INTERVIEW
2015.12.04
小南さんの曲に女を感じるのは、私も実は同じ感情を持っているから(LiSA)
小南 「リスキー」の歌詞を読んで、どこまでが実話で、どれくらい男の子を手のひらで転がしたり転がされたりしたんだろうって思ったんですけど、実際どうなんですか?
LiSA んーっと……(苦笑)……。
小南 それとも、歌詞って全部妄想ですか?
LiSA 妄想です。
小南 じゃあ、「リスキー」のテーマが恋愛になったのはどうして?
LiSA 小南さんの曲を聴いたり歌唱されている姿を見ていると、いつもギリギリで戦っている感じ、いつか死んじゃうんじゃないかって思うくらいの空気を感じて、「リスキー」という言葉が似合うと思ったんです。で、この「リスキー」という言葉をわかりやすく表現できるテーマが恋愛だったんですね。私、基本的に恋の歌ってすごく苦手なんですよ。自分をさらけ出すというよりはかっこよく見られたいから、歌詞も一人称を“僕”にして、女の人だけでなくみんなに届くような曲を作りたいタイプで。でも、この「リスキー」だったら堂々と恋について書けるのかなと。
小南 私も自分のことを“私”って歌うのが恥ずかしくて、いつも“僕”とか“君”を使ってますよ。特に恋愛のことを歌うときはそうですよね。今回、ご一緒するにあたりLiSAちゃんの岐阜時代の音源まで遡って聴いたんですよ。
LiSA あはははは(笑)。掘りましたねぇ。
小南 そこからLiSAちゃんってすごいどんどん変わっていったんだろうなって。バンドやGirls Dead Monsterを経て、ソロでいろんな経験をして、すごく悦な感じの歌詞を書いたり女性の毒を歌ったり、ギリギリな恋愛感を歌うようになっていて。でも、たしかにドロドロした恋愛を歌うみたいなイメージはなかったんですよね。
――「リスキー」の歌詞は、LiSAさんのなかでは結構ギリギリの線まで踏み込んだ恋愛ソングだったのではないでしょうか?
LiSA そうですね、はい。
小南 そうだったんですね。(「Empty MERMAiD」の歌詞カードを見ながら)写真も攻め攻めですよね。
LiSA (笑)。小南さんに言っていただいて光栄です!
小南 みんな見るでしょ。ここが……。
一同 (笑)。
――それが最近のLiSAさんのチャレンジといいますか、“女”の部分を歌にするようになりましたよね。
LiSA そうですね、そのへんはカヨコさんとの出会いが大きくて、「DOCTOR」(2ndアルバム『LANDSPACE』収録)の頃からだんだん表立ってきてきた私の一部分なんですけど、彼女の曲自体がすごく女らしくて女性の象徴なんですよ。ダメ男に惹かれるからこその女の魅力だったりとか、そういうものを発見させてもらえて。
小南 ほんとに、彼女はねぇ(笑)、もう、掘れば掘るほど出てくるんですよ。スナックですね、スナック。
LiSA それで「DOCTOR」のようなタイプの曲も、カヨコさんのせいにすれば私も歌っていいんじゃないかと思ってちょいちょいアルバムに入れていたんですけど(笑)、予想以上にみんなに喜んでもらえたんですね。それで、いよいよ「Empty MERMAiD」で毒のある“女の人”をシングル全体で表現しようとなったときに、私のなかで小南さんとご一緒したい気持ちになったんです。
小南 実はそういうふうに言ってもらえるのって、結構初めてで。
LiSA ほんとですか?
小南 LiSAちゃんに私の曲にすごく女を感じたとか女の毒を感じるって言われて、ハッと思ったんですね。そういうつもりで書いたことも全然なかったし、逆に私ってそういう“女の人”を歌っちゃいけないアーティストなんだって、自分で枠にはめてた部分もあったので、すごくうれしかったんですよ。
LiSA 私が小南さんに惹かれたのは、たぶん私自身が思ってることだったり秘めていた感情だったりとかを、素直に歌ってくれていると感じたからだと思うんですよね。それは私が女だから感じることで、小南さんの曲に女を感じるのは、私も実は同じ感情を持っている、この感情を知っているからなんだと思いますね。
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