REPORT
2016.03.06
『アイドルマスター SideM』のCD「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE 07&08」発売記念イベントが3月5日、都内某所で行なわれた。
イベントにはユニット「彩」より華村翔真役のバレッタ裕、猫柳キリオ役の山下大輝、清澄九郎役の中田祐矢、ユニット「FRAME」より握野英雄役の熊谷健太郎、木村龍役の濱健人、信玄誠司役の増元拓也が参加。
6人ともアイマス関連イベントへの出演はこれが初めて。リリイベではラジオ「アイドルマスター SideM ラジオ 315プロNight!」のパーソナリティ陣が持ち回りでMCを担当しているが、今回は柏木翼役の八代拓が初リリイベMCに挑戦した。
トークコーナーでは「出張版・理由あってハードル」として、元落語家・猫柳キリオにちなんだ大喜利に挑戦。「今流行りのメルヘンチックな茶道、どんな茶道?」のお題には「お客さんが全員ドレス!」「主催者が魔法少女☆清澄」「お茶菓子がマカロン」、「消防士カルタ、も、からはじまるのは?」のお題には「もっと熱くなれよ!」「無問題!」「もうやるしかない!」といった具合だ。とはいえ今回の大喜利は、八代のストライクゾーンがどこにあるかが肝だ。中田の「みんなもふもふえんの格好」「もふもふえん!」といった回答に(もふもふえんが好きなので)でれっとして座布団を大盤振る舞いする八代だが、FRAMEから「それどうなんですか!」と抗議が上がるの声が上がると「じゃあ彩から一枚没収」としたりと、八代の自由な審判っぷりに翻弄される6人だった(結果は引き分け)。
客席を巻きこむ楽しさと雅さ、リアルヒーローの雄々しさ
彩のオープニングステージは「喝彩!~花鳥風月~」。会場に紫のライトの中にぼわっと浮かび上がる着物姿の3人。祭り囃子の中現れた3人がぱっと扇子を広げるとステージに花が咲いたようなあでやかさだ。中田の丁寧にメロディを押さえる歌声、山下のキリオっぽさを限界まで追求した歌い方、そしてバレッタの力強さの中に華のある歌唱とそれぞれの色がはっきりしているのが印象的だ。「そいやさー!」「わっしょい!」と客席を巻き込んでいく明るさ・楽しさと、重なりあう歌声が紡ぐ雅さが両立しているのが彩らしさだろうか。扇子で顔を隠しての雅びにキメる溜めがあるからこそ、そのあとの「彩!彩!彩!」「ワッショイワッショイ!」とエンドレスで畳み掛けていくクライマックスが際立つように思った。歌い終えた山下は「たくさんのパワーがあるとこんなに盛り上がるなんて!」と感動の面持ちだった。
彩は後半ステージでは「和風堂々!~WAnderful NIPPON!~」を披露。客席と中田山下の「セイッ!セイッ!」の声にバレッタが「イヨォー!」の見栄で返し、全員揃って「和ォ!」「彩高!」でキメる掛け合いがあまりにも楽しすぎるステージだ。途中中田と山下が両手で門を作ってバレッタがくぐる振付があるのだが、アメリカ出身のバレッタは180cmを超える長身。やや小柄な山下がぴょんっと飛び跳ねてバレッタの頭の上に手を届かせる演出がかわいく楽しかった。元々台詞や掛け合いが多く、キャラクター性がはっきり出た楽曲だが、たとえばキリオが眠りそうになるところでは山下が本当に眠ってしまいそうな仕草を見せたりと、視覚の情報が加わることでより物語感が増していた。
FRAMEの一曲目は「勇敢なるキミへ」。熊谷が「ニチアサ感!」と表現していた通りヒーローソング感のある楽曲だが、個人的には歌い出しから全部持って行ってしまった感があったのが増元拓也だ。力強い歌声にくっきりとメリハリが効いた感じは東映メタルヒーロー感がバリバリで、CDより明らかに味付けが濃い。低音が増元、高めの音が熊谷と濱という編成なので、これぐらいの方がバランスとしては好ましいかもしれない。正統派ヒーロー感ある歌声の熊谷の見せ場は間奏の殺陣っぽい動きで、よく足の上がったハイキックには歓声が上がった。では濱は…といえば、これはもうその笑顔に尽きる。楽しい感情があふれだすようなにっこにこの笑顔のまま歌い続けているのは笑顔の才能だと思わされた。
FRAME後半ステージは「MISSION is “ピースフル!”」と客席と唱和しての「MISSION is ピースフル!」。タイトルの響きの通り、3人が肩を組んでリズミカルに左右に身を揺らす振り付けはピースフルかつハッピー。片足でトントンとハネたり、変身ポーズを入れてみたりと、リズムに乗った楽しい動きが多いのが印象的だ。「世界はひとつじゃないから争いもするけど」から始まるソロパートでは濱の歌声が澄み切った感じできれいで、トークパートでのコミカルな感じとのギャップに驚いてしまった。ラストの「ピースフルなHarmony!!」で3人が揃ってピースサインを掲げる振りは、いつか大きな会場のライブでたくさんのピースが咲く光景を見てみたいなと感じるものだった。
ステージラストはもちろん全員揃っての「DRIVE ALIVE」なのだが、ちょっと面白かったのが八代の存在感。過去のステージに参加したドラスタ組MCの仲村や内田は、その熱さや動きの全力さで、一人だけどドラスタもいるぜ!という感じで存在感を放っていたのだが、八代は柳に風というか、そこにいるのが当然ですよー、という感じ。だが彩とFRAMEという際立った個性の中で八代がスラっとした身体でスマートに踊っていると、ステージの7人が自然に馴染んで一体感やチーム感が感じられるようで、とても興味深かった。
締めの挨拶では初ステージに立った熊谷が「スターティングラインから踏み出す初めての一歩を見届けてくださって、本当にありがとうございました!」と感謝を語り、『SideM』の最初のステージから走り続けてきた八代が「すごく刺激をもらいました。これからも一緒に戦っていく仲間であり、ライバルであれたらと思います」と返す。お互いに刺激を与えながら走っていく彼らのこれからを見てみたいと感じさせられるやりとりだった。
Text By 中里キリ
「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE」0708 発売記念イベント
3月5日(土)都内某所
<セットリスト>
01.喝彩!~花鳥風月~ 歌:彩
02.勇敢なるキミへ 歌:FRAME
03.MISSION is ピースフル! 歌:FRAME
04.和風堂々!~WAnderful NIPPON!~ 歌:彩
05.DRIVE A LIVE 歌:全員
SHARE