REPORT
2016.03.09
正直歌詞があがってきたときはちょっと涙が出ました
――それはうれしいですね！ 作品に想いを馳せながら歌ったということでしたが、レコーディングで印象に残っていることは？
羽多野 実は「Hikari」のときは作曲の永谷（喬夫）さんにお会いできなくて、今回初めてレコーディングに来ていただいて、ディレクションしてくださったんですよ。だから「どういう想いでこのメロディを作ったのか？」「どういうふうにボーカルを表現してほしいのか？」ということをわかりやすく言ってくださってありがたかったです。初めてだったのに初めてじゃないような感じというか（笑）。
――やっぱり「Hikari」を歌ったからこそ作品を通して繋がった感がありますね。
羽多野 実際クールで疾走感がある「Hikari」があったからこそ「Rolling life」を歌うことができたのかなと思います。歌入れもやりやすかったですし、永谷さんの曲は学生時代からずっと聴いていたというくらいJポップの世界では第一線の方なので、こちらも硬くなりそうなものですが、逆に優しくアドバイスしてくださって楽しくレコーディングさせていただきました。
――曲調的にも楽しく歌った方が雰囲気にあっていますよね。
羽多野 シリーズ的にはむしろクールでかっこいい曲のイメージがあるんですが、だからここにきて「新鮮な楽曲だな」なんて思いましたね。皆さんにもいろんな未来を想像していただいて、僕ら演者陣は「またやりたいね」なんて言ってるのでぜひ応援し続けてほしいです。
――そして3曲目「わすれもの」。こちらはいかがですか？
羽多野 毎回3曲目は自分自身が「こういう歌を歌いたい！」と言ってオーダーをして、それに沿って作ってもらっているんです。以前アルバム『W』でARCHITECTさんというアーティストの方に「君がいるセカイ、君のいない世界。」という曲を作っていただいたんですが、今回はちょっとわがままを言って、その方にもう一度違うテーマで書いていただきました。前回はいわゆる“人間と、画面の中の女の子”という“叶わない恋”がテーマだったんですが、今回はリアルに“初恋の女の子に好きって言えないまま叶わなかった恋”を書いていただきました。
――ああー、リアルに心が痛いやつですね（笑）。
羽多野 久しぶりに再会した幼なじみの初恋の女の子が見違えるようにきれいになっていたけど、もう恋人がいたりとか、それで自分の想いを飲みこんで純粋に彼女の幸せを願うという。もしかしたら聴いてくださっている男性の中にはそういう経験したことあるよ！っていう方もいらっしゃるかもしれません。
――初恋は実らないと言いますからね。
羽多野 そうですそうです（笑）。それをもうめちゃくちゃおしゃれに書いてくださいとお願いして、正直歌詞があがってきたときはちょっと涙が出ました。本来なら悲しいお話なので僕は「バラードがいいですかね？」って相談していたんですが、それをまたARCHITECTさんならではの表現で、「いや、逆にアップテンポのほうがいいんです」って。
――明るいほうが実は泣けるというのはたしかにありますね。
羽多野 だから、最初聴くと幸せな恋人同士の曲なのかな？ なんて思うかもしれませんが、歌詞を読んでいただくと「かなっとらん！」となるかもしれません。実はお芝居としてキャラクターを表現するとき、僕がすごく得意としているキャラクターなんですよ。
――言い方はアレですが、いわゆるヘタレキャラと言いますか。
羽多野 そうなんですよ、かなわないって結果があって、それについてもやもやもやもやするという。でも若さゆえに走り出してしまうみたいな。
――そういう意味では声優・羽多野 渉として演じながら歌で表現する部分でもありますね。
羽多野 しかも曲自体も冒険してくださって、一番はまるっとアコースティックで二番から楽器が入ってくるという、なかなか表題曲ではできない冒険をしています。本当にいろんなギミックが入ってるので、今までの僕の音楽を聴いてくださってる方なら間違いなくハマってくれるんじゃないかなと。
――そんな2016年の1stリリースを引っ提げて、今年はどんな年になっていくのでしょうか？
羽多野 昨年1年間はとにかく歌にまつわる仕事が自分の中で多かった年という想いがあったんですけど、マネージャーいわく「2016年はもっと多いんじゃないかな（笑）」と。いち声優・羽多野 渉が表現できるいろんなものを使って少しでも進化していけるように、音楽の表現というものを楽しんでいければいいかなと思っています。やっぱり自分のいただいた楽曲は本当に宝物ですし、ライブ1回ごとに少しずつ歌の表現が上達するように頑張りたいです。今現在予定されているだけでも皆さんの前で歌を歌う機会は多いと思いますので、ぜひ気軽に観に来ていただきたいです！
★次のページには「運命のCoda」のMV撮影現場の密着レポートを掲載！
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