してもいいですか?」と続け、本編ラスト曲「POWER FOR LIFE」を歌唱。歌詞になぞらえて、成長しあって再会する“指切り”を、会場全体で交わす。また、楽曲中盤では客席に巨大な風船が投入。それがやがて割れると、中から小さな風船が無数に登場。歌詞通りの色とりどりの“ヨロコビの花”が咲いたかのような光景が表現された。最後には再度旗を手にしてステージを左右に往復してジャンプエンドし、「さんくっすん!またねー!」との言葉を残し、彼女はステージをあとにした。

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即座に会場に響き渡る「くーっすん!」のコールと、はためく旗。その声を受けて「First Sweet Wave」のイントロとともに、ライブTシャツに着替えた楠田が再登場。ライブの再スタートを飾るのは、やはり1stミニアルバムのリードトラックであるこの曲こそふさわしい。2回公演の2回目のアンコールともなればノドの状態も厳しかっただろうが、今届けられる精一杯の声での歌声を、大事なもののひとつであろうこの曲に乗せていた。それを受け止めるサポーターの表情や歓声にホッとしたかのように、サビ明けでは楠田も笑顔をのぞかせる。

曲が終わり、「たのしーねっ」と切り出した楠田。明るい言葉ではあったが、その調子にもうすぐライブが終わることへの寂しさをほんのり感じたのは、筆者だけだろうか。しかし彼女のステージは、もちろんこの日が最後ではない。ここで今秋、オフィシャルサイト会員限定でのイベント“さんくっすん祭り2016”を東京・大阪で開催することを宣言し、再び会場からは歓声が湧き起こった。

そんな喜びの発表も済ませた楠田は、そっと語り始める。「子供の頃からずっと『私は世界の中心にいるんだ』って考えてた。でもそれは私だけじゃなくて、みんなもそれぞれの世界の中心にいるわけで。だから私は“ジコチュー”でいるって考えてたし、それが悪いことだとは思わないんです」と。さらに「そのいろんな円がたくさん交わるところに同じ想いみたいなのがあると思うので、いろんな考え方や感じ方があると思うんですけど、今みんなが思ってる気持ちはきっと、正しい!」と続ける。そして今に立ち返り、「同じ気持ちになれることってすごいことだなと思うし、すごくうれしいです」と素直に心情を吐露した。観念的な部分もあったし、だからこそ彼女からも「ここに来てるみんなには、たくさん伝わってると信じたい」との言葉も続いたのだろう。しかし、その姿に真剣に目と耳を向けていたサポーターたちには、その心配は無用なはずだ。

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最後に「こんなに楽しいライブをありがとうございました」と深々と一礼したあとに、しっとりと「My yesterday」を歌う。静かながらも熱い想いを込めた言葉のあとに、この曲は正直反則だ。先ほどのMCに続き、じっくりと聴き入るサポーター。彼らに向かって、後奏では深くて長い礼で、言外でもその感謝の気持ちと自らの想いを再びサポーターへと届けていた。

そして「最後はみんな盛り上がっていくよー!」と、カチッとスイッチを切り替えエンジン全開でラスト曲「オーマイダーリン」へ。サビでタオルを回して思いっきり楽しみ尽くすこの曲で、楠田自身も何もかもを吹っ切ってのキラキラスマイルでのパフォーマンスを見せる。最後に後奏ではサポーターの回すタオルを前に、ジャンプエンドでフィニッシュ。バンドメンバーとの手を繋いでの挨拶ののち、「笑顔でファイナルを迎えられてうれしいぞ!」とはにかみながらも再度感謝の言葉を述べる楠田。最後はサポーターと一緒に「さんくっすーん!!」ポーズで締め、楠田亜衣奈はこのステージをやりきった。

ファンを指す言葉が“サポーター”であるのがまさにぴったりすぎるほど、温かな空気の流れていたこの日のライブ。様々な曲を歌いこなしつつ、ときには軽やかかつかわいらしさのにじむステップでもサポーターを魅了する。また、MCとのの緩急入り混じったステージングも、“楠田亜衣奈”オンリーワンのものだと言っていいだろう。そのすべてが詰まった、現時点での集大成のライブを、彼女は私たちに見せてくれた。

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今後はツアーファイナルを台湾で、そして東京・大阪でのファンイベントを行い、また経験値を積み上げていく楠田亜衣奈。その先に待つ、私たちとの“約束”を果たす日で、彼女はいったいどんな成長した姿を見せてくれるのか。その日が来ることを、そしてそれが素晴らしい日になることを、サポーターの誰もが待ち望んでいるはずだ。

Photography by洲脇理恵(MAXPHOTO)
Text by 須永兼次

“楠田亜衣奈 1st Live Tour「Next Brilliant Wave」”東京公演
2016.05.28@Zepp Tokyo
【SET LIST】
M1.Infinite Memories
M2.恋愛対象Countdown
<MC>
M3.内気なバービー
M4.硝子のバタフライ
M5.Nameless mind
<MC>
M6.ラブリージーニアス
M7.トドケ ミライ!
M8.群青シネマ
M9.進化系HEROINE
<MC>
M10.magic
M11.HO♡HOLIDAY
M12.Heart’s cry
M13.夢のつぼみ
<MC>
M14.POWER FOR LIFE

EN1.First Sweet Wave
<MC>
EN2.My yesterdays
EN3.オーマイダーリン


●リリース情報
楠田亜衣奈 2ndアルバム
『Next Brilliant Wave』
発売中

【初回限定盤A(CD+Blu-ray)】
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品番:VPCG-80679
価格:¥5,000+税

<Blu-ray>
楠田亜衣奈デビューミニアルバム発売記念イベント「First Sweet Wave」ダイジェスト

2Dケース 16PフォトブックレットA+歌詞カード

【初回限定盤B(CD+DVD)】
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品番:VPCG-80680
価格:¥4,000+税

<DVD>
01. POWER FOR LIFE [Music Video]
02. さんくっすん BIRTHDAY ~27年前の今日 楠田亜衣奈が生まれるってよ~ ダイジェスト

2Dケース 16PフォトブックレットB+歌詞カード

【通常盤(CDのみ)】
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品番:VPCG-83510
定価:¥3,000+税
Pケース 16PフォトブックレットC+歌詞カード

*16Pフォトブックレットの絵柄は各タイプ異なります。
*歌詞カードは各タイプ共通です。

<CD>※三形態共通
01. Infinite Memories
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:鈴木Daichi秀行
02. POWER FOR LIFE
 作詞:こだまさおり 作曲・編曲:山田高弘
03. 恋愛対象Countdown
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:ArmySlick
04. 内気なバービー
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:toku
05. Nameless mind
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:高橋 諒
06. 硝子のバタフライ
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:齋藤真也
07. 群青シネマ
 作詞:こだまさおり 作曲・編曲:市川 淳
08. 進化系HEROINE
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:ArmySlick
09. ラブリージーニアス
 作詞:こだまさおり 作曲:田代智一 編曲:齋藤真也
10. My yesterdays
 作詞:こだまさおり 作曲:山田高弘 編曲:市川 淳
ボーナス・トラック(通常盤のみ収録)
11. magic
作詞:岡田マリア/作曲:山田高弘/編曲:安岡洋一郎

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