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INTERVIEW

2016.02.13

内田 彩、コンセプト・アルバム2枚同時リリース!アーティスト活動の深化を語るロング・インタビュー【後篇】

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『Bitter Kiss』『Sweet Tears』と2種類のコンセプト・アルバムを同時にリリースする内田彩。エレクトロ・ポップで構成された『Sweet Tears』は歌詞の物語も音作りにおいても今の彼女ならではの姿が強く表れた形に。充実のレコーディングから彼女はさらなる一歩を進む。

前回のロング・インタビュー【前篇】に続き、【後篇】をお届けする。

声優だからこそ、加工した声を音として使う

――エレクトロ・ポップのサウンド・デザインで構成された『Sweet Tears』はどんなテーマで構成されましたか?

内田 彩 バレンタインをテーマにした歌詞ということで恋愛の曲が集まりましたし、音もすごくかわいらしいイメージですね。自分の中でも勝手にスイートでかわいらしい感じと決めていたんですけど、“リードを外して”とか“笑わないで”とかでも歌詞をよく読むと、恋愛なんだけど必ずしもハッピーなだけではなく、切ない部分もあったり“Tears”な部分もあって、単に“Sweet”一辺倒では終わらせたくないなと。そこで表裏一体な感じで逆の印象を出すタイトルにしました。ですので、歌う時もそんなに感情を込めすぎないことを心がけました。

――エレクトロニカを聴くのは以前からお好きだったそうですが、このジャンルの魅力は内田さんにとってどのように映りますか?

内田 ストーリーはもちろんあるんですけど、深く情感の方にはいかず、同じフレーズが回っていて何をしていてもずっと頭の中で回っているというイメージですね。『Bitter Kiss』のほうだとすごく気持ちを持っていかれたりとか、演奏の音に感情が向いたりするのですが、こちらは機械的なイメージで歌い方も可愛らしい感じです。

――今回はご自身の声を加工されて使われていますが、それは声優としてどんな思いでしょうか?

内田 声を加工するというのは私から提案させていただきました。声優だからこそ自分の声を使ってお仕事にしたいと思っているので、自分の声を音として使ったらどうなるんだろうなと思って。実際に使われたものを聞いてみたら、意外と悪くないんじゃないかなと思ったので、これからもっと私の声を切って貼って作る面白い曲が今後できたらいいなと思います。ライブで歌うときには加工していない声で歌うこともできますし、いろんな表現の楽しみにも繋がるのではないかなと思いました。

――『Sweet Tears』のリード曲である「Floating Heart」はどんな曲でしょうか?

内田 候補曲のなかから決めたときにはこの曲をリード曲にしようと決めていました。2ndアルバムに収録させてもらった「with you」を作曲されたhisakuniさんの曲なんですけど、「with you」からの流れで、あの物語に登場した女の子の恋が実ってドキドキフワフワしているという曲なので、すごく繋がりがいいというか、「with you」みたいな曲をいっぱい集めたアルバムだよというのを象徴してくれる曲になっています。一度「with you」の世界を自分で経験してそのまま続きだったので、気持ちの上でもその延長にあります。歌詞の中にも同じ単語が出てきたり、「with you」にあったものがこういう形になっているという、ドラマを演じてその続きを表現するような感じですごく楽しかったです。

――「Floating Heart」のMVはどんな感じになりましたか?

内田 “パレイドにピリオドは無い”という歌詞があるように、幸せなでキラキラした気分がずっと回って続いてほしいなというイメージの曲なので、本物のメリーゴーランドがある山梨県の清里村の「メリーゴーランドカフェ」という場所で撮影していただきました。夜にライトアップして撮影したのですが、ちょうど雨が降って水滴がキラキラしてすごく綺麗に撮れています。撮影中は凍えるほど寒かったのですが(笑)。あと、アルバムジャケットみたいなシーンを入れたいと私が言って、小屋みたいなものを作っていただいて、今までより女の子らしいイメージになっています。

自分にいちばん近い作品にできたアルバム

――収録を終えてそれぞれのジャンルを1枚にまとめた現在、どんな思いですか?

内田 2ndアルバムのときは1曲ずつしか選べなかったけど、こんなにいい曲があったんですよ、私のソロ活動のチームの人たちはこんなに素晴らしい楽曲を用意してくれていたんだよって、見せつけるような気持ちです(笑)。もともと自分からこういう曲調をやりたいと言ったのですごく楽しかったですし、みんなにとってはあらたな私を、私にとってはずっと好きだったものに出会うきっかけになったんじゃないかなと思います。その1曲1曲も自分の想像を超えるような作りで、歌った後もいろんなミックスをしていただきましたし、ほかにも歌詞とか写真とか、誰かひとりがこうしなさいといってできたのではなく、関わってくれたたくさんの人が少しずつ作ってくれてそれがまとまって素敵な1枚になりました。その過程もすごく楽しかったので、その思いの端々が皆さんに伝わる楽しいアルバムになったんじゃないかなと思います。

――内田さんのアーティスト活動のなかでこの2枚はどんな位置づけとして捉えていますか?

内田 自分にいちばん近いところにあると思います。元々好きだったので、こういうのをやりたかったとパッとわかりやすく出せたんじゃないかなと。コンセプト・アルバムとは言っているけども、私がソロでやりたかったことに変わりはないので、より私に近いものだと思ってもらえたらうれしいです。

――内田さんの音楽活動の中においてライブはもはや不可欠なものとなっています。このアルバムを引っ提げてライブをした場合、非常にコンセプチュアルなものになりそうですね。

内田 そうですね、元々、物語とか作品が好きでこういう仕事をやりたいなと思ったので、こんな風に世界を作ったりストーリーを感じられるものが好きなんです。今までは1st、2ndアルバムでいろんな曲があったので、ライブも一部と二部に分けて、バンドでやれる曲と演出ありきな曲で構成していたんですけど、今後これらの曲を足したらひとつまるまるバンドでやるライブとか、かわいらしくやるライブとかいろいろできるので、そういったライブ演出とか作り方についても凝っていけたら楽しいんじゃないかなと思います。

INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉


●リリース情報
『Sweet Tears』
2月10日発売
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【CD+DVD】
価格:¥3,000+税
品番:COZX-1124-5
【CD】
1. Floatinh Heart
2. color station
3. リードを外して
4. 笑わないで
5. Sweet Dreamer
6. Party Hour Surprise!
【DVD】
「Floating Heart」ミュージックビデオ
ミュージックビデオ メイキング映像

『Bitter Kiss』
2月10日発売
int-1602102200-c002

【CD+DVD】
価格:¥3,000+税
品番:COZX-1126-7
【CD】
1. afraid…
2. シリアス
3. MELODY
4. キリステロ
5. Rudy eclipse
6. 絶望アンバランス
【DVD】
「afrain…」ミュージックビデオ
ミュージックビデオ メイキング映像

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