INTERVIEW
2015.10.16
M-8. here.(「CRブラックラグーン2」テーマソング)
作詞:川田まみ/英訳:セブン-ロン 作曲:中沢伴行 編曲:中沢伴行/尾崎武士
M-9. HOWL(「CRブラックラグーン2」テーマソング)
作詞:川田まみ 作曲・編曲:高瀬一矢
――ここからの2曲は「CRブラックラグーン2」のタイアップで既存曲ではありますが、音盤初収録の楽曲ですね。
川田 楽曲を作ったのは2年前なんですが、これはアルバムに絶対に入れようって話していました。なので「やっと形になりました!」っていうことをファンに言えてすごくうれしいです。パチンコの楽曲なんですが、「here.」がレヴィで、「HOWL」がロベルタの曲で、かなり大当たりしないと流れないらしいんです(笑)。なのでコアなファンの方は「聴きました」って言ってくるんだけど「ああ、当たったんだな」みたいな。音盤で聴けるようになったので、「みんな、当たらなくても聴けるよ!」という感じです。
――(笑)。曲的にはここで一気にハードに寄りますよね。
川田 ミディアムというかストイックな曲が続く中、ここで一気に殺しにかかるパターンですね。2曲で合わさってる楽曲なので、ドドッとお届けしようとこうなりました。私的にけっこう挑戦の2曲で、私の中で「Red fraction」が神だったので、そこに続く曲をということでお話をいただいたときは「恐縮すぎるんですけど!」ってプレッシャーの中で作った曲でした。そのわりにすごく自信作になった2曲でもあるので、早く形にしてお届けしたいという気持ちが大きかったですね。2年かかって念願叶いました。
M-10. Replica_nt
作詞:川田まみ 作曲・編曲:高瀬一矢
川田 これは最初に歌詞を書いた曲で、最終的に作詞からレコーディングまで最初に上がったのがこの楽曲です。このとき私がいちばん闇を抱えていた時期で、タイトルは『ブレードランナー』に出てくる人造人間の意味なんですが、ロボットが人間に近づくのとは逆で人間がロボットになるような、「感情も無くしてロボットになったほうが楽だよな」っていうところに陥っていて、どうしたってこういう歌詞しか書けない時期だったんですよね。
――タイトルだけ見て想像していたより、歌詞の内容がすごく人間的でびっくりしました。
川田 そうなんです。初めて見たとき高瀬さんも引いていて「どうした?」って(笑)。でもここで吐き切ったことで次に行けたところはあります。愛が欲しくてロボットになりきれない悔しさが溜まっているので、タイトルも繋げないで「_」が入っています。
――悩みのどん底から出てきた一曲なんですね。レコーディングはいかがでしたか?
川田 音がすごく低くて歌いづらかったです。なので、最後まで音をいっぱい重ねて、完成は早めだったんですが、その後もオクターブ上とか何トラック録ったか分からないくらい。そのぶんちょっと不思議な感じに聴こえて、面白い一曲に仕上がりました。
M-11. It’s no big deal
作詞:川田まみ 作曲・編曲:井内舞子
――これは一転めちゃくちゃキラキラしたEDMになってますね。
川田 そうです! 一曲くらいはこういう曲が欲しくて。これは実はいつもと違って1番だけ作詞を先にしているんですよ。井内さんが「詞から書いてみない?」って提案してくれて、多少の変更はありましたが、1番のストーリーを作って渡して、あとはサンプル的な楽曲を渡して、そこからメロディを作ってくれました。初めての挑戦で、作詞の際、改めて音からたくさん情報を得ているんだなと感じましたね。物語になりすぎてもいけないし、詞として成立させるのはわりと難しい作業で、勉強になりました。
――そうしてゼロから出てきた歌詞がものすごくリリカルな部分が出ていて、意外と言ったら失礼ですがとても面白いなと思いました。
川田 こういう子なんです、私(笑)。ストイックな楽曲を出していますけど、こういうふわっとした世界観も嫌いじゃないんですよね。あとこの歌詞は先輩のKOTOKOさんの10周年ライブのとき、元々すごく尊敬してる大先輩でプライベートでも飲みに行ったりして助けられていたんですが、彼女が大きな10周年ライブでデビュー曲の「覚えてていいよ」のアレンジを歌ったんです。改めて聴いて「めっちゃいい曲!」とすごく勇気づけられて、私も人に大丈夫だよって思ってもらえるような曲が一曲くらい欲しいなと。そこで私の中で落とし込めるようなそういう勇気を与えるサウンド、歌詞ということでこの曲を書きました。タイトルは「たいしたことないよ」って意味で、私のお父さんの言葉なんですよ。フィーリングが変わっちゃうので(笑)、曲の中ではママにさせてもらいましたが、よくお父さんから言われていた言葉をここに込めました。
<Creater Comment BY 井内舞子>
・アルバム『PARABLEPSIA』制作中の思い出は?
私だけ、北海道に住んでおらず、ミーティングはスカイプ経由で参加、となりました。
まず、その状況が面白かったです。毎回午後4時くらいから始まるので、私の作業部屋に西日がやたらと当たっていた記憶。向こうにあるお菓子が見えるのに食べられないのがちょっと悔しかったかも。
そんなミーティングがこまめにあって、私自身はわりと後から曲を作り始めたのですが、他の人がどんどん曲を作っていく途中経過が聞けるので、なんとなく考えていたテンポやキーや、曲調とかぶる曲が出て来て、「あ、取られた」という感じで‘後出し’の苦しみが少しだけありました。
どのみち同じように作っても違う曲になるので、そこまで悩む必要もなかったと思うのですが。
・ご自身が提供された「PIST」「It’s no big deal」について意識した点、こだわった点などあれば教えてください。
「PIST」
サビの部分がクラブで言うところの「ブレイク」みたいな曲です。締めて締めて、時々フワーーっと、飛んで聴いていただければ。日本語の歌詞が乗りつつ、クラブ感もありつつ、エレキギターも入り(コンセプトなので!)
A→B→サビという王道メロディーの構成を、という何とも欲張りな縛りを勝手に自分に課して、今回の状態になるまで、5曲くらい作り直しました(笑)渾身です。
「It’s no big deal」
「詩先で行きたい」(訳:1から作るのしんどい。ヒントくれ。)という私の勝手な希望を聞いてもらいました。何だかすごくスムーズにメロディーが降りて来たので、PISTのメロディーを5回書き直したのに比べて、「t’s no big deal」はメロディー制作時間30分くらいです。
『PARABLEPSIA』なので、イントロのフレーズが変拍子にして、ちょっとリズムの錯覚が起こるようにしてみました。最初は洋楽っぽくシンプルにアレンジしていたのですが、日本人の性なのか、やっぱりいろんな音を入れたくなって、ニギニギしく、ビートはしっかり、って感じです。
2曲とも私の大好きなエンジニア井野健太郎さんのMIXで、中沢君、まみちゃんと一緒にTDをしました。I’veで最後まで関われた、貴重な2曲です。
・『PARABLEPSIA』の中で印象的な曲は?
「HOWL」は、ミーティングしている、スカイプの向こうでこの曲が流れた時、「なにこれかっこいい!」となって、「もっと聴きたい」と、データを貰いました。この構成、AB Fキー、サビ、Dキーの飛び方、いつか真似したいです。
「Enchantress」は最初に出来ていた兄さんの曲。1カ月、ずーーーっと聴いていて、自分の2曲を作る前からこの曲のメロを全部覚えておりました。このノリ、テンポ。癖になる。
・アルバム『PARABLEPSIA』リリースに向けて、改めて川田まみさんに一言!
まみちゃん、集大成にして新しい1歩なアルバムの完成、おめでとう!!!
TDの後、できたーーーーーーーー!!ってのに立ち会えてうれしかった。
「アルバム出来たね」ビール、美味しかったね!
あーーーーーー。今さらだけど、「E.M.R.」って何だよすげーなおい。
まみちゃん、お疲れ様でしたー!他の仕事もあったのに、歌詞、書きまくったね。よく頑張った。まあ、いろいろあったけど、今回のアルバムは私も深く関わったアルバムでもあるので、出来上がったときはとてもうれしかったです。これからツアーが始まりますね。私も数カ所、ご一緒させていただきますが、今後ともよろしくお願いいたします。
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