INTERVIEW
2014.11.23
11月26日に現メンバー初のフル・アルバム『THE SUPERNOVA STRIKES』をリリースするStylipS。来年の3月からは東名阪のライブ・ツアーも決定し、勢いに乗る4人にインタビューを行なった。今のStylipSのいちばんの特徴は、無尽蔵とも思える体力に裏打ちされたハイスパートなステージ構成だ。フェスなどでもMCを最小限にし、30~40分のステージでほとんど休みなく歌い踊りきるスタイルは唯一無二と言っていい。今回はStylipSのメンバー4人の個性と、最強のパフォーマンスの秘密にフォーカスして話を聞いた。
──ユニット立ち上げからのメンバーである能登さんと松永さんから見た、今のStylipSならではの魅力はどのあたりですか?
松永真穂 最近はライブでMCが短い体制がなんとなく固まってきたんです。時間の中でできるだけたくさん歌うので、体力的にはすごく大変なんですけど、気持ち的にはすごく高まります。4人で一生懸命頑張っている今のStylipSって無敵だなって、自信を持って思えるようになりました。そういうエネルギッシュさを見てもらいたいです。
能登有沙 結成当初のStylipSは個人プレイというか、個性の強い4人がそれぞれのアプローチでやっていくスタイルだったんです。今の4人も個性は強くて、ベクトルがバラバラなのでまとめるのはすごく大変なんですけど(笑)、同じ目標に向かっていて、先輩後輩関係なく冗談が言い合える空気感みたいなのはすごくいいなと思っています。部活的な感じで、能登が部長で三年、二年、一年が一緒に全国大会を目指している感じです。
──初めてStylipSを知る人向けに、メンバー個人それぞれの魅力やエピソードを皆さんから紹介してもらえればと思います。まずは松永さんについてお願いします。
能登 まほちゆは最近ちょっと大人になりました。
松永 え、ほんと?(笑)。
能登 前は自分は末っ子キャラを貫き通すんだって感じだったんですよ(笑)。最近は空気を読まないといけないことに気がついたのか、大人の階段を登り始めた感じがします。
松永 確かに私は末っ子キャラでいたかったです(笑)。実際はひとりっ子なので、末っ子キャラでいるのが楽だなと思ってて。それと昔の私は自信を持ってこれだと言える、仲間に教えてあげたりできるものがなかったのもあると思います。私にとって美来と萌絵は初めての後輩なんですけど、自信を持って教えてあげられるものがないから、末っ子のままでいたかったのかもしれません。だから今大人になったと言ってもらえるのは、今は少し自信が持てるものが増えてきたからなのかも。私は自分のことをロックだと言っているのに、末っ子でいたいってなんだか保守的でよくないと思ったので(笑)。
豊田萌絵 まほちゆさんは最初からすごくフレンドリーに接してくれて、まほちゆでいいよー!みたいな感じで背中を叩いてくれてたんです。
松永 ふふふ(笑)。
豊田 でもすごくちゃんとしてる先輩で、周りに気配りを忘れないし、マナーはしっかりしているし、教えてくださいって言ったらいろいろ教えてくれるし。ちょっと泣き虫なところがあったりするんですけど、そこもお茶目でかわいいと思います。かわいい先輩です(笑)。
一同 (笑)。
能登 萌絵はまほちゆと感覚が似ているところあるよね。
豊田 感動ポイントが似てるんですよ!
松永 似てるよね~!
豊田 私も結構涙もろいんですが、ねーさん(松永)とは泣く感動ポイントが近いんです。ライブとかで横を向いたらねーさんも泣いてるんです。
──最近松永さんと豊田さんが揃って感動したことってありますか?
能登 美来のバースデーイベントのときに、ふたりとも始まって10分ぐらいで泣き始めたんですよ。
伊藤美来 早い早い!コーナー1個目だよ。
松永 ライブパートでも、始まって2曲目だよね。
豊田 2曲目でもう涙が止まらなくなりました。
伊藤 坂本真綾さんの「プラチナ」を歌ったときですね。
松永 それを聴いてもうずびずび言ってたら、美来がお手紙を読み始めたんです。そのお手紙の中にStylipSへのメッセージやメンバーへのコメントがあって。
豊田 そこでもう涙腺崩壊ですよ。そんな私たちに、だんだんのっちさんがヒいて後ろに下がっていくんですよ(笑)。あとでステージ裏で美来に「大丈夫?落ち着いてる?」って聞いたら「私は落ち着いてます」ってこちらの心配をされました。
伊藤 ステージから帰ってきたら私より泣いてるんですよ。でもそういう仲間がいるのはありがたいです。
豊田 そんな感じでねーさんは共感してくれて相談に乗ってくれるので、すごく頼りになります。
──続いて豊田さんがどんな仲間か教えてください。
能登 萌絵についてはいちばん距離が近い美来から見てどう?
伊藤 私は萌絵とは同期で、いちばん最初に事務所で出会ったのも彼女なんです。最初の印象は麦わら帽子をかぶった白いワンピースのお嬢様みたいで、この子と一緒に頑張っていくんだ……と思いました。でも話していく内に結構気さくな子で、よく見るといい意味で大雑把なところがあるんですよね。
豊田 いい意味で大雑把?(笑)。
能登 言葉選んだね~(笑)。萌絵はなんかちょいちょい惜しいんだよね。ブーツの内側のチャックをちゃんと閉めないとか。リボンを結ばないでだらんとさせてたりとか。そのギャップが面白いし隙があるよね。
松永 あざとい感じのキャラを貫いてるのに、普段はツインテールとかにするのも、ちゃんと結わないで下の方でくくってるんですよ。「なんで?」って聞いたら「ちゃんとするのはめんどくさいので」って(笑)。あとですね、ダンスの練習で、萌絵がついてこれなかったり、うまくできないときに、のっちが説明してくれるワードはなんだか難しいんですよ! それを私が萌絵に説明してます。
能登 難しい言葉とか、そんなことはないんですけど……(笑)。あたしが普通に日本語で説明すると、まほちゆが擬音で通訳してくれるんですよ。能登が話して松永が通訳して初めて萌絵に伝わるみたいな。
松永 私の言葉は萌絵に伝わるのですごく自信を持ちました(笑)。
豊田 姉妹だから!
松永 たとえば今回の「Melancholic Sunshine」のPVで手を回すふりがあるんですけど、一回回して、止めて、戻ってこないといけないんです。そのタイミングをのっちはカウントで教えてくれるんですね。
伊藤 (それが普通……)。
能登 (うん、そうだよ、あってるよ)。
松永 私たちはここにきたら行き止まるので、「行き止まるー、行き止まるー、行き止まるー」って言いながらやったらできたんです。
豊田 結果できたので、ねーさんには感謝しています!
──豊田さんは「全国のお兄ちゃんの成績を下げてしまう魔性の妹」なんですよね。
豊田 いつの間にかそうなりました。
一同 自分発信だよ!
豊田 元々は、新生StylipSに入って最初のアーティスト写真を見たディレクターさんが「妹っぽいね」「これは全国のお兄ちゃん成績下がっちゃうわ」と言ったのがきっかけなんです!
──豊田さん自身はご兄弟は?
豊田 兄がいて、ほんとに妹です。そういうところは出てるかもしれません。
松永 私は末っ子でいたら急に妹が出来ました(笑)。それもまたいいかなと思ってます。
──では伊藤さんがどんな仲間か教えてください。
能登 美来は真面目ですね。すーごい真面目で、だからこそ考え過ぎちゃうところもありますね。真面目で、私にとっては唯一の話が通じる人間……(笑)。
豊田 こっちが通じないみたい!
松永 通じない感じの扱いになってる!
能登 話が通じあったり、ペアになったりする組み合わせは時と場合によって変わりますけどね(笑)。でも美来は最近、男子をキュンとさせる技を身につけ始めている気がします。
豊田 実はうちの美来がいちばんあざといんですよ!
能登 最初はただの高校生だったのに。
豊田 私の場合は美来と違ってですね、ナチュラルあざといなんですよ。
松永 ちょっと待って、ナチュラルあざといってまず何?
豊田 私は普通に生活していたらあざとくなってしまうんです。それと別に考えて思考でやるあざとさがあるんです!
伊藤 私は作ってるってこと?(笑)。
能登 萌絵のあざとさはちょっといらっとするあざとさなんですよ。美来のは万人がうんうん、そうそうこれこれってなるあざとさなんです。
伊藤 私は全然意識してないんですけど、そう言ってもらえるのはきっとかわいく見えることがあるということだと思うので、褒め言葉だと思っておきます!
能登 絶対家で練習してるでしょ、このタイミングでウィンクするといいとか。
伊藤 あ、それはあります。PV撮影前とかライブ前に、ここでこういうウィンクをしようとか、この振りでこういう顔をしたら伝わるかなとかは考えます。
豊田 美来はアイドル性があるよね。
能登 まほちゅから見て美来は?
松永 最初は見ていて心配になるぐらい真面目な子だなって思いました。きちんきちんと段階を踏んで考えていくタイプなので、ひとつのステップをクリアしないと次にいっちゃいけないと思っているようなイメージがありました。でもそのうち美来がいろいろ相談してくれるようになって、頼ってくれるようになって。真面目さは変わらないけど固かったのが柔らかくなって、笑顔が増えた気がします。最近は私の悪ふざけにもしょうがないなって顔でつきあってくれます(笑)。優しい後輩です。
伊藤 このメンバーで活動して一年も経つので、だんだんひとりよがりじゃなく、みんなで一緒に成長して進んでいけばいいんだなって思うようになりました。
──伊藤さんはすごく予習をしてくるとか、新しい作品に参加するときはレポートをまとめてくるといった話をスタッフさんからよく聞きます。
伊藤 最初は何をしたらいいのかがまずわからなかったんです。歌をうたうにも音楽を聴いたらいいのか歌詞を読んだらいいのかもわからないので、まず自分で考えてみようと思ってノートとペンを取るようになりました。でもそうしているうちに、書いたりまとめたりすることが楽しくなってしまったんです。いいものができたり褒めてもらえたらうれしいので、ずっとやるようになりました。
松永 優等生、生徒会長気質な感じだね!
──伊藤さんは学校の勉強とかもそんな感じなんですか?
伊藤 一緒ですね。最初は不安で始めるんですけど、やっているうちに楽しくなっちゃうんです。
豊田 ……すごい!
伊藤 これからも頑張ろうと思います(笑)。
──では最後は能登さんについて皆さんから教えてください。
伊藤 のっちさんは私が最初研修生になったときに、初めて教えてくださった先輩です。みんなにとって先輩なんですけど。私はテレビや雑誌で元々のっちさんのことは知ってました。普段はすごく明るくてわきゃわきゃっとしてるんですけど、ステージやお仕事ではすごく真剣に、熱心に真正面から教えてくれる先輩であり、ムードメーカーです。
豊田 私たちが研修生の頃、のっちさんがクッキーをくれたんです。私はありがとうございますってウキウキしながら食べたんですけど、美来が食べないのでどうしたのって聞いたら、「だって芸能人からもらったクッキーだよ!」って言って写真を撮ってました(笑)。
伊藤 おうちに持って帰って、お母さんに見せました(笑)。のっちさんはお菓子作りも上手なんです。きっとお料理とかも上手なんだろうなって思ってます。
松永 え、(能登は)お料理は上手じゃないよ!
豊田 え、そうなんですか?
能登 測るのは得意なんです。理詰めなので、でも日常生活の料理は感覚的なところが……。
豊田 「塩少々」とかがわからないみたいな。
能登 何中途半端なこと言ってるんだよってなりますね。
豊田 そういう親しみやすいところがたくさんあって、距離が近いというか、気さくで、壁を壊してくれる先輩です。そういうのっち先輩がいるからこその今のStylipSだと思います。
松永 私にとっても初めての先輩で、先輩との関係って普通はこちらが扉をノックして相手が開けてくれないと成立しないものだと思うんですけど、ノックする前にぶち壊してくるような先輩なんです。初めての先輩がこんなにいい先輩で本当にうれしかったし、いい意味でオンとオフがすごくしっかりしてるんです。プライベートの私とご飯を食べたり、飲みに行ったりするのっちと、お仕事で会うのっちはまるで違うんです。ダンスのレッスンで、駄目なところはのっちは真剣に注意してくれるんですね。でもそれを引きずらなくて、すぐにまたジョークを言ってくれたり、そういうところに私はすごく救われてます。そういうところが私の父に似てるんです(笑)。あとはのっちはすごい食べる!
豊田 うん、食べる……(笑)。
松永 のっちとご飯に行っても、私がずっとお酒を飲んでて、のっちはずっと食べてる。私がずっと喋って、のっちは聞きながら食べる。どこまで聞いてくれてるかはわからないけどずっと食べてるんです。この小さい身体から出てくるパワーは、食べたものが全部エネルギーになってるんだと思います。
能登 松永とふたりで飲みに行くと、松永の話が長いんですよ(笑)。うんうんって話をずっと聞きながら飲んで食べるので、いっぱいになるのがすごく早いんです(笑)。酔いは回るしおなかいっぱいになるし。でも一緒にいるにはバランスがいいのかもしれないです。
松永 だから二軒目とかはいけないんですよ。のっちがすぐに酔っ払っちゃうから、21時ぐらいに……。
能登 「はい、解散」ってね(笑)。
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