INTERVIEW
2015.02.18
2月18日にリリースされる、声優アイドルユニット・i☆Risの8thシングル「Realize!」。ほんのり切なくも前向きさにあふれた表題曲は、メンバー全員が出演するTVアニメ『プリパラ』の第3クールOPテーマとして起用されており、作品の展開と共鳴してそのきらめきを増している。今回のシングルは、そんな表題曲もさることながら、異なる角度から彼女たちの魅力を照らし出すカップリング曲も聴き逃せない充実の1枚に仕上がった。今回はそんなシングルに彼女たちが込めた想いに迫る、ロング・インタビューをお届けしよう。
i☆Risと『プリパラ』、両方に繋がる1曲
――『プリパラ』も3クール目に入りまして、こちらの新OPテーマ「Realize!」が2月18日にリリースされます。まずこの曲を初めて聴かれたときの感想をお伺いしたいのですが。
山北早紀 初めて聴いたときは……泣きました。まだ歌の入ってないデモだったんですけど、その段階でここまで感動する歌は初めてで。当時は『プリパラ』の新シーズンがあるっていう話は知らなかったので、「これがラストなのか」って思うと本当に泣けてきちゃいました。それでいざ歌ってみると、テンポもよくてすごく気持ちも乗ってきて。歌詞も『プリパラ』のキャラへのリンクはもちろん、アイドル活動をずっとやってきた自分たちの心境にもすごくぴったりで……とにかく泣ける1曲です!
芹澤 優 私はほかのメンバーよりもひと足先にデモを聴かせていただいていたんですが、すごくたくさんの候補曲の中からこの曲を初めて聴いたときに「これだ!」って思って。『プリパラ』の第1シーズンを締めくくるのにすごくふさわしい曲だと感じました。私、落ちサビのところで「うまくいかないとか すれ違いばかりで」って歌ったあとから、ひみちゃん(茜屋)が「ダメになりそうな時は一緒に」って歌ってくれるところが本当に気に入っていて。「もうダメかもしれない」っていうときに「一緒に歌って踊ってくれる仲間がいる」って思える。不安なときもメンバーを感じて「頑張ろう!」って思える、大好きな曲です。
茜屋日海夏 まずイントロを聴いた瞬間にグッと切なさを感じて、そこから歌詞も合わせて見てみたときに、ますます歌の世界に引きこまれました。この曲が『プリパラ』の第1シーズンの締めくくりの曲になるということで、「Realize!」までの全部の曲が繋がってストーリーになってるようにも感じて。アニメの方も、最初はらぁらちゃんがひとりぼっちで歌が苦手で、って悩んでたところにたくさん仲間が来てくれて、たくさん応援してくれる人も増えて――っていう過程も思い出しながら歌ったら、本当にジーンと来ちゃいました。私自身『プリパラ』を始めてから壁にぶち当たることもあったんですけど、この曲に取り組んでいる時期にちょうどi☆Risの2周年ライブの話し合いとかをしていて、みんなが自分から寄り添ってくるようになって、団結力が生まれた気がしたんです。だからこの曲はi☆Risとしての団結がより深まった曲でもあって、すごく好きな曲です。
若井友希 私もデモを聴いたときはまだ『プリパラ』の第2シーズンが決まっていない状態だったので、「『プリパラ』が終わっちゃう」っていう悲しみが最初に来ちゃって。メロディはかっこいいんですけど切なさもある曲なので、私すごく涙が出てきちゃったんです。でもビビッと来た曲ではあったので、「絶対この曲が歌いたい」って思いました。この曲はすごく歌詞割りもこだわっていて、『プリパラ』のキャラを照らし合わせると、みんな「この子だからここを歌う」ってすごくリンクしてるんです。i☆Risとしても、まだまだ自分たちに可能性があるっていう今の時期にぴったりで、すごく大好きです!
久保田未夢 この曲は、曲調は切ないけど前向きな曲で。歌詞に「つかみ取ろうプリパラ」って出てくるんですけど、たぶんその“プリパラ”っていう単語は人によってそれぞれ違う意味合いを持つんじゃないかな?と思っています。キャラとして歌うときは「“神アイドル”を掴み取りたい」っていう想いをすごく感じるし、i☆Risとして歌うときはi☆Risとしての新しい地位を獲得したいという想いがあるし。なので、「じゃあ自分自身の“プリパラ”って何?」って考えたんです。そこで出た答えは「i☆Risのみんなと一緒に前を向いていろんなステージに立って、声優としても成功すること」というもので、その想いを歌に込めました。
澁谷梓希 私、すごく音が好きなので、どの曲もデモを聴いたときに全体のサウンドから聴いてしまうクセがありまして。なので「Realize!」は1・2コーラスで今まで2曲の流れを表していて、落ちサビのところで1回静まってからラスサビに向けて「Let’s go」って行く感じが、3クール目での畳み掛けを表しているように感じて。歌詞もすごく素敵なんですけど、全体のサウンドを通しても、イントロからアウトロまで全部が物語になっているように感じました。
――「Realize!」は『プリパラ』のキャラバージョンとi☆Risバージョンがありますが、レコーディングの際に工夫した点があれば教えてください。
茜屋 私は声こそ変えたんですが、心情的にはそんなに違わずに。らぁらちゃんたちも、この6人みんなで同じ方向を向いて歩いていこうっていう気持ちで歌うだろうって思ったし、私もi☆Risとして6人みんなで同じ方を向いていこうっていう気持ちで歌いました。
山北 私はシオンちゃんをしばらく演じてきてからの「Realize!」だったので、無意識的にシオンちゃんに近づいていた部分もあったんです。なので私は、最初思った通りに歌ったら「ちょっとシオンちゃんっぽいから、もうちょっとかわいい声で」って言われて。なので、i☆Risの方の歌声をあえてかわいくしましたね。でも、その音源とシオンちゃんの方の音源を重ねて聴いてみると、声色は違っていても歌い方は一緒だったんですよ。だから、私もひみちゃん(茜屋)と一緒で、根本的な気持ちは同じなんだと思います。
若井 私も最初に「これをキャラが歌う」って聞いていたし、しかも歌詞割りがみんなキャラらしいっていうことを考えて、自分のパートをレオナに照らし合わせていて。なので、「レオナがこれを歌うんだ」っていう気持ちで曲を聴いていました。私も同じ気持ちでは歌ったんですけど、自分で歌うよりもレオナで歌ったときの方が、スッとその心情が出せた感じがしています。
久保田 i☆Risでもキャラでも、両方とも仲間のことが大好きで一緒に上に行きたいっていう気持ちは同じだと思うので、私も心境はあまり変わりませんでした。ただ、私はそふぃちゃんで歌うときはあまり声を高くしないようにしているので、そこには注意して。あと、Dメロではさきさま(山北)と「ふたつ折りの夢を叶えよう」ってパートを歌ってるんですけど、そふぃちゃんで歌うときは「シオンとここをふたりで歌うんだ」っていうことを意識したんです。ただ、アニメの中でそふぃとシオンはあまり絡んでないので、どういう気持ちで一緒に歌うのかな?っていうのはすごく考えましたね。
山北 なんか、元一匹狼同士って感じだよね。
久保田 そう!一匹狼同士、仲間の大事さにすごく気づいているはず、っていうのはすごく考えて歌いました。
芹澤 私も“仲間を感じる”っていう点では似ていたんですけど、気持ちは結構違っていました。みれぃちゃんはすごく頭もよくて「こうやってみんなを引っ張っていきたい」という気持ちも強いので、そういう意志を強めで。逆にi☆Risとして歌うときは、すごくみんなに頼ってる部分がありましたね。『プリパラ』を通してメンバーをもっと好きになったし、素直に尊敬できるなって思ったので、本当に「仲間がいる」っていう安心感が強かったです。そこは声色とは別に、気持ちの部分で違う部分です。
澁谷 ドロシーは最初のほうこそガミガミほかの子に噛み付いていっていましたけど、お互いそれぞれ認め合って心を開いてきてるんだな、って自分の中でもすごく感じるので、それを冒頭の「無口なハート開いたら」ってワンフレーズに込めました。たぶんドロシーって、本当にライブが大好きな子だと思うんですよ。なので、レコーディングのときには楽しい気持ちを全面的に出すようにはしていましたね。i☆Risバージョンでは冒頭の部分は少し切なめに歌っているんですけど、ドロシーの方ではまっすぐゴーイング・マイ・ウェイしている彼女らしさを出しています。
―メロディ以外の部分だと、イントロから「Make it!」を連想する部分がありませんでした?
山北 あー!
若井 わかります!
澁谷 やっぱりそう思いました!? それを振り入れのときに言ったら、みんなに「えっ?」って言われて(笑)。
――始まりがもうそっくりで。
茜屋 パーッて開いていく感じとか、ギターの感じが。
――うしろで鳴ってるキラキラ感のあるシンセにある「ミラクル☆パラダイス」の要素とうまく融合して、進化したのがこの曲のように感じました。
澁谷 インストだけで聴いても、この曲は絶対楽しいんですよ。歌詞がついたときにその良さとマッチして、改めて「歌ってすごいな!」って思いました。
芹澤 『プリパラ』って、スタッフさんたちの愛もすごく強いので、たぶん私たちが気づかないところにも『プリパラ』らしいキラキラを入れてくれてるんじゃないかな?って思います。
――そしてMVなんですが、今回はドラマ仕立ての構成です。
芹澤 ドラマっぽいのは『カバ☆リス』の「ウィーアー!」以来ですね。
茜屋 やっぱりここも、成長したんじゃないかな?って思います。
久保田 ね。2年ぶりの演技の成長具合を。
若井 結構前から『プリパラ』とかアイドルっぽさに通じるような物語調のMVをやりたい、っていう話はしていて。でも本当にできるとは思ってなかったので、すごくうれしかったです。
芹澤 あと、MVにオーディションシーンがあるんですけど、私たちもまさにオーディションで選ばれたので、その頃を思い出しました。
若井 審査員役の方たちも実際にオーディションシーンでは目の前で観てらっしゃったので、めちゃくちゃ緊張して(笑)。
久保田 しかもあのオーディション、ホールでじゃないですか?私たちは会議室とかで受けたので、あの場所にもすごく緊張しました。
――特に山北さんのバトンはすごかったです。
全員 すごいですよね!
山北 ありがとうございます。
――しかも曲ともバッチリシンクロして。
山北 あれ実は、全然曲に合わせてやってないんですよ。だったんですけど、うまい具合に。
若井 私たちも、さきさまがこんなにバトンできるって知らなくて。
澁谷 本気で感動してたよね。
山北 「毎日やってほしい」って言われるんです(笑)。
若井 その日もずっと「もう一回やって!」って(笑)。
久保田 知らなかった一面が見れたよね。
澁谷 セリコ(芹澤)も、ね。
芹澤 テーブルクロスかぁ、そうだなぁ、特技……ではなかったんですけど(笑)、「あ、オチありがとうございます」と思いながら端で必死に練習してました。なので、MVでの喜びはガチです!すごくうれしかったんです。
――それに「かしこまっ!」も入ってきましたね。
茜屋 はい。これは特技じゃなくてポーズ審査で「かしこまっ!」を。で、審査員の方々が「いいねー」ってやってくれて。ちなみに私の特技はテニスだったんですけど、素振りはシュールすぎてカットになりまして(笑)。オフショットに収録されてるので、ぜひチェックしてみてください!
――振付も、やっぱりサビの頭はお子さんにもマネしやすいものですね。
茜屋 基本『プリパラ』の曲は覚えやすいものが多いので、イベントとかで歌っても大人から子供までみんな一緒にマネしてくれて、私たちも歌っていてすごく楽しいです。
山北 ダンスの先生が、毎回ちょっと面白いポーズを1ヵ所入れてるんですよ。今回だとサビのところの指の動きが「サタデー・ナイト・フィーバー」みたいになってたり。『プリパラ』のシングルは、全部今どきのダンスじゃなくて年齢が高い方にもわかりやすいフリっていうのもテーマなので、ほか2曲もぜひ探してみてほしいですね。
――その反面、サビのラスト部分はすごく激しい振付です。
久保田 私たちも、フリを入れる前にアフレコのVTRでキャラたちが踊ってるのを観て「これを踊るのか……」ってみんなで言ってました。
山北 最初はこんなに速く腕を回せなかったし、速さもバラバラで。
芹澤 今回は合わせづらいフリも多かったので、そこはいっぱい練習しましたね。
若井 角度もみんなで合わせながら、フリを入れていきました。
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