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REPORT

2016.03.19

18人全員が主人公!「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rd LIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演 2DAYS [個人別]レポート(前編)

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『アイドルマスター ミリオンライブ!』初のライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演が3月12日〜13日、オリックス劇場にて開催された。

大阪厚生年金会館がリニューアルされた同ホールは音響も良好。3年前には『アイドルマスター』8周年ライブ大阪公演が行なわれ、原紗友里、高森奈津美たち新たなシンデレラが初ステージを踏んだ思い出の場所でもある。

ミリオンツアーの折り返し地点となる大阪公演には、春日未来役の山崎はるか、最上静香役の田所あずさ、伊吹翼役のMachico、ジュリア役の愛美、箱崎星梨花役の麻倉もも、佐竹美奈子役の大関英里、望月杏奈役の夏川椎菜、所恵美役の藤井ゆきよ、百瀬莉緒役の山口立花子、横山奈緒役の渡部優衣が両日に参加。初日には高坂海美役の上田麗奈、島原エレナ役の角元明日香、高山紗代子役の駒形友梨、二階堂千鶴役の野村香菜子、2日目には野々原茜役の小笠原早紀、豊川風花役の末柄里恵、舞浜歩役の戸田めぐみ、松田亜利沙役の村川梨衣が出演した。リーダーは両日渡部優衣と藤井ゆきよの2人だ。

大阪は人数が多く密度も濃かったこともあり、各メンバーの両日を通した印象をレポートしていく。

 

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 ●高山紗代子役・駒形友梨

初日である意味一番予想以上のものを見せてくれたのが、高山紗代子役の駒形友梨だった。ソロ曲では「君想いBirthday」を披露したが、手をぱっぱと開いたり閉じたり、大きく手を振ったりの仕草のひとつひとつが正統派のアイドルらしさを感じさせる。曲の頭には初めて紗代子の台詞が入り、よりキャラクターとパフォーマンスの距離が近づいた感じがした。昨年の2ndライブでは端正な顔立ちに真剣な表情がちょっと硬質な感じというか、昭和のアイドルのような浮世離れ感を感じさせた駒形。それはそれで得難い個性だとは思っていたのだが、「君想いBirthday」で柔らかな笑顔を見せた彼女の華やかさは驚くほど。初日のコントコーナーでは角元明日香、野村香菜子という同じ事務所の仲間がパートナーの気安さもあってか、ぽんぽんと小気味良いツッコミを見せた。この日の彼女の様子を見て、2ndライブでの彼女がどれほど緊張して固くなっていたのかが改めてわかった。

ミリオンを代表する青系の楽曲「Blue Symfony」は、前から田所、駒形、麻倉という並び。この2人のエースの間で全く違う色を出しながら全体を調和させていたのは駒形のポテンシャルの高さを感じさせた。「風花」ではMachicoと、「Melody in scape」では大関と。ミリオン屈指の表現力のパートナーたち相手に一歩も引かない表現力は、こと力強いバラードに関してはミリオンの宝と言ってもいいレベルで初日のライブ全体のイメージを形作るピースとなっていた。「今日は紗代子と一緒に頑張れたと思います。私の中に入ってきてくれて一緒に歌えた感じで、並んで走れたと思います」。

 

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●箱崎星梨花役・麻倉もも

この日は出番が後半に寄りがちだった麻倉。ツアー全体の傾向として、ライブの前半は当地限定参戦組などの色を強く出して、他会場のリーダーはサポートに回るイメージがある。のだが、前半のMCで麻倉が豚まんがどんなにおいしくてパワーになったか、を語っていたりするとそれだけで自然に場の中心になってしまうのは微笑ましい。初日のコントコーナーでは、おでこの横を押されると「(o・∇・o)もちー!」とさけぶ不思議な楽器として出演。かわいいは正義だ。

そんな素の麻倉らしさの延長にあるのが初日の「トキメキの音符になって」や2日目の「夢色トレイン」で、とにかく神がかってかわいい。「かわいい」の連呼でレポートになるのかと思う向きもあると思うが、ことアイドルを描く作品のライブステージにおいて、楽しそうにキラキラとしながら歌っている姿がすごくかわいく見える、というのは揺るぎなく重大なトピックのはずだ。そのかわいさのイメージがあるからこそ、「Blue Symfony」で彼女が見せたキリッとした、凛とした表情がハッとするほど印象的だったのだと思う。

デュオ曲「Smiling Crescent」は初日の角元との組み合わせが印象的で、麻倉は「ダンスの先生に(角元と)姉妹みたいって言われたんですよー」と嬉しそうに報告。仙台での原嶋あかりとの絡みもそうだったが、(年上でも)小柄な相手と絡むとお姉さんぶりたくなるのかもしれない。実際角元と並ぶとどこか雰囲気が似ていることもあり、初日は髪型をストレートプラス後ろでまとめて顔周りをすっきりさせて、ちょっとウェービーな髪の角元と差別化していたように思う。歌声はどちらもキュートだが角元は少しハスキーなニュアンスが入り、麻倉のほうが少しトーンが高く、とてもよく調和していた。仲良く手をつないで歌い終わる姿はまさに姉妹のようだった。

 

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●伊吹翼役・Machico

大会場のライブを作る上で欠かせない存在がダンサーであり、大阪公演では4人のダンサーが参加していた。サポートダンサーはプロの技術で演者のパフォーマンスを助けると共に、ダンサーが主役になってしまっては本末転倒という難しい仕事なのは想像に難くない。特にメインの演者とシンクロするような動きでは、敢えて動きの彩度を落として黒子に徹することも多い。そんなダンサーたちが明らかに全力で、重厚さすら感じさせる本気のダンスを見せていたのがMachicoの「Believe my change」だった。Machico自身のダンスのキレと、オリジナルな声質を伴った圧倒的なボーカルは、どれだけ周りが激しく動いてもより光を増すばかり。真剣勝負の中で、むしろダンサーたちの本意気のダンスすらも自身のステージの華に取り込んでいるように思えた。オリックス劇場は音響が非常に良かったこともあり、彼女を含めたボーカルに自信ありのメンバーは水を得た魚のようだった。

大阪公演を両日見て、このツアーは最新CDシリーズ「LIVE THE@TER DREAMERS」の延長線上にあるな、と思った。2人の演者の個性の響きあいがベースにあり、公演によってメンバーが片方変わったりすることで、楽曲が別の化学変化を見せる。そういった組み合わせの中で見ると、Machicoの立ち位置は面白い。翼そのもの、むしろ歌の中でこそ個性が最大限に発揮されるほど、Machicoの声質とキャラクターボイスのまま歌うスキルは突出している。だがその個性のパラメーターが一定の方向に振り切れているため、「たしかな足跡」で山口が落ち着いたトーンで下から歌い上げる歌声とも調和するし、「風花」で組んだ駒形の独特な世界観、空気感を壊すこともない。もちろん前提としてMachico自身の卓越したボーカルコントロールがあることは言うまでもない。ライブスキル的にはずば抜けたプロの仕事をしている彼女が、コントコーナーでは漫才の途中で唐突にイチャイチャし始めていい意味の楽屋感というか、グダグダ微笑ましいペースを作っていくギャップも面白かった。

 

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●高坂海美役・上田麗奈

アイドル作品に参加するキャストにインタビューの際、個人的によくする質問に「ライブでは表情や演出を練りこんで技術で表現しますか、それともキャラクターが降りてくるタイプですか」というものがある。その中で「キャラクターが降りてくる」派の最右翼が上田で、ライブ前の緊張の度合いやテンション感までキャラクターによって変わるという。そんな彼女が高坂海美というエネルギーのようなキャラクターをまとってステージに立つのだから、初日ソロの一番手、「恋愛ロードランナー」が盛り上がらないはずがない。「振り絞ってGO!!」「勝負にもならない!!」あたりなどの時々濁音感すら感じる勢いと力強さ。一方サビ前ではちょっとテンションを抑えながらも来るぞ来るぞ…と爆発を予感させる余熱を感じさせる。こういったメリハリは様々な表現に渡っていて、曲中に顔をくしゃくしゃにして叫ぶ「大好き!!」も良かったが、それだけにそんな元気いっぱいの少女がラストでつぶやくささやくような「……大好き」の破壊力も増すのだろう。

渡部優衣と村川梨衣が原曲を歌う「夜に輝く星座のように」では初日いない村川のパートを担当。こういう叙情的な表現もきっちりとこなしながらも、燠火のような熱を感じさせるのは流石。上田が中低音から力強く攻めることで、渡部が高音のキュート担当にスライド。村川と一緒に歌う時とは渡部の表情や表現も変わるのが面白く、それは上田の影響力の証左でもある。元気いっぱいな少女が見せる妖艶さやシリアスさが魅力の原曲に対し、裏の裏は表な感じで正統派な表現に落ち着いていたのは面白かった。動きの面では、上田はダンスがすごく得意というわけではないと思うのだが、不思議とその動きに目を引きつけられる。動きのどこかに表情というか、歌声も表情もダンスも、全てが内なる高坂海美の発露としての演技の一部であるのではないかと思う。「夜に輝く星座のように」の中で彼女が一番この楽曲らしさを感じさせたのは、カメラをキッと見つめる爛爛とした瞳だった。「大阪はすごく熱を感じて、いつも以上に海美がはしゃいでいて、いつも以上に何も覚えてません。言っとくけどみんな大好きだよ?」。

 

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●二階堂千鶴役・野村香菜子

『ミリオンライブ!』のステージに立つのはライブハウスでの「LTH09&10」以来2回目。ソロ楽曲「恋心マスカレード」は初披露と、大阪の大舞台に立つ中で一番フレッシュな存在だったのが野村だ。前半戦の山崎、Machico、愛美という頼れる仲間たちとの「Sentimental Venus」から入り、幾つかの曲やMC、コントで少しずつステップを踏んで、落ち着いた状態で24曲目、「恋心マスカレード」に臨めるように配慮されたセットリスト。ソロ曲は二階堂千鶴の存在を色濃く感じさせる「さぁ、行きますわよ!」の言葉からスタート。経験が少ない状態での大会場は緊張もあるだろうが、ダンサーたち、そして会場のオレンジの海に支えられてのステージは、何より力強い助けにもなったはずだ。後半は高く歌い上げて畳みかけるような流れが続くだけに、終盤は流石に少しつらそう。だがギリギリのところで踏ん張って喉を使いきっている感じならではの良さが間違いなくあったし、一度きりのソロを歌いきった野村はやりきった、やれたかな、という感じの笑みを浮かべていた。

一方、初披露のソロを良いコンディションで歌えるように配慮されたセットリストに対して、ミリオンチームがドSな一面? を見せたのがそこからわずか3曲後、27曲目の「Persona Voice」だ。前の26曲目は愛美の「プラリネ」。続く28曲目はMachicoの「Believe my change」。おそらくこの日のソロの中で最も圧倒的なうちの2人の間に挟まれて、隣で歌うパートナーは田所あずさ。どちらを見ても経験を積んだ才能の塊しかいないような配置は、せっかくだからここで成長していけと言わんばかりの試練だ。だが「Persona Voice」は千鶴と雪歩の楽曲だけに、ここは譲るわけには行かないところ。驚いたのはCDでの歌唱に比べると野村が喉を開けてかなり声量を出していたことで、特にサビでは田所の強いボーカルに野村の側が食らいついて渡り合っていた印象だ。一番気持ちがいい「きっと永遠になれる」のフレーズでは野村は下ハモに回って田所が伸び伸びと最高域で歌って良さを出していて、この組み合わせでCD出しても良いんじゃないかな、と思うぐらいに仕上がっていた。経験が浅い分、このライブから誰よりも多くのものを持ち帰ったのは野村ではないだろうか。「明日もでたーい! 今日で終わりだよさみしいよ〜。これから思い出をいっぱいいっぱい作っていけたらと思います!」。

 

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●百瀬莉緒役・山口立花子

初日のソロ曲「Be My Boy」は終盤第四ブロックのラスト。それも納得なぐらい、彼女が高く張った歌声の透明感は素晴らしかった。元々優しく柔らかな歌声と、どこかにちょっとひっかかるくせがある感じが魅力的だった山口の歌だったが、今回の表現はより包みこむようなしなやかな強さを感じた気がする。それは2日目のソロ曲「WHY?」にも通じるもので、経験を重ねた莉緒としてこそ歌えたものかもしれない。

そんな山口に対する信頼を感じたのが「たしかな足跡」。原曲で山口のパートナーだったたかはし智秋のかわりに入ったのはMachicoで、2人がよりそうように歌った情感重視の原曲とは違った表現になるのは明らかだ。だが音域も個性も全く違うMachicoと実際に組み合わせてみると、山口の存在感と安定感はぶれることなくぴったりと合わさった。とにかく今回のツアーは、「え、この2人こんなに合うの?」という新鮮な驚きが多い。

個人的に山口の存在が効いてるな…と思ったのが765カバー曲の「またね」。プロデューサーと共に歩んだ道のりを優しく愛しく振り返る曲で、個人的にはライブでは釘宮理恵の印象が非常に強い。頂点に上り詰めるまでを描く『アイドルマスター』に比べると、『ミリオンライブ!』で描かれているキャラクターたちはまだ道半ば。その中にあって原曲の「包みこむような優しさ」の成分をかなり担っているのが山口と莉緒の存在に思えた。

強烈に目立つタイプではないが、2日目に全員で演じた新喜劇のコーナーで演技巧者ぶりを見せたりと、各所で存在感を見せているのもなんとなく莉緒と重なる山口だった。「2ndライブのパンフに、日本全国を回ってミリオンライブの魅力を伝えたいと書いていたのが叶って嬉しいです」。

 

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●島原エレナ役・角元明日香

角元のミリオン関連イベント出演は、初登場のLTP11以来。いにしえのファーストライブ(といっても2年弱前だが)よりも前と考えると感慨深い。最初のイベントシリーズであるLTPは全員私服でのステージだったことも考えると、衣装姿でキャラクターを本格的にまとっての歌唱はこれが初めてと言ってもいいかもしれない。 

だが初日の企画パートのコントコーナーでは堂に入った芝居を見せていたりと、同じ事務所の野村に比べると余裕があるのかな? というイメージだった。だが本人によれば「緊張していないつもりが心がぎゅーっとなってしまいました。始まる前は不安でしたが、すーっごく楽しかったです!」とのこと。そんな緊張や不安を感じさせないぐらい、特に「ドリームトラベラー」で客席を煽っていく姿は本当に楽しそうだった。

エレナらしさ、を一番濃厚に感じさせたのはやはりソロ曲「想いはCarnaval」だろう。ラテンのリズムのガットギターの調べに乗せて、情熱と少女性が同居する感じはまさにエレナそのもので、間奏のささやくようなラテン語は幻想的ですらある。艶のあるキュートさはこれぞ小悪魔感という感じがぴったりだった。かなりの難曲でもあるので、これからさらに育っていく表現を見ていきたいと思わされた。

 

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●ジュリア役・愛美

ここぞという大ステージに起用されることが多いイメージの愛美。その理由は彼女のステージを一度でも見たことがあればわかるだろう。ピンスポットの中ギターを手に登場した誰よりもかっこいい少女が弾き語りで、あまたのアイドルの中でも一番ロックなイメージのジュリアの存在をステージ上に再現して見せるのだから。“愛美のジュリアのステージはすごいらしい”という伝説が独り歩きする中、毎回ステージの後は狂騒といってもいいほどの熱い余韻が残る。そのハードルは決して低くなく、毎回高くなるばかりだと思うが、眩しい笑顔でそれを苦労とは感じさせないのが彼女の魅力だ。

神戸出身の愛美のキャリアは、2009年の第3回アニソングランプリ大阪大会優勝からスタートした。今から思えばまだ荒削りな歌唱力とまぶしい笑顔を携えて上京した彼女がさまざまな経験を経て、ボーカリストとして、声優としての彼女のポテンシャルの全てを受け止めてくれる相棒に出会ったのがジュリアだったと思う。大阪初日の「プラリネ」で感じたのは、表現、特に表情の緩急によるメリハリがより出たこと。一番は楽しいなーとキラキラした笑顔が多く、二番はちょっと真剣な表情でギラついた感じ。微笑みをたたえての「ほらあたしにだって出来ることが少しずつ増えてゆくよ」でグッとさせてからの間奏では、ひまわりのような満開の笑顔でギターソロプレイを見せた。ステージ中に微かに涙の気配を感じさせながらも、挨拶では「またギターソロに挑戦させて頂いて、歌詞通り、自分にもできることが少しずつ増えていくことが嬉しかったなという、そんな日でした」とおだやかにさらっと語るところがどこまでもかっこいい。だがこのステージは7年間、光が当たる日もそうでもない日も彼女が積み重ねてきた全ての結晶だ。

小ネタ。初日山崎、Machico、野村と共に歌った「Sentimental Venus」では、愛美も非常にキュートな歌声で歌っており4人のバランスは完璧。こういう引き出しもあるんだよなと単純に感心していたのだが、よりハイトーンで尖った個性の村川が入った2日目は、よーく聴くと愛美の歌唱は目立たない程度にクール寄りに調整されていて、結果Machicoと村川の突出した個性とのバランスが取れていたように感じて改めてすごいなーと感じたのだった。

 

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●所恵美役・藤井ゆきよ

大阪のリーダーである藤井は長身の美貌が印象的だが、実際は涙もろくて仲間の麻倉もものことが大好き! というギャップも魅力。緊張しがちでもある彼女だが、名古屋・大阪で実質的な開幕曲になった「エスケープ」を見ていると、名古屋より大阪初日、初日より2日目、と表情が柔らかくなっていくのが如実に感じられた。

初日のソロの「アフタースクールパーリータイム」では、藤井からは客席を乗せていく意識を強く感じた。センターステージにダンサー4人と並んで座って、足を組み替えたりする姿はかわいいがセクシー、セクシーだがかわいい。一緒に肩を組んで踊るダンサーも楽しそうだ。会場のオリックス劇場は会場のサイズの割には天井が高く、背後と側面の高いところまで張りつくように客席がある。そのせいか「歓声が降ってくる」ような感覚があり、音響の良さも相まって会場の一体感は最高。そんな中でテンションが上がりきった藤井がちょっととちると、すかさず会場がフォロー。藤井がさらに「おおきに!」「みんなが優しかったから感動してただけ!」と返していくキャッチボールは最高だ。

そんな感激屋の藤井だが、観客に支えられて一緒に頑張っていいところと、自分で踏ん張らないといけないところを誰よりもわかっているように思った。駆け抜けてきたライブの最後、大阪リーダーを一緒に務めた渡部優衣と歌う「ココロがかえる場所」で込み上げるものがないはずがない。しかし感極まりそうになると、その感情をそのまま歌声に乗せて客席に届けていくのはプロの仕事だった。「ココロがかえる場所」は2人の楽曲ではないが、2人とキャラの明るさや華やかさとはちょっと趣きが違うゆったりとした優しい曲とダンスは、今の想いをまっすぐに込めるのにはぴったり。2日目気丈に歌っていた藤井が、渡部と視線を合わせてにこっと笑顔をかわした直後に、歌声をふるわせていたのが彼女らしいな、と感じた。2日目のソロの締めである「フローズン・ワード」は力のこもった眉から絶対に歌い切る覚悟が覗く。ライブならではの感情の揺れと踏ん張る強さをそのままに込めた歌唱の最高潮。「ここにいるから!」の絶唱には、青い炎が吹き上がるような情念を感じた。(後編に続く)

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Text By 中里キリ

「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演初日
2016.03.12.オリックス劇場
<セットリスト>
M01:Dreaming!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M02:エスケープ(愛美、藤井ゆきよ)
M03:恋愛ロードランナー(上田麗奈)
M04:スマイルいちばん(大関英里)
M05:Happy Darling(夏川椎菜)
M06:Sentimental Venus(山崎はるか、Machico、野村香菜子、愛美)
M07:PRETTY DREAMER(渡部優衣、山口立花子、夏川椎菜、上田麗奈)
M08:未来飛行(山崎はるか)
M09:君想いBirthday(駒形友梨)
M10:成長Chu→LOVER!!(夏川椎菜、山崎はるか)
M11:夜に輝く星座のように(渡部優衣、上田麗奈)
M12:トキメキの音符になって(麻倉もも)
M13:アフタースクールパーリータイム(藤井ゆきよ)
M14:おとなのはじまり(夏川椎菜、麻倉もも、山崎はるか)
M15:自転車(田所あずさ、愛美、角元明日香)
M16:MEGARE!(大関英里、藤井ゆきよ、上田麗奈)
M17:風花(Machico、駒形友梨)
M18:またね(山口立花子、渡部優衣、野村香菜子)
M19:Smiling Crescent(麻倉もも、角元明日香)
M20:たしかな足跡(山口立花子、Machico)
M21:ドリームトラベラー(大関英里、角元明日香、藤井ゆきよ)
M22:Blue Symphony(麻倉もも、駒形友梨、田所あずさ)
M23:想いはCarnaval(角元明日香)
M24:恋心マスカレード(野村香菜子)
M25:Be My Boy(山口立花子)
M26:プラリネ(愛美)
M27:Persona Voice(野村香菜子、田所あずさ)
M28:Believe my change!(Machico)
M29:Precious Grain(田所あずさ)
M30:Melody in scape(大関英里、駒形友梨)
M31:Super Lover(渡部優衣)
M32:ココロがかえる場所(渡部優衣、藤井ゆきよ)
M33:Welcome!!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M34:Thank You!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)

 

「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」大阪公演2日目
2016.03.13.オリックス劇場
<セットリスト>
M01:Dreaming!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M02:エスケープ(愛美、藤井ゆきよ)
M03:Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!(村川梨衣)
M04:プリティ~~~ッ→ニャンニャンッ!(小笠原早紀)
M05:VIVID イマジネーション(夏川椎菜)
M06:Sentimental Venus(山崎はるか、Machico、村川梨衣、愛美)
M07:PRETTY DREAMER(渡部優衣、山口立花子、夏川椎菜、小笠原早紀)
M08:素敵なキセキ(山崎はるか)
M09:SUPER SIZE LOVE!!(大関英里)
M10:成長Chu→LOVER!!(夏川椎菜、山崎はるか)
M11:秘密のメモリーズ(末柄里恵、田所あずさ)
M12:夢色トレイン(麻倉もも)
M13:恋のLesson初級編(Machico)
M14:ハッピー☆ラッキー☆ジェットマシーン(渡部優衣)
M15:おとなのはじまり(夏川椎菜、麻倉もも、山崎はるか)
M16:自転車(田所あずさ、愛美、戸田めぐみ)
M17:MEGARE!(大関英里、藤井ゆきよ、小笠原早紀)
M18:風花(Machico、末柄里恵)
M19:またね(山口立花子、渡部優衣、村川梨衣)
M20:Smiling Crescent(麻倉もも、小笠原早紀)
M21:夜に輝く星座のように(渡部優衣、村川梨衣)
M22:WHY?(山口立花子)
M23:ドリームトラベラー(大関英里、藤井ゆきよ、戸田めぐみ)
M24:たしかな足跡(山口立花子、Machico)
M25:Blue Symphony(麻倉もも、田所あずさ、末柄里恵)
M26:Get My Shinin’(戸田めぐみ)
M27:bitter sweet(末柄里恵)
M28:Catch my dream(田所あずさ)
M29:流星群(愛美)
M30:Melody in scape(大関英里、戸田めぐみ)
M31:フローズン・ワード(藤井ゆきよ)
M32:ココロがかえる場所(渡部優衣、藤井ゆきよ)
M33:Welcome!!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)
M34:Thank You!(THE IDOLM@STER MILLIONSTARS)

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