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INTERVIEW

2015.01.28

「劇場エヴァ」やJAM Projectへの挑戦 榊原ゆい第2弾カバーアルバムインタビュー

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昨年リリースして大好評を博した榊原ゆいのカバーソングアルバム『LOVE×CoverSongs』の第2弾が1月28日にリリースされる。今回は彼女のルーツに迫る『Lはラブリー』から、青春期に強い影響を受けた『ふしぎの海のナディア』、『新機動戦記ガンダムW』といった作品群の数々、そして思い入れの深いゲームソングまで多彩なセレクトだ。インタビューでは選曲の意図や自らの歌としての取り込み方の意識について話を伺った。

――前作のカバーソングアルバムでは多くの候補から楽曲を厳選されましたが、今回はまた新たに選曲をされたのでしょうか?

榊原ゆい そうなんです。また悩みました(笑)。まずこの仕事に就く前、小さいころや青春時代に聴いていた曲は絶対に入れたくて、それとお仕事で関わらせて頂いて好きになった曲をラインナップしていきました。今回の収録曲は私にとって人生の中で濃く触れ合ってきた歌たちになったと思います。収録予定曲をホームページで発表した時にファンも良い反応をしてくれた方が多かったのでホッとしました。

――収録曲の中で最も年代的に古いのは『THE かぼちゃワイン』の『Lはラブリー』ですが、榊原さんにとってどんな思い入れがありますか?

榊原 小さい頃に見ていてメチャクチャ好きだったんです。大きい女の子が背が低い主人公にモーションをかけるんですけど、子供心にめちゃくちゃキュンと来ていて、私も押せ押せなタイプなので重ねあわせて萌えていたんじゃないかな(笑)。今でこそ「萌え」って言葉がありますけど、これこそが「萌え」の原型なんじゃないかなと。楽曲も大好きでカラオケでよく歌っていましたし、今回は小さい頃に純粋に好きだった作品を入れたかったのでラインナップに加えました。スタッフの中にはこの作品を知らない人もいて、久々にこの作品のことを話すのも楽しかったです。温泉シーンもあって今の萌えアニメの先駆けってわけじゃないですけど、私は小さい頃からそういうのも好きだったんだなと思いました(笑)。

――この曲を歌う時の思いはいかがでしたか?

榊原 原曲のかおりくみこさんが、すごく大人っぽくもあり可愛らしい色気のある歌い方をされていたんです。それがすごくエルちゃんにピッタリで。でも、私がそう歌うと同じような感じになってしまうので、敢えてここは現代の萌えソング良さを引っ張ってきてキュンキュンな感じにしていきました。アレンジも歌い方も今回のラインナップの中で一番萌えな曲になっています。

――今回は「エヴァンゲリオン」の曲を選ばれていますが、TVシリーズの主題歌『残酷な天使のテーゼ』ではなく劇場版の『魂のルフラン』にされた理由を教えてください。

榊原 どちらもカラオケでメチャクチャ歌っていたので確かに悩んだところでした。ただ私は『魂のルフラン』の熱く歌い上げる感じが昔から好きだったんです。これを自分の声質で世界を広げていったらどうなるのかが楽しみだったので選びました。表現も細かく乗せていって、盛り上がり方を考えながら収録していくのですが、頭のところからガッツリとパンチが入り、さらに最後の「魂のルフラン」って一番大事なワードのところでまだ盛り上がるという難度で、改めてこの曲の凄さやテクニックの高さを感じられました。アレンジ的にはラテンのテイストをちょっと入れたりとか、夕暮れの洞窟がある砂浜で松明を炊いて……みたいな感じになっています。

――『LOVE×CoverSongs』のときはゲームソングサイドをプライベートでもお付き合いの深い歌手の方の曲を中心に選ばれましたが、今回はいかがでしたか?

榊原 今回もそういう感じで選んだ部分がありますね。『CloverHeart’s』の真理絵ちゃんも仲良しなんです。前に一緒に出演したイベントで彼女が歌っているのを聴いて、機会があったら歌わせてもらいたいなと思っていたので、今回選ばせていただきました。で、榊原だったらどう歌うかってなったときに今回、冬のリリースでジャケット写真もフワッとしているので、アレンジャーさんにも雪っぽくて可愛らしい冬らしくとお伝えして、冬に車で聞いてみたいなと思わせるような柔らかく可愛らしい感じに歌ってみました。

――『アンダーハンデッド・ガール』は榊原さんご自身も出演されている『処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー』の主題歌ですね。

榊原 私はこの作品でヒロインのひとりを演じて、さらに挿入歌やED曲も歌わせて頂いていて、すごく思い入れのある作品なんです。ヒロインたちの気持ちがすごく伝わってくるOPテーマがすごく印象に残っていて、歌詞や歌に対しての気持ちの読み取りを私なりにできないかと思って、選ばせていただきました。演じたヒロインが雅楽乃ちゃんという華道のお嬢様のキャラなので、それに合わせて和のテイストを交えながら演じた私にしかできない彼女の気持ちを込めたテイストに仕上げていきました。アレンジャーさんにもそういう世界観で作ってもらっています。

――伺っていると榊原さんは歌も声優もされている経験を交えて、さらにご自身の原点であるオタクとしての強みも活かし、それらの集大がカバー曲に注がれている感じですね。

榊原 そうですね。もうこれはオタクとして最高だなと(笑)。とりあえずのカバーとかではなく、ちゃんと好きで歌いたい理由が明確にあり、なおかつオタク時代の自分もそこにいて、それでいてプロの技術と味付けでカバーソングにしていくんです。でも逆にカラオケで歌いすぎちゃって自分らしさってなんだろうと思ったり、改めて好きな曲にふれて勉強することもありますね。もちろん自分の持ち歌をいただくのもすごく嬉しいんですけど、ここにはまた違う幸せがあって……オタクでよかったなぁと(笑)。そう思いながら制作しました。

――最後に、アニソン界のアンセムであるJAM Projectの『SKILL』をセレクトされた理由をお聞かせください。

榊原 私はスーパーロボット大戦シリーズにも出演させてもらっているのですが『SKILL』が主題歌になっている「第二次~α」には出ていないんです。でもこれはどうしても歌いたかった曲でした。奥井雅美さんにも水木一郎さんにも、最初に会った時から「ゆいちゃんは(松本)梨香ちゃんに似ている」と言われて、それがすごく嬉しかったんです! それで今回歌ってみたら特にモノマネしようと思ったわけじゃないのに、「……似てるッ!」と自分でも思って(笑)。確かに自分の歌い方なんだけど、このままじゃダメだって思って、原曲を聴き直して梨香さんの入れているパンチとは別のパンチの入れ方にして、変化球を入れながらなおかつ楽曲にもハマるようにとカバーしていきました。男声パートは自分の歌でもそういう曲があるので経験済みではあるのですが、JAMはアニソン業界を引っ張っていく方なので、さてどう歌おうかなと思って、ガッツリやって行くところまで行ってみようと声を出したら、意外と「らしい声」が出たんです。逆にモノマネになりすぎないよう気をつけました!

――すごい!

榊原 この曲はZIZZの磯江さんがアレンジを担当してくださったんですけど、礒江さんが聴いて笑ってしまうくらい私が突き抜けたハードロックな歌い方をしていて、これでいこうという話になりました。「一人JAM Project」をがんばっているので、そこはぜひ聴いていただきたいなと(笑)。歌録りが終わってOKテイクを並べて聴いてみたんですけど、私も可笑しすぎて「これは何?」って思うくらい(笑)。自分の持てるものと新たな挑戦が加わるとこんなことになるんだというのが、本気なんだけどむしろちょっと面白いというか。

――レコーディングはどのように進めていったのでしょうか?

榊原 『SKILL』のAメロは男声、Bメロは女声と分かれているので、パートごとに順番に歌って、思ったよりスムーズでした。

――喉の調子はいかがでしたか?

榊原 大丈夫でした。めっちゃガナったり叫んだんですけど、けっこう大丈夫でした。こんな声って女性から出るんだねってみんなして言っていました(笑)。

――昨年のライブではグロウル(デスボイス)にも挑戦されていましたから、ライブやカバー曲を通じて表現の幅が広がったのでは?

榊原 そうですね。それぞれの方の持っている味の中で自分の声ってどこまでいくんだろうという発見はやっぱりカバーをしての経験だと思うので、その意味で発見していくのは楽しいですね。恥ずかしげもなく振り切るのが大事なんだなと(笑)。

――そしてライブといえば4月~5月にかけて仙台、大阪、東京で開催されるライブがあります。まず『Gachi★LOVE×Live 2015』 というタイトルが気になるところですが。

榊原 これはファンの皆さんに榊原ゆいのライブとして「この曲はガチだろ!」と思う曲に投票していただいて、ガチな曲だけしか歌わないという、参加型のライブです。今まで、春のライブはテーマを掲げてそれにそって選曲していたんですけど、これだけ楽曲があると定番曲はキープしつつあれもこれもと悩むことが多くて。であれば、みんなに選んでもらったガチな曲で固めて緩急~とかじゃなく、最初からクライマックスってやったらどうなるんだろうと思って、今回企画してみました。いらっしゃる皆さんはかなり体力が要るものになると思うんですけど、榊原のファンの方は体力も上がってきているのでここで一度、体力の限界に挑戦するのはどうだろうかと(笑)。

――パフォーマーとしては体力的な心配はありませんか?

榊原 私は全然大丈夫で、むしろ楽しみです! 昨年10月のバースデーライブで30分で16曲のメドレーをしたときにイケると思いました。あれもガチ曲ばかりで踊りっぱなし、歌いっぱなしの30分だったので、あれを経験した今ならイケると思っています。今回のカバー曲も会場ごとに何曲か歌います! そしてこのライブでは仙台にも伺います。いつも東京や大阪ばかりなのですが、昨年北九州でイベント出演をした時に「はじめて『片翼のイカロス』を生で聴いた」という方もいて、私が見える範囲でもけっこうな方が泣いていらしたんですね。そういう姿を見ると、なかなか来られない方に対して私たちが伺って歌を聞いてもらうのって大事だなと思ってスケジュールの許す限りはいろんな場所に行こうと思っています。

Interview&Text by 日詰明嘉


 

■CDリリース情報
榊原ゆい アニソン&ゲーソンカバーアルバム
『LOVE×CoverSongs 2』
2015年1月28日発売
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価格:3,000円(本体)+税
品番:LXCH-0010
発売元:合同会社LOVE×TRAX
販売元:株式会社KADOKAWAメディアファクトリー

<収録曲>

1. ゆずれない願い(TVアニメ『魔法騎士レイアース』OPテーマ)/田村直美
2. アンダーハンデッド・ガール(PCゲーム『処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー』OPテーマ)/YURIA
3. ブルーウォーター(TVアニメ『ふしぎの海のナディア』OPテーマ/森川美穂
4. 魂のルフラン(映画『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生』主題歌)/高橋洋子
5. Lはラブリー(TVアニメ『THE かぼちゃワイン』OPテーマ)/かおりくみこ
6. RHYTHM EMOTION(TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』OPテーマ)/TWO-MIX
7. Lapis Lazuli(PCゲーム『夜明け前より瑠璃色な』イメージテーマ/泉伶)
8. Clover Heart’s(PCゲーム『Clover Heart’s』OPテーマ/真理絵
9. SKILL(PS2『第2次スーパーロボット大戦α』OPテーマ)/JAM Project
10. 乙女のポリシー(TVアニメ『美少女戦士セーラームーンR』EDテーマ)/石田よう子

榊原ゆい『LOVE×CoverSongs2』特設ページ

■ライブ情報
『Gachi★LOVE×Live 2015』
<公演日時>
仙台 2015年4月19日 開場14:00 開演14:30
大阪 2015年4月26日 開場14:00 開演14:30
東京 2015年5月3日 開場15:15 開演16:00

<会場>
仙台会場 darwin
大阪会場 OSAKA MUSE
東京会場 Shinjuku BLAZE

<チケット料金>
仙台4,800円
大阪4,800円
東京5,300円
*共に税込 ドリンク代別

主催・企画 合同会社ラブトラックス
制作 ユニオンマスターエンターテインメント

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