ニューアルバム『PARABLEPSIA』発売記念 川田まみ超ロング・インタビュー！

M-6. PIST
作詞：川田まみ　作・編曲：井内舞子

川田　曲名は「ピストバイク」っていうブレーキのない競技用の自転車から取ってるんですが、デモが上がってきた段階で緊迫感みたいなものをすごく感じたので、それを表現できる感覚を考えました。私の中でこの歌詞はライブ前のステージ脇で、真っ暗な中袖から薄ら光があって、声が聴こえてくるイメージです。素敵なステージにこれから出ていくけど成功するだろうか……ってドキドキしている瞬間を表現しました。

――曲の展開も面白いですよね。

川田　井内さんは毎回テクニカルなことをやってくる感じのクリエイターで、今回も彼女自身「どうしよう！もうわからなくなってきた！」とか言いながら頑張って作ってくれました。これもはじめのデモから、次に上がってきたらまるっと変わっていて「あの曲はどこに行ったの!?」って言ったら「あれはやめたの」って（笑）。それぐらい、彼女は特に気合いを入れて、私のアルバムは「すごいアルバムにしたいから！」って頑張ってくれてたんですが、そうこうするうちに他の楽曲が上がってくるんですよ。同じことはできないので「やっぱり早く出しておくべきだった！」って悩みながら作ってくれました。これはレコーディングも難しかったですね。

――聴いた限りでもリズムに対しての譜割りが独特で難しそうだなと思いました。

川田　難しいんですよ！　自分で聴いてみるとなかなかリズムに乗れてない感覚に陥ったり、Aメロ、Bメロ、サビで世界観がガラッと変わるので、これもブロックごとにどう緊張感や濃縮度を出すか、中沢さんと相談しながら時間をかけました。その分面白い楽曲に仕上がったと思います。

M-7. Enchantress
作詞：川田まみ　作曲：C.Gmix　編曲：C.Gmix／尾崎武士

川田　今回C.Gmixがチャレンジしてくれて、このダンスっぽいようなEDMな感じだったりもそうですし、自分を残しつつも今回のアルバムに寄り添って作ってくれたんですよね。なのでサビ以外の部分は彼っぽくないメロディラインなんですよ。「難しい！」って言いながらやってくれました（笑）。今回は全体的なコンセプトとして『PARABLEPSIA』の想いもそうですが、音的な部分でも今回は歌よりもサウンドを重視するって決めていたんですね。そういった部分でメロディがテクニカルになってくる挑戦が大変でした。彼自身も歌い手なので、歌い手の気持ちいいところに最終的にサビでグッと持ってきてくれたっていうところでは、テクニカルだけど聴きやすくなっている曲になっていると思います。レコーディングもこれはすんなりとできました。すごく歌い手の心に寄り添ってくれるメロディラインなんですよね。

――歌詞的にはいかがですか？

川田　タイトルは「魔女」とか「魅了する女」っていう意味があります。比喩としては抽象的なんですが、お仕事をしてて「もうだめかな……」っていうことは誰にでもあって、そうしてやっと諦めたような状況で急に舞いこんでくるチャンスみたいな運命を感じるような瞬間ってあるじゃないですか。逆もしかりなんですが。そういう不思議な瞬間を表現したいなと思って書きました。そういう場面ってこのアルバムの制作でもたくさんありましたけど（笑）。この歌詞を書いていた日は本当に雨が降っていた日で、雨が強くて窓にベタッと張り付くような感じで、窓の向こうの夜景の灯りがにじむように揺らめいて、それが魅惑というか誘っているようにも見えて不思議な絵だったことから着想しています。

＜Creater Comment BY C.Gmix＞
・アルバム『PARABLEPSIA』制作中の思い出は？
そんなに辛かったことはないんですが、自分はどうしてもポップなメロディーになってしまうので、そこをなんとか重たい感じに持っていくのが少し大変でしたね、一回目に作ったときはサビのメロディーはもう少し明るかったんですよw 自分でも実験的に新しくチャレンジした曲でもあったので作ってて楽しかったです。

・ご自身が提供された「Enchantress」について意識した点、こだわった点などあれば教えてください。

「Enchantress」
Bメロの雄叫びのようなメロディーですかね、それと同じBメロのところのベースライン、それにユニゾンしている歪んだギターのような音色とか、今までのC.G mixでは使ってない音をあえて意識して使ったところですかね。

・『PARABLEPSIA』の中で印象的な曲は？
それこそ1曲目の「parablepsia」でしょうか、スタジオに行くと、たまたまなのか高瀬さんがその曲のエディットしていてよくかかっていましたw　リフのシンセのフレーズも印象的ですしね。

・アルバム『PARABLEPSIA』リリースに向けて、改めて川田まみさんに一言！
なかなかパンチのあるアルバムになったと思います、タイトルどおり川田さんのいろんな魅力でファンの方がたに錯視してクラクラさせてください。