ニューアルバム『PARABLEPSIA』発売記念 川田まみ超ロング・インタビュー！

M-3. I…civilization
作詞：川田まみ　作曲：高瀬一矢　編曲：HARD STUFF

――こちらはかなりハードなEDMになってますね。

川田　これは実はいちばん最後に完成した楽曲なんです。いつもI’veは納期が……たくさんの人に迷惑をかけてきましたが（笑）、今回は恐ろしく早く上がるという奇跡が起きていた中での最後でした。今回10周年記念ってわけではないんですが、集大成ということとアルバム・リリースが久しぶりだったので、制作チームそれぞれも1曲ごとに思い入れが強くて、例えば「parablepsia」とかもサビのメロディがはじめに上がってきたものと全然違うんですよ。そういうのを繰り返してきたんですが、最後の「I…civilization」は納期もギリギリですぐ上がってきたんです。だからある意味考えすぎないでできたのが意外と良かったりして「あっ、かっこいい……」って（笑）。

――そこまで他の楽曲を考え抜いてきたからこそかもしれないですね。

川田　そうかもしれないですね。実は曲の並びは既に考えていて、３曲目だけ空けていたんです。ここに入る曲、急にバラードになられたら困るんで「一発かっこいい曲お願いします！」って伝えていました。2曲目、4曲目とあるなかで世界観がグンと上がって行くような感じの曲で、と。ここに至るまで自分に対して突っ込んだ歌詞が多かったので、この曲はもっと外に向かう歌詞がいいのでは？　とクリエイターのなかから上がってきたので、世の中が豊かさに慣れて怠慢になってきているところを脱して、拳を振り上げてガッツリ歌えるようにしたいと考えました。

M-4. fly blind
作詞：川田まみ　作・編曲：尾崎武士M-4. fly blind

――先のお話ではこの「fly blind」は4曲目として先に決まってたんですよね。

川田　これは尾崎武士がうちのギタリストで、私の楽曲のギターは彼の「JOINT」の入りの印象を皆さんお持ちだと思います。彼が書いてくれてるのでサウンド的にもそこを出していきました。でも彼自身には抵抗があったみたいで、今回はエレクトリックも打ち出しているからダンス的な要素をどこまで入れたらいいかと悩んでいたんですが、そこは彼の良さを出してほしいということで、やりきっていただきました。

――ギターのずっしりした響きのイメージですが、サビでは歌とシンセが高音で重低音と対比して浮遊感が美しいですね。

川田　そうなんですよ！　デモが上がってきたときに飛翔のイメージがあったので、そこからタイトルがすぐ出てきました。盲目飛行ということで専門的には意味合いがあるんですが、私はこの意味のまま盲目で空を飛ぶんだっていう想いを歌詞に込めています。これって私の中の弱いところをさらけ出した曲なんですよ。それなりに年長者になってきて高いところからいろいろ見させてもらってるんですけど、あとちょっとのところで少し後ろに引いて飛び立てないのが自分のコンプレックスなのかなと。だったらもう目をつぶって飛んじゃいなよ！　っていう自分への喝みたいなものなのかなと思います。ある種弱い部分を見せない川田まみ像というのがあって、カッコつけている自分がいたんですが、今回はそういう心の変化を全部表現しないとダメだ！　と思って、歌詞を書くのは疲れました。泣きそうになっちゃって。「私こういうところある」って。

M-5. Eager Eyes
作詞：川田まみ　作曲：中沢伴行　編曲：中沢伴行／尾崎武士

川田　これは川田まみらしさが出ている楽曲だと思いました。曲を書いてくれてるのが中沢さんで、私がやっているど真ん中の部分をグッと上げてきてくれたなという印象ですね。なのでこの楽曲はやりやすかったです。自分自身をさらけ出すより演じている方がやりやすい部分はありますね。もうドS全開の「かかってこいや！」という歌詞が書けると思ってめちゃくちゃ書いてますが、どちらかというと内に秘めたものより外側に気持ちをぶつけるような内容になっています。

――楽曲から歌詞からまさに強いまみさんですね。

川田　そうです。鷹の目を見張ってわかりやすく強い部分が表現できたので、楽しく作りました。

＜Creater Comment BY 尾崎武士＞

・ご自身が提供された「fly blind」「Break a spell」について意識した点、こだわった点などあれば教えてください。

「fly blind」
他の製作人の曲が出揃った頃にこの曲を製作し始めたので、みんなの曲の雰囲気を聴きながら出来た曲でもあります。
重苦しい雰囲気の中にも女性っぽさや優しさを混ぜ込むのにとても苦労しました。

「Break a spell」
「Borderland」と「no buts」の中間位の曲を意識して作った曲になります。

・『PARABLEPSIA』の中で個人的に印象的な曲は？
「Enchantress」ですかね。
MIX兄さんとの作業はいつも兄さんの世界観を壊さないように心がけているのですが、今回は壊してしまえの精神でギター・アレンジをしました、それがうまくはまったかなと思います。

・アルバム『PARABLEPSIA』リリースに向けて、改めて川田まみさんに一言！
今回は新たな試み満載のアルバムになりましたね！今後も進化する川田さんに期待しております。