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REPORT

2015.03.24

3月3日はひな祭り?いいえ、“MIMIの日”です!“視聴覚アカデミー Vol.02”レポート

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3月3日に原宿アストロホールにて行われた、視聴覚ユニット・みみめめMIMI主催のイベント“視聴覚アカデミー Vol.02”。今回は昨年7月に結成されたユニット・プラニメをゲストに迎え、前回に引き続き対バン形式での開催となった。本稿ではそのイベントの模様に加えて、開催に先駆けて行われた囲み取材での質疑の模様も合わせてお届け。より深く、本イベントを振り返っていく。まずは開催前の心境や意気込みからお届けしよう。 

~“視聴覚アカデミー Vol.02”開催にあたって~

――今回で“視聴覚アカデミー”は2回目ですが、意気込みお伺いできますか?

タカオユキ “視聴覚アカデミー”は、私たちが去年ライブ活動を始めたのにあたり、自分たちがもっと挑戦して自らを高めていく場であり、お客さんとの距離を縮める場所にもしたいなっていう想いが込もったイベントです。なので、1回目よりもよりいっそう盛り上がるイベントにしたいです。毎回ゲストをお呼びしているんですが、今回は3月3日ということで、プラニメさんと一緒に女の子のお祭りを作りたいなと思っています。

――今日のライブにおける“見どころ”“聴きどころ”を教えていただければ。

タカオ 今回ひな祭りということで、イラスト担当のちゃもーいがひな祭りの絵を描き下ろしてきました。あと、今日は特別に、つい先日完成した曲も弾き語りします。そんなアットホームなことも“今日だからこそ”なので、ぜひ耳と目で楽しんでいただきたいです。

 

では、そんなライブの模様をお伝えしていこう。

“女の子のお祭り”は、かわいく・かっこよく

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さて、いよいよやってきた開演時間。まずはみみめめMIMI・タカオユキが登場しオープニングMCを展開。まずは「ひな祭りおめでとう!」そして「今日ここ原宿アストロホールは、3月3日、MIMIの日です!」と高らかに宣言。ひな祭り・女の子の日ということで、まずはDJうこっけいことDJありぃが、いつもの頭部きぐるみを脱いで登場。「視界が広いし、5kgぐらい軽い」と会場を笑わせたあとは、タカオの「うこっ!」の声に合わせてフロアも斉唱。DJありぃが跳んだところで、彼女によるオープニングアクト・DJショーがスタート。アニソン鉄板ナンバーを中心としたプレイで会場の温度を高める。ステージ奥に降りたスクリーンには、みみめめMIMIのロゴ入りVJが投影されていた。 

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会場のムードが盛り上がったところで、先攻・プラニメが登場。まずはデビュー曲「PLASTIC 2 MARCY」でご挨拶。連動しながらもダイナミックなパフォーマンスで、観る者すべてを圧倒する。そして、上手・下手双方のお立ち台へ立ち会場のテンションをさらに引き上げるふたり。隅々まで目配せをし、意識を飛ばす。縦ノリしやすいEDMであったことも、オープニングとしてプラスに働いていたようだ。続けてハード・ロックなナンバー「盗られそう」ではハーモニーもバッチリみせ、「fly away」では再び見事すぎるほどに左右対称にシンクしたダンスで魅せる。だが、シリアスなサウンド世界の中にも、振付にはスリラーなどキャッチーな要素を取り入れられている。そして変わらず決まるハーモニー。なるほどたしかに“視聴覚アカデミー”に、プラニメはふさわしいアーティストであった。

MCではミズタマリがみみめめMIMIとの「ソロ時代にやっていたラジオにコメントを寄せてくれて、しかも名前の入ったサイン入りまでいただいていた」というエピソードを披露。ユニットとしてのイベントへのハマりに合わせて、縁あって作り上げられる点も、“視聴覚アカデミー”ならではである。

続いてはコール曲「who am i?」。再びパフォーマンスを始めた彼女たちの表情は、曲のカラーと同じく笑顔。それが、サビでコールを受けるとさらに色濃くなっていく。お立ち台に登って受けた圧のある響きは、彼女たちの表情を否応なしに変えていった。さらにより温かみの強いデジポップ「letter」を経て、シームレスに「too misery」へ。こちらでは動きよりも、ハーモニーや追いかけなど、歌声の魅力がより際立っていた。

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こうしてプラニメの“視聴覚”に完全に魅了されていったアストロホール。それはカミヤサキが「次の曲がラストになります」と告げた際の「えー!?」という声の大きさに、確実に表れていた。そんなラストの曲は、2ndシングル「UNIT」。再びロック色が強いナンバーながらも、こちらもふたりの歌声を聴かせるナンバー。もちろんダンスも合わせて、キラー・チューンらしい最高の盛り上がりを見せてくれた。

 カバーも即興ソングの披露も、彼女の新しい挑戦

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 続いてみみめめMIMI。今度は“DJうこっけい”と一緒に登場し、お立ち台に登り一礼。まずはVJも鮮やかな「Mr.Darling」からスタートだ。前回の“視聴覚アカデミー”と比べ、オーディエンスをナチュラルに引き込んでいく力が増し、表情も豊かになっているように感じた。すなわちそれは、彼女の表現力のさらなる向上を意味する。続く「兎ナミダ」もそうだ。愛らしい表情で幕を開けたかと思えば、「いくよー!」のひと声でフロアを一気に乗せる。間奏で力いっぱい煽る彼女から感じられたおてんばさ、より生の表情がありありと伝わってくる。

MCでまず語られたのは、今回プラニメを迎えたきっかけについて。初めて観た彼女たちのライブ動画がとてもかっこよく、ライブを直接観てより惹かれてのオファーを出したとのことで、改めて会場全体からプラニメへ拍手が送られた。

さて、冒頭でも宣言されたようにこの日のアストロホールは「MIMIの日」。ということで特別に、ネット番組『みみめめMIMIのみみめめMIMIる』内で生まれた即興ソング「ひなあられと花粉症」をこの日のために完成させてきたタカオは、その曲を弾き語りでこの日限りの特別披露。ハッピー・サプライズの中にも、シンガー・ソングライターとしての表情をビシッと見せてくれた彼女への賛辞だろうか。客席からは温かなクラップが起こっていた。その後はライブ恒例の“みみめめMIMIコール”から、そのまま「瞬間リアリティ」へ。生で弾かれたピアノパートは、ただでさえインパクトの強いラインをよりエモーショナルに彩った。

一旦MCを挟んだのち、ここからの畳み掛けが、まさにこの日のクライマックス。ハンドマイクに持ち替え、まずは「センチメンタルラブ」を、スクリーンにMVを映しながら歌唱。Dメロの声の繊細さは、そのMV中のMIMIの心情と見事に重なりをみせていた。と、続けて「皆さん、アニソンは好きですか?」と呼びかけると、カバー曲「Q&A リサイタル!(戸松 遥)」を披露。勝ち気な少女像と、その中にかすかに見える華奢さ。この得も言われぬバランスが、このバージョンにしか存在し得ないヒロイン像を描き出す。もちろん間奏もバッチリ「タ・カ・オ!タ・カ・オ!L・O・V・E・タ・カ・オ!」と決まり、タカオも「よくできました!」と天を指さしながらくるりとターン。場内のテンションは上がる一方だ。そして「サヨナラ嘘ツキ」では、先ほどは繊細に聴こえた儚さが、今度は決意を帯びた強がりにも聴こえる。それはまさにこの曲の本質であり、生でそう聴かせる彼女の歌声に、また進化を感じた。

燃焼しきった彼女から、ここでうれしいお知らせが。なんと、東京・大阪でのワンマン・ライブが決定したことが告げられ、会場は歓声に包まれる。そのワンマン・ライブで「一緒に旗を振りたいね」との言葉から、ラスト曲「1,2,少女」へ。フラッグを振りながら楽しそうに歌う彼女を前に、フロアももうひと盛り上がり。3ヵ月後、フラッグで埋まる光景が観られたら、どんなにうれしいことだろう。振付もつく間奏部分も、盛り上がりのための重要なファクターを担いそうだ。

 “MIMIの日”だからしたかった、ハッピー・サプライズ

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 そうして最後にこれから3ヵ月のある種の決意表明をし、ステージを締める彼女。これからの期待と、この日のもうちょっとの楽しさを期待したフロアからの声に呼ばれ、再登場する。プラニメも迎えて、改めてこの日の感想。「始まる前にスタッフさんが『アウェイだよ』って言ってきて『どうしよう!?』って思ったけど、温かく手振りとかしてくれてうれしかったです(カミヤ)」「みんながコール返してくれたり手拍子してくれて、本当に楽しかった!ありがとうございました(ミズタ)」と語る。その後、関西出身同士ということでカミヤを置いてタカオとミズタが関西トークを繰り広げるひと幕も。

そんな心の交流も目の当たりにできたところで、最後は“みみめめMIMI×プラニメ”として、「シャングリラ(チャットモンチー)」をカバー。ガールズナイトのフィナーレにふさわしいガールズ・ロックで、笑顔いっぱいのステージに。

最後にもうひとつ告知。約1年ぶりとなるニュー・シングルを今春リリースすることが決定!しかも「CANDY MAGIC」がTVアニメ『山田くんと7人の魔女』EDテーマに起用されることも発表され、ファンからはまたも歓声と「おめでとう!」と祝福する声が上がった。この曲について彼女は、「CANDY=あめ玉って飾っていればきれいなままなんですけど、舐めて初めてその味がわかるもので、だけど溶けて消えちゃう。限られた時間で生きているという儚さを、そのCANDYに例えました。本当に自信を持ってお送りできる曲なので、みんなに早く聴いてほしいです!」と語ってくれた。そしてアルバム『迷宮センチメンタル』のノベライズ企画『憧れパンデミック』も5月31日に電子書籍化されることも発表。本当に盛りだくさんの春を予感させつつ、最後にタカオユキから挨拶。

「正直、まだまだ私たちのエネルギーを伝えきれてないって思ってるので……まだ皆さんに片想いしてると思ってるのね。だから、ワンマン・ライブで皆さんともっともっと両想いになりたいです!」と、ライブでの再会を願い、誓っていた。

 最後に、そんなこの春の目標などについて、冒頭でもご紹介した囲み取材で彼女が語っていたのでご紹介しよう。

 

 ~みみめめMIMI 今後の活動について~

 ――『憧れパンデミック』が5月に電子書籍化されます。

タカオ こちらは、アルバム『迷宮センチメンタル』の楽曲を題材にした、専門学生の女の子が主人公の物語です。私の曲は夢とかが多いんですが、そういうものが物語中に女の子の妄想として出てきたりする、日常に落とし込んだ誰にでも読みやすい物語になっています。主人公は私とは違う女の子なんですが、どこか私とも重なった部分もあって。曲ともリンクしているので、ぜひ曲を聴きながら読んでいただきたいです。

――新曲にワンマン・ライブと、より充実されるであろう春以降の活動について、意気込みをお聞かせいただけますか?

タカオ 1年ぶりに新曲が出せて、ワンマン・ライブができるというのはとても大きなことです。その新曲「CANDY MAGIC」は、今の自分たちだからこそ書ける、本当に自信を持ってお送りできる曲になっています。なので、その曲を引っさげて、ライブに向けて燃焼していきたいです。

――やはりライブも“耳”と“目”両方にこだわっていきたい?

タカオ はい。ワンマン・ライブだからこそ、こういうイベントではできない、自分たちの視聴覚的な要素も取り入れたライブにしたいなと思っています。

――最後に、ユニットとしての今後の目標をお教えください。

タカオ やっぱり去年とはだいぶ変わって、ライブ活動を通してもっと大きなところでライブができるように、というのがひとつです。あとは、みんなともっと両想いになっていくアーティストになりたいですね。

 

 向上を見せ続ける彼女のステージング。自信作である新曲「CANDY MAGIC」を引っさげて、次なるワンマン・ライブはどう“視聴覚”に訴えてくれるのか、アニメ音楽ファンならばワクワクが止まらないはずだ。この日、彼女は私たちに数々の進化を見せてくれた。それが止まらなければ、この春はアニメファンをも巻き込んだ、とびっきりの春がやってくるに違いない。

 Text by 須永兼次

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