REPORT
2016.01.08
昨年末の12月20日、“プリパラ クリスマス☆ドリームライブ”が開催。TVアニメ『プリパラ』単独としては初となるクリスマスイベントは、作中のステージのような円形のセンターステージを持つ舞浜アンフィシアターにて開催。その地の利を活かし、作品の世界観をこれ以上ないまでに、現実のものとして私たちに届けてくれた。
まずは第1シーズンにてEDテーマを担当していたPrizmmy☆が登場。1ブロックずつのソロダンスに続けて、1stEDテーマ「Jumpin’! Dancin’!」を披露。オープニング・アクトとしての出演ではあるが、前述のソロダンスや大サビ前間奏のパフォーマンスのキレは抜群。さらには円形ステージの端ギリギリまで飛び出して観客をノセまくるみあを筆頭に、気持ちよく観客を煽っていく。そして2016年1月からの新EDテーマで『プリパラ』へのカムバックが決定したことを発表すると、その新曲「LOVE TROOPER」を早くも披露!ちょっとシャープで切ないメロのこの楽曲が、本編の展開とどうリンクしていくのかも楽しみなところだ。
そして、これまでの本編内でのプリパラライブを散りばめたイベントOP映像に続き、センターステージからそれぞれ演じるキャラの衣装を身にまとったi☆Risがリフトアップで登場。アニメ同様、イベントも「ブライトファンタジー」から幕を開ける。誰を見ても納得の安心のステージングなのだが、やはり座長・茜屋日海夏の気合いの入り方の違いを感じる。とにかく最初から120%全開で、キレのレベルが全然違ったように感じられた。
キャラ同様、個性のぶつかり合うトークパート
ここでメインキャストの6人(真中らぁら役:茜屋日海夏、南 みれぃ役:芹澤 優、北条そふぃ役:久保田未夢、東堂シオン役:山北早紀、ドロシー・ウェスト役:澁谷梓希、レオナ・ウェスト役:若井友希)に加えてこの日出演のキャスト5人(黒須あろま役:牧野由依、白玉みかん役:渡部優衣、緑風ふわり役:佐藤あずさ、黄木あじみ役:上田麗奈、赤井めが姉ぇ役:伊藤かな恵)の全員が登壇。それぞれ自己紹介を行う。11人もの大所帯だが、それぞれのキャラを交えた挨拶は観客をまったく飽きさせない。本編シナリオ内でみれぃの“語尾”が邪険に扱われている芹澤はここぞとばかりに全力で「ぷり」を主張したり、牧野がひと通りあろまとしてセリフをやりきったあとに即素に戻ったりと枚挙にいとまがないほど。そんな中、特にキャラ同様強烈な個性を発揮してくれたのが、上田。久保田がそふぃとしてクールに挨拶を決めたところでステージ上でシビれたりと様々なリアクションを見せつつ、いざ自らのターンになるやいなや即フルスロットルに。完全にあじみ先生が乗り移っていた上田はウルトラハイテンションのまま挨拶を畳み掛け、その後もノープランでセンターステージに飛び出したりとのっけからフリーダム。これには芹澤も「すごいのいたわ」と白旗を上げる。そんな、去年とは違うカオスな空気のステージだが、それを見やる茜屋の表情からは笑顔が絶えることはない。眼前に出来上がったこの楽しすぎる空間をいちばん喜んでいるのは、間違いなく彼女だろう。
自己紹介がひと段落したところで、そのままクイズコーナーがスタート。出演者を“癒やしのらぁふれ”チーム(茜屋・佐藤・若井)、“シオみれ・み・め”チーム(山北・芹澤・渡部・伊藤)、“アロマゲドロシーフラッシュールレアリズム”チーム(牧野・澁谷・久保田・上田)の3チームに分けて「シアターライブ スイッチオ~ンクイズ」と題した三択早押しクイズを開催。センターステージにただひとつ置かれた“ドリームスイッチ”までダッシュして、押せたチームに回答権が付与される、というものだ。各チームの代表ひとりずつ・計4問で争われたが、不意にコケた牧野が女の子座りの姿勢できれいに膝スライディングを決めてしまったり、「癒やしとかいいから」と本気モードのような口ぶりだった澁谷が、出題後はスーパースローでスタートするという大ネタを仕込んだりと、笑いが尽きない。そんななか、神がかり的だったのは3問目。最初にボタンを押した佐藤が不正解した隙に、すかさずボタン横にいた久保田がスティール。自信満々で回答するもこちらも不正解で、渡部に正解をかっさらわれてその場に崩折れるという、鮮やかに爆笑をさらっていくこのコーナーのハイライトが展開されていた。
そのドタバタを制したのは“シオみれ・み・め”チーム。残り2チームには“クジ引きで出たキャラのモノマネを全力でする”という罰ゲームが執行されることになり、代表して若井と澁谷の双子コンビが挑戦することに。まず若井が引き当てたのはあじみ。センターステージで全力の「ダダダヴィンチ!」を披露していると、それを見ながらうしろからオーラを送っていた上田がなぜか途中から合流。“ご本人様登場”での夢のセッションを見せていた。
初披露楽曲の連発に、高まり続ける会場!
さて、この日のバラエティコーナーはここまで。夢のライブパートが、まずは「でび&えん☆Reversible-Ring」から再スタートする。実はアロマゲドンが揃ってのステージはこの日が初であり、曲前には「初陣である!」と牧野が高らかに宣言。ファン待望のふたりのステージ、振付の再現はもちろんセンターステージまで出ての接近や、ステージ後方のモニターに映し出されたメイキングドラマへの生アテレコなど、ファーストコンタクトにして贅沢すぎる内容に。続けてリフトアップで登場したSoLaMi♡SMILEが合流し、「ラッキー!サプライズ☆バースデイ」へ。誠実にアニメが再現されたステージで、センターをとるあろまが「ハッピーバースデー!」と会場中から“呪われる(=祝福される)”光景、『プリパラ』ファンなら感涙モノだろう。さらに今度はそふぃだけが残り、“そふぃ様モード”でMCを展開。そのまま披露した「太陽のflare sharbet サクラシャワーver.」ではダイナミックかつセクシーにファンを魅了し、バックに流れるアニメ映像を超えるかのようなキレのあるパフォーマンスを見せてくれた。
と、ここで空気が一転。センターステージにせり上がりで登場したのは、(書き割りの)ヤギさんを連れたふわり。「コノウタトマレイヒ」を軽快なステップとともにかわいらしく歌う。楽曲中、ふとヤギさんとともにステージ前方へ散歩しだすふわり。そこにヤギを残すとステージ自体がゆっくりと回り始め、歌い踊るふわりの周りを駆け回るという劇中のライブと同じパルプスの野原をほうふつとさせる演出が。その表情も、初ステージを踏んだ今夏のちゃおフェスよりもさらに柔らかくなり、会場中を癒やしの空気に包む。
その空気を一変させるがごとく「絶対生命final show女」のイントロとともに、東堂シオン、颯爽登場!持ち前の歌唱力にくわえシオンとしての安定感がとてつもない彼女は、凛とした表情でステージの縁を一周。サビでのキックの振付も相まって、ロックに会場を魅了する。そして会場をとりこにするという意味では引けを取らなかったのは、やはり続くあじみ。再びフルスロットルのMCで登場した彼女は、そのテンションのまま「パニックラビリンス」へ。大変な譜割りに負けない全力感は一挙手一投足から伝わるもので、最初はただただ圧倒されていた観客をそのパフォーマンスがどんどん束ねていく。最後には、客席は曲前に彼女がお願いしたサイリウムの色に染まるという一体感を見せ、とてつもなく濃くて厚い3分半を、彼女は駆け抜けていったのだった。
ただの不意打ちではない、アニメの世界を再現したうえでのサプライズに拍手!
ここで一旦来春公開の劇場版のCMが上映されるが、これはここからはじまる怒涛の展開の前の束の間の休息にすぎず、かつその序章でもあった。なぜならそのCMの流れるメインモニターの下のゲートに、ドレスアップしたひとりのボーカルドールの姿が現れたからである。そう、ファルル(赤﨑千夏)がサプライズゲストとして登場!しかもそのまま「0-week-old」の披露へと繋がり、客席は湧き上がり一瞬にして緑に染め上げられた。その光景を目にしながら、華麗なこの曲を穏やかな表情で歌い上げながら、センターステージへと歩を進める彼女。キャラと曲調にマッチしたパフォーマンスで会場のボルテージを高める。それが爆発するのが、続く「トンでもSUMMER ADVENTURE」だった。1サビ明けの2人・3人に分かれてクロールで前後するコンビネーションは見事だったし、その他のパートもフォーメーションを含めアニメを忠実に再現する。と、センターステージに移って披露したDメロ明け、天から羽根が降りてきた!そしてそれを身につけた彼女たちは、「サイリウムエアリー!」の掛け声とともにフライング。開演前に、ドレッシングふらわーがチャームベルを鳴らす光景が現実のものとなることを予想できた者はどれだけいただろうか。最後もアニメ通りのフォーメーションでチャームベルを鳴らして締め。想像の斜め上を行くステージングに、どこか会場には大団円感も漂う。
しかし、ここでまだまだ二の矢三の矢を繰り出してくるのが、『プリパラ』でありこの“ドリームライブ”。その大団円感を打ち破るかのように、メインモニターには怪盗ジーニアスこと紫京院ひびきが登場。本編でもドリームチームのコーデを奪いに来る彼女が、それを現実へも持ち込まんとするかのように、ゲートの奥に登場。ひびき(斎賀みつき)降臨、である。女子の黄色い歓声がアンフィシアターにこだまするなか、「純・アモーレ・愛」で『プリパラ』ファンを男女問わず魅了し尽くす。メイキングドラマ前に入れた一瞬の「フッ」という笑みも、また彼女らしくてかっこいい。いつしか会場は紫の光で埋め尽くされていた。
……とくれば、黙っていないのがプリパラポリス。らぁら・ドロシー・みかんが彼女を追いかける。が、声はすれどもステージに3人の姿はなく、会場をくまなく見回すと客席通路の上手端に3人の姿が!怪盗ジーニアスが客席に紛れていないか、下手端まで通路を駆け抜けながらくまなく視察(=ファンと目線を合わせる)。そのまま「ぱぴぷぺ☆POLICE!」の披露へと移ったのだが、再現度の高いこのライブの中でもこの3人の息の合い方はピカイチ!キレのあるらぁら・ドロシーのダンスに、天真爛漫さとダイナミックさを兼ね備えたみかんがついていく構図、最高すぎた。
怒涛のライブパートが終わり、サプライズゲストのふたりも交えて全キャストが再登壇。「らぁら1周年記念イベントで『0(ゼロ)-week-old』を歌わせていただいて、今度は『0(ラブ)-week-old』を披露できるとは夢にも思いませんでした!(赤﨑)」「この中でかなり毛色が違うのに、お兄ちゃんたちも盛り上がってくれてありがとね!みんな乙女の心持ってるんだね!(斎賀)」と改めて挨拶もあったところで、ミュージカル・ゲームの告知、そして新情報としてプリパラ3rdシーズンの放送が発表に!歓喜に湧く客席。が、その一方で、登場が確定しているのがらぁらだけという状況に自分の3rdシーズンの出演を心配しだすキャスト陣(※茜屋以外)。そして予告映像でチラッと見えた赤ん坊のようなシルエットにインスピレーションを受けた上田が泣き声を披露し出し、「女の子よ!」と佐藤も劇中のふわりの台詞で便乗。役者ならではのアドリブチームワークで、会場に笑いを巻き起こしていった。
そんなライブとトークがギュッと凝縮されたステージも終幕が近づく。息もつかせぬステージを展開してくれたキャスト陣からそれぞれ改めての挨拶。「フライング、袖から見て拍手してました!どんどんバージョンアップしてすごいな、と思います!」とステージを絶賛した伊藤から始まり、順に感謝を述べていく。上田もここでようやく素のテンションで喋り始めるも最後に再びあじみが“降臨”。すると隣にいた斎賀にもひびきが乗り移り「語尾やめろ!」と叱り飛ばすといういいコンビネーションを発揮。さらに「泣きそうです。みんなと一緒にこうやって出られて幸せでした!」と佐藤が涙ながらに続け、「皆さんがたくさん声をかけてくださったおかげでなんとか乗り切ることができました。まだまだあろまや『プリパラ』のみんなと一緒に盛り上げていきたいので、応援してくれるとうれしいです!(渡部)」、「今回、初めてシオンのソロ曲をこんな素敵な、緑一面のアニメと一緒のステージで歌えたことが何より楽しかったです!(山北)」などと続き、最後に茜屋からの挨拶。
「本当に忘れられないプリスマスになりました。最初の頃はがむしゃらにキャラソンを一生懸命歌ってたんだけど、気づいたらこんなに仲間が増えて……アニメと同じ流れでこんなに楽しいライブができるようになるなんて想像もしてなかったので、本当にうれしくて。また応援を受けて『プリパラ』はどんどん新しいことに挑戦してまだまだ盛り上がっていくと思うので、今後もよろしくお願いします!」
まだ見ぬ未来へ、レッツゴー・プリパラ!
さて、フィナーレへ向かってステージもラストスパート。まずは今のストーリーや3年目という未来へも繋がる「Realize!」を、SoLaMi Dressingの6人が披露。そして最後にプリパラ ドリーム☆オールスターズによる「レインボウ・メロディー♪」で、アニメ通りのエンディングを迎える。Bメロに訪れるそのキャラ同士ならではの掛け合いに改めてグッと来つつ、サビを締めるシリーズを通じたらぁらからのメッセージ「夢はかなっちゃうよ」のひと言も、いい笑顔で届けていた。
歌唱後はひと足早いクリスマスプレゼントとして、サインボールが客席へ投げ込まれる。山なりのボールからストレートまで、ここでも個性豊かなキャスト陣。中でも野球好きの渡部のボールは、なかなかのクオリティのストレート。
参戦された方は、本稿を呼び水として改めて“何があったか”を思い出した方もいるのではないだろうか。それほどまでに、特に後半部にサプライズが連発してきたワクワクだらけのイベントだったし、そう感じさせたのもアンフィシアターを完全にドリームシアターと化させたすべてのスタッフ・出演者の尽力の賜物だった。
この日発表があったように、ますますその世界が広がりゆく『プリパラ』。このドリームライブからは、“神アイドル”を目指すらぁらたちとともに、アニメでも現実のステージでも一切妥協せずに“神作品”を目指していく――そんな『プリパラ』チームの意志も感じさせられる、完璧なイベントだった。
Text by 須永兼次
“プリパラ クリスマス☆ドリームライブ”
2015.12.20@舞浜アンフィシアター
【出演者】
茜屋日海夏(真中らぁら役)
芹澤 優(南 みれぃ役)
久保田未夢(北条そふぃ役)
山北早紀(東堂シオン役)
澁谷梓希(ドロシー・ウェスト役)
若井友希(レオナ・ウェスト役)
牧野由依(黒須あろま役)
渡部優衣(白玉みかん役)
佐藤あずさ(緑風ふわり役)
上田麗奈(黄木あじみ役)
伊藤かな恵(赤井めが姉ぇ役)
【サプライズゲスト】
赤﨑千夏(ファルル役)
斎賀みつき(紫京院ひびき役)
【オープニングアクト】
Prizmmy☆
【MC】
吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
【SET LIST】
●オープニング・アクト映像
M1.Jumpin’! Dancin’!/Prizmmy☆
M2.LOVE TROOPER/Prizmmy☆
●オープニング映像
M3.ブライトファンタジー/i☆Ris
●MC・クイズコーナー
M4.でび&えん☆Reversible-Ring/アロマゲドン(cv.牧野由依&渡部優衣)
M5.ラッキー!サプライズ☆バースデイ/そらマゲドン・み(cv.茜屋日海夏&芹澤 優&久保田未夢&牧野由依&渡部優衣)
M6.太陽のflare sherbet サクラシャワーver./北条そふぃ(cv.久保田未夢)
M7.コノウタトマレイヒ/緑風ふわえい(cv.佐藤あずさ)
M8.絶対生命final show女/東堂シオン(cv.山北早紀)
M9.パニックラビリンス/黄木あじみ(cv.上田麗奈)
M10.0-week-old/ファルル(cv.赤﨑千夏)
M11.トンでもSUMMER ADVENTURE/ドレッシングふらわー(cv.茜屋日海夏&佐藤あずさ&澁谷梓希&若井友希&山北早紀)
M12.純・アモーレ・愛/紫京院ひびき(cv.斎賀みつき)
M13.ぱぴぷぺ☆POLICE!/らぁら&ドロシー&みかん(cv.茜屋日海夏&澁谷梓希&渡部優衣)
●MC
M14.Realize!/i☆Ris
M15.レインボウ・メロディー♪/プリパラ ドリーム☆オールスターズ(茜屋日海夏&芹澤 優&久保田未夢&山北早紀&澁谷梓希&若井友希&牧野由依&渡部優衣&佐藤あずさ&上田麗奈&斎賀みつき)
●グランドフィナーレ
●イベント情報
ライブミュージカル「プリパラ」み~んなにとどけ!プリズム☆ボイス
2月4日(木)~7日(日)8st
会場:Zeppブルーシアター六本木
詳しくはこちら
映画「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」
3月12日全国ロードショー
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